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2020年8月

2020年8月30日 (日)

◆安倍首相辞任と世界の反応 2020.8.30

 日本の安倍首相が健康上の理由から辞任を表明した。2012年12月の就任から8年近く。日本史上最長の政権となった。

▼成果と弊害

 安全保障では安保法導入などいくつかの政策を実現し、2009-12年の民主党政権時代に揺らいだ日米関係を再強化した。TPP11の発足に貢献した。

 経済では金融緩和を軸にしたアベノミクスを推進し、円高是正による回復をもたらした。当初のキャッチフレーズだった「3本の矢」の中心課題だったはずの構造改革、は限定的だったとの評価が多い。

 就任前を含め国政選挙(衆院、参院)に6回連続で勝利。政権安定をもたらし、官邸主導の政治で主導権を発揮した。半面、公文書の偽造・破棄などスキャンダルも生んだ。

▼辞任会見:やり残しは憲法改正、経済改革には触れず

 辞任会見で、安倍首相は実現できなかった事として憲法改正、北朝鮮の拉致問題の解決、日ロ平和条約の実現を挙げた。一方、「経済改革」という言葉は60分の会見中1回も出ず、アベノミクスも僅かだった。

 世界の日本に対する関心は、一昔前とは比較にならないほど低下した。その中でも、アベノミクスは世界に先駆けた実験として注目された。量的緩和を中心としたリフレ政策は世界に先例がなかった。金融政策で時間を稼ぎ、経済改革を進めるという手法は世界の関心を集めた。

 しかし、アベノミクスが政策の中心から徐々に外れのに従い、世界の関心も次第に薄れていった。

 憲法改正は、海外から見れば「日本の問題」だ。安保や外交はそれなりに注目されたが、海外で大見出しになる事は多くなかった。安倍首相も、トランプ米大統領との良好な関係に焦点が当たることが多く、それ以外はあまり目立ったとは言い難い。

▼ナショナリストかリアリストか

 英BBCは安倍政権の評価を論じる記事で、"revisionist nationalist or progmatic realist?" (歴史修正主義のナショナリストか、実利主義的な現実主義者か)と題した。当初から関心を持たれていた視点の1つだが、明確な答えを出すには至らなかったようだ。海外からみた評価の一面を映している。

◎ レガシーは長期政権 平和かな
◎ 民族派か現実主義者か解けぬ謎
◎ ニュースには天災政変あと少々

 

2020.8.30

 

 

2020年35号 (8.24-30 通算1051号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2020年8月24-30日
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◆米共和党大会、トランプ氏を正式指名(24-27日)☆
・米共和党大会が開催。トランプ氏を大統領候補に正式指名した。
・トランプ氏は27日に受諾演説を行ったほか、24日には予告なしの演説を実施した。
・民主党のバイデン氏を極左陣営と協力しているなどと批判。対決姿勢をあらわにした。
・前週の民主党大会に比べると、党員を集めた実集会の色合いが強かった。
・大統領選は9月からのTV討論などを経て、11月3日の投票を迎える。

◆日本の安倍首相が辞任、8年ぶり首相交代へ(28日)☆
・日本の安倍晋三首相が辞任を発表した。持病の潰瘍性大腸炎悪化が理由。
・安倍氏は2012年12月の総選挙に勝利して首相就任。7年8カ月勤めてきた。
・在任期間は2006-07年の人気を含む合計、2012-20年の連続とも日本で最長。
・アベノミクスと称する経済政策で円高を修正。雇用は増加した(ただし賃金水準は低下)。
・一方、政府負債は増加。経済改革も限定的だった。
・安保関連法案整備など日米関係を強化。トランプ米大統領と個人的な関係を強めた。
・政治の安定をもたらした一方、官邸主導強化で公文書偽造などの問題も露呈した。
・国際的には政治面の安定を印象付ける一方、日本の競争力低下は続いた。

◆米で人種差別抗議再燃、スポーツ界にも波及☆
・米国で人種差別に抗議するデモが再度拡大した。
・8月23日にウィスコンシン州ケノーシャで黒人男性が警官に銃撃された事件が契機。
・抗議デモが全米各地に拡大し、27日にはホワイトハウス周辺でも大規模デモがあった。
・一部は暴徒化し、ウィスコンシン州は非常事態宣言を出した。
・大リーグの7試合が27日に中止になるなど、スポーツ界にも影響が広がる。
・米ではミシガン州での黒人男性死亡事故を契機に5-6月に抗議活動が拡大した。
・民主党は警官の実力行使規制のルール作りなどを主張する。
・トランプ大統領や共和党は、一部暴徒を念頭に法と秩序を強調する。
・人種差別と抗議活動は、形を変えて再燃し続ける。

◆TikTok米を提訴、米中問題多方面に拡大
・中国の動画投稿アプリTikTokの米運営会社は米政府を提訴した。
・同社との取引を禁じた大統領令を憲法違反と主張した。
・TikTokを巡ってはトランプ大統領が、米事業の売却あるいは禁止を求めている。
・TikTok買収劇にはマイクロソフトの他、オラクルなども参加。争奪戦が激化している。
・米は8月中旬ファーウェイへの制裁を再度追加。ハイテクで中国締付けを一層強める。

