« 2019年8月 | トップページ | 2019年10月 »

2019年9月

2019年9月29日 (日)

2019年39号 (9.22-29 通算1003号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年9月22-29日
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

◆トランプ大統領にウクライナ疑惑、下院が弾劾調査開始へ(24日)☆
・トランプ氏に絡み、ウクライナへの調査依頼や情報隠蔽の疑惑が浮上した。
・野党・民主党のペロシ下院議長は、弾劾の調査を開始すると表明した。
・民主党バイデン元副大統領の息子関連の調査を同国に不当に依頼した疑い。
・バイデン氏は2020年大統領選の候補で、トランプ氏のライバルとなる。
・トランプ氏が、バイデン氏に不利な情報を得ようとしたと疑われる。
・トランプ氏は25日、ウクライナ大統領との電話記録を公表した。
・下院特別委は26日、疑惑に関する内部告発文書を公開した。
・疑惑の真相は不明だが、米政治を揺るがす事態になっている。
・政権はロシア疑惑に続きウクライナ疑惑を抱え、疑惑が続く格好だ。

◆英議会閉会に違法判断(24日)☆
・英最高裁はジョンソン英首相による約1か月の議会閉会を違法と判断した。
・EU離脱前の重要な時期の長期閉会は、審議の議会を奪っていると断じた。
・訴訟にはメージャー元首相(保守党)も加わっていた。
・首相は9月10日-10月13日の閉会を決めた。判断を受け下院は25日に再開した。
・違法判断は首相の強行姿勢に打撃を与えた。
・ただBrexitの行方は不透明。首相と議会の攻防が局面を変えて続く。
・ジョンソン首相は以前10月末離脱の姿勢を替えていない。

◆国連で気候サミット(23日)☆
・国連本部で気候行動サミット(Climete Action Summit)が開催された。
・スウェーデンの女子高生環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(16)が登壇。
・各国指導者に「失敗は許さない」などと警告した。
・グテレス国連事務総長は2050年に温暖化ガス排出をゼロにすると約束した。
・しかし、参加各国からの具体的な約束は乏しかった。
・会議に先立ち世界各地で若者らのデモが展開された。
・トゥンベルさんの活動とデモは、温暖化問題の節目の出来事として記録される。

◆国連総会、イラン問題は前進なし
・国連総会で各国首脳の演説が行われ、併せて首脳外交が展開された。
・イランのロウハニ大統領は25日、国連演説で制裁下では交渉に応じないと表明。
・米国は同日イランへの追加制裁を発表し、対立姿勢を強めた。
・両国の首脳会談は実現しなかった。
・サウジ石油施設への攻撃に関し、英独仏もイランに責任があると批判した。

◆スペイン連立組閣断念、再選挙へ(24日)
・連立政権樹立交渉が失敗。解散→再選挙となった。
・4月の総選挙ではサンチェス首相の社会労働党(中道左派)が第1党となった。
・しかし過半数には届かず、急進左派のポデモスなどと連立協議を続けた。
・憲法規定の23日までに過半数の支持を確保できず、再選挙となる。
・同国では15年末選挙後も組閣ができず2016年に再選挙を実施。
・サンチェス政権は2018年に少数与党で成立したが、19年4月選挙に追い込まれた。
・混乱の背景には政党支持の多極化があり、政治安定は大きな課題だ。

   ┌──────────────────────────── 
 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ├───────────────────────────
 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
 └─────────────────────────────

◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 【ウクライナ疑惑】 米トランプ大統領を巡る疑惑がまた表面化した。バイデン元副大統領の息子が絡んだ調査を、ウクライナのゼレンスキー大統領に不当に依頼したという内容。民主党のペロシ下院議長は24日、大統領の弾劾に関する調査を始めると発表した。
 大統領選に有利になる働きかけを外国にするのは犯罪。民主党はこれに加え、トランプ政権が情報隠蔽に走ったなどとも指摘する。米国ではこの「ウクライナ疑惑」が、連日ニュースのヘッドラインを飾っている。
 ペロシ議長の表明を受け、トランプ政権は25日に電話記録を公開。これに対し議会の特別委員会は26日、内部告発文書を公開した。SNSやメディアでの発信も含め、情報戦も過熱する。
 事の真相は今のところ不明だが、それでもきな臭さを感じさせるには十分。トランプ大統領の場合、少し前まで「ロシア疑惑」が燃え盛っていたばかり(今は下火だが依然くすぶる)。
 大統領就任前ならとにかく、就任後は新たな疑惑には人一倍注意するのが普通。それなのに、という感じだ。トランプ政権の場合、疑惑があるのが通常のような体質すら感じる。
 今回の場合、2020年大統領選の有力候補であるバイデン氏にも疑惑が飛び火する可能性がある。そうなれば情勢は一層混乱するし、米政治の劣化が一層際立つ。
 トランプ政権の発足から2年半以上が経過した。米国第一や国際協調軽視に対し政策面から批判があるが、政権の運営や体質については酷評を超え、呆れるような場面も目立つ。くるくる変わる陣容、朝令暮改が日常のような大統領の発言、疑惑の続出などだ。
 ウクライナ疑惑は今後しばらく、嘆息をつきたくなるような話題を提供するのだろう。

