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2020年7月

2020年7月26日 (日)

◆EU復興基金合意の意味 2020.7.26

 EU首脳会議が21日、7500億ユーロの復興基金設立で合意した。新型コロナ被害が深刻な南欧諸国支援などに活用するものだが、(1)EUとして初めて共通債を発行し資金を調達する(2)支援の一部は融資ではなく、返済義務のない補助金となる、などこれまでにない特徴を備える。

 合意によりEUは、コロナ危機で亀裂が深まった危機を回避する。さらに、財政面での協調を一層深め、EUの歴史にとっても重要な節目になる。

▼歴史的な決定

 今回のEU首脳会議は7月17日に開幕。総計5日のマラソン会議を経て21日に合意に達した。

 主な合意内容は、(1)総額7500億ユーロの復興基金を設立する(2)そのうち3900億ユーロは返済義務のない補助金、3600億ユーロは融資とする、(3)基金の原資は欧州委員会が債権を発行して市場から調達する、(4)復興基金は2021-27年のEU中期予算に組み込む、(5)援助を受けた国が適切に使っていない場合はEU首脳会議で協議するーーなど。

 復興基金は、新型コロナ被害の大きかった国の支援を目的としており、総額3900億ユーロはEUのGDPの3%程度に相当する。イタリアやスペインはGDPの5%程度程度の支援を受ける見通しだ。

 欧州委員会がEU共通の債務となる債権を発行するのは初めてで、財政面での協調が進む。これが将来の財政統合への第1歩となる可能性もある。

 そうした意味合いを踏まえ、欧州のメディアは歴史的(ロイター通信)、画期的(landmark)(FT紙)などと報じた。

▼EUの危機を回避

 新型コロナの感染拡大で、EUは深刻な危機に直面した。2月下旬-3月にかけ、まず感染が拡大したイタリアやスペインは医療崩壊など深刻な事態に陥った。しかし他のEU諸国は伊西への支援より自国の感染拡大防止を優先。両国が医療品の支援要請をしても十分に応じない状況だった。

 イタリアやスペインは「何のためのEUか」と批判。マスクなど医療機器支援で外交的攻勢をかける中国に接近する動きも見せた。EU内の亀裂が深まり、南欧などでは反EU感情が高まる危機が強まった。

 EU共通債券を活用した支援は、かねてイタリアなどが要求していたもの。今回の決定で反EU感情の高まりなどの危機はひとまず回避できる情勢になった。

▼メルケル首相の決断

 今回の決定のベースになったのが、5月18日のメルケル独首相とマクロン仏大統領の合意(テレビ会議)である。両者はコロナで被害を受けた経済復興のために、5000億ユーロ規模の基金設立で合意した。

 復興基金は簡単に言えば、「借りる(資金調達する)のはEU、使うのは各国」という仕組み。放漫財政になるリスクも指摘される。

 ドイツは元々財政規律に厳しい立場で、こうした仕組みの基金には慎重だった。2010年代前半-中盤のユーロ危機の際に、ギリシャなどに対し安易な援助を行うことに反対し、支援の際には厳しい条件をつけるよう主張してきた。

 しかし、今回のイタリアやスペインなどの危機は放漫財政から起きたものではなく、新型コロナという予期しない災害から生じたもの。EUが支援を渋れば、南欧などで反EU感情が拡大し、EUそのものの危機にもつながりかねない。メルケル首相はこんな状況を的確に嗅ぎ取り方針転換した、との見方が多い。

▼財政統合への一歩

 復興基金合意には、EUの危機回避の他に、財政面での協調が一歩進んだ意味がある。EU主要国は1999年に共通通貨ユーロを導入し、通貨統合を実現した。しかし、財政面の統合は進まず、「金融政策は共通だが財政策はバラバラ」という状況が続いていた。

 これが2010年代のユーロ危機の一因になったという指摘は多い。EUが将来さらに統合を進め、経済の安定的発展を維持していくためには、財政統合が欠かせないとの見方は根強い。