◆米株が上昇、FRBはインフレ2%超目指す
・米FRBは27日、当面2%を超えるインフレ率を目指すとの指針を発表した。
・米はインフレ率2%未満の状況が続いている。物価上昇を促す。
・2%超の容認でゼロ金利維持の制約を軽減し、金融緩和長期化の条件を整える。
・緩和長期化の観測を受け、米株式は上昇した。
・NYダウは28日、2万8653ドルとなり、半年ぶりに2019年末の水準を上回った。
・コロナで実体経済が縮小する中で、金融緩和に支えられた株高が続く状況だ。

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◎寸評:of the Week
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 【コロナの夏】 8月がほぼ終了し、秋を迎える。今年の夏の風景は、新型コロナ感染拡大の下でこれまでとは一変。人々は行動の制約を求められ、観光地は閑散とした。
 コロナ感染下で米大統領選が本番を迎えた。大統領選の戦略もあり、米中対立は一層激化。米国発の反人種差別の抗議デモが散発した。香港では国家安全法が施行され、当局が民主派の締め付けを強めた。ベラルーシでは大統領選を契機に反体制の抗議活動が拡大した。熱い夏の現象は、今年はこんなところに現れた。

 

 【安倍首相退陣】 日本の安倍首相が健康上の理由から辞任を表明した。2012年12月の就任から8年近く。日本史上最長の政権となった。(→国際ニュースを切る)

 

◎今週の注目(2020年8月31日-9月6日 &当面の注目)
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・引き続き新型コロナの動きに関心。

 

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2020年8月24日 (月)

◆ベラルーシ混乱とロシアの反体制派暗殺未遂ーー旧ソ連崩壊30年の動き 2020.8.23

 1991年のソ連崩壊から間もなく30年。ベラルーシでは大統領選を受けた混乱が続き、ロシアでは反体制派指導者の暗殺未遂事件が起きた。旧ソ連ではこの手のニュースが弾発的に起きている。

▼ベラルーシ:混乱が継続

 ベラルーシの混乱が続く。きっかけは8月9日の大統領選。選管はルカシェンコ大統領の6選を発表したが、反体制派は不正があったとして抗議活動を展開。1週間を経て事態の行方は見えない。

 ルカシェンコ氏は17日、憲法改正の後に政権を移譲する案を述べるなど、一見柔軟な姿勢も見せた。一方、20日には反対派の評議会を捜査するなど、強硬な態度も崩さない。

 ロシアのプーチン大統領は表立った介入を避けている。一方、ルカシェンコ氏と連絡を取り、必要なら支援する構えを見せている。

 EUは19日オンラインで首脳会議を開きベラルーシ制裁を決めたが、直接介入は見送っている。情勢の行方は不透明だ。

▼独特な歩み

 ルカシェンコ氏は旧ソ連崩壊・ベラルーシ成立からほどない1994年に大統領に就任。以後5期、26年の間、権力を掌握してきた。欧州最後の独裁者とも評される。

 東西冷戦終了後、東欧には民主化の波な押し寄せた。旧ソ連のウクライナやジョージアなどは民主化革命で政権が転覆した。しかしベラルーシは独裁体制を維持してきた。ロシアと強い関係を持つ一方、必ずしも言いなりになっているわけではない。その動きはユニークだ。

 この傾向がまだ続くのか。それとも体制や政治の変化につながるのか。判断の材料も限られており、予断は禁物だ。

▼暗殺未遂:反体制派指導者はドイツに

 ロシアでは著名な反体制派指導者でアレクセイ・ナワリヌイ氏に対する毒殺未遂と思われる事件が発生した。同氏はシベリアからモスクワに戻る航空機内で容体が悪化。緊急着陸し西シベリアの都市の病院に運ばれた。その後、独仏が同氏受入れを表明。ドイツに搬送された。

 同氏の報道課によれば、空港で飲んだお茶に毒が入っていたという。公共の場でこうした事件が起きたことは驚きというほかない。一方、事件が迅速に報道され、ロシアからドイツへの移送が実現したのも驚きだ。

 ロシアではこれまでも、反体制派やジャーナリストなどの暗殺、毒殺事件が多数起きている。さながらスパイ映画のような状況だ。

▼暗部と混沌、情報の圧倒的欠如

 上記ベラルーシの混乱と、ロシアの反体制派毒殺未遂。ソ連解体から約30年を経て、今なお残る暗部や混沌を感じる。同時に、旧ソ連国家の情報をほとんど知らないことに改めて気付く。

 

◎ 30年経てソ連の亡霊なお徘徊 
◎ なお日常、暗殺毒殺ハッキング
◎ 国転覆デジャブのように起きてきた

2020.8.23

 

◆民主党大会から読む「バイデン政権」の行方:方向性はなお不透明 2020.8.23

 米民主党が党大会を開催し、バイデン前副大統領を大統領候補に正式指名した。現在の選挙情勢では、バイデン氏が当選する可能性はかなりある。そんな背景もありバイデン氏の演説が注目されたが、「バイデン政権」の行方を読むには不十分という印象を受ける。

▼トランプ政権を批判


 演説は選挙戦対策の色彩が強かった。トランプ大統領個人の名前を出すことは控えつつ、トランプ政権の批判を前面に出した。具体的に、コロナ対策、欧州など同盟国との関係悪化、人種問題などを挙げた。また、トランプ政権が国民の分断を進めたとし、結束を呼び掛けた。

