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2020年8月24日 (月)

◆民主党大会から読む「バイデン政権」の行方:方向性はなお不透明 2020.8.23

 米民主党が党大会を開催し、バイデン前副大統領を大統領候補に正式指名した。現在の選挙情勢では、バイデン氏が当選する可能性はかなりある。そんな背景もありバイデン氏の演説が注目されたが、「バイデン政権」の行方を読むには不十分という印象を受ける。

▼トランプ政権を批判


 演説は選挙戦対策の色彩が強かった。トランプ大統領個人の名前を出すことは控えつつ、トランプ政権の批判を前面に出した。具体的に、コロナ対策、欧州など同盟国との関係悪化、人種問題などを挙げた。また、トランプ政権が国民の分断を進めたとし、結束を呼び掛けた。

 外交面では同盟国との協調を力説した。一方で、米国の産業や雇用の保護を重視する姿勢も見せた。通商面の「内向き」の傾向は、トランプ現政権と変わらない印象を与えた。

▼4つの危機と語らなかったもの

 バイデン氏は「4つを危機」を力説した。コロナ、経済、人種差別、気候変動の4つで、この分野でトランプ政権の政策からの転換を強調した。

 しかし、言及しなかった問題も多い。世界が最も気にする対中関係は多くを語らなかった。格差や米国の産業競争力についても同様だ(この2つは複雑に関連する)。バイデン氏は富裕層への増税などに言及したものの、貧しい白人労働者の対策などへの言及はなし。格差や貧困は4つの危機に含めず、問題を正面から取り上げる事はないような印象を与えた。

 全体的に、バイデン氏自身あるいは民主党の政策を強く訴えるというより、トランプ氏の失策を突く面が目立った。

▼バイデン氏有利の選挙戦

 米大統領選は27日から共和党が党大会を開催し、トランプ氏を正式に大統領候補に指名する。その後、TV討論などを経て、11月3日の投票日を迎える。

 コロナ感染という特殊な状況下での選挙。従来の大統領選と異なり、大規模集会などを開きにくく、オンラインでのキャンペーンが中心になる。郵便による投票など、これまでにない要素も加わる。

 国際情勢など不測の事態、TV討論の結果などによっては、事態が急変することもあり得る。ただ、現在の情勢が続けばバイデン勝利の公算が大きいと言われる。

▼見えるものと見えてこないもの

 バイデン大統領となれば、米欧関係の軋みの是正、国際協調路線の復活、パリ協定への復帰などいくつかの変化は予想される。

 しかし、コロナ感染がどうなるかは全く不透明だし、世界の枠組みを左右する米中関係へのスタンスは見えない。格差、産業競争力、大手IT規制など重要課題の方向性も不透明だ。

 演説は選挙対策上、無難にまとめたとの評価も多い。しかし「バイデン政権」の行方や期待となると、まだあまり見えてこないというのが実感だ。

20200823

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