◎ ウクライナ、ロシアは疑惑の関連語
◎ 弾劾の攻防内向き極まれり

 
 【重要ニュース】 2014年の香港の雨傘運動開始から26日で5年を経過した。香港では逃亡犯条例改正をきっかけに6月に始まった抗議活動が現在も続く。アフガニスタンの大統領選が9月28日に投票された。19世紀に団体旅行の時代を切り開いた英トーマス・クックが23日破産した。シラク元仏大統領が死亡した。

 

◎今週の注目(2019年9月30日-10月6日 &当面の注目)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・中国が10月1日に建国70周年を迎える。米中貿易戦争や香港での抵抗運動が続く中での記念日。習近平主席はどんなメッセージを発するか。
・アフガニスタンの大統領選が9月28日に終了したが、各地でタリバンによる妨害テロも起きた。開票の経緯や結果はどうなるか。
・ポルトガルの総選挙が10月6日に行われる。
・米中貿易摩擦を巡るの閣僚級の協議が10月第2週に開かれる予定。

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 incd-club は国際問題に関係する内外のジャーナリストやビジネスマンらのグループです。「国際ニュース・カウントダウン」は、世界のニュースから週刊単位でベスト5を選び、解説したもの。日本のメディアの報道とは異なる視点から、面白くかつ分かりやすく地球を鳥瞰しています。
 ブログは毎週発行のメールマガジンを元に作成しています。
 ------------------------------------------------
 メールマガジンの登録変更・解除は次のアドレスから。(『まぐまぐ』を利用)。
 http://www.mag2.com/m/0000056121.htm
 ------------------------------------------------

 

 Copyright(c) 2000-2019 INCD-club

 

2019年9月22日 (日)

◆サウジ石油施設攻撃の衝撃 2019.9.22

 サウジアラビアの石油施設が14日攻撃を受け、大規模な被害を受けた。事件により中東の緊張が一気に高まっている。

▼石油の心臓部を攻撃

 攻撃を受けたのはサウジ東部にあるアブカイクとクライスにある石油施設。事件後に公開された情報によると、原油から不純物を取り除く施設などが被害を受けた。被害は深刻で、専門家によれば復旧まで数か月かかるとの見方が多い。

 両施設はサウジの石油施設の心臓部。攻撃により同国の石油生産は半分がストップした。全世界の生産量の5%に当たる。

▼米はイラン批判

 攻撃直後にイエメンの反政府組織フーシがドローン10機による実行を表明した。しかし関係者の情報では、攻撃はイエメンのある南方からではなく、北方から飛来したドローンやミサイルにより行われたという。

 米国はイランの関与を主張。トランプ大統領もツイッターで「イランがきっと関与した」などと表明した。

 イラン国内の強硬派は、米国との対決を強調。対話を模索する穏健派の動きを封じようとしている。強硬派が穏健派潰しの狙いも込めて攻撃した、というのが「イランによる攻撃」を主張する人々の見立てだ。

 5-6月にはホルムズ海峡付近で日本を含む外国籍のタンカーが攻撃を受けた。これもイラン強硬派による行為とする見方が、米国内では強い。ただし、明確な証拠が示されたわけではない。

 イランはいずれの攻撃への関与も否定する。真相は今のところ、分からない。

▼首脳会談の可能性後退

 米トランプ政権はイラン核合意から離脱。同国への経済制裁を復活するなど、イランとの対決姿勢を強めてきた。しかし、一方でイランとの戦争や軍事衝突は避ける姿勢を貫いてきた。

 8月のフランスでのG7サミット以降、トランプ大統領はロウハニ大統領との首脳会談実現に前向きな姿勢を示すようになった。9月末にNYでの国連総会の場を利用し、両国首脳会談が開催されるとの見方も強まった。しかし、可能性も後退したように見える。

 米国は、サウジ石油施設攻撃を受けてイランへの制裁を強化。20日には同国中銀などを制裁対象に加えた。

 イランは反発し、最高指導者のハメネイ師は米国との当面の対話を否定する発言をした。

▼偶発的事件発生の懸念

 当面対話が進まないとなれば、緊張軽減の機会は期待しにくい。米国、イランのいずれも戦争や軍事衝突は望まないが、ボタンの掛け違いによる重大事態発生の可能性はある。

 攻撃者が誰であるにせよ、タンカーへの新たな攻撃やサウジの石油施設への新たな攻撃の懸念が消えない。

 1週間前に比べはるかに危険な状況になった。全体像が見えない緊張が続き、偶発事件発生の懸念が高水準で推移する。

▼サウジ増派

 米国はペルシャ湾でのタンカー防衛に有志連合形成を表明。7月には関係国への説明会を開いた。しかし調整事項は多く、なお本格的に動き出していない。緊張の高まりを受けて、改めて有志連合結成を急ぐ構えだ。