 外交面では同盟国との協調を力説した。一方で、米国の産業や雇用の保護を重視する姿勢も見せた。通商面の「内向き」の傾向は、トランプ現政権と変わらない印象を与えた。

▼4つの危機と語らなかったもの

 バイデン氏は「4つを危機」を力説した。コロナ、経済、人種差別、気候変動の4つで、この分野でトランプ政権の政策からの転換を強調した。

 しかし、言及しなかった問題も多い。世界が最も気にする対中関係は多くを語らなかった。格差や米国の産業競争力についても同様だ(この2つは複雑に関連する)。バイデン氏は富裕層への増税などに言及したものの、貧しい白人労働者の対策などへの言及はなし。格差や貧困は4つの危機に含めず、問題を正面から取り上げる事はないような印象を与えた。

 全体的に、バイデン氏自身あるいは民主党の政策を強く訴えるというより、トランプ氏の失策を突く面が目立った。

▼バイデン氏有利の選挙戦

 米大統領選は27日から共和党が党大会を開催し、トランプ氏を正式に大統領候補に指名する。その後、TV討論などを経て、11月3日の投票日を迎える。

 コロナ感染という特殊な状況下での選挙。従来の大統領選と異なり、大規模集会などを開きにくく、オンラインでのキャンペーンが中心になる。郵便による投票など、これまでにない要素も加わる。

 国際情勢など不測の事態、TV討論の結果などによっては、事態が急変することもあり得る。ただ、現在の情勢が続けばバイデン勝利の公算が大きいと言われる。

▼見えるものと見えてこないもの

 バイデン大統領となれば、米欧関係の軋みの是正、国際協調路線の復活、パリ協定への復帰などいくつかの変化は予想される。

 しかし、コロナ感染がどうなるかは全く不透明だし、世界の枠組みを左右する米中関係へのスタンスは見えない。格差、産業競争力、大手IT規制など重要課題の方向性も不透明だ。

 演説は選挙対策上、無難にまとめたとの評価も多い。しかし「バイデン政権」の行方や期待となると、まだあまり見えてこないというのが実感だ。

20200823

2020年34号 (8.17-23 通算1050号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2020年8月17-23日
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◆米民主党大会、バイデン氏を大統領候補に正式指名(17-20日)☆
・民主党が党大会を開催。大統領候補にバイデン前副大統領を正式指名した。
・大会はミルウォーキーで開いたものの、事実上のオンライン会議となった。
・副大統領候補には黒人女性のハリス上院議員を選んだ。
・バイデン氏は20日に演説。欧州など同盟国との国際協調を強調した。
・コロナ対策などでトランプ大統領を批判。富裕層への増税なども主張した。
・貿易面では脱対外依存を強調し、内向き志向を示唆した。
・コロナ、経済、人種差別、温暖化を4つの危機と指摘。世界の認識を示した。
・共和党は24日からの党大会でトランプ氏を大統領候補に選出する。
・11月3日の大統領選へと進む。

◆ベラルーシ情勢。混乱拡大 ☆
・大統領選(9日投票)を受けた混乱が続く。
・労働者などの間で抗議活動が拡大。反体制派は19日会合を開き再選挙などを要求した。
・政権は応じる姿勢を見せず、当局は20日反体制派の刑事捜査を始めた。
・EUは19日臨時のビデオ首脳会議を開き、同国への制裁を決めた。
・選挙の再選挙の実施要求はしなかった。同国に影響力を持つロシアへの配慮した模様。
・ロシアは直接の介入を避けつつ、ベラルーシ情勢への西欧の介入をけん制する。

◆モーリシャスの油漏れ被害深刻、座礁船真っ二つ ☆
・モーリシャス沖で日本の貨物船が座礁。事故の被害が深刻化している。
・貨物船の船体は16日、真っ二つに割れた。流出した油は1000トン以上に上る。
・生態系への配慮から薬剤は使えず、回収は人手に頼らざるを得ない。
・マングローブの回復に30年以上かかるという見方もある。
・船は日本の長鋪汽船が保有し商船三井が手配。中国からブラジルに向かっていた。
・7月25日に座礁。8月6日に油漏れが発覚した。生態系への深刻な影響が懸念される。

◆米国株上昇、アップルは時価総額2兆ドルに(18日)☆
・ITなどハイテク分野を中心に米国株が上昇している。
・アップルの時価総額は18日、2兆ドルを突破した。年初から約6割上昇した。
・アマゾンなどハイテク企業の株価も上昇している。
・コロナ禍下の需要増を見込めるため。一方、自動車など旧来型産業の株は下落している。
・S&P500の指数は18日、史上最高を更新した。半年ぶり。
・経済のマイナス成長下の株高は、バブルとの指摘もある。

◆ロシア反体制派指導者に毒、暗殺未遂か(20日)☆
・ロシアの反体制派指導者が20日飛行機移動中に容体悪化。西シベリアの病院に搬送された。
・著名ブロガーのナワリヌイ氏で、独仏が受入れを表明。同氏は22日ドイツに運ばれた。
・同氏周辺によれば、空港で紅茶に毒を盛られた可能性が高いという。
・同氏はプーチン政権の不正追及で知られ、反体制デモの呼びかけなどを行ってきた。
・ロシアでは過去にも反体制派活動家らが毒を盛られる事件が起きている。
・プーチン体制下の闇を改めて感じさせる。

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◎寸評:of the Week
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 【民主党大会がバイデン氏指名】 米民主党が党大会を開催し、バイデン前副大統領を大統領候補に正式指名した。現在の選挙情勢では、バイデン氏が当選する可能性はかなりある。そんな背景もあり、バイデン氏の演説が注目された。(→国際ニュースを切る)

 

 【ベラルーシとロシア】 ベラルーシで大統領選を受けた混乱が続く。ロシアでは反体制派指導者の暗殺未遂事件があり、世界の関心を集める(→国際ニュースを切る)

