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2019年11月10日 (日)

◆ベルリンの壁崩壊30年と世界 2019.11.10

 ベルリンの壁崩壊から9日で30年を経過。ベルリンで記念式典が開かれた。30年と言えば1世代。世界の変化を振り返るのに良い機会だ。

▼分裂していた世界の統合

 1989年の壁崩壊は冷戦を終了させ、旧ソ連陣営は崩壊。東欧はその後ヨーロッパに復帰した。世界的には東西2大陣営に分かれていた体制の垣根が崩れ、全世界が1つのシステム下の体制となり、グローバル化が加速した。

 壁崩壊当初は民主主義と自由主義経済が世界の基準として定着していくという楽観論が強かった。しかし、事態はそう単純ではなかった。

▼世界金融危機とテロ・紛争

 経済グローバル化は世界の成長を加速し、人々の生活を豊かにしていくと期待された。しかし実際には格差拡大などの問題が深刻化。2008年のリーマンショックとそれに続く世界金融危機は、資本主義体制の欠陥を表面化させた。冷戦時代の東西対立に代わって地域紛争が各地で発生。世界の安全保障を揺るがした。

 2001年の同時多発テロは世界がテロ戦争の時代にある事をあらわにした。その後中東や欧州などでテロが続発する状況が続く。

 中東は混乱が止まず、世界の火薬庫であり続ける。テロの発生源である状況も変わらない。2011年のアラブの春は、結果的に混乱の拡大を生み、シリアやイエメンなどでは内戦が止まらない。混乱は「イスラム国」のような時代の鬼子も生んだ。

▼民主主義の危機

 欧米では成長の恩恵から取り残された人々の増加を背景に、ポピュリズムや反移民・難民政党が勢い付いた。民主主義が揺らいでいる。米トランプ政権の誕生、英国のEU離脱(Brexit)の動き、欧州のポピュリズムや極右政党の台頭、トルコなど強権色の強い政権の誕生などは、同根を持つ。

 民主主義に対する挑戦は、米国流の「ワシントン・コンセンサス」に対する開発独裁的な「北京コンセンサス」の挑戦という形でも表れる。共産党1党独裁の中国は、過去30年間に年率10%近い驚異的な成長を続け、2010年からは世界第2位の経済大国になった。

▼IT革命の影響、踊り場のグローバル化

 これからの世界がどう進むかを予測するのは難しい。ただ、ヒントはいくつか考えられる。

 ネットを中心としてIT革命はこの30年間加速し、人々の生活や経済を決定的に変えた。この流れが止まることはないだろう。ただし、これからは巨大IT企業や国家による情報独占や、IT技術が人の体やあり方を変えるような、非連続的な変化も想定できる。

 グローバル化は踊り場に差し掛かった。それでも、モノやサービス、情報の流れが国境を超えて加速する潮流は、長期的には変われないように見える。特に情報やサービスの国境を超えた移動は加速しそうだ。

▼消えたユーフォリア、改善点も

 民主主義が持ちこたえるのか。文明の衝突や、キリスト教徒イスラム教のような宗教の衝突はないのか。先行き不透明な「大問題」は数多く存在する。

 30年前のユーフォリア(幸福感)や楽観主義は、すっかり消え去った。それでも、30年間に世界が悪くなったとは言い切れない。技術革新の恩恵で、世界がよくなった点も多い。途上国伊置ける貧困率の減少などはそこに含まれるのだろう。

 ベルリンの壁の問いかけ。答えが見えない者は多く、問いは深く、重い。

◎ 30年(みとせ)前、世界は良くなったと思った日
◎ 冷めた夢それでも世界は持っている
◎ 民主主義「危機」と叫んでさてどう動く

2019.11.10

 

 

 

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