 米国は同時にサウジ防衛の支援を強化。エスパー国防長官は20日、ミサイル防衛部隊の増派を表明した。

 トランプ大統領の政策は、対外派兵の縮小が大原則。しかしこれを貫通できるほど、中東情勢は甘くない。今回の動きはそんな現実をも映し出す。

▼世界経済に悪材料

 経済への影響も大きい。サウジの原油生産減少で、原油価格は一時急騰するなど乱高下した。地政学リスクの高まりも強く意識されるようになった。

 世界経済は米中貿易摩擦や、米国の金融緩和に端を発する新興国市場の不安定懸念の高まりなどで減速懸念が強まっている。中東の緊張増加で不安材料がまた一つ増えた。

2019.9.22

 

2019年38号 (9.16-22 通算1002号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年9月16-22日(アジア22日午前まで)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

◆サウジ石油施設攻撃、米がイラン非難、緊張高まる ☆
・サウジの石油施設攻撃(14日)の波紋が広がっている。
・トランプ米大統領はイラン関与を示唆。米国はイラン制裁を拡大した。
・米は20日、サウジへの米兵を増派すると発表した。
・原油価格は攻撃前より一時15%以上上昇するなど強含みで推移する。
・攻撃でサウジの原油生産は半減。同国は早期の復旧を主張するが不透明だ。
・イランのハメネイ最高指導者は17日、米国との対話に否定的な発言をした。
・国連総会を利用した米・イラン首脳会談の可能性が指摘されたが、後退した。
・中東の緊張は高まり、不測の事態への懸念が強まる。

◆米追加利下げ(18日)☆
・米FRBは政策金利の引き下げた。FF金利誘導目標を2-2.25%→1.75-2%にする。
・利下げは7月に続き連続。経済の悪化を防止する狙い。
・パウエル議長は景気が悪化すればさらに利下げすると述べた。
・ただし米経済の行方は不透明で、金融政策の行方も見通しにくい。
・米国は昨年までの超緩和是正→今年に入り、緩和に転換している。
・米に追随する形で欧州中銀やアジア各国が金融緩和を実施。
・世界の金融市場は米政策の影響振れ幅が大きくなっている。

◆世界各地で気候変動対応デモ(20日)☆
・気候変動への対応を求める若者らのデモが世界各地で行われた。
・23日からの国連気候行動サミット(UN Climete Action Summit)を前にしたもの。
・スウェーデンの女子高校生、グレタ・トゥンベリさんが始めた金曜デモが土台。
・NYやロンドンなど世界150か国以上の都市で行われ、計数百万人以上が参加した。
・環境関係のデモとしては史上最大の規模だ。

◆イスラエルで再選挙、過半数勢力なし(17日)☆
・総選挙が実施され、中道野党「青と白」が第1党になった。
・ネタニヤフ首相の与党・右派「リクード」は第2党に後退した。
・いずれの陣営も協力勢力を合わせても過半数に達せず、新政権の行方は不透明だ。
・同国では4月の選挙でも過半数を制する勢力がなく、連立協議が行き詰まった。
・このため初の再選挙が実施されたが、同様の結果になった。
・ネタニヤフ首相は大連立を提唱したが、青と白のガンツ党首は拒否した。
・ただ、ネタニヤフ氏が首相続投を断念すれば可能性はあるとの観測も流れる。

◆国連総会が開幕(17日)
・第74期の国連総会がNYの本部で開幕した。
・23日に気候行動サミットが開かれる。24日から各国首脳の演説が行われる。
・焦点は気候変動問題とイラン情勢だ。
・イランのロウハニ大統領の出席は後退したとの見方が強い。

    ──────────────────────────── 
 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ├───────────────────────────
 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
 └─────────────────────────────

 

◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 【サウジ石油施設攻撃の衝撃】 サウジアラビアの石油施設攻撃(14日)で、中東の緊張が一気に高まっている。(→「国際ニュースを切る」)

 

 【温暖化デモ】 地球温暖化対策を求めるデモが20日、全世界的に行われた。23日の国連温暖化行動サミットをにらんだ動き。スウェーデンの女子高校生グレタ・トゥンベリさんの始めた金曜日デモ(Frideys for Futures)が原動力になって実現した。
 参加者などの正確な数字は確認されていないが、全世界150か国の都市で、数百万人が参加したと推測される。環境関係のデモとしては文句なしに史上最大規模だ。
 NYの集会には25万人が参加し、トゥンベリさんも参加した。ロンドンやベルリンなどは各10万人以上が参加した。東京は3000人だった。
 地球温暖化は様々な要因が絡み合い、単純な話ではない。しかし、何らかの行動が必要だろう。全世界的なデモはその意思表示になる。
 スウェーデンの女子高生の活動が、こうした流れを生み出したという事実も重要だ。
 トランプ米大統領の反応は、今のところまだマスメディアでは伝えられていない。ツイッターの発信を見てみたい。

◎ 環境を守れのデモの輪 世界回る
◎ 「おかしい」と少女の抗議がドミノのボタン
◎ トランプのツイートが見たいデモの秋

 

