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2021年1月

2021年1月31日 (日)

2021年04号 (1.25-31 通算1072号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2021年1月25-31日
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◆新型コロナ感染確認1億人、ワクチン巡り対立・問題も(27日)☆
・世界の感染確認者数が1億人を突破した。実際の感染者は、遥かに多いと推測される。
・欧米の昨年末からの感染第3波は一服しつつあるが、右肩上がりは変わらない。
・感染力の強い変異種の感染が増えている。重症者、死者数は高止まりだ。
・昨年末から欧米などでワクチン接種が始まったが、予定通りには進んでいない。
・EUではファイザーと英アストラゼネカからの提供が契約より遅れ、紛争になっている。
・新興国は先進国がワクチンを囲い込んでいると批判。対立の構図は多岐に及ぶ。
・「ワクチン・ナショナリズム」という言葉も使われ、批判の対象になっている。
・中国やロシアは新興国向けの供給を拡大。ワクチン外交を展開する。
・ワクチンの有効性を巡る問題も浮上している。
・ドイツは28日、アストロゼネカ製ワクチンの接種を64歳以下に限ると判断した。

◆米ロ新START延長で基本合意(28日)☆
・バイデン、プーチン両大統領が電話会談し、新STARTの5年延長で大筋合意した。
・核兵器削減の条約で、ICBM(大陸間ミサイル)やSLBM(潜水艦発射型)などを制限する。
・米ロ間に結ばれた核軍縮条約が相次ぎ失効する中で、唯一残る条約だった。
・条約の期限は2月5日だった。トランプ前政権時代は米ロ関係悪化を背景に交渉が遅れた。
・条約が失効すれば、査察や情報交換の枠組みがなくなり、軍拡加速の恐れがあった。
・米国内には核軍縮の枠組みに中国を入れるべきだとの声があったが、今回は棚上げした。
・世界には現在約1万3000の核弾頭があり、90%以上を米ロが保有するとみられる。

◆バイデン政権が米国製品優先強化(25日)☆
・バイデン米大統領は政府調達で米製品を優先する大統領令に署名した。
・バイ・アメリカン法の運用強化を定める内容。国内製造業の支援が狙いだ。
・トランプ前政権の打ち出した政策を基本的に踏襲する格好だ。
・バイデン政権は国際協調を打ち出すが、経済面では米製造業保護をにじませる。

◆テスラ初の通年黒字(27日)
・テスラの2020年通年の決算が、初の黒字になった。最終黒字は7億㌦だった。
・20年のEV販売は49.9万台で、前年比36%増加した。
・世界的な脱炭素化、EV車化の流れを背景に事業拡大、業績改善が進んだ。
・株価は2020年に8.2倍上昇。時価総額は1月末で約7500憶ドル。FBをもしのぐ。
・自動車業界では2位のトヨタの4倍近い。
・投機マネーに支えられる面もあるが、EV化を反映する動きだ。

◆米でSNS利用の個人投資家が市場翻弄、規制政策に一石 ☆(^^)
・米株式市場でSNS利用の個人投資家が市場を翻弄。世界的に注目を集めた。
・米国ヘッジファンドのシトロンが中小株のゲームストップに空売りを仕掛けていた。
・この動きを批判する人々が、SNSのレディットに空売りへの対抗を呼び掛け。
・応じた個人投資家が同社株購入を進め株価が急騰した。売買高はアップルを上回った。
・ヘッジファンドのシトロンは多額の損害を被ったと報道される。
・個人株主の大量売買を可能にしたのは、スマホ証券ロビンフッドのサービスもある。
・ロビンフッドは28日、一部銘柄の取引を停止した。個人投資家からは批判も上がる。
・動きの背景には、格差拡大によるヘッジファンドや富裕層への不満もある。
・SECは29日、証券会社や投資家の調査に乗り出すと発表。規制のあり方にも一石を投じる。

 

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◎寸評:of the Week
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 【コロナと分断・格差拡大】 コロナの感染拡大が本格的に始まって約1年を経過し、感染確認者は1億人を超えた。世界中で人の動きが止まり、経済活動が大きく制約されるなど影響は深刻だ。前週は、格差拡大や分断の深刻化を映す動きも相次いだ。

 昨年末からワクチンの接種が始まった。しかし接種は当初予定より遅れているうえに、一部先進国に偏っている。新興国はワクチン確保がままならない。先進国に対する「ワクチン・ナショナリズム」の批判も強まってきた。

 欧州内では対立の動きが表面化した。アストラゼネカがEUに対し、当初の出荷計画が遅れると通達(英国への出荷の遅れは少ない)。これに対しEUが反発し、とげとげしい状況になった。EUからは、ワクチンの域外禁輸を主張する意見がでた。分断の拡大を助長しかねない。

 企業の2020年10-12月期の決算発表が始まった。アップルなど大手IT企業は未曾有の好業績を記録した。コロナによるテレワークやオンライン会議拡大などの恩恵を受けたカ国だ。世界経済全体がコロナ禍で大きな打撃を受けているのとは好対照だ。