 

 【重要ニュース】 トップ5以外にも重要な動きが多かった。米ゲームメーカーのエピックゲームズがアップルとグーグルのアプリ配信・課金システムが独占にあたるとして提訴した。NYタイムズなど有料メディアも追随した。大手IT企業の規制とも絡み、行方が注目される。アフリカのマリで大統領が辞任。軍によるクーデターの動きがあった模様。トランプ政権の元大統領補佐官で、のちにトランプ氏に解任されたバノン氏が、メキシコ国境への壁建設を巡る資金集めに絡んで詐欺の疑いで逮捕された。

 

◎今週の注目(2020年8月24-30日 &当面の注目)
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・引き続き新型コロナの動きに関心。
・米共和党が24-27日に党大会を開催する。トランプ大統領を大統領候補に指名する。前週の民主党大会同様、実質オンラインの会合になる。トランプ氏の演説に注目。
・米カンザスシティ連銀主催の経済シンポ(ジャクソンホール会議)が27-28日開催する。世界の金融政策に関するメッセージ発信の場として注目されてきた会議だが、今年はオンライン形式の議論になる。どんな変化が表れるのか。

 

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2020年8月17日 (月)

2020年33号 (8.10-16 通算1049号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2020年8月10-16日
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◆米民主党、副大統領候補にハリス氏(11日)☆
・米大統領選の民主党の副大統領候補に、カマラ・ハリス上院議員(55)が決まった。
・大統領候補に内定しているバイデン氏(77)が指名した。
・ハリス氏は両親がジャマイカ系、インド系の女性。カリフォルニア州司法長官を歴任。
・当選すれば、米国初の女性副大統領になる。
・大統領選はバイデン候補がトランプ大統領をリード。投票まで3カ月を切った。
・トランプ政権が今後4年継続するかどうかは、世界の行方に大きく影響する。

◆イスラエルとUAEが国交(13日)☆
・イスラエルとUAEが国交正常化で合意した。仲介した米国を含む3カ国共同声明を出した。
・イスラエルとアラブ諸国との国交はエジプト、ヨルダンに続き3カ国目。
・UAEは安保面でイランと対立。イラン包囲網が強まる。
・パレスチナ問題での対イスラエル包囲網は弱まる。パレスチナ自治政府は合意に反発した。
・イスラエルが計画していたヨルダン川西岸の入植地の一部併合は、当面見送られる。
・サウジなども反イランでは一致。一方トルコなどは合意を批判するなど、立場は分かれる。
・今後UAEに続く国が出て来るかなどが焦点。中東の地図が変わる可能性がある。

◆香港、メディア幹部らを逮捕(10日)☆
・香港警察は蘋果日報(Apple Daily)の創業者の黎智英氏らを逮捕した。
・6月末に施行した香港国家安全維持法違反の容疑。
・同時に同新聞の幹部や、民主活動家の周庭氏らも逮捕した。
・黎氏や周氏は11日夜に保釈された。逮捕の理由など詳細などは発表されていない。
・同新聞は1995年創刊。中国に批判的な論調で知られる。
・逮捕は民主派への締め付けや、中国に批判的な報道へのけん制という見方が強い。
・香港では6月末に国家安全法が施行。中国が直接治安を規制できるようになった。
・1国2制度が形骸化し、香港の言論の自由は危機に直面しているとの見方が多い。

◆ベラルーシ大統領選、現職6選、抗議が継続(9日投票)☆
・大統領選が行われ、選管は現職のルカシェンコ氏の6選を発表した。任期5年。
・投票率84%で、ルカシェンコ氏が80%を獲得したとする。
・対立候補の主婦、チハノフスカヤ氏は不正があったと主張した。
・同氏は隣国リトアニアに出国した。背景など詳細は不明。
・不正を訴える抗議活動が全土に拡大。1週間を経過し収束していない。
・EUも不正を指摘。同国への制裁を決めた。
・ルカシェンコ氏は15日、ロシアのプーチン大統領と電話会談。支援を要請した公算がある。
・同国は人口1000万人弱。1994年以来26年、ルカシェンコ氏が大統領の地位にある。
・独裁的な色彩が強く、同氏は欧州最後の独裁者とよく報道される。

◆米厚生長官が台湾総統と会談、中国をけん制(10日)☆
・アザー米厚生長官が台湾を訪問。蔡英文総統と会談した。
・米閣僚の台湾訪問は6年ぶり。米国によれば1974年の米台断交以来最高位者の訪問。
・中国をけん制し、台湾支持の姿勢をアピールした格好。米台交流の既成事実を重ねた。
・長官は李登輝元総統の追悼場も訪問した。中国は李氏を中華民族の敵と批判している。
・中国は強く反発する。

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◎寸評:of the Week
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 【重要ニュース】 重要なユースが重なった。トップ5以外に、新型コロナの感染確認者が2000万人を突破。レバノンでは爆発事故の責任を取って内閣が総辞職した。 

 