◎今週の注目(2019年9月23-29日 &当面の注目)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・国連の地球行動サミットが23日に開催。どんなメッセージが出されるか。
・アフガニスタンの大統領選が9月28日に予定される。当初3月の予定だったが、治安悪化のため延期された。今回は予定通りに行われるか。実施された場合、現職のガニ氏が再選を目指すが、情勢は読みにくい部分も多い。
・2014年の香港の雨傘運動から26日で5年を迎える。運動は制圧されたが、5年後の2019年(今年)には政治犯引渡し条例に端を発した抵抗運動が拡大。現在も継続する。香港情勢を再度見直す機会だ。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 incd-club は国際問題に関係する内外のジャーナリストやビジネスマンらのグループです。「国際ニュース・カウントダウン」は、世界のニュースから週刊単位でベスト5を選び、解説したもの。日本のメディアの報道とは異なる視点から、面白くかつ分かりやすく地球を鳥瞰しています。
 ブログは毎週発行のメールマガジンを元に作成しています。

 ------------------------------------------------
 メールマガジンの登録変更・解除は次のアドレスから。(『まぐまぐ』を利用)。
 http://www.mag2.com/m/0000056121.htm
 ------------------------------------------------

 Copyright(c) 2000-2019 INCD-club

 

2019年9月16日 (月)

◆米、GAFA規制を強化へーー米IT政策の曲がり角 2019.9.15

 

 GAFAに代表されるIT大手に対する規制が、米国でも強まる。テキサス、NYなどの州政府は、グーグルとFBそれぞれに対し、独禁法違反の疑いで調査を開始すると発表した。IT業界のあり方を変える可能性がある。

▼州政府が調査開始

 テキサス州など50州・地域は9日、グーグルが広告事業で独禁法(反トラスト法)に違反している疑いがあるとして、調査開始を発表した。

 NY州など9州・地域は6日、FBが収集データを利用して利用者の選択を制限したり、広告価格を不当に引き上げた疑いで捜査開始を発表した。

▼欧州の規制

 大手IT企業の情報独占に対する批判は、欧州を中心に数年前から強まっていた。EUは2018年、グーグルに対しスマホのOSアンドロイドの抱合せ販売の疑いで43億ユーロの支払いを命じるなど、競争法を使った規制を強めている。また、優遇税率を利用した課税逃れ防止にも熱心で、アップルとアイルランド政府に143億ドルの支払いを命じている(欧州司法裁判所で係争中)

 こうした欧州の動きに対し、米国はこれまでIT産業の育成を優先し、規制には及び腰だった。しかし今年に入り独禁法適用の姿勢を厳格化すると表明するなど、規制強化の方向を打ち出していた。

▼GAFAの巨大化

 GAFAが世界のIT業界を牛耳る形になったのはここ10年余り。2010年代に入ると4社にマイクロソフトなどを加えた米大手の存在は圧倒的になり、過去数年は時価総額ランキングでも上位5社程度を独占する。グーグルやFBのユーザー数は数十億人。もはやGAFAなしには世界経済が成り立たないような状況になっている。

 一方で、後発の新興企業を早期に買収するなど、新たな新陳代謝の芽を摘んでいるとの弊害も指摘されるようになった。グーグルによるユーチューブの買収、FBによるWhat's upやインスタグラムの買収などが典型例だ。

 大手IT企業の創設年を見ると、マイクロソフトやアップルが1970年代。グーグルやアマゾンが1990年代。フェイスブックが2004年。創業15年のFBを除けば、他社は20年以上を経過する。挑戦者だった新興企業の文化が変わっていっても不思議ではない。

▼独禁法の威力

 当局の規制は、米IT産業の行方にとって決定的に重要だ。旧ATTは1970-80年代の係争を経て1984年に分割。米通信業界はそれまでの独占→競争の時代に入った。マイクロソフトは1990年代の独禁法を巡る司法省との争いでビジネスの制約を受け、アップルやグーグルなど新興企業が発達する背景になった。

 米当局によるGAFAなどへの規制が今後どう推移するかは、現時点では見通し難い。しかし、潮目が変わったのは間違いない。重要な動きだ。

◎ GAFA独占「でも便利」から「おかしいぞ」
◎ ITの お触書替え 3回目

 

2019.9.15

2019年37号 (9.9-15 通算1001号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年9月9-15日
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

◆グーグルとFBを独禁法で捜査、米州政府など(6-9日)☆
・テキサスなど50州・地域は独禁法違反でグーグルの調査を始める。9日発表。
・広告事業で独禁法違反がないか調査する。
・NY州などはフェイスブックを独禁法違反で調査する。6日発表した。
・利用者の選択制限や広告価格の引き上げなどを調べる。
・GAFAなど大手IT企業に対し情報独占などへの批判が年々強まっている。
・EUは数年前から競争法違反で罰金を命じる例を重ねている。
・米国はIT産業育成を重視してきたが、今年に入り競争重視に政策転換した。
・大手ITの今後のビジネスに影響を与えるのは必至だ。

◆ボルトン大統領補佐官を解任(10日)☆
・トランプ米大統領はボルトン安保担当補佐官を解任した。
・アフガニスタンやイラン、北朝鮮政策などでの対立が指摘されていた。
・ボルトン氏は2018年3月にマクマスター補佐官に変わって就任。
・政権内で最もタカ派で、イランや北朝鮮との対話に慎重だった。
・アフガン問題ではタリバンとの対話に反対していた。
・同氏解任でトランプ政権の外交政策が変わる可能性がある。
・ボルトン氏は解任ではなく辞任を申し入れたと主張している。