 今回の復興基金は、EUが共通で債務を負うもので、財政面の協調を一歩進めたものになる。将来の財政統合に向けた一里塚になるという見方もできる。

▼EU内の対立も

 ただ、首脳会議はEU内の対立にも改めて焦点を当てた。財政規律を重視するオランダ、オーストリア、デンマーク、スウェーデンは、返済義務のない補助金にするとモラルハザードが起き、放漫財政が進むと懸念。補助金ではなく融資にするよう主張した。これらの国は「倹約4カ国」呼ばれた。

 ポーランドやハンガリーなど、東欧諸国の一部が民族主義的な色彩を強め、反民主主義的な傾向を強めていることに対する懸念も指摘された。オランダやデンマーク、フィンランドなどは復興基金からの支援ん決める際、「法の支配」が守られているかを条件にすべきだと主張した。

 会議は倹約4カ国の立場にも配慮し、当初計画より融資の割合を拡大したり、援助が適切に使われていない場合はEU首脳会議で協議する、などの条件を加えた。法の支配を重視する姿勢も打ち出した。

 合意にはこぎつけたものの、北対南、西対東などの対立が改めて浮き彫りになった。

▼EUの将来戦略と世界

 EUはこれまでも、危機をばねに統合を深め、発展してきた。1970-80年代の経済低迷をバネに、1980年代後半の市場統合計画を推進し、1993年に単一市場を発足した。1989年の東西冷戦終了と欧州の流動化を受けて、1990年代に統合を強化し、通貨統合(1999年)や加盟国拡大(2004年の東方拡大など)を実現した。

 英国のEU離脱(2016年の国民投票で決定)を受け、EUは将来に向けた新たな統合戦略を求められているところだった。そこに現在のコロナ危機だ。EUはその機能、能力、統合の将来戦略を問われている。

 復興基金設立では、とりあえず危機のばねが働いた。メルケル独首相らのリーダーシップも発揮された。しかし今後も、困難な課題が相次ぐのは間違いない。

 EUは既存の国民国家の枠組みを超えた歴史的な実験でもある。現在は世界の枠組みが大きく変わり、米国も中国も、国家のあり方や世界における役割を問われている時代。EUの行方は、将来の国際システムや国のあり方といった視点からも興味深い。今回の復興基金合意の意義もそうした脈略の中で捉えたい。

◎ コロナ下でかろうじて利いた危機のばね 
◎ 独宰相の転身に知る危機の淵
◎ 見えぬ未来まずは統合の補強から
◎ 同床異夢で進むしかない新時代

2020.7.26

2020年30号 (7.20-26 通算1046号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2020年7月20-26日
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◆EUが復興基金で合意、EU統合の行方にも影響(21日)☆
・EU首脳会議は、総額7500ユーロの復興基金設立で合意した。
・EUとして債券を発効し資金調達、新型コロナの被害が深刻な南欧支援などに使う。
・支援のうち3900億ユーロは返済義務のない補助金とする。EUとして初めての決定だ。
・EUは伊西などのコロナ被害が深刻な時に十分な支援ができず、EU内の亀裂が深まった。
・独仏などは亀裂修復のためにEU共通債発行や基金設立を決断、首脳会議に提案した。
・会議では財政規律に厳しい北欧諸国が反対したが、運用条件の厳格化などで妥協した。
・今回の決定は財政面での協調を一歩進める内容。
・英FTなど欧州メディアも歴史的な決定と評価。今後のEU統合に与える影響も大きい。

◆米中が報復合戦、総領事館閉鎖、米国務長官「対中同盟」訴え ☆
・米中の対立が一段と深刻化した。
・米国は21日、ヒューストンの中国総領事館を閉鎖するよう通告した。
・米国は、総領事館が知的財産侵害に関わる活動をしていたなどと説明する。
・中国は24日、成都の米総領事館を閉鎖するよう通知した。米への対抗措置。
・ポンペオ米国務長官は21日、訪問先のロンドンで応手諸国に対中同盟の結成を訴えた。
・長官は23日にはカリフォルニア州で、民主主義陣営の新同盟で中国に対抗するよう主張。
・歴代政権の、中国を支援して民主化を促す「関与政策」は失敗だったと断じた。
・一方、エスパー国防長官は21日、年内の中国訪問に意欲を示した。
・偶発的な衝突など、危機下での意思疎通を維持する仕組みなどについて議論を目指す。