 米国ではSNSでつながった個人投資家が、中小株のゲームストップの購入を急拡大。同株に空売りを仕掛けていたヘッジファンドのシトロンに損害を負わせた。この動きは米国のみならず、世界で注目を集めた。注目の理由は、市場のかく乱という側面だけでなく、ヘッジファンド批判の世論にもあった。こうした動きが出て来た背後には格、差拡大と、ヘッジファンドなどの投機筋、大金持ちに対する批判がある。コロナによる格差拡大と無関係ではない。

 コロナの影響は感染拡大、医療、生活への影響、経済の打撃など様々な面に表れている。反応は様々だ。格差の拡大や社会の分断に対する反応は、今後どんな形で広がっていくのか。

◎ ワクチンは希望、時々紛争源
◎ 疫病がもう一つ広げる不平等
◎ GAFAらの株主満足コロナの春

 

◎今週の注目(2021年2月1-7日 &当面の注目)
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・WHOの調査団が中国・武漢入りしている。新型コロナの感染が最初に拡大した都市。どんな形で調査が進み、どのような発表が行われるのか。

 

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2021年1月24日 (日)

◆バイデン新政権の行方 2021.1.24

 米国にバイデン政権が発足した。コロナ感染が続き、米社会の分断が一段と進む中での就任。米中対立など、外交上の懸案も山積だ。新政権はどんな方向に進むのか。

▼異例の就任式

 1月20日、ワシントンの連邦議会議事堂前で行われたバイデン大統領の就任式は異例ずくめだった。新型コロナの流行下で、人々の集合は制限。式場から続く広場(ナショナル・モール)に人々の姿はなく、何万本もの星条旗が代わりに立てられた。

 1月6日のトランプ支持派による議会占拠事件を受け、ワシントンは厳重警戒。市内のあちらこちらにバリケードが築かれ、2万5000人(米国がアフガニスタンやイラクに派遣する兵士より多い)もの州兵が招集され警備に当たった。

 コロナと抗議活動の暴徒化への警戒。就任式は米国の現状を図らずも映し出した。

▼結束を訴え

 就任演説で強調したのが、国民の結束だ。結束(Unity)という言葉を何度も繰り返した。民主党と共和党、保守とリベラル、地方と都市などの分断の克服を呼び掛けた。

 

 裏を返せば、それだけ米国の分断が深刻ということだろう。1980年代頃から指摘される米社会の分断は、経済的な格差などに加えイデオロギー的な面も加わり、トランプ時代の4年間で一層深刻になった。トランプ氏は152年ぶりに、次期大統領の就任式を欠席した。

▼コロナ、国際協調

 バイデン氏は演説でまた、コロナ禍克服への戦いを強調。国際的には、トランプ時代の米国第1政策を改め、同盟関係を修復すると力説した。

 ただし、具体的な政策に触れることはなく、米外交の最大の関心事である対中関係について語られることはなかった。

▼試される時

 演説は、現在が試される(testing)時であると指摘。具体的に民主主義と真実への挑戦、コロナ、格差(不平等)の拡大、人種差別、気候変動などに直面していると挙げた。世界における米国の役割も問われていると語った。米国や世界が直面する難問について、率直に語ったと位置付けられるだろう。

 就任式の後、バイデン大統領はパリ協定への復帰など15の大統領令に署名。政権が始動した。

▼熱狂から常識

 就任式から熱狂は感じられなかった。12年前のオバマ大統領就任時のような、明るい希望に満ちた雰囲気もなかった。

 一方で、演説はバランスがとれ、内容は極めて常識的で奇をてらったところはなかった。トランプ前大統領のような危うさは感じられない。バイデン政権の特徴を映していたと言えるかもしれない。 

▼今後4年間の行方

 バイデン政権がトランプ時代の極端な政策の一部を元に戻すことは確実だろう。トランプ政権時代に悪化した欧州など同盟国との関係を修復し、国際協調路線に戻るのは間違いない。パリ協定への復帰はその代表だ。民主主義を尊重する姿勢を強め、人種差別是正も強めるだろう。

 しかし、米社会の分断の流れを逆転するのは容易ではない。外交政策の中心となる対中政策の行方も不透明だ。ブリンケン国務長官候補は、トランプ政権の対中強硬姿勢は基本的に正しかったと議会証言した。トランプ政権時代からの基本線を変えずに、何を変えるのか。

 そもそも、バイデン政権は弱い政権になるとの観測も少なくない。ユーラシア・グループのイアン・ブレマー氏などが指摘する。バイデン時代を見る際、政権の弱さも要素になるかもしれない。

 バイデン政権は4年間で何をすることになるのか。何ができるのかーーこの基本的な問いを抱きながら、動向を眺める必要があるだろう。

 

・バリケードと無人の広場の就任式
・初演説 世界の課題はよく分かる
・熱狂消え 常識前面 新政権
・「結束」の声よく届く半数に
・平凡がマシと感じるトランプ後

 

2021.12.24

◆トランプ時代の4年が残したもの 2021.1.24

 米国にバイデン新政権が発足し、トランプ政権が終わった。米史上異例ずくめだったトランプ大統領の4年間はどんな時代だったのか。要点を整理する。

▼米国第1の外交

 トランプ時代のレビューは、バイデン氏当選確定の際にもまとめている。

 (◆米大統領選をどう読む――トランプ時代の4年間と今後の世界 2020.11.8)

