・日米首脳会議、安倍首相の安全保障米議会演説、安保協力については各紙がそれぞれの立場から報じた。
・米WSJアジア版(AWSJ)は、4月30日付の1面で日米協力の重要性を強調。翌30日は中面で、米議会に向かって日米協力の重要性を強調したと伝えた。演説の中身に対する論評は目立たなかった。事実を淡々と伝える姿勢を維持した感じだが、日米軍事協力を重視する同紙の立場を映した面もある。
・英FT紙は29日付1面で日米首脳会談の写真を使用。防衛協力強化などについて報道した。翌30日の紙面の安倍首相演説を報じた記事は”Abe congress speech disappoints critics"という見出し。歴史問題について日本を批判する人を満足させるものではなかったと、当たり前と言えば当たり前の視点だ。また、26日付(電子版)社説では、"US should back Japan but not at any price"と論評。日米同盟強化の目的が、中国を封じ込めるものではなく、中国を世界と協調させるためのものではければならないと主張している。
・中韓はお詫びや侵略の表現がなかったことを批判。予想通りの反応だ。
・中国の拡大で東アジアの安全保障体制は変わろうとしている。日米安全保障協力の強化は地位安定への一つの課題だろうが、それには日本の歴史問題なども絡む。様々な要因が絡むみ、情勢は唐桟ながら複雑。そんな第2次大戦後70年の状況を、今回の反応は映している。
2015.5.3