◆コロナ感染確認1500万人、米など3カ国で新規の6割 ☆
・新型コロナの感染拡大が続き、世界の感染確認者は23日、1500万人を超えた。
・新規感染確認者は23日で約30万人。米国とブラジル、インドで約6割を超える。
・米国では感染確認者が24日、400万人を超えた。

◆英国が香港と犯人引渡し条約停止、英中関係悪化(20日)
・英国は香港との犯人引き渡し条約を停止した。
・香港で国家安全維持法が施行されたのに伴う措置。
・英国は6月末の国家安全法施行後、香港住民の受け入れ拡大を表明。
・14日には5Gの機器を巡り、中国通信機器大手ファーウェーの締め出しを決めた。
・中国はこれに反発。香港市民が持つ英国海外市民旅券を認めないと23日表明した。
・米中関係の悪化が進む中、英国と中国の関係も緊張が高まっている。

◆アヤソフィアで金曜礼拝(24日)
・トルコ・イスタンブールのアヤソフィアで金曜の集団礼拝が行われた。
・トルコ政府は10日、同施設をイスラム教のモスクとすると決めた。
・アヤソフィアは元々キリスト教の大聖堂として建設。
・オスマントルコ時代にはモスクになり、1934年からは宗教的に中立な博物館だった。
・ローマ教皇フランシスコは、決定に深い痛みを表明した。
・トルコは今後も、礼拝の時間以外は観光客を受け入れるとする。

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◎寸評:of the Week
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 【EU復興基金】 EU首脳会議がコロナ被害からの復興基金設立で合意した。資金は欧州委が債券発行で調達する。EU統合にとって、節目になる(→国際ニュースを切る)

 

◎今週の注目(2020年7月27日-8月2日 &当面の注目)
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・引き続き新型コロナの動きに関心。
・米下院は29日、GAFA首脳などを呼んで反独禁法調査を巡る公聴会を開く。

 

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2020年7月20日 (月)

2020年29号 (7.13-19 通算1045号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2020年7月13-19日
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◆米が対中強硬姿勢一層鮮明に、南シナ海、香港で(13-14日)☆
・米国が中国に対する強硬姿勢を一層鮮明にした。
・ポンペオ国務長官は13日、南シナ海での中国の行動や主張を違法と断じた。
・米国が同地域での中国の主張を公式に否定するのは初めて。
・14日にはトランプ大統領が香港自治法に署名、成立させた。
・中国の大手金融機関に対し、香港自治への侵害を理由に制裁を可能にする。
・ファーウェイなど中国のハイテク企業に対する締め付けも強化している。
・米中の緊張は1月の貿易第1段階合意で一服したが、その後再び高まっている。

◆英国がファーウェイ排除(14日)☆
・英政府は次世代通信規格5Gからファーウェイを排除すると決定した。
・2021年から同社製の新規購入を禁止。2027年までに排除を実現する。
・英国はこれまで、同社製品の部分的な利用は認める立場だった。
・しかし米トランプ政権は禁止を要求。英保守党内の強硬派も排除を求めた。
・米国は5月に同社への制裁を強化。同社は台湾企業などに生産委託しにくくなった。
・政政府は、ファーウェイによる安定供給が難しくなった事が判断の理由と言う。
・米国は同社製品の排除を欧州や日本などに要求している。
・同社問題は米中対立の焦点の1つになっている。

◆ツイッターにサーバー攻撃(15日)☆
・バイデン前副大統領やテスラのマスクCEOらのツイッターアカウントが乗っ取られた。
・ハッカーによる犯行を見られる。
・ビットコインの送金要求が投稿され、10万ドル以上の被害があった。
・乗っ取りに合ったのは他に、MS操業のゲイツ氏、アマゾンのベゾス氏など。
・英米カナダ当局は16日、新型コロナの研究所がロシアからサイバー攻撃を受けたと発表。
・ワクチン情報や知的財産を盗み出す狙いと分析した。ロシアは否定した。
・米大統領選やコロナを巡り、サイバー攻撃やハッキングの懸念が拡大している。

◆コロナ感染、ブラジル200万、インド100万超 ☆
・新型コロナの感染拡大が継続。19日現在感染確認者は1400万、死者は約60万人。
・ブラジルの感染確認者は15日200万人を突破。インドは17日100万人を超えた。
・米国では感染再拡大が加速。カリフォルニアは全州でバーの営業を再禁止した。
・公衆の場でマスク着用を義務付ける州も増え、28州に及んだ。