 ここでは、その後の動向も加え少し色彩を変えた切り口から眺めてみたい。

 トランプ政権が4年間に行った政策や事件などへの対応を振り返ると、従来の政権とは一線を画すものが多い点に改めて気付く。

 外交では「米国第1」を基本政策に据えて国際協調路線を後退。地球温暖化のパリ協定やイラン核合意から離脱した。G7首脳会議では合意したはずの宣言への署名拒否や途中帰国などが物議を呼んだ。

 対中強硬姿勢を強め、貿易やハイテク、安保の分野で米中対立を激化させた。中国からの輸入品への関税は大幅に高まり(中国では米製品への関税が増加)、ファーウェイなどハイテク企業は米市場から締め出された。

 同盟関係にある欧州との関係を冷却させた。中東では親イスラエル・反イランの姿勢を鮮明にした。エルサレムをイスラエルの首都として認め、イスラエルとUAEなどの国交樹立を支援した。イラン司令官を暗殺した。トランプ政権の4年間で、中東では従来の国際合意が覆され、後戻りできない既成事実が積み重ねられた。

▼分断と対立を助長

 国内的に目立ったのは、社会の分断と対立を助長するような行動だ。トランプ氏は2017年の就任早々、厳格な移民政策を打ち出し、イスラム諸国などからの移民を禁止や規制した。メキシコ国境に新たな壁の建設に動き、不法移民に対する措置を厳格にした。

 反人種差別運動などでは、白人警察などの肩を持つような発言をし、社会の対立を助長した。最高裁判事の人事などでは保守派の利益を貫いた。

 経済的には景気刺激を優先。また環境保護よりエネルギー産業を優先する姿勢も目立った。

 これらの判断は、支持基盤の宗教保守や白人労働者層などの利益を優先させていた面が強い。国民全体の利益を考えるというより、支持基盤を優先。これが分断を助長することにつながった。

 民主主義の尊重を重視しないかのような姿勢も目立った。自身の納税情報などは、最後まで公開を拒否した。

▼統治能力の欠如とスキャンダル

 政策の実行や統治面で欠陥を露呈する場面も多く、スキャンダルも目立った。

 トランプ政権は発足当初から、ロシア疑惑、ウクライナ疑惑など相次ぐスキャンダルに見舞われ、2019年にはトランプ大統領がウクライナ疑惑で下院から弾劾訴追を受けた。

 トランプ政権内はごたごたが続き、閣僚や政府高官の辞任や解任が相次いだ。政権の機能不全が指摘される場面も少なくなかった。

 政策遂行能力の欠陥が露呈する形になったのが新型コロナ対策。政権は感染の押さえ込みに失敗し、米国の感染者、死者は世界で最大だ。これが結果的に、トランプ氏の再選を妨げることになった。

▼ポピュリスト的な手法

 メディアの使い方も異例だった。伝統的なマスメディアよりツイッターなどSNSを重視し、国民に直接訴える手法を取った。SNSは複雑な事象を正確に伝えるというより、物事を単純に伝えがち。視聴者が受け止めやすい情報ばかりを流すポピュリスト的な色彩もある。SNSの視聴者は、自分の見たい情報ばかりを見るという特性もある。これが国民の分断を一層加速させる結果にもつながったとの指摘も多い。

 ポピュリスト的な情報発信や政治手法は、政権の最終盤でトランプ氏自身にしっぺ返しで戻ってきた。1月6日にワシントンで選挙結果に抗議するデモを煽った結果、参加者の一部がトランプ氏の予想を超えて暴徒化。議会に乱入した。国民のトランプ氏への批判は強まった。

 ツイッターやFBなどのSNSはトランプ氏のアカウントを停止。SNSとの関係は全く次元の異なる段階に入った。この辺の動きも、従来の大統領にはない異例のものだ。

▼トランプ政権の遺産

 トランプ氏就任の際、政権の役割として第2次大戦後に作られた秩序の再編役になるとの分析があった。米中対立は「新冷戦」や「デカップリング」と呼ばれる状況になり、この路線はバイデン政権になっても大きく変わることはなさそうだ。中東情勢も、対イスラエル政策など後戻りができない政策をいくつも重ねた。

 国内的に、トランプ流の影響がどこまで残るかは不透明。トランプ氏のポピュリスト的な手法が受け継がれる可能性はゼロではない。民主主義軽視と見られるような傾向が残るとすれば深刻だ。貧しい白人層に焦点を当てたトランプ氏の問題意識が受け継がれるかどうかも分からない。

 トランプ氏への毀誉褒貶は分かれ、評価は今後も揺れそうだ。現時点で明確なのは、米中関係や中東政策の遺産だけは残るという点だろう。

2021.1.24

 

 

2021年03号 (1.18-24 通算1071号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2021年1月18-24日
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◆バイデン米大統領が就任(20日)☆
・バイデン氏が第46代の米大統領に就任した。78歳で史上最年長。
・コロナ感染と米議会乱入事件を受け、就任式は異例の警戒態勢の下で開催された。
・就任演説で同氏は米国の結束と民主主義、コロナ克服、国際協調への回帰を強調した。
・同日パリ協定復帰など15本の大統領令に署名。トランプ時代からの転換を示した。
・21日にはコロナ対応の大統領令10本に署名した。
・新政権は米社会の分断、コロナ対策、対中政策などの課題に直面する。
・大統領の政策やリーダーシップに世界の注目が集まる。

