« 2020年21号 (5.18-24 通算1037号)国際ニュース・カウントダウン | トップページ | 2020年22号 (5.25-31 通算1038号) 国際ニュース・カウントダウン »

2020年5月24日 (日)

◆コロナ禍と中国全人代・香港 2020.5.24

 中国の全人代が22日始まった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、当初予定から2カ月半遅れの開催。コロナ後の新風景や動向が見られた。

 全人代は中国の政策の基本方針などを決定(承認)するもので、毎年3月初旬に開催される。今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、延期された。北京の人民大会堂に集まった全国の代表はマスク着用。雛段の指導部らはマスクを外していた。

▼経済成長の目標なし

 注目点の第1は経済。毎年、全人代冒頭での経済成長目標が注目されるが、今年は目標設定を見送った。先行き不透明要因が多いのが理由とみられるが、異例だ。

 中国の成長率は過去40年10%近い成長を実現してきたが、2019年は6.1%にとどまった。米中貿易摩擦の影響などを受けたため。

 そこに加わったコロナ禍。1-3月のGDPは、前年同期比▲6.8%と落ち込んんだ。4月以降は回復の兆しがあるものの、IMFなどの予測は通年でも1-2%程度の低成長を見込んでいる。

 コロナの今後は見通しがたい。そうした中で、中国指導部は最も重要な指標の1つだった成長目標を外すという新たな決断をした。コロナがこれまでの常識、枠組みを変えていることの表れの1つだ。

▼1国2制度の終焉?

 注目の第2は香港問題だ。李克強首相は年次経済報告で、「香港国家安全法」を制定する考えを明示した。

 香港は1997年の返還以来、50年間は1つの国の下に2つのシステムが並存する「1国2制度」を維持することになっており、法律制度も中国本土とは別だった。このため、香港の治安についても一義的には香港政府が責任を持ち、必要な法律も香港政府や香港議会が制定する仕組みだった。

 中国はこれまで、「1国2制度」の下で香港政府を支援する立場を取ってきた。香港の治安を維持する法律についても、昨年の全人代では香港政府を支援すると表明していた。この方針を転換し、中国が直接関与する姿勢を明確にした。

 こうした動きが続けば、香港は法律の上でも中国の法律の下に統合され、「1国2制度」でなく「1国1制度」になりかねない。香港の民主派などは懸念する。

 香港では2019年に、特定犯罪の犯人を中国に引き渡すことを可能にする「犯罪者引渡し条例」制定を巡り民主化運動が拡大。世界の注目を浴びた。コロナ問題の発生後は国際的に香港の動向が報道されることはめっきり減った。

 そうした中で、今回の「香港国家安全法」制定の動きが出て来た。香港問題においても、コロナが動向を左右する1つの要因になっている。

▼コロナ後の新世界

 コロナ後の世界は枠組みが従来から変わると指摘される。経済システムの変化、強権国家の増加、民主主義の危機など、様々な変化が指摘される。

 中国全人代や香港情勢からも、そうした世界の変化の予兆が見て取れる。

◎ コロナ後の世界をチラリ全人代
◎ 「緊急時」と力の支配が踊りだす
◎ 疫病がゲームのルールを変える年
◎ 非常時の反骨精神どこにある

 

2020.5.24

 

 

« 2020年21号 (5.18-24 通算1037号)国際ニュース・カウントダウン | トップページ | 2020年22号 (5.25-31 通算1038号) 国際ニュース・カウントダウン »

中国」カテゴリの記事

世界の潮流」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 2020年21号 (5.18-24 通算1037号)国際ニュース・カウントダウン | トップページ | 2020年22号 (5.25-31 通算1038号) 国際ニュース・カウントダウン »

2020年9月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
無料ブログはココログ

ウェブページ