◆中国の4-6月GDPプラス3.2%に回復(16日)
・中国の2020年4-6月期のGDPは、前年同期比プラス3.2%だった。
・1-3月期はマイナス6.8%だった。
・自動車や半導体、鉄鋼などの生産が回復、設備投資も持ち直した。
・コロナの感染拡大に歯止めがかかり、経済も足元回復した形だ。

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◎寸評:of the Week
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 【米中摩擦過熱】 米国が対中強硬策を相次ぎ打ち出した。1つは南シナ海問題で、中国の主張が「違法」を初めて明確に打ち出した。これまでは中国の動きをけん制しつつも、ある程度の距離を取った対応だった。しかし東南アジア寄りの立場を明確にした。

 もう一つは、香港自治法を発効させ、中国の大手金融機関などに対する制裁に道を開いたこと。金融制裁は、米側にも返り血が及ぶリスクがある策。しかし香港問題で、中国に譲歩しない姿勢を示した。

 米中ハイテク摩擦の焦点の一つとなったファーウエイの問題では、英国が5Gの機器からファーウェイ製を排除する決定を下した。米国の主張が通った形だ。

 米トランプ政権はコロナでも中国批判を強める。中国の初期行動がコロナ感染拡大の原因になったという主張。同時に、中国の影響力が強いとされるWHOも批判。前週にはWHOからの脱退を通告した。国際協調でコロナ対策を進めるより、対中戦略を優先させた印象を与える。

 米国の強硬姿勢の背後には、大統領選で支持獲得を目指すトランプ大統領の思惑もあるだろう。しかし、それでだけでは片付けられない。中国に対する不信感や警戒感の高まりは、党派を超えて根付いている。

 米国陣営と中国の勢力圏の経済が分断されるデカップリングが、場所で語られている。その可能性やリスクが、また一つ大きくなった気がする。

◎ コロナより対中攻勢、大丈夫?
◎ デカップリングまさかという間に進んで行く

 

 【アップ追徴課税--EU巨大IT企業規制政策の行方】 EU一般裁判所がアップルへの追徴課税問題で重要な判決を下した。欧州委員会が求めた追徴課税を取り消す内容で、委員会にとっては打撃になる。欧州委は上級審への控訴も含め対応を検討する。欧州委員会は競争法を武器に大手IT企業規制を目指してきたが、今後の戦略の行方は不透明さを増した。
 

◎今週の注目(2020年7月20-26日 &当面の注目)
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・引き続き新型コロナの動きに関心。
・イスタンブールのアヤソフィアで24日、礼拝が行われる。トルコ政府はアヤソフィアの位置づけを、「宗教的に中立の博物館」から「モスク」に変えたばかり。

 

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2020年7月12日 (日)

◆アヤソフィアの運命ーー歴史に揺れる遺産、トルコのイスラム化 2020.7.12

 トルコがイスタンブールにある歴史的建物「アヤソフィア」をモスクにすると決めた。同国を代表する歴史的遺産で、東西文化交流の象徴ともいえる建物。決定からは、トルコのイスラム化の印象を受ける。

▼キリスト教とイスラム教様式が並存

 アヤソフィアはローマ帝国時代に境界として最初の建物をし、東ローマ(ビザンチン帝国)時代の537年に再建された建物が土台。1453年にオスマントルコがコンスタンチノープル(現在のイスタンブール)を征服すると、モスクに転換された。

 キリスト教境界時代の建築様式が残り、その上にイスラム風の様式が加わった異例の建物。内装も、キリスト教風とイスラム様式が並存する。キリスト教時代のモザイクの上に、イスラム時代のデザインが上塗りされている場所も多い。世界に例のない「多層な文化」の建物になっている。

▼「世俗主義の象徴」の終わり

 1920年代に近代トルコを建設したアタチュルクは、政教分離と世俗主義を国是とした。アヤソフィアについては「宗教的に中立的な博物館」とすることを決定した。閣議の決議を経て、1935年に博物館とした。