 【イスラエル・UAEの国交】 イスラエルとUAEが国交締結で合意した。米国の仲介で実現した。アラブ諸国でイスラエルと国交を結ぶのは、エジプト、ヨルダンに続いて3カ国目だ。
 今回の合意の背後にあるのが、反イランという共通の立場。中東の対立構図としては、長らくパレスチナ問題を巡るイスラエル対アラブ諸国の対立が基本になってきた。ただ、この構図は1978年のキャプデービッド合意によるイスラエル・エジプトの和平で次第に変化している。
 中東のもう一つの対立軸が、イスラム教スンニ派とシーア派の対立だ。スンニ派陣営は盟主のサウジアラビアやUAEなど、シーア派はイランが中心になる。
 1990年の湾岸戦争(イラク対アラブ各国)、2000年代のイラク戦争、2010年代のアラブの春とその後の混乱で、さらに別の対立軸も生じている。代理戦争も各所で起きている(シリア、イエメン、リビアなど)。中東の構図は、少し前の常識にとらわれると見誤る。
 今回のUAEのイスラエルとの合意は、サウジの先駆けという見方もある。一方、UAEは安全保障や政治、宗教でイランと激しく対立する一方で、経済的にはイランとの結びつきが強い。一筋縄ではい。
 中東情勢は刻々と変化しており、行方は読みにくい。今回の合意は、中東の構図変化の激しさをいま一度想起させる。

 

 【コロナの夏】 新型コロナの感染拡大が続き、世界の感染確認者は2000万人を超えた。中南米やインドで引き続き感染拡大が続くのに加え、フィリピンなど東南アジアでも新規感染者が増えてきた。
 人々の関心がコロナに向く中でも、世界各地を揺さぶる重要な動きが起きている。
 香港では蘋果日報(Apple Daily)創業者の黎智英氏らが、国家安全維持法により逮捕された。反政府、反中国の主張や動きを力ずくで抑え込もうとする姿勢が明確になり、香港の言論の自由が危機に直面している。
 ベラルーシでは大統領選が行われ、選管によれば現職のルカシェンコ氏が6選された。しかし反対派は不正が合ったなどとして抗議活動を展開。EUも抗議を支援する。選挙から1週間を経過し、情勢は定まらない。
 レバノンでは大規模爆発の責任を取る形で内閣が総辞職。政情は不安定だ。
 コロナの夏ともいえる情勢の中で、国際地図の構図を変えるような変化が、中東のイスラエル・UAE関係も含め各地で起きている。

 

◎ 抑圧と抗議と混乱、コロナの夏
◎ 一瞬で世界の構図が変わる時代(とき)
◎ コロナ禍で世は静かだと誰が言う
 

 

◎今週の注目(2020年8月17-23日 &当面の注目)
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・引き続き新型コロナの動きに関心。
・米民主党が党大会を17-20日開催する。初のオンライン会議になる。バイデン氏を正式に大統領候補に指名する。どんな受諾スピーチがあるか。

 

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2020年8月11日 (火)

◆爆発事故が曝け出したレバノンの混乱 2020.8.9

 レバノンの首都ベイルートの港湾地区で大規模な爆発があり、多大な被害があった。事件の全容はいまだ不明だが、同国の混乱が改めて伝わってくる。

▼凄まじい被害

 港湾地区で大量の硝酸アンモニウムが爆発したと伝えられる。多数の死者、負傷者が出たほか、25万人が住む場所を失ったをいう。現地から流れて来る映像は、爆発の凄まじさを物語る。今のところ、テロなどの事件ではなく、事故の可能性が大きいという。

 今回の事故で改めて浮き彫りになったのが、同国の混乱だ。

 同国は面積1万平方キロ(四国の半分程度)、人口700万人の小国。民族はアラブ系を中心にアルメニア系などが住む。ここにイスラム教やキリスト教の各宗派の人々が入り組んで暮らすモザイク国家だ。

 歴史的に早くから開け、古代フェニキア人の拠点として地中海世界に進出。カルタゴをはじめ多くの植民都市を作った事でも有名だ。ビジネスや芸術などの分野で才覚を発揮する人も輩出してきた(現在ではラルフ・ネーダー、ポール・アンカ、カルロス・ゴーンなどがレバノン系として有名)。

▼レバノン内戦

 民族の通り道と言われる場所に位置し、民族紛争や抗争に翻弄されてきたのも歴史の一部だ。

 特に1975-90年にはレバノン内戦を経験。イスラム教、キリスト教各派が抗争を繰り広げた。イスラエルやシリアなど外国も介入。国土は徹底的に破壊された。中東のパリと言われたベイルートは廃墟と化した。

 レバノン内戦は、1970年にPLOの本部がヨルダンからベイルートに移ったことも切っ掛けの1つになっている(1970年にヨルダンがPLOを追放した)。ここにも、中東情勢に翻弄されたレバノンの歴史が映される。

▼権力構造が硬直化

 1990年に和平が成立し、内戦は終了した。政治的な均衡を維持するため、大統領や首相、国会議長などのポストは18の宗派で分け合う形になった。大統領はキリスト教マロン派、首相はイスラム教スンニ派などという具合だ。

 この結果、権力構造と利権が硬直化し、腐敗も拡大した。

 内戦終了後、戦闘は止み、ベイルートなど街は復興した。しかし経済などの改革は進まず、放漫財政が続いた。

 2019年秋には携帯電話への税引き上げなどをきっかけに大規模な反政府デモが起き、ハリリ前首相の政権が退陣に追い込まれた。2020年1月にディアブ首相の政権ができたが改革は進まず、3月には対外債務の支払い延期(デフォルト)宣言に追い込まれた。

▼経済の悪化

 経済は急速に悪化が進み、レバノンポンドは実勢ルートは2019年秋以来約5分の1に下落。インフレ率は昨年10月の1%台から、2020年4月には46%、6月には90%に上昇した(同国統計局による)。経済の破綻寸前という状況だ。

