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2020年11月15日 (日)

◆香港・アント・習近平 2020.11.15

 香港立法会の民主派議員が資格を剥奪され、民主派議員が抗議の辞任をした。立法会はほぼ全体が親中派と欠員になり、民主派は拠点を失う。1国2制度の形骸化は一段と進んだ格好だ。

▼香港の締め付け強化

 6月末に香港安全法が施行されて以来、中国の締め付けは厳しさを増している。今回の民主派議員の資格はく奪は、平和的な方法での抗議活動も当局が認めない姿勢を示したと受け止められている。民主派の活動は行き詰まり状況にある。

 民主派の活動家が海外に逃れる事にも困難が待ち構える。当局は出国を規制。中国は亡命受け入れ姿勢を示すカナダや豪州、欧州諸国などに圧力をかける。

 欧米主要国は香港当局中国を批判するが、その動きは限定的だ。バイデン米次期政権の下に欧米が協調体制を取り、対中戦略で新しい戦略を打ち出せるか。それとも口先の批判に留まるのか。世界の枠組みや民主主義の行方の観点からも目を離せない。

▼中国当局の民間企業支配

 アリババ傘下のアント・グループが上場を延期。この問題の余波が広がる。習近平国家主席が上場延期を直接指示したとの情報が流れ、世界は中国政府による企業支配が一段と強化されていると受け止めた。

 アントは世界で10億人のユーザーを持つスマホ決済の大手。香港、上海市場への上場(新規小株式公開=IPO)を決めていたが、予定日直前の3日に突然延期を決めた。

 延期の理由として、中国政府が同社の際限ないビジネス拡大に警戒を抱いたとか、同社創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が中国の金融監督体制を批判するかのような発言をしたため、などと理解された。米誌WSJは12日になり、延期の指示を習近平主席が直接下したと報道した。

 中国は最近、民間企業を政府・共産党の支配下に置く動きを強めている。大手企業に対し、定款に共産党の指導に沿うことを明記するよう要求。多くの企業が従っている。政府や国有企業が民間企業を支配下に置く事例も増えている。

 中国はIT分野では民間の創意工夫を重視してきた。しかしこの分野でも、政府・党が支配を強める傾向が出ている。アリババなど大手IT企業への独占規制や監視の強化も指摘される。アントの問題は、そうして脈略で起きた。

▼中国の動き

 中国共産党は10月末の5中全会で、党幹部の人事を見送り、習近平体制の3期目入りの可能性が強まった。

 並行して体制安定や経済強化を強調。2035年までにGDPと1人当たりの所得を倍増し、先進国のレベルに到達する目標を掲げた。科学技術は「自力での強化」などをうたった。

 中国の動向は、今後の世界の枠組みを左右する重要な要素の1つ。このところ目立つのはコロナ対策、香港問題での強硬な姿勢、強権化などの動きだ。アントの上場延期の動きも、こうした脈略の中に置くとより深く見えて来るものがある。

 

◎ 年初には1国2制度あったけど
◎ ビジネスも党が上だと念を押す

 

2020.11.15

 

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