 トルコではその後1990年代まで世俗主義が国是として守られた(軍医よるクーデターの頻発という問題もあった)。アヤソフィアは「宗教的中立」の象徴だった。また「多文化主義」「異なる宗教の共存」の象徴ととしても位置付けられた。

 今回のエルドアン大統領の決定で、アヤソフィアは世俗主義の象徴から、イスラムの施設に戻る。トルコの変化を映す象徴的な動きともいえる。

▼イスラム色強めるエルドアン政権

 エルドアン氏は1990年代のイスタンブール市長時代から、イスラム勢力の支持を背景に政治基盤を強化。2000年代初頭に首相として権力の座についてからは、イスラム色の強い政策を鮮明にした。

 一時はEU加盟を最優先課題に位置付け、欧米流の民主主義を尊重する姿勢も前面に出した。しかし、その後EU加盟は当面の目標から事実上降ろし、イスラム重視の姿勢が目立つようになった。岩盤の支持層であるイスラム保守派を意識した言動だ。

▼強権化

 2010年代に入ると、エルドアン政権は強権色も強めていく。2014年には大統領に就任。2017年には国民投票で憲法改正を実現し、大統領権限を強化した。

 新型コロナの流行後は、一層強権職を強める姿勢を出している。

▼アヤソフィアが見てきた歴史

 2000年代初めまでトルコは、欧米社会と中東のイスラム諸国を結ぶ橋渡し役を期待された。今では、そうした認識は後退した。

 現在の建物ができてから約1500年、アヤソフィアは幾多の歴史を目撃し、建物の位置づけも代わってきた。建物に投影される価値観も、キリスト教、イスラム教、多文化主義、特定の文化至上主義など、移り行く。今回も新たな変化は、1000年単位の歴史で見たらどんな風景に映るのだろうか。

◎ 多文化もイスラムも見てきた1000余年
◎ アタチュルクの夢が消えてく100年後
◎ 内向きの時代の多文化、受難なり

 

2020.7.12

2020年28号 (7.6-12 通算1044号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2020年7月6-12日
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◆米で感染再拡大拍車、累計300万人、大統領はマスク着用(8日)☆
・米国で新型コロナ感染が再拡大。感染確認者は300万人を超えた。
・7月に入り感染確認者は連日5万人を上回る。4-6月は3万人弱だった。
・カリフォルニアやテキサス、フロリダなど、南部や西部で拡大が続く。
・ただ、7月の死者数は1日500人程度で、4月の4分の1程度にとどまる。
・5月に経済活動を一部再開した結果、感染の再拡大が起きた模様だ。
・5-6月の人種差別抗議デモ拡大も、感染拡大を加速させた可能性がある。
・フロリダやテキサスなどは経済活動規制を再導入した。
・トランプ政権のコロナ対応に対する国民の批判も拡大。大統領の支持率は低下気味。
・大統領は11日公の場所に初めてマスク姿で現れた。世論対策の側面がある。
・世界全体の感染は引き続き拡大。ブラジルやインドなど新興国で感染者が増えている。
・ブラジルの感染者は11日180万人を突破。ボルソナル大統領も感染した
・世界の感染確認者は9日、1200万人を超えた。

◆米がWHOから脱退通知(6日)☆
・米国は国連に対し、WHOからの脱退を正式に通告した。
・米国は4月にWHOへの拠出金停止を表明している。
・米国はWHOの運営が中国寄りと批判してきた。
・民主党は決定に反発。バイデン前副大統領は大統領に当選したら決定を覆す意向。
・トランプ氏の判断には、政権のコロナ対応への批判をかわす狙いがあると見られる。
・米大統領の判断で、コロナ対応の国際体制が揺れる。

◆トルコが「アヤソフィア」をモスクに変更、イスラム化がさらに進む(10日)☆
・トルコがキリスト・イスラム教複合建築物の「アヤソフィア」をモスクに変更する。
・アヤソフィアはイスタンブールの中心に建つ歴史的建造物。世界遺産。
・ローマ時代にキリスト教会として作られ、537年に現在の建物が建設された。
・1453年にオスマン帝国が征服後は、モスクに変更された。
・近代トルコの父アタチュルクは政教分離や世俗主義を主張。
・アヤソフィアは宗教的に中立な博物館になり、異文化共存の象徴として重視された。
・今回最高裁が過去の決定を無効とし、エルドアン大統領が大統領令に署名した。
・エルドアン政権下では政教分離の原則が後退し、イスラム色の強化が進む。
・この流れが更に加速する可能性がある。