 各勢力は海外勢力の影響を受ける。イスラム教シーア派過激派のヒズボラは、イランの影響を強く受ける。

 同国は食料など生活必需物資を、輸入に頼っている。北と東は内戦の続くシリア、南はイスラエルに接しており、陸路での補給は難しい。海路の貿易に頼るが、今回の爆発で設備が甚大な影響を受けた。今後の生活必需物資確保や、物価などに影響が出る可能性がある。足元では新型コロナ禍も加わる。今後、益々混乱が拡大する懸念もある。

▼国際情勢が翻弄

 国際情勢や中東の地域情勢に翻弄される形で、混乱が続くレバノン。多様性はいい面ではなく、悪い面ばかりが表れているのが近年の現状だ。

 内戦時代には失敗国家に陥ったが、今またその危機に瀕していると言ってもいいかもしれない。

 大規模爆発は、レバノンの矛盾と問題点を白日の下に曝け出した格好だ。

◎ 爆音で先送り矛盾白日下
◎ 街破壊 内戦の悪夢蘇る
◎ モザイクが崩れる絵巻夏の悪夢(夢)
◎ 多様性対立だけが出る国よ

2020.8.9

 

 

2020年32号 (8.3-9 通算1048号)国際ニュース・カウントダウン 

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2020年8月3-9日
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◆米がTikTok「禁止か売却」米中ハイテク摩擦一段と ☆
・トランプ大大統領は7月31日、動画投稿アプリTikTokの禁止を表明した。
・中国のバイトダンス(北京字節跳動科学)が運営。米国内で6500万人が使う。
・米は安全保障上の理由を理由に挙げる。
・米マイクロソフトは2日、TikTokの米運営会社(国際版会社)の買収検討を発表した。
・トランプ大統領は3日、MSなど米企業による買収を容認。
・TikTokが9月15日までに米社に売却しなければ使用禁止すると表明した。
・トランプ氏は6日、TikTokとテンセントの微信を45日後に禁止する大統領令に著名した。
・米国は通信機器のファーウェイを米市場から締め出す動きを強化した。
・同社に続いてTikTokなどの締め出しになり、米中ハイテク摩擦がさらに深まっている。

◆レバノン首都で大規模爆発、同国混乱に拍車(4日)☆
・首都ベイルートの港湾地区で大規模な爆発があり、130人以上が死亡、数千人が負傷した。
・現地メディアなどによれば25万人が住宅損壊で住めなくなった。被害は甚大だ。
・現場に保管の硝酸アンモニウムが爆発した。管理の欠陥が指摘される。
・政府は5日、首都に非常事態を宣言した。
・同国は食料などを輸入に頼っており、生活必需物資不足が懸念される。
・レバノンは多数の宗教・民族が入り混じる国家。1975-90年には内戦を経験した。
・その後18の宗派が権力を分け合う形で内戦再発を防いで来たが、政治は硬直的で腐敗も多い。
・2019年には大規模反政府デモでハリリ前政権が退陣に追い込まれた。
・経済も混乱し、今年3月に対外債務返済の支払い延期(デフォルト)を宣言した。
・同国の各勢力には、欧米や中東各国が肩入れし、対立に拍車をかけている面がある。
・マクロン仏大統領は6日同国を訪問、支援を伝えるとともに、改革推進を求めた。

◆米が大統領令でコロナ対策の失業給付上乗せ、議会対立に異例の措置(8日)☆
・トランプ米大統領は新型コロナ対策の大統領令を発令した。
・失業対策の上乗せ、学生ローンの返済猶予などを含む。
・議会の与野党対立で一部対策が失効していた。
・米はコロナ対策として失業手上げを週600ドル上乗せ。2500万人が対象になっていた。
・これが7月末に失効した。手当は平均で約1000ドル→370ドルに減少する状況になった。
・議会では与野党対立で、支給の延長法案を巡る与野党の調整がつかなかった。
・歳出の決定権は議会にあり、法廷闘争になれば大統領令が向こうになる可能性がある。
・トランプ氏はあえて強行突破した格好だ。

◆スリランカ総選挙、大統領派が勝利、中印との距離焦点(5日)
・議会選(1院、225議席)が行われ、ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領の支持派が圧勝した。
・大統領の兄のマヒンダ・ラジャパクサ首相(元大統領)が党首の人民戦線(SLPP)が145議席。
・少数政党も含む大統領支持派は3分の2を超えた。
・同国はマヒンダ氏の大統領時代(05-15年)に親中路線に傾斜した。
・その後シリセナ前大統領(15-19)に軌道修正。
・以後、対中・対インドのバランスに配慮する。

◆米厚生長官が訪台、香港政府トップには制裁
・米国のアザー厚生長官が9日訪台した。
・閣僚の訪問は6年ぶりで、1979年の断交以来最高位の人物の訪問と見られる。
・中国は反発。軍事的報復のカードもあるなどとけん制した。
・米港は7日、香港政府トップのキャリー・ラム長官ら11人に制裁を科した。
・米国内の資産凍結などが内容で、実効性よりメッセージを打ち出すもの。
・米は香港国家安全法の施行が1国2制度に反するなどと批判、制裁の理由に挙げる。
・米中の対立は、分野を拡大して深まっている。

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◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 
 【米中対立】 米中対立が(またも)一段と激化した。米国は動画投稿アプリのTikTokに対し、「売却か、禁止か」を迫り、ハイテク摩擦の戦線が広がった。アザー厚生長官が台湾を訪問。キャリー・ラム行政長官ら香港行政府指導者への制裁を発表した。