◆トランプ氏、影響力維持に意欲、就任式は152年ぶり欠席 ☆
・トランプ大統領は新大統領の就任式を欠席した。152年ぶり。
・ワシントン郊外の空軍基地で退任式を行い、「何らかの形で戻ってくる」と述べた。
・「運動は始まったばかり」とも述べ、影響力の維持に意欲を見せた格好だ。
・米議会占拠事件で同氏への批判が強まったが、共和党支持者内での人気はなお高い。
・同氏は弾劾訴追されており、上院で弾劾裁判が2月以降に開かれる見通しだ。
・弾劾には共和党から最低17人の離反が必要。共和党内のトランプ離れがカギを握る。
・少なくとも当面、トランプ氏が米政治の焦点の一つであり続ける。

◆ロシア当局が反体制派指導者拘束、支持者の抗議活動も(17日以降)☆
・反体制派指導者のナワリヌイ氏が17日に帰国、モスクワの空港で拘束された。
・ロシア当局は18日、同氏を30日間拘留すると決定した。
・当局は21日、同氏陣営幹部らを一斉拘束した。
・ナワリヌイ氏支持者らは23日、モスクワなどで抗議活動を行った。
・同陣営は19日、プーチン氏のために黒海沿岸に建てたとされる宮殿の情報を配信した。
・ナワリヌイ氏は8月、毒殺未遂で重体となりドイツで治療を受けていた。

◆コロナ感染、武漢封鎖から1年(23日)☆
・新型コロナの感染拡大による中国・武漢の封鎖から1年を経過した。
・その後コロナ感染は全地球に拡大。世界の風景を一変させた。
・1年間で感染確認者は1億人弱、死者は200万人を超えた。
・2020年末から欧米などでワクチンの接種が始まったが、普及までには時間がかかる。
・ウイルスの変異種の出現もあり、感染終息の見通しは依然立たない。

◆核禁止条約が発効(22日)
・核兵器の保有や使用を禁止する核兵器禁止条約が批准約50カ国・地域で発効した。
・批准国は中南米やアフリカなどに多い。署名は86カ国が行った。
・批准・署名国は中南米やアフリカに多く、先進国ではオーストリア、NZ等を含む。
・核保有国はP5を含め参加していない。
・核保有国はNPT体制下での核軍縮を目指してきたが、進んでいない。
・非保有国は保有国の姿勢を批判、2017年に国連で核禁止条約を採決した。

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◎寸評:of the Week
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 【バイデン大統領就任】 バイデン大統領が就任した。就任式では米国の結束と国際協調路線を強調。就任初日から地球温暖化のパリ協定復帰などトランプ時代と一線を画す姿勢を示した。(→国際ニュースを切る)

 【トランプの4年間】 米国や世界の動きを見るうえで、トランプ時代の総括も欠かせない。4年間に残したものを整理してみる。(→国際ニュースを切る)。

 

◎今週の注目(2021年1月25-31日 &当面の注目)
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・バイデン政権が本格始動する。
・新型コロナの感染拡大の動向からも目が離せない。
・ベトナムの共産党大会が1月25日から。

 

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2021年1月17日 (日)

◆バイデン政権発足前夜ーートランプ弾劾で異例の空気 2021.1.17

 バイデン政権発足まであと数日。6日に連邦議会議事堂選挙時間があったワシントンは警戒態勢の下にある。

▼トランプ弾劾訴追

 米下院は13日、トランプ大統領を弾劾訴追した。議会占拠事件を、トランプ氏が扇動したという主張だ。野党民主党議員だけでなく、与党共和党からも10人が賛成に回った。トランプ維持は2019年12月にもウクライナ疑惑を巡り弾劾訴追を受けている。大統領が任期中に2回の弾劾訴追を受けるのは米史上初めてだ。

 政権終了まであと1週間。上院での弾劾裁判は、バイデン氏就任の後になる見込みだ。この時期の弾劾訴追はもちろん異例だ。

 民主党はトランプ氏退任後の影響力を削ぐ狙いとの観測がある。一方共和党内にも、トランプ氏の影響力排除を願う意見もあり、今後の展開は複雑な要素が絡む。

▼警戒態勢

 ワシントンは厳重警戒の下にある。多数の州兵などが集結され、ホワイトハウス周辺などはバリケードに囲まれた。

 20日の就任式に合わせて抗議デモが計画されているとの情報もある。雰囲気は重々しい。英BBCは、"America on alert"と表現する。

▼IT大手のトランプ氏へのサービス停止;それに対する批判

 ツイッターやFBなど大手SNSは、トランプ氏のアカウントを永久に停止した。アマゾン子会社のAWSは、トランプ支持者の利用が多い新興SNSパーラーへのサービスを停止した。グーグルやアップルは、パーラーを配信サービスから除外した。

 各社が停止を決めたのは、暴力を先導しているとの理由。しかし、判断が恣意的との批判もある。

 ドイツのメルケル首相は、サービス停止を決めるのは企業ではなく、法律に沿うべきだと主張。ツイッターを批判した。メルケル氏はこれまでトランプ米大統領の政策や手法を厳しく批判し、反トランプ色を強く打ち出してきた。そのメルケル氏によるツイッター批判だけに、重みがある。

