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2019年10月27日 (日)

◆ボリビアの混乱と中南米の不条理 2019.10.27

 ボリビアで大統領選をきっかけに混乱が拡大している。

▼非常事態宣言

 大統領選は10月20日に行われた。現職のモラレス氏が4選を宣言したが、米州機構(OAS)の選挙監視団は不正を訴えた。モラレス氏は非常事態を宣言し、情勢の行方は不透明だ。

 モラレス氏は初の先住民系の大統領として2005年に初当選。2006年に就任した。反米・左派の立場で貧困救済や資源の保護などを推進。貧困層の支持を受けた。

 しかし政治的には強権色を強め、憲法改正や最高裁の判断で大統領任期を延長。今回の4選も違法の声がある中で出馬した。経済的には資源価格の低迷で苦境に直面する。

▼ベネズエラ、チリの混乱

 この構図はベネズエラとも似ている。同国でも左派・反米の政権が続き、2010年代の資源ブームが去った後に経済的な混乱が拡大。政権が強権化し、野党との対立が激化している。

 ここ1-2年は経済が破綻状況に陥り、数百万人単位で国民が国外に脱出している。政情不安がいつ表面化してもおかしくない状況だ。

 チリでは公共交通機関の運賃引き上げなどをきかっけに学生のデモが拡大した。ピニェラ大統領は18日、首都サンチャゴに非常事態宣言を出した。

 大統領は保守政党を支持母体にし、社会保障改革など経済改革を目指してきた。しかし格差は拡大したままで、国民の不満は大きいとされる。

 経済減速で財政赤字の拡大、通貨の下落が進み、経済は苦境に陥っている。そんな中での抗議の拡大・非常事態宣言だ。ちなみにチリでは11月にAPEC首脳会談が開かれ、世界の注目が集まる。

▼アルゼンチンの通貨不安

 アルゼンチンでは10月27日の大統領選で中道右派の現職→左派候補の当選が確実視される。現政権は経済改革を目指したが、計画通り進まなかった。通貨ペソは昨年以来何度も下落し危機に見舞われ、経済は混乱している。

 市場は左派政権を警戒し、一層の不安材料になっている。収拾のメドは見えない。

▼中南米の不条理

 中南米各国の事情は国により異なるが、共通する点も多い。植民地支配(米国支配)の負の遺産、貧富の格差、支配層と先住民系住民の対立、政治の不安定などだ。軍事政権による支配やハイパーインフレを経験した国も多い。

 そして混乱が長年にわたり繰り返され、社会の信頼が混乱が崩れたことも多くの国に共通する。

 日本にいると中南米の情報は特に少ない。多様性の中で人々がたくましく生きている風景も目にする。一方で経済・社会の混乱の辛酸を舐めている人々のニュースにもよく遭遇する。(安易だが)ガルシア・マルケス的世界に中南米的混乱と不条理を重ね合わせることも少なくない。

◎ 南米発 アマゾン、政治危機その他は?
◎ 中南米またもマルケス的世界  

2019.10.27

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