◆サウジの石油施設に攻撃(14日)☆
・サウジ東部の石油施設2か所が無人機の攻撃を受け出火した。
・イエメンの武装組織フーシが無人機10機で攻撃したと発表した。
・火災は鎮火したが、サウジの原油生産は日量570万バレルに減少した。
・同国の生産量のほぼ半分で、世界の石油供給量の5%に当たる。
・ポンぺオ米国務長官は攻撃の背後にイランがいたと批判。イランは否定した。
・中東情勢は一層緊迫。世界の原油市場にも影響を与える。

◆欧州委員会、次期体制(10日)☆
・フォンデアライエン次期委員長は欧州委員の人事案を発表した。
・委員長以下27人(英国は委員なし)で、13人が女性。
・気候変動やデジタル政策などを重視。上級副委員長を充てる。
・通商担当にはアイルランドのホーガン氏を任命する。
・同氏はBrexit後の英国との通商交渉も担当する。
・通商やITなどで米国と渡り合い、欧州の利益を守る姿勢を見せた。
・EUは英国離脱や、各国における反移民・反EU政党の台頭などの課題に直面する。
・新体制は統合戦略の立て直し、民主主義や自由貿易維持などに取り組む。

◆ロシア地方選与党が勝利、広範に選挙介入(8日投票)☆
・地方選が行われ、プーチン大統領の与党「統一ロシア」が勝利した。
・サンクトペテルブルクなど16に首長選で与党候補が勝利。
・注目のモスクワ市議会選でも与党が過半数を維持した。
・プーチン政権は対立候補排除など露骨に介入。強引に体制安定を維持した。
・同国では経済低迷や年金改革などで国民の不満が募っている。
・与党の支持率も低下しており、プーチン体制の行方に不透明感も漂う。

   ┌──────────────────────────── 
 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ├───────────────────────────
 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
 └─────────────────────────────

◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 【米IT政策の曲がり角】 GAFAに代表されるIT大手に対する規制が、米国でも強まる。テキサス、NYなどの州政府は、グーグルとFBそれぞれに対し、独禁法違反の疑いで調査を開始すると発表した。IT業界のあり方を変える可能性がある。(→「国際ニュースを切る」)

 

 【韓国情勢:政権vs検察】 韓国の文在寅大統領が側近の曺国氏の法相任命を強行した。曺国氏は娘の大学院進学に関し疑惑を抱え、検察が家族を捜査・起訴。指名に世間の批判もあったが、大統領は強行した。
 問題の背景には政権と検察の対立(権力闘争)が指摘される。韓国では検察の権力は強大で、時には政治的に動くとの指摘もある。特に文政権のような革新系政権には厳しい、との見方がもっぱらだ。
 今回の指名に対し、野党などは大統領を厳しく批判するが、半数近い世論が政権を支持しているのも事実だ。政権vs検察(保守の野党)。韓国社会の分断の象徴例であるのみならず、政権不安定や政治混乱の懸念を強める。

 

 【9.11から18年とアフガン情勢】 2001年の同時テロから18年を経過した。米国のNYやワシントンなどでは追悼の式典が例年通り行われた。
 一方、テロのもう一つの舞台になったアフガニスタンはその後混乱が続く。当時のタリバン政権は、9.11を実行したテロ組織のアルカイダをかくまっていたことから、米国などが同国を攻撃。アフガン戦争に発展した。その後、米国など国際社会の支援を受けた非タリバン政権ができたが、情勢は安定しない。政権vsタリバン勢力の内戦状況が続く。
 米トランプ政権はタリバンと水面下の和平交渉を模索したが、今のところ立ち消え状況だ。アフガン戦争から間もなく20年。展望が見えないまま、駐留だけが延びる手詰まり状況が続く。

 

 【欧州追加緩和】 欧州中銀が12日の理事会で金融緩和を決めた。2018年12月に打ち切った量的緩和を再開するほか、マイナス金利の幅を拡大する。金融緩和は3年半ぶり。米国は7月末に10年ぶりの利下げに踏み切っており、世界的な金融緩和が広がる。
 欧州中銀はユーロ圏の景気減速に対応して緩和を決めた。マイナス金利は、銀行が中銀に余剰資金を預ける際の金利をマイナス0.4%→マイナス0.5%に拡大する。

 

 

◎今週の注目(2019年9月16-22日 &当面の注目)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・米FRBが17-18日に公開市場委員会(FOMC)を開く。追加の金融緩和が焦点。
・国連総会が17日開幕する。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 incd-club は国際問題に関係する内外のジャーナリストやビジネスマンらのグループです。「国際ニュース・カウントダウン」は、世界のニュースから週刊単位でベスト5を選び、解説したもの。日本のメディアの報道とは異なる視点から、面白くかつ分かりやすく地球を鳥瞰しています。
 ブログは毎週発行のメールマガジンを元に作成しています。
 ------------------------------------------------
 メールマガジンの登録変更・解除は次のアドレスから。(『まぐまぐ』を利用)。
 http://www.mag2.com/m/0000056121.htm
 ------------------------------------------------

