2020年08号 (2.17-23 通算1024号)国際ニュース・カウントダウン
◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2020年2月17-23日
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◆コロナウイルス影響拡大、中国は全人代延期へ ☆
・新型コロナウイルスの感染拡大が続き、影響の広がる。
・中国は3月5日から予定していた全人代の延期の調整を始めた。
・24日の常務委員会で協議する。栗戦書全人代常務委員長が17日述べた。
・IMFは2020年の中国の成長予測を6%→5.6%に引下げた。専務理事が22日表明。
・中国国内および世界で感染が拡大。イベントの中止なども続く。
◆EU首脳会議、中期予算で合意できず(20日)☆
・英離脱後初のEU首脳会議が開催された。
・中期予算(2021-27)を協議したが合意できなかった。
・予算拡大を求める南・東欧と、抑制を求めた北部欧州の溝が埋まらなかった。
・英離脱後の結束を具体的な形で示すことができなかった。
・EU予算は関税や各国からの拠出金をベースにし、GDPの1%程度の規模。
・支出は農業政策や後発地域の開発支援、研究開発、教育などが多い。
◆アフガン大統領選、ガニ氏再選発表。和平大詰め(18日)☆
・選管は昨年9月実施の大統領選で、ガニ氏が再選されたと発表した。
・同氏は最大民族パシュトゥン人。米留学などを経て2014年の選挙で当選。
・対立候補のアブドラ行政長官が投票不正などを訴えていた。
・同国ではタリバン武装勢力による攻撃や地域対立が続き治安は不安定。
・米軍、NATO軍が駐留する。
・米国とタリバンは和平交渉を継続。近く合意調印の可能性がある。
◆米ネバダ党員集会、サンダース氏勝利(22日)☆
・米大統領選・民主党候補争いのネバダ州党員集会が行われた。
・サンダース上院議員が2位以下に差をつけて勝利した。
・ニューハンプシャー州予備選に続く連勝。
・同氏は民主社会主義者を辞任する左派。
・同氏の勢いに、米ビジネス界などは警戒を強める。
◆米トランプ政権、側近偏重を加速
・米トランプ大統領が側近を偏重する人事を加速している。
・2月5日に米上院の弾劾裁判で無罪評決が出たのが契機。
・ウクライナ疑惑で不利な証言をした駐EU大使らを解任した。
・19日には国家情報長官代行に腹心を起用。対立した国防総省高官を解任した。
・バー司法長官も辞任説も流れる。長官は元々トランプ氏に近いと見られていた。
・しかしトランプ氏の司法介入と取られかねない発言に、長官は苦言を呈した。
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│INCDの採点
│ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
│ ☆☆ 世界史の年表に載るようなニュース
│ ☆ 国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース
│ 無印 興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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│プラスアルファ
│ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
│ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
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◎寸評:of the Week
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【コロナウイルスと全人代延期】 今週もコロナウイルス関連のニュースが中心だった。中国では死者が2000人を突破。3月初めからの全人代の延期の調査委に入った。全時代は中国の政治日程で(5年に1度の共産党大会と並び)最も重要な節目。それを延期にするほど、事態は深刻とみるべきだろう。
【サンダース旋風】 米大統領選の民主党の候補者選びは、3番目となるネバダ州の党員集会でサンダース候補が勝利。ニューハンプシャーに続いて連勝となった。緒戦アイオワのブティジェッジ旋風に続き、今度はサンダース旋風。序盤戦のキーワードだ。
同氏は民主社会主義者を辞任する左派。学生ローンの免除や富裕層への課税強化などの政策を掲げる。
米国は伝統的に、社会主義へのアレルギーが強い。しかもサンダース氏は78歳と高齢だ。それにもかかわらず旋風が起きているところに、社会の変化が出ている。
民主党候補者選びは中道のバイデンマ前副大統領(77歳)が本命と見られていたが、ウクライナ疑惑への息子の関連などもあり失速。中道からはブルームバーグ元NY市長(78歳)も遅れて出馬した。ブティジェッジ氏も絡み、中道の票の食い合いも激しい。
富裕層は左派のサンダース氏やウォーレン上院議員の選出を警戒し、中道候補のてこ入れを目指す。
行方は不透明だが、サンダース氏が最後まで本命あるいは有力候補として残る可能性が大きくなった。仮に同氏が大統領候補になってもトランプ大統領には勝てないとの見方が強いが、どう転ぶかは分からない。
2016年の大統領選でもサンダース氏の躍進はあった。それが4年後も繰り返されているところに、社会変化が一時的ではないことが表れている。
「米国」と「民主社会主義者」という、これまでだったらかみ合わない組み合わせ。面白い。
◎ 「社会主義の米国」に違和感消えていく
◎ 旋風に富裕層らの慌てぶり
◎今週の注目(2020年2月24-3月1日日 &当面の注目)
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・コロナウイルスの影響は、なお多方面広がっていく。中国が全人代の延期を正式発表しそう。
・アフガニスタンのタリバンと米国が和平合意を発表する可能性がある。
・イラン総選挙(21日投票)の結果が発表される。
・米NY州が3月1日からプラスチック製レジ袋の使用を禁止する。
・イスラエルの再度のやり直しとなる総選挙が3月2日に行われる。
・米大統領選の民主党候補者選びは、3月3日にスーパーチューズデーで16州の予備選・党員集会が行われる。
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