 フランスのルメール経済相やロシア反体制派のナワルヌイ氏もツイッターなどの判断を批判する。SNSによるトランプ氏アカウント停止問題への反応は、米国と欧州でかなり異なる。

 ネットと表現の自由を巡る議論は複雑。簡単に結論が出るものではない。ただ、今回のサービス停止を機に、封印されていた問題が表面化したのは間違いない。トランプ氏支持者は大手SNSへの批判を強める。パーラーはAWSを独禁法違反で提訴した。社会の分断がまた拡大する懸念が強まる。

▼就任式への関心

 米大統領就任式は、これまで祝福と期待に満ちたものであることが多かった。今回は全く異なる。物々しさと緊張、社会の分断の空気が漂う中での就任となる。

 社会の分断、コロナ、対中関係――米国が抱える問題は数多く、根が深い。そこにトランプ氏弾劾の問題も加わった。

 米政治は当面、バイデン新大統領の政策とともに、トランプ維持や共和党の動きからも目を離せない状況が続く見通しだ。

 正常とは程遠い状況下での新大統領の就任式。世界にどんなメッセージを発し、それを世界がどう受け止めるか。極めて重要だ。

◎ 団結も弾劾も願う門出の日
◎ 弾劾を「またか」に変えた一時代

2012.1.17

 

 

2021年02号 (1.10-17 通算1070号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2021年1月10-17日
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◆米下院がトランプ大統領を弾劾訴追(13日)☆
・下院はトランプ氏を弾劾訴追した。連邦議会占拠を扇動したと主張した。
・野党民主党に加え、共和党からも10人が賛成した。
・同氏弾劾訴追は2019年12月に続き2回目。2回の訴追は史上初だ。
・焦点は上院の弾劾裁判に移る。開催は20日のバイデン政権発足後になる見込み。
・任期切れまで1週間余りでの弾劾訴追は異例。
・民主党にとっては、トランプ氏の退任後の影響力を削ぐ狙いもあるとみられる。

◆米IT大手がトランプ氏や極右にサービス停止、欧州からは批判も☆
・ツイッター、FBなどの大手ITがトランプ氏らへのサービスを相次ぎ停止した。
・ツイッターは8日、トランプ氏のアカウントを永久停止した。FBも7日停止した。
・アマゾン子会社AWSは9日、新興SNSパーラーにサービス提供停止を通告した。
・グーグルやアップルはパーラーを配信サービスから除去した。
・パーラーは投稿規制が弱く、トランプ氏支持者の利用が拡大していた。
・大手IT企業は、トランプ氏らの投稿が暴力を煽るとし、停止の判断を正当化する。
・しかし判断は恣意的で、言論の自由を奪うとの批判もある。
・メルケル独首相はツイッターの判断を批判。言論の自由制限は法規制によるべきと言う。
・ルメール仏経済相や、ロシアの反体制派のナワルヌイ氏も判断を批判する。
・パーラーは11日までに、AWSを独禁法違反に当たると提訴した。

◆コロナ死者200万人(15日)☆
・新型コロナによる死者が世界全体で200万人を突破した。
・死者が多いのは米国39万人、ブラジル20万人、インド15万人、メキシコ14万人など。
・欧州でも英国やイタリアが8万人以上の死者を出している。
・感染確認者は9300万人超。以前右肩上がりで推移している。
・英国や南アなどから広がった変異種の感染も拡大している。

◆ドイツ与党党首に中道のラシェット氏、メルケル後継の軸に(16日)
・与党CDU(キリスト教民主同盟)は新党首にラシェット氏(59)を選出した。
・中道で親メルケル。ノルトライン・ウエストファーレン州首相を務める。
・保守派のメルツ元院内総務らを破った。
・独では今秋総選挙が予定され、メルケル氏は引退を表明している。
・CDUおよび姉妹政党CSUの首相候補選びは、ラシェット氏を軸に進む。
・ただ、情勢によってはゼーダーCSU党首らが浮上する可能性もある。

◆北朝鮮党大会、米への強硬路線鮮明に(12日まで)
・北朝鮮は5-12日、5年ぶりの労働党大会を開催した。
・核をはじめとする軍事増強路線を鮮明にし、米国への強硬姿勢を強めた。
・米トランプ政権との対話路線が成果を生まず、再び強硬姿勢を強める模様だ。
・大会は金正恩氏を総書記に選出した。祖父の金日成や父・金正日の呼称を復活した。
・新指導部人事では、妹の金与正氏が政治局から外れた。
・コロナの影響もあり経済は苦境にある。金総書記も経済目標の未達を認めた。

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◎寸評:of the Week
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 【バイデン政権発足前夜】 バイデン政権発足まであと数日。6日に連邦議会議事堂占拠事件があったワシントンは、警戒態勢の下にある。(→国際ニュースを切る)

 