 Copyright(c) 2000-2019 INCD-club

 

 

 

2019年9月 8日 (日)

◆INCD1000号:この20年の世界の変化 2019.9.8

 INCDは2000年7月の創刊から1000号に達した。この間20年弱の世界の変化は、予想を超えるものだった。

▼グローバル化とIT革命、国の形の変化

 20年前に世界をどう見ていたのか。2000年12月30日号のINCD(年間回顧)は、『冷戦後の世界は、経済的には「新産業革命」や「グローバリゼーション」、政治的には「国の形の変化」をキーワードに動いてきた』と指摘している。世界の潮流を見るキーワードは、現在にそのまま通じる。

 ただ具体的な変化の内容となると、当時は想像できなかった形で世界は動いた。2001年の同時多発テロ、2008年のリーマン・ショック、スマホやSNSの普及、アラブの春、中国台頭のスピードなどは予想を超えていた。格差拡大などグローバル化の矛盾は、Brexitやトランプ米大統領の登場、難民危機などの形で顕在化した。

▼世界の枠組み:米国1強→「警察官」不在、テロ、中東混乱の時代

 2000年当時は「米国の1極支配」が論じられた。冷戦後の1990年代を通じ米国の軍事力やハイテクの力は突出。旧ユーゴ紛争などで米国が世界の安保を仕切る姿が目立った。

 しかし翌2001年9月11日の同時テロを契機に局面は変わっていく。世界はテロ戦争の時代に突入。米国はアフガン戦争、イラク戦争を仕掛けるが、中東情勢は泥沼化。米国の権威と指導力は揺らぐ。米国は次第に海外での役割を軽減する姿勢に転じ、「世界の警察官」の役割から降りていく。

 2011年のアラブの春で、中東の混乱の渦は拡大した。シリアやリビア、イエメンなどで内戦が拡大。混乱の中から「イスラム国」のようなテロ集団も台頭した。

 混乱の背景には、世界の安全保障体制とグローバルガバナンスの問題、格差、文明の衝突など様々な問題が指摘される。2019年の今は、イラン問題など新たな紛争リスクが持ち上がる。

▼IT革命

 ITを中心とした新産業革命は潮流としては20年前に予測されたものの、具体的中身は想像を超えた。2000年当時、すでにインターネットは普及していたが(Windows95の登場から5年目)、携帯は一部のユーザーが使うだけだった。Goodleなど検索サービスはまだ初期段階で、iPod(2001年発売)もWikipedia (2002年開始)もYouTube(2006年)もなかった。

 2000年代にはFacebookをはじめとするSNSが発展。2007年にはアップルがiPhoneを発売してスマホの時代に入る。UberやAirbnbなどシェアリングサービスも本格的に始まった。

 2010年代になるとこうしたサービスが急速に浸透。世界の過半数を超える人々がネットでつながり、様々なサービスを受けられる時代が到来した。

 一方でGAFAに代表される大手IT企業が情報を独占し、中国など国家が個人の情報や行動を厳しく監視するようになっている。SNSを通じた情報の流れは世論形成のメカニズムを変え、アラブの春や香港での抗議運動の原動力となる一方、フェイクニュースが横行しトランプ米大統領流の政治を拡大させた。光と影の両面を持って、IT革命は世界を変えている。

▼グローバル化新段階

 1990年以降、グローバル化は貿易や投資の拡大を通じた新興国経済の発展など、明るい面に光が当たった。しかし2000年代以降、負の側面も注目されるようになっていく。

 2001年の同時テロで焦点が当たった「格差」の問題は、その後も解決されることなく推移。「勝ち組」や「負け組」という言葉は世界でも強く意識された。紛争やテロの拡散(グローバル化)は各地の安定を揺るがし、地域紛争は大量の難民を生んだ。2015年の欧州難民危機はその代表だ。

 格差は世界各地でテロの温床となり、先進国ではポピュリズムや反移民・難民運動が横行するようになった。トランプ米大統領は中国に対し貿易戦争を仕掛け、関税引き上げ合戦が加速する。

 グローバル化は明らかに新段階に入った。これが一時の踊り場なのか、見極めは重要だ。

▼リーマン・ショックと世界経済

 2008年のリーマン・ショックとそれに続く世界金融危機を契機に、資本主義体制のあり方が問われた。世界経済を巡っては1980年の米レーガン大統領、英サッチャー首相の時代以降、新自由主義的な考え方が支配的だった。

 しかし世界金融危機では大手金融機関救済に大量の公的資金が使われ、市場万能主義の限界が明確になった。危機直後には資本主義の見直しが必要と強調されたが、議論は進まないまま年月が経過している。

 金融危機後、米国や欧州などは経済立て直しに大胆な金融緩和を実施した。その結果世界恐慌に陥る事態は防止したが、世界経済は大量の緩和資金を抱える構造になった。景気回復後もその資金は回収されず、新たなバブルが発生しているという指摘は多い。