◆シンガポール総選挙、与党多数、野党議席増(10日)
・総選挙(一院93議席)が行われ、与党・人民行動党(PAP)が83議席を獲得した。
・得票率は61.2%で、2015年の69.2%から減少した。
・主要野党の労働者党が10議席を獲得した。野党の2桁議席獲得は建国以来初。
・同国では1965年の独立来PAPが権力を握る。与党に有利な選挙制度もその一因。
・同党は経済成長優先の政策を推進し、同国はアジア有数の豊かな国になった。
・しかし不平等是正や外国人労働者規制を求める声も拡大。2011年選挙は野党が伸長した。
・2015年は故リー首相の弔い合戦で与党が勝利したが、再び野党が健闘した。
・今回はコロナ対策などが焦点になった。

◆グーグルなど香港当局へ情報提供停止(6日)☆
・FBとグーグル、ツイッターは香港当局に対する利用者情報提供を停止した。
・各社が声明を出した。香港国家安全法の影響を精査するためとしている。
・各国当局は、犯罪捜査などの際にIT企業に情報提供を求めることがある。
・IT大手は適切と判断した場合には提供に応じている。
・香港については、供給停止し、国家安全法の適用などの行方を見る構え。

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◎寸評:of the Week
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 【トランプ大統領のマスク】 米国で新型コロナの感染が再拡大。各地で経済活動規制の再導入が進む。政権のコロナ対応への批判もじわじわと強まってきた。

 大統領選挙の支持率では、民主党候補となるのバイデン前副大統領が、トランプ氏を10%程度リードしている。バイデン氏リードの主な理由は、同氏の政策や人気によるものではなく、もっぱらトランプ批判の拡大による見ていいだろう。

 こうした中で、トランプ氏は様々な動きを見せる。11日には初めて公の場所にマスク着用で現れた。これまでマスク着用に否定的な姿勢だったが、感染再拡大をみて姿勢転換した模様だ(本人は転換を否定)。

 6日には、WHOからの撤退を国連に通告した。コロナに対し、世界が協調して取り組むべき時期。国際協調が各国の利害に左右されるのはよくある事だが、今回の問題に関しては、世界のリーダーであるべき米国が動揺の震源にむしろなっている。

 「コロナとトランプ氏」のニュースは尽きない。

 

 

 【アヤソフィアの運命】 トルコがイスタンブールにある歴史的建物「アヤソフィア」をモスクにすると決めた。動きはトルコのイスラム化の強まりを象徴する。(→「国際ニュースを切る」)

 

 

◎今週の注目(2020年7月13-19日 &当面の注目)
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・引き続き新型コロナの動きに関心。
・EUが17日、臨時首脳会議を開催する。新形コロナ救済を巡る、救済基金の設立などが協議される見込み。

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2020年7月 5日 (日)

◆香港1国2制度の黄昏 2020.7.5

 香港で国家安全維持法が施行された。中国の直接統治が強まり、1国2制度の形骸化の懸念が強まる。自由な自治を前提としてきた香港は、重大な曲がり角を迎えた。政治体制や価値観を巡る米欧と中国の対立にとっても、重要な節目になる。

▼中国が直接関与

 国家安全法は6月30日に中国が交付し、同日午後11時に香港で施行された。主な内容は、(1)国家分裂、政権転覆、テロ活動、外国勢力との結託を犯罪を規定、(2)中国政府は香港に治安維持期間を新設する、(3)香港の他の法律と国家安全法が矛盾する場合は、国家安全法を優先する、などだ。

 (1)の犯罪の規定は、反中的な抗議活動や民主化デモなどを念頭にしているとみられる。(2)は、これまでの香港政府を介した間接的な関与ではなく、中国が香港に直接関与することを意味
する。(3)は、香港法が中国法の下に置かれことを鮮明にする

 

▼1国2制度の骨抜き

 