 【爆発事故が曝け出したレバノンの混乱】 レバノンの首都ベイルートの港湾地区で大規模な爆発があり、多大な被害があった。事件の全容はいまだ不明だが、同国の混乱が改めて伝わってくる。 (→国際ニュースを切る)

 

◎今週の注目(2020年8月10-16日 &当面の注目)
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・引き続き新型コロナの動きに関心。
・米国が、ファーウェイなど中国5社の製品を使う企業との取引を禁じる「国防権限法」を施行する。米中の対立、分断が一段と進む。
・9日投票のベラルーシ大統領選の結果が判明する。

 

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2020年8月 2日 (日)

◆GAFA公聴会が語る潮流と課題 2020.8.2

 

 米下院がGAFAの首脳を呼んで7月29日に公聴会を行った。米国では巨大IT企業が公正な競争を阻害しているとの見方が広がり、規制論が強まっている。議会は反トラスト法の調査を行っている。公聴会では応酬が繰り広げられた。

▼世界が注目

 公聴会はビデオで行われた。出席したのはアップルのクック、アマゾンのベゾス、グーグルのピチャイ、フェイスブックのザッカーバーグの各CEO。

 巨大IT企業の独占や規制は世界的な問題であるだけに、公聴会は米国に留まらず世界の注目を集めた。 

▼立場の違い

 議会側からは、反トラスト法を所管する超委員会のメンバーなどが出席。GAFAの戦略が他社の活動の制約になっているなどと指摘した。小委員会のシシリン委員長は、「いくつかは分割は必要」と踏み込んだ。

 GAFA首脳は、様々な指摘に対し違法行為はないと主張したが、歯切れの悪い場面もあった。一方、イノベーションが社会の役に立っていると強調した。

 議論は平行線をたどった印象を与えた。見解や立場の違いが浮かび上がった。

▼独禁法規制で変わる経済・社会

 米国では過去にも巨大企業が独禁法の規制を受け、社会や経済の仕組みが変わってきた経緯がある。20世紀初頭のスタンダード石油の分割、1980年代のATT分割、マイクロソフトに対する独禁法のけん制などが代表事例だ。

 現在のGAFAは検索、ネット通販、SNS、スマホなどの分野で圧倒的なシェアを誇り、社会的な影響力は絶大だ。ベンチャー企業の買収を重ね、ライバル企業の芽を摘んでいるとの指摘もある。

▼複雑な事情

 ただ、これまでと違うのは、ハイテク分野でも米中の競争が激化している点だ。米国が自国のハイテク企業をたたくようなことになれば、中国との覇権争いにも影響しかねない。事情は単純ではない。

 それでも、米国の大手IT企業はこれまでよりずっと、社会的責任を求められるようになった。大手ITを取り巻く環境が、育成から規制に変わっていることは間違いない。

 今回の公聴会は、巨大IT企業を巡る動きの一里塚。今後何が起きるか予想し難いが、公聴会が様々な論点や視点を投げかけたのは事実だ。

◎ 夢よりも順法語れと公聴会
◎ 改革者、巨大化、弊害 輪廻の輪
◎ 利害複雑、でも「独占は悪」の筋通る
◎ 技術語る歯切れの良さはどこへやら

2020.8.2

 

 

◆李登輝死亡と中台関係 2020.8.2

 台湾の李登輝元総統が死亡した。1996年に初の総統選の直接選挙を実施して、民主化を推進した人物。その後中国との2国論を展開し、中国からは敵対視された。死亡に際しても国際社会や中国から様々な反響があり、影響力を示した。

▼国民党独裁の打破

 李登輝氏は1996年の民主化の前、国民党の要職を経て1988年から台湾の総統に就任していた。しかし、国民党の利益とは一線を画していたところが、重要なポイントだ。

 国民党は元々中国本土の政権を担っていた政党。第2次大戦後に共産党との内戦に敗れ、台湾に逃れて政権を樹立した。同党政権下の支配層の中核は中国から逃れてきた外省人が中心で、元々台湾にいた本省人は差別を受けていた。

 国民党の支配は独裁的で、1947年には政権による本省人の大規模な弾圧・虐殺事件が起きている(2.28事件、犠牲者は数万人と推計される)。国民党政権は、その腐敗も指摘された。

 元々本省人だった李氏は、農業の専門家からスカウトされる形で政治の世界に入った。そして国民党内で本心を隠す形で出世し、1988年に総統に就任。その後は、巧みな人事などで国民党独裁を徐々に解消した。

▼民主化と2国論

 そして1996年の直接選挙につなげる。直接選挙の前には、中国が台湾に圧力をかける台湾海峡危機が発生したが、計画通りに選挙を実現した。

 危機には米国の協力をはじめとする、国際社会の支援を獲得して乘り切った。選挙では圧勝した。

 その後1999年には、中国と台湾の関係を「特殊な国と国の関係」とする2国論を表明。中国の反発を受け、中台対話は中断した。 

 2000年の総統退陣後は出身の国民党ではなく、対立する民進党系の政治家に肩入れした。

▼民主化台湾がなければ

 台湾の民主化は、中華圏では初めてのものと言ってもいい。

 歴史にifはないが、仮に李登輝氏が登場せず、国民党による独裁、腐敗態勢が続いていたら台湾はどうなっていたか。台湾の魅力は、今より小さかったに違いない。中国による台湾統一が進み、中国共産党と国民党(国共)による1国2制ができていたとしてもおかしくない。