▼中国の台頭

 中国経済はこの20年の間に急速に発展した。期間を通じ年率10%近い成長を維持。2010年には世界第2の経済大国に発展し、2020年代には米国を追い抜く可能性がある。

 1人当たりのGDPは1万ドル近くに到達し、アリババやテンセントなど世界的なハイテク企業も育った。

 リーマン・ショックで新自由主義やそれを中心としたワシントン・コンセンサス信頼が失われた。それに代わるかのような形で、開発独裁的な国家資本主義の元で急速な成長を続けた中国式のモデルが魅力を増した。

 その中国経済も、米トランプ大統領の仕掛けた貿易戦争で局面が変わる可能性がある。今後どう推移するか、注目点の一つだ。

▼環境、社会の変化

 この20年を振り返ると、その他にも重要な変化がある。地球温暖化などの環境問題が世界共通の問題という認識が広がり、様々な取り組みが進んだ。パリ協定など国際的な枠組みはトランプ米政権の離脱など曲折がある。しかし、電気自動車の開発や普及は加速し、欧米など先進国では食の安全(オーガニック食品の普及)やプラスチックごみの規制、エコシティの拡大など実体のある動きが広がっている。

 社会規範も変わった。LGBTの権利は着実に拡大。欧米では同性婚の受け入れが拡大する。安楽死は受け入れが広がり、女性の社会進出は曲折あるものの進展している。ネットの発展で、文化の変化も顕著だ。

▼新たな変化の方向は

 今後に向けた変化の兆しは多様で材料も多い。トランプ米政権は、貿易や安全保障、米中関係など他分野で従来のルールを否定し、新しいルール作りを目指している。第2次世界大戦後秩序の見直しとも言ってもいい。米中の争いは新たな派遣争いかもしれない。

 国家の姿も変わっていく。BrexitやEUの行方は、国民国家の行方を占う。中東の混乱やテロは、イスラムとの共存という問題を突き付ける。

 IT技術の発展は社会の仕組みを変えようとしているが、そのインパクトは未知数。歴史学者のハレリが指摘するような「ホモ・デウス」の時代に進むのであれば、その変化は人類というの存在にも関わる。

 変化は未知数だが、少なくとも、従来の変化を延長する「未来年表」的な予測で見通せるものではない。次の20年の変化が、過去20年の変化より大きいであろうことは間違いないだろう。

◎ メルマガに綴った「リーマン」「テロ」「スマホ」
◎ ネットありウーバーは想像外のふた昔
◎ アメリカの時代が続くと思ってた

20190908

2019年36号 (9.2-8 通算1000号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年9月2-8日
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

◆英議会、離脱延期の法案を可決、Brexitの行方なお不明(6日)☆
・英議会はEUとの交渉が不調の場合、10月末離脱の延期要請を義務付ける法案を可決した。
・ジョンソン首相の主張する10月末の合意なし離脱を防ぐ内容。
・10月19日までに合意できない場合、離脱の3か月延長要請を義務付ける。
・下院は4日、上院は6日に承認した。野党労働党や保守党の残留派などが賛成した。
・首相は下院の法案可決後に解散を求めたが、必要な3分の2の支持を得られなかった。
・ジョンソン首相は再度解散を求めるなど対抗策を打ち出して来る可能性がある。
・首相は合意なしでも10月31日に離脱すると主張してきた。
・議会の抵抗を抑えるため、9月上旬-10月中旬の議会を閉会する奇策に出た。
・これに対し議会が法案のスピード可決+解散拒否で対抗した形だ。
・ただし、英国が延期を求めてもEUが承認するかは不明。Brexitの行方は不透明だ。

◆香港政府、逃亡犯条例案を撤回、抵抗はなお続く(4日)☆
・政府は刑事事件容疑者の中国引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案を撤回した。
・林鄭月娥・行政長官が表明した。
・香港では条例案を巡り6月から大規模な抵抗運動が続く。
・この間、100-200万人規模のデモが3回発生。空港閉鎖などの影響が出ている。
・政府は譲歩で事態の収拾を狙っている。
・ただ若者らは条例案撤回→民主選挙などに要求を広げており、なお運動を続ける構え。
・香港の緊張は続き、今後どう推移するか予断を許さない。

◆イタリアで新連立政権、5つ星と民主党(4日)☆
・左派ポピュリズムの五つ星運動と中道左派・民主党の連立政権が発足。
・コンテ首相はマッタレッラ大統領に閣僚名簿を提出し、首相に再任された。
・外相には5つ星のディマイオ党首が就任した。
・新連立政権は親EUの姿勢。難民政策でもEUと協議する方針。
・同国では5つ星と極右・同盟の連立政権が崩壊。連立組替えの新政権となった。
・5つ星と民主党はこれまで激しく対立してきた。政権運営に不安も残る。

◆ドイツ地方選で極右が伸長(1日投票)
・旧東独のザクセン州とブランデンブルク州で州議会選挙を実施。
・極右のAfDが躍進し、どちらの州でも第2党になった。
・ザクセンでは中道保守のCDU、ブランデンブルクは社民党に次いだ。
・CDU、社民党は両州で得票率を大きく落とし、退潮に歯止めがかからない。
・社民党内では大連立政権から離脱の主張も強まっている。