 【重要ニュースが目白押し】 トップ5以外にも重要ニュースが目白押しだった。インド最高裁は12日、農作物の取引自由化を定めた農業新法を一時停止した。反対デモの拡大で混乱が広がっているためで、改革の行方は不透明感を増した。インドではコロナのワクチンの接種も始まった。韓国最高裁は14日、朴槿恵前大統領の裁判で上告棄却。朴氏の懲役20年の実刑が確定した。
 イタリア連立政権からレンツィ元首相の政党が離脱、政権崩壊の危機に直面した。オランダのルッテ内閣が15日総辞職した。税務当局が2重国籍者などに対し児童手当を不正に返還させていたことが発覚。責任を取る形だ。
 バイデン米次期大統領は総額1.9兆ドルのコロナ対策案を発表した。WHOの調査団がコロナ拡大野源となった中国武漢に到着した。

 

◎今週の注目(2021年1月18-24日 &当面の注目)
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・米大統領にバイデン氏が20日就任する。どんなメッセージを発するか。
・退任するトランプ氏や共和党の動きにも注目。
・新型コロナの感染拡大の動向からも目が離せない。

 

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2021年1月11日 (月)

◆米議会占拠の衝撃 2021.1.9

 米ワシントンでトランプ支持者が連邦議会を一時占拠した。社会に衝撃を与え、米民主主義に汚点を記したのはもちろんだが、影響はトランプ大統領への批判の急拡大、政治の力関係の変化、SNSによるアカウント停止など様々な方面に及ぶ。事態はなお流動的だが、現時点での情報を整理しておく。

▼約200年ぶりの議会攻撃

 連邦議会への乱入があったのは1月6日。議会では昨年11月の大統領選を受け、バイデン氏当選の最終確認を行うための審議が行われていた。

 数千人規模と言われるトランプ支持派が付近に集まり、抗議活動を展開した。トランプ氏も集会で演説し、議事堂に向かってデモ行進をするよう呼び掛けた。これが昼ごろの出来事だ。

 支持者は議会周辺に集まり、2時ごろに一部の過激派が突入。3時間以上にわたり居座り、破壊活動を行った。上下両院は一時休会。警察官がトランプ支持者を排除する過程で衝突。少なくとも5人が死亡した。混乱は夜まで続いた。

 米議会が攻撃対象となったのは、米英戦争時の1814年以来約200年ぶり。米民主主義に汚点を記す出来事になった。

▼トランプ氏への批判拡大

 事態を受けてトランプ米大統領への批判が野党民主党はもちろn、与党共和党からも高まった。

 トランプ氏は支持者に対し、活動を煽るような発言やSNS発信を繰り返した。SNSで「平和裏に」と呼び掛けたのは議会突入後30分以上たってから。「帰宅を」と呼び掛けたのは、その2時間後だった。ホワイトハウスは州兵の派遣を発表したが、トランプ氏は反対。ペンス副大統領が決断したと、米メディアは報じる。

 民主党はトランプ氏の罷免や弾劾を求める動きを示している。各国首脳も議会突入を厳しく非難、間接的にトランプ氏への批判をにじませた。

▼影響力に打撃か

 事件は政治力学のバランスにも影響している。共和党のトランプ支持派は議会の審議で、バイデン氏の当選に疑義を呈する発言を繰り返していた。しかし議会乱入を機にそうした議論は全く止まった。バイデン氏を次期大統領に選ぶ手続きが円滑に終了した。

 トランプ氏は7日の動画メッセージで、バイデン次期大統領への政権移行に協力することを表明した。事件を巡る批判が集中したのを受け、態度を軟化せざるを得なかった可能性がある。

 チャオ運輸長官など政権の幹部が相次いで辞任を表明。トランプ政権は最終盤にきて、求心力が一気に低下した。

 トランプ氏は退任後も共和党内に強い影響力を残し、2024年の大統領選出馬を探るとの見方もあった。その影響力が、急速に衰える可能性がある。

▼SNS・メディアとの関係にも一石

 事件を受けて、ツイッターとファイスブックはトランプ氏のアカウントを永久に凍結すると発表した。暴力を煽る内容があり、規約に違反したとの理由だ。

 ツイッターはトランプ氏が大統領選出馬時から情報発信のツールとして活用し、8000万人以上のフォロアーを持つ。トランプ氏は決定を、言論の自由に反すると批判。別のSNSなどを使って情報発信していく姿勢を示した。

 ツイッターなどの決定は、SNSのあり方やメディアと政治権力との関係についても物議を醸す。

 SNSや他のネットサービスは、ユーザーが発信する情報の内容に責任を持たないでいいという制度(米通信品位法230条)の下に発展してきた。情報の(取捨選択などの)編集権を放棄する立場は、ビジネスモデルの土台だった。

 しかしフェイクニュースやヘイトスピーチなどを見逃すような運営に世論の批判が高まり、規制の見直し議論が活発になっている。表現の自由と不適正情報の規制のバランスをどう取るかという問題と、プラットフォーマー(SNSやネットサービス運営者)の責任という問題が絡み、議論の行方は難しい。

 そこにトランプ氏のアカウント停止。議論がさらに広がりを持ち、国や民主主義の根底に関わる点に無縁ではいられない。それは、世界の表現の自由や、政治とメディアの関係にも関係してくる。

