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2021年1月24日 (日)

◆バイデン新政権の行方 2021.1.24

 米国にバイデン政権が発足した。コロナ感染が続き、米社会の分断が一段と進む中での就任。米中対立など、外交上の懸案も山積だ。新政権はどんな方向に進むのか。

▼異例の就任式

 1月20日、ワシントンの連邦議会議事堂前で行われたバイデン大統領の就任式は異例ずくめだった。新型コロナの流行下で、人々の集合は制限。式場から続く広場(ナショナル・モール)に人々の姿はなく、何万本もの星条旗が代わりに立てられた。

 1月6日のトランプ支持派による議会占拠事件を受け、ワシントンは厳重警戒。市内のあちらこちらにバリケードが築かれ、2万5000人(米国がアフガニスタンやイラクに派遣する兵士より多い)もの州兵が招集され警備に当たった。

 コロナと抗議活動の暴徒化への警戒。就任式は米国の現状を図らずも映し出した。

▼結束を訴え

 就任演説で強調したのが、国民の結束だ。結束(Unity)という言葉を何度も繰り返した。民主党と共和党、保守とリベラル、地方と都市などの分断の克服を呼び掛けた。

 

 裏を返せば、それだけ米国の分断が深刻ということだろう。1980年代頃から指摘される米社会の分断は、経済的な格差などに加えイデオロギー的な面も加わり、トランプ時代の4年間で一層深刻になった。トランプ氏は152年ぶりに、次期大統領の就任式を欠席した。

▼コロナ、国際協調

 バイデン氏は演説でまた、コロナ禍克服への戦いを強調。国際的には、トランプ時代の米国第1政策を改め、同盟関係を修復すると力説した。

 ただし、具体的な政策に触れることはなく、米外交の最大の関心事である対中関係について語られることはなかった。

▼試される時

 演説は、現在が試される(testing)時であると指摘。具体的に民主主義と真実への挑戦、コロナ、格差(不平等)の拡大、人種差別、気候変動などに直面していると挙げた。世界における米国の役割も問われていると語った。米国や世界が直面する難問について、率直に語ったと位置付けられるだろう。

 就任式の後、バイデン大統領はパリ協定への復帰など15の大統領令に署名。政権が始動した。

▼熱狂から常識

 就任式から熱狂は感じられなかった。12年前のオバマ大統領就任時のような、明るい希望に満ちた雰囲気もなかった。

 一方で、演説はバランスがとれ、内容は極めて常識的で奇をてらったところはなかった。トランプ前大統領のような危うさは感じられない。バイデン政権の特徴を映していたと言えるかもしれない。 

▼今後4年間の行方

 バイデン政権がトランプ時代の極端な政策の一部を元に戻すことは確実だろう。トランプ政権時代に悪化した欧州など同盟国との関係を修復し、国際協調路線に戻るのは間違いない。パリ協定への復帰はその代表だ。民主主義を尊重する姿勢を強め、人種差別是正も強めるだろう。

 しかし、米社会の分断の流れを逆転するのは容易ではない。外交政策の中心となる対中政策の行方も不透明だ。ブリンケン国務長官候補は、トランプ政権の対中強硬姿勢は基本的に正しかったと議会証言した。トランプ政権時代からの基本線を変えずに、何を変えるのか。

 そもそも、バイデン政権は弱い政権になるとの観測も少なくない。ユーラシア・グループのイアン・ブレマー氏などが指摘する。バイデン時代を見る際、政権の弱さも要素になるかもしれない。

 バイデン政権は4年間で何をすることになるのか。何ができるのかーーこの基本的な問いを抱きながら、動向を眺める必要があるだろう。

 

・バリケードと無人の広場の就任式
・初演説 世界の課題はよく分かる
・熱狂消え 常識前面 新政権
・「結束」の声よく届く半数に
・平凡がマシと感じるトランプ後

 

2021.12.24

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