▼世界に反響

 李登輝氏の死亡に際し、ダライラマなど世界の要人が弔意を伝えた。これに対し、中国の外務省の副報道官は「国の統一は阻止できない」と李登輝氏を批判する声明を発表。中国共産党系メディアの環球時報は「中華民族の罪人」と主張した。

 台湾の蔡英文総統は、ツイッターで中国語のほか英語、日本語のメッセージを発信。日本語版には7月31日、「李元総統の遺志を継ぎ『台湾に生まれた幸福』を追求し続けます」と書いた。

 李登輝氏は死亡に際しても、世界に影響を投げかけた。

◎ 政治家逝き、民主、統一の議論に火
◎ 中華圏に民主化のサンプル ソフトパワー
◎ 国共の1国2制度冷めた夢
◎ この地球(ほし)で「生まれた幸福」何人か

2020.8.2

 

国際ニュース・カウントダウン   2020年31号 (通算1047号)  by INCD-club

 世界は今、どう動いているかーー。国際ニュースの流れを3分間で、面白おかしく、かつ日本にとらわれない視点から把握できるメールマガジン。

 

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2020年7月27日-8月2日
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◆米議会がGAFA首脳公聴会(29日)☆
・米議会下院の司法委員会は、GAFAの首脳の公聴会を実施した。ビデオ形式。
・出席議員は4社の行動が独占的などと指摘。小委委員長は分割に言及した。
・4社トップは、法律違反はないと主張。技術革新で貢献しているなどと述べた。
・トランプ氏は議会が適切な規制をしなれば大統領令を用いると発信した。 
・米国でも大手IT企業の規制論が強まる。公聴会もその一環。
・大手IT企業の4-6月決算は概して好調だった。
・アップルの時価総額は31日、1.8兆ドルを記録した。
・サウジのアラムコを抜き世界首位になった。

◆コロナ各地で感染再拡大、米欧経済4-6月期大幅マイナス(30-31日)☆
・WHOが緊急事態を宣言して30日で半年を経過。感染確認者は1700万人に達した。
・米国で再拡大しているほか、ブラジルやインドなどで拡大が続く。
・欧州やアジア、豪州などでも再拡大し始めた。制限再導入の事例も増えている。
・米国の4-6月GDPは前期比年率で-32.9%。ユーロ圏は同-40.3%だった。
・コロナで経済活動が止まった影響が出た。

◆李登輝元台湾総統が死去(30日)☆
・台湾の李登輝元総統が死去した。97歳。
・農業専門家から政界入り。国民党政権下で88年総統。同党独裁を徐々に排除した。
・1996年に初の住民直接選挙の総統選を実施し台湾の民主化を進めた。
・99年に中台2国論を展開。中台対話は中断した。
・台湾民主化の父として人々への影響力も強かった。
・蔡英文総統は台湾のアイデンテティや民主主義を守る姿勢を強調した。
・中国外務相報道官は国家の統一は阻止できないと批判した。

◆トランプ氏が大統領選延期発言(30日)
・トランプ大統領はツイッターで、11月3日の大統領選延期の可能性に触れた。
・コロナの影響で郵便投票が増えると、不正が増えるなどと指摘した。
・与党共和党も否定的な意見が多く、実現の可能性は極めて少ない。
・大統領選はコロナの拡大でトランプ氏に不利に進む。
・同氏の焦りかなどと波紋を広げる。

◆米が駐独軍削減を発表(29日)
・エスパ-国防長官は駐独米軍の削減計画を発表した。
・約3.5万の兵力のうち1.2万を削減する。うち5600は欧州内で配置転換する。
・欧州米軍司令部をベルギーに移す。F16戦闘機部隊はイタリアに移す。
・移転には数年を要する見通し。
・トランプ米大統領は6月、独の国防費負担が少ないとし駐独米軍削減を発表した。
・米欧間の新たな亀裂として注目される。

 

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◎寸評:of the Week
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【李登輝の死亡と中台問題】  台湾の李登輝元総統が死亡した。1996年に初の総統選の直接選挙を実現し、民主化を推進した人物。その後中国との2国論を展開し。中国からは敵対視された。死亡に際しても国際社会や中国から様々な反響があり、影響力を示した。(→国際ニュースを切る)

 【GAFA公聴会が語る潮流と課題】 米下院がGAFAの首脳を呼んで7月29日に公聴会を行った。米国では巨大IT企業が公正な競争を阻害しているとの見方が広がり、規制論が強まっている。議会は反トラスト法の調査を行っている。公聴会では応酬が繰り広げられた。(→国際ニュースを切る)

 【重要なニュース】 トップ5以外にも重要ニュースが多かった。米国トランプ大統領は7月31日、中国系の動画投稿アプリTikTokの米国内での利用を禁止すると発表した。中国政府への個人情報流出防止を理由にしている。TikTok米国部門の売却話もあるようだ。米中摩擦の材料がまた増える。
 香港政府は9月6日に予定していた立法会(議会)選挙を1年延期すると発表した。コロナを理由にするが、民主派優勢の中での選挙を避ける狙いとの見方が多い。
 マレーシアのKL高等裁判所は、政府系ファンド1MDBの汚職事件で起訴されたナジブ元首相に禁錮12年などの有罪判決を下した。
 

◎今週の注目(2020年8月3-9日 &当面の注目)
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・引き続き新型コロナの動きに関心。
・大統領選の民主党候補のバイデン氏が副大統領候補を氏名する。
・ベラルーシの大統領選が9日。

 

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