 香港は1997年の返還から50年間、「1国2制度」を約束されてきた。香港は中国の領土でありながら、法律や司法などは香港独自の制度を維持する仕組みだ。香港のビジネスは英国法の影響下に作られた香港法の下で運営され、金融業などは返還前と変わらず繁栄を維持してきた。

 国家安全法は、香港法が中国法の下に位置づけられると明確化した。1国2制度が骨抜きされると言ってもいい。

▼中国と同じ状況に

 安全法は外国人にも適用される。外国人であっても、「国家分裂」をみなされる発言は許されないし、違反を理由に逮捕されることもある。

 いわば、中国国内に居るのと同じ状況になる。これまで香港は、「言論や通信の自由がある地域」だったが、中国と同じようになる、と考えるのが分かりやすい。

▼中国は民主化に危機感

 中国が国家安全法制定に動いたきっかけの1つが、昨年の抗議デモと言われる。香港の議会が、香港で犯罪を犯した犯人を中国に送ることを可能にする「逃亡犯条例」の制定に動いたことに、民主派の住民らが反発。昨年6月以降、100万人、200万人以上が集まる大規模抗議活動が続いた。

 抗議活動の要求は民主化拡大の要求にもつながり、11月の区議会選(権限は小さいが、民意のバロメータと位置付けられる)でが民主派が圧勝した。

 この間、香港政府は有効な対抗策を打ち出せず、中国政府は危機感を強めた。結果、直接統治に繋がる香港安全法制定に動いた、という見方だ。

▼「香港の自由の死」

 香港の民主派住民らは7月1日以降、安全法に対し反対活動を展開。これに対し香港警察は取締りを強化し、安全法に対する逮捕者を出した。報道機関やネットに対する監督も強化している。香港の民主派団体も解散を余儀なくされるなど、統制が強まっている。

 元々香港の社会から自由が失われていくという見方は、幅広くあった。例えば2015年に政策された映画「十年」は、自由が失われてた10年後の香港の日常を淡々と描いている。

 しかし、今回は、1国2制度が急激に覆される展開。民主派からは(例えば蘋果日報=アップルデイリー=代表など)は、「香港の自由は死んだ」などの発言も出る。

▼経済にはダメージ、中国は想定済み

 米欧など国際社会は安全法制定に反発。米国は香港や中国に対する制裁措置を発表した。香港に進出している企業は、香港法による財産の保護などが保証されなければビジネスも展開しにくい。事業の撤退などの動きもでてくるだろう。実際、ヘッジファンドなど金融機関には、拠点を香港からシンガポールに移す事例もある。

 経済的なダメージは避けられないだろう。しかし、中国政府もその辺は十分に理解した上での決断だろう。香港が中国経済に占める割合が、返還時とは比べ物にならないほど縮小した(1997年には香港のGDPは中国の7%程度、現在は2%程度)。これも、中国が思いきった決断ができる理由の1つだろう。

▼香港住民の受入れ

 民主派の住民らが、香港から海外に流出する動きもある。旧宗主国の英国や豪州、台湾などは、香港住民を受け入れる姿勢を表明している。

 ただし、百万人単位の流出になれば、簡単に対応できるものではない(香港の人口は750万人)。欧米などの中国批判・民主派支持が、単なる言葉だけのものか。それ以上のものになるかも問われる。

▼欧米vs中国の最前線

 香港問題は、香港個別の問題であるほか、国家体制や価値観などを巡る米欧と中国の対立(競合)の最前線でもある。欧米は自由や民主主義、法の支配を尊重する体制が、人々の幸福や経済発展という観点から見て相対的に優れていると主張してきた。香港のあり方でも、中国が「1国2制度」を尊重する方が利益になる、という読みがあった。

 ただ中国は、欧米のモデルにとらわれない国家のあり方や経済発展を志向する傾向を強めている。2008年の世界金融危機以降は特にそうだ。そして、経済成長の持続や人々が豊かになるという面では、結果を出している。

 国際社会における存在感を拡大し、中国式モデルが新興国などから支持を拡大しているのも事実だ。

 香港問題は、自由や民主主義、国家のあり方に関わるこうした問題に改めて問いを突き付ける。香港住民受入れなど、個別問題についても総論では答えにならない疑問を投げかける。

 