▼トランプ時代の終わり方

 トランプ氏が2016年に大統領選に当選した一因は、白人貧困層などの支持を得たため。その背景には、米社会の格差拡大や分断があったと指摘される。

 今回の事件で、トランプ支持層そのものへの批判が強まる可能性もある。トランプ現象があぶりだした社会の問題点が注目を失うとすれば、取り残された人々は別の扇動者や不満のはけ口を求めてさまようのか。

 トランプ時代の終わり方も、米社会の行方に影響する。

 

 

 

 

 

◆2021年の展望 2021.1.9

 2021年が始まった。新型コロナの感染拡大が続き、米国ではバイデン政権が始まる。中国は香港問題などで強硬姿勢を強め、米中対立は続く。2021年の世界を展望する。

▼コロナ、米新政権、中国

 2020年の世界を振り返ると、(1)新型コロナの感染拡大と世界の経済・社会への影響、(2)米大統領選バイデン氏勝利、トランプ時代幕引きへ(3)英国がEU離脱、(4)香港国家安全法で1国2制度空洞化――などが大きな動きだった。2021年の注目も、この延長線上に集中する。

 新型コロナはワクチン接種が始まったものの、普及までにはかなりの時間がかかる。実際、足元の感染拡大は加速し、欧米諸国は都市封鎖の再導入をしているところだ。

 2020年は行動規制で人々の動きが止まり、経済が大きく落ち込んだ。しかし、世界の物流網は維持され、金融システムの安定は保たれた。社会不安も限定的に留まった。

 しかし長引く危機で、経済不安や社会不安などのリスクが顕在化する恐れは否定できない。感染の行方そのものと共に、経済・社会システムの動向も2021年の焦点になる。

▼バイデン政権

 米国は4年間のトランプ時代が終わり、1月20日にバイデン政権が発足する。バイデン氏は「米国第1主義」を強調したトランプ時代の姿勢を改め、国際協調路線を強調する。しかし、外交政策で最も注目される対中関係のスタンスは現時点では不透明だ。中国を警戒する姿勢は党派を問わず強まっており、トランプ時代に決定的になった米中対立をどこまで修正するかは未知数だ。

 1月5日のジョージア州補選により民主党は上院も制することになった。しかし、バイデン政権は「弱い政権」になるという見方が強い。国内的には、社会の分断が一層決定的になった。多くの不透明要因を抱えてバイデン政権は発足する。

▼中国の行方と米中関係

 中国は当面コロナの封じ込めに成功し、先進国で例外的に2020年の経済成長でプラスを記録した。習近平主席は3期目に向けて権力を固めているとの情報が多い。香港問題での強硬姿勢に見るように、強権色を強めている。

 米中対立は貿易からハイテク、安保の分野に拡大し、「新冷戦」や「デカップリング」などの言葉も聞かれる。中国の動向は、世界の枠組みの行方を左右する重要な要素の1つだ。

▼ユーラシア・グループのリスク・ランキング

 米シンクタンクのユーラシア・グループは毎年、今年のリスクを発表している。2021年の10大リスクは以下の通り(カッコ内は同グループの日本語HPの表現)。サイバーリスクなどを含むところが特徴だ。

1.米バイデン政権の行方・米国の分断(46* (注釈付き第46代アメリカ大統領))
2.コロナ問題(コロナ後遺症)
3. 気候変動問題(気候問題:ネットゼロとGゼロの交差)
4.米中関係(米中の緊張は拡大する)
5.データを巡る主導権争い(グローバルデータの因果応報)
6.サイバーリスク(サイバーリスクサイバースペースの転換点)
7.トルコ情勢(孤立無援のトルコ)
8.原油情勢と中東(中東:原油価格の低迷が打撃をもたらす)
9.メルケル独首相退陣後の欧州(メルケル後の欧州)
10.中南米情勢(混迷が続く中南米)

▼FTの2021年展望

 英Financial Timesは毎年専門記者による新年展望を特集している。2021年の展望の主な内容は以下の通りだ。
 
>>コロナ・グローバル
・WHOはコロナの非常事態終結を宣言するか:しない
・世界の成人(50億人)の半数にワクチン接種ができるか:できない
・米中は貿易問題で合意に達するか:達しない

>>米国・バイデン政権
・バイデン米大統領はレームダック状況の大統領になるか:そうはならない
・米国はイラン核合意に復帰するか:する

>>欧州
・ジョンソン英首相の保守党は労働党に支持率で明確なリードを達成できるか:できない
・スコットランド独立の住民投票は実現するか:2021年は実現しない
・ドイツの緑の党は連立政権入りするか:する
・EUはポーランドなどに対し「法の支配」が不十分なことを理由に復興基金の供与を止めるか:止めない

>>アジア、世界各地
・香港で大規模な民主化デモが再発するか:しない
・インド経済はコロナ前の水準に回復するか:する

・ベネズエラのマドゥロ大統領は権限を維持するか:する
・エチオピアのアビィ首相は再選されるか:される

>>経済
・米経営者に少数民族は増えるか:それほど増えない
・2012年は電気自動車普及の節目の年になるか:なる
・IT大手5社の時価総額の合計は8兆ドルを超えるか:超える
・欧州の会社印の半分以上がオフィス勤務に戻るか:戻る
・S&P500は年末4000の水準を超えるか:超える
・世界的な温暖ガスの排出量はコロナ前の水準に戻るか:戻る
・原油価格は50ドル以上を維持するか:する