◎ コロナの夏1国2制度黄昏時
◎ 「自由の死」を呆然と見つめ盛夏来る
◎ 嫌われても中国伸長この事実
◎ 「頑張れよ」声だけ声援空虚なり

2020.7.5

 

 

2020年27号 (6.29-7.5 通算1043号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2020年6月29日-7月5日
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◆香港安全法施行、返還23年(30-1日)☆
・中国は30日、香港国家安全維持法を交付した。香港で同日午後11時に施行された。
・同法は反中国的な言動や抗議を念頭に「国家分裂」の行為などを禁止。取り締まる。
・中国は香港に治安維持機関を新設。治安や教育などで直接関与を強める。
・これまでの香港政府を通した間接的な統治から、直接統治の色彩を強める。
・7月1日には抗議活動を行った人が同法に基づき逮捕された。
・香港は返還後50年間は高度な自治を認める「1国2制度」を約束されたが、崩壊しかねない。
・欧米は同法を批判。英国や豪州、台湾などは香港からの住民受入れ拡大の姿勢を示す。
・香港の民主派などは「香港の自由は死んだ」などと認識する。
・欧米社会と中国の関係や、世界の民主主義のあり方にも問いを突き付ける。
・香港は7月1日、英国から中国に返還されてから23年を経過した。

◆ロシア憲法改正(1日)☆
・憲法改正を問う国民投票が6月25日-7月1日行われ、賛成が約78%を占めた。
・プーチン大統領が2024年の現任期の後、5選出馬が可能になる。
・最長2036年までの就任が可能になる。
・プーチン氏は2000年大統領に就任。その後一時首相時代を経て、20年間権力を握る。
・当初の対欧米協調→冷却化。2008年にジョージア紛争、2014年クリミア併合を経た。
・資源価格の低迷で近年は経済が低迷。今年はコロナ拡大もあり、人々の不満の高まる。
・プーチン政権は課題対応のため、強権色を強める傾向が目立つ。

◆コロナ、米国で再拡大 ☆
・新型コロナ感染は拡大が継続。新興国で感染者が増え、米国で再拡大が目立つ。
・米国は1-2日、連続で5万人超の感染確認者を数えた。
・AP通信によれば、50州中40州で患者数が増加している。
・テキサスやフロリダなどは、早期の経済活動再開が感染再拡大につながった模様。
・欧州やアジアの一部でも感染再拡大。地域限定の都市封鎖などで対応する。
・世界の感染確認者は4日現在1100万人超。死者は52万人超だ。

◆北米新協定が発効、自由貿易の色彩は弱まる(1日)☆
・米加墨の間で、NAFTAに代わる新通商協定USMCAが発行した。
・旧協定の発効以来、26年半ぶりの改定。
・自動車の原産地規則が変わり、従来は域内部材62.5%なら関税ゼロ→75%に引き上げる。
・低賃金労働を規制する条項も新設した。
・NAFTAより自由貿易の要素が薄まり、米産業保護などが重視される。
・NAFTAは1994年に発効。賃金の安いメキシコへの生産拠点移転が進んだ。
・米国の雇用が流出したとの批判も根強く、2017-18年再交渉した。

◆テスラの時価総額自動車業界トップに(1日)
・電気自動車のテスラの時価総額が2100億ドルを超え、自動車産業で世界首位になった。
・首位だったトヨタ自動車を抜いた。
・EVブームを追い風に、テスラの株価は過去1年で5倍に増加した。
・テスラの2019年の生産は約36万台。一方トヨタは1000万台。
・それでも時価総額が逆転した背景には、時代変化の方向性がある。
・ただし、IT大手のMSなどに比べると時価総額は5分の1以下だ。

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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
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◎寸評:of the Week
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 【重要ニュース】 コロナ関連のニュースを脇に追いやるような重要な動きがあった。返還23年目を迎えた香港では国家安全法が施行。ロシア国民投票は憲法改正を承認し、プーチン大統領5選の可能性が開けた。

 

 【1国2制度の曲がり角】 香港では国家安全法が施行され、1国2制度は曲がり角を迎えた(→国際ニュースを切る)

 

◎今週の注目(2020年7月6-12日 &当面の注目)
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・引き続き新型コロナの動きに関心。
・シンガポールの総選挙が7月10日に行われる。

 

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