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◎ 全地球で「元気に」の挨拶 年変わる
◎ 年賀状「コロナ2年」と書き違う
◎ 不確かさ トランプ要因は消えたけど
◎ コロナ禍もリストの1つリスク表
◎ 課題山積、世界はそれでも回っている
◎ 冷めた目で新大統領の来るを待つ

2021.1.9

 

 

2021年01号 (1.1-9 通算1069号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2021年1月1-9日
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◆トランプ支持者が米議会に乱入、米民主主義に汚点(6日)☆☆
・トランプ米大統領支持者が連邦議会に乱入、破壊行為を行った。
・警護隊や警察が乱入者を排除。少なくとも5人が死亡した。
・米議会が襲撃を受けるのは米英戦争さなかの1814年以来約200年ぶり。
・米民主主義にとって汚点を記した。
・議会は大統領選でバイデン氏当選を確認する最後のプロセスを行っていた。
・議事堂付近に数千人のトランプ支持者が終結。大統領が抗議デモを呼び掛けた。
・このデモ隊が暴徒化し、乱入した。大統領の発言が乱入を煽る形になった。
・野党民主党はもちろん、与党共和党からもトランプ氏の責任を問う声が噴出。
・民主党内からはトランプ氏の免職や罷免を探る動きが出ている。
・議会は混乱終了後に再開、バイデン氏の当選を最終的に確認した。

◆ツイッターがトランプ氏のアカウントを永久停止(8日)☆
・ツイッター社はトランプ氏のアカウントを永久に停止したと発表した。
・ワシントンでの暴動後の投稿内容を精査。さらなる暴力扇動の危険があると判断した。
・トランプ氏のアカウントは8800万人超えのフォロワーを抱える。
・フェイスブックも7日、トランプ氏のアカウントを無期限に停止した。
・こうした決定にトランプ氏は言論の自由を妨げているなどと反発している。
・SNSの運営組織が言論規制の判断権限を握る結果になるとの批判もある。
・ネット企業はこれまで投稿内容について責任を問われない制度の下で成長してきた。
・トランプ氏のアカウント停止で、ネット起業の責任や規制論を巡る議論も新段階に入る。

◆コロナの感染拡大が加速☆
・新型コロナの感染は米国や欧州を中心にさらに拡大している。
・米国では7日、1日当たりの死者が4000人を突破した。
・英国は5日からイングランドで3度目の都市封鎖に入った。昨年3月、11月に次ぐ。
・ドイツは5日、都市封鎖を再強化すると発表。感染地域の住民は移動15キロ以内とする。
・EUはアストロゼネカ製ワクチンの承認をした。ファイザーなど製に続く。
・欧米中国などでワクチンの接種が徐々に始まっているが、普及には時間がかかる。

◆サウジなどカタールと国交回復(5日)☆
・サウジアラビアやUAE、エジプトなどはカタールとの国交回復で合意した。
・カタールのタミム首長は5日、サウジで開催したGCC首脳会議に参加した。
・先立つ4日に、サウジなどはカタールとの陸、海、空路の封鎖を解除した。
・サウジなど中東・アフリカのイスラム7カ国は2017年、カタールと断交した。
・カタールがイランとの関係を深め、各国で反体制のムスリム同胞団を支持したなどの理由。
・イランやトルコがカタールを支援し、3年半に渡り対立が続いた。
・国交回復はクウェートと米国が仲介して合意した。
・ただ、対立の構図が変ったわけではなく、先行きは不透明感も残る。

◆香港、民主派逮捕続く(6日)
・香港警察は6日、国家安全維持法違反の容疑で民主派53人を逮捕した。
・7日には服役中の民主活動家、黄之鋒氏を政権転覆罪の容疑で逮捕した。
・9月に予定する立法会選に向け、民主派の活動を封じ込める狙いとみられる。
・新型コロナ流行による香港への国際的関心の低下、米政権交代期を睨んだ動きとの観測がある。

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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
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◎寸評:of the Week
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 【ワシントン暴動】 米国会議事堂にトランプ支持者が乱入。破壊活動を行う前代未聞の事態になった。トランプ米大統領に対し、支持者を扇動したとして批判が拡大。野党民主党からは罷免や弾劾を求める動きも出ている。(→国際ニュースを切る)

 

 【2021年の展望】 2021年の世界は、コロナ情勢のほか米バイデン政権の動き等に焦点が当たる。(→国際ニュースを切る)

 

 【重要な動きが目白押し】 2020年末から2021年初めにかけて、重要な動きが多かった。トップ5以外にも、英国のEU完全離脱(移行期間終了)、米ジョージア州補選で民主党が2勝し上院を支配へ、NY証取が中国通信大手3社の上場廃止を巡り2転3転、北朝鮮が5年ぶりに党大会、などの動きがあった。
 

 

◎今週の注目(2021年1月9-17日 &当面の注目)
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・ワシントン暴動を受けて、トランプ大統領に対する罷免や弾劾の動きが出ている。どう展開するか。
・バイデン氏が20日、米国の新大統領に就任する。
・新型コロナの感染拡大の動向に注目。

 

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