◆アルゼンチン資本規制導入、通貨危機懸念強まる(1日)
・アルゼンチンは外貨購入を制限する規制を導入した。
・1か月あたり1万ドル以上の外貨購入には許可を必要とする。
・企業の外貨購入も許可制とする。通貨ペソの下落を防ぐ目的。
・大統領選の予備選で左派系候補がリードしたのを契機にペソは下落。
・マクリ政権は8月末、対外債務の返済猶予を求めた。
・右派のマクリ大統領は大統領選劣勢を受け、バラマキ的政策の色彩を強める。

   ┌──────────────────────────── 
 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ├───────────────────────────
 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
 └─────────────────────────────

◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 【1000号】 INCDは2000年7月8日に第1号を発行して以来、1000号を迎えました。皆様のご愛読に感謝いたします。

 【約20年の変化】 第1号から20年弱を経過した。この間の世界の変化は予想し難いものだった。(→「国際ニュースを切る」)

◎今週の注目(2019年9月9-15日 &当面の注目)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・英国の議会が9日の週から10月13日まで閉会する。議会による「合意なし離脱拒否」「離脱延期要請の義務付け」の決議を経て、ジョンソン首相がどう動くか。行方は見通し難い。

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 incd-club は国際問題に関係する内外のジャーナリストやビジネスマンらのグループです。「国際ニュース・カウントダウン」は、世界のニュースから週刊単位でベスト5を選び、解説したもの。日本のメディアの報道とは異なる視点から、面白くかつ分かりやすく地球を鳥瞰しています。
 ブログは毎週発行のメールマガジンを元に作成しています。

 ------------------------------------------------
 メールマガジンの登録変更・解除は次のアドレスから。(『まぐまぐ』を利用)。
 http://www.mag2.com/m/0000056121.htm
 ------------------------------------------------

 Copyright(c) 2000-2019 INCD-club

 

2019年9月 1日 (日)

◆緊迫度増す香港情勢 2019.9.1

 

 香港情勢が緊迫度を増している。

 29-30日には警察当局が民主派指導者や議員を逮捕、31日に予定していたデモを不許可とした。これに対し市民が反発。31日には香港島中心部などで抗議活動を展開し、治安当局と衝突が発生した。9月1日にはデモ隊が空港バスターミナルを一時占拠するなど混乱が続いた。

▼デモ3か月

 逃亡犯条例をきっかけに6月に抗議活動が始まったのが6月。3か月(13週間)を経過するが、毎週末になると抗議活動が続く。事態は収束の兆しを見せるどころか、混乱を深めている。

 香港当局は民主派の求める条例の撤回などの要求を拒否し続ける。これに対し住民は8月18日のデモに170万人(香港人民は750万人)が参加するなど抗議活動を続けるが、落とし所が見えている訳ではない。一部のデモ参加者が過激派→警察との衝突も繰り返される。

▼1国2制度の実態

 香港政府は、中国の指示なしには何もできないように見える。林鄭月娥行政長官が先頭に立ってメッセージを発する機会も減った。これが返還から22年目の1国2制度の実態なのだろう。

 香港経済への影響は深刻だ。観光客は減少し、外資は他の地域に機能を移し始めている。香港がの地盤低下が決定的になるとの見方も強い。

▼あと1か月の勝負?

 手詰まり状況がどう動くのか。中国は香港との境界付近に治安部隊を送り、圧力をかける。中国は10月1日に建国70周年を迎え、それまでに事態収拾を狙うとの見方が強い。ただし、直接の派兵は国際世論上のマイナスの影響もあり、できれば避けたいとみられる。

 米国や欧州は中国の動きをけん制するが、口先の言動に留まる。台湾では中国に対する警戒が一層強まるが、アジア諸国の発言は少ない。

 今後1か月。流血事態を含め、何があってもおかしくない。

◎ 毎週末デモに100万 暑い夏
◎ 民主化は抑圧 都市は沈下する
◎ 正体がよく見えて来る1国2制度

2019.9.1

 

 

2019年35号 (8.27-9.1 通算999号) 国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年8月27日-9月1日
 
◆香港情勢、緊迫度が増加、抗議活動は無許可デモ(31日)☆
・香港情勢の緊迫度が増加している。
・当局は29-30日、民主派の指導者や立法院の議員らを逮捕した。
・当局はまた民主派団体に31日のデモと集会を許可しないと通告した。
・市民はこれに反発。香港島中心に集結し、大規模な無許可デモを展開した。
・一部は政府庁舎に火炎瓶を投げるなど過激化。警察は催涙弾などで強制排除。
・逃亡犯条例を契機に6月から続く香港のデモは13週目に突入。
・収束の兆しが見えないどころか対立は激化している。
・当局による強硬措置や中国の介入なども懸念される。予断を許さない。

◆米国が対中関税第4弾発動(9月1日)☆
・米国は中国に対する制裁関税の第4弾を発動した。
・対象は3200品目1100憶ドルで15%の関税を課す。生活関連用品を多数含む。
・12月には自動車など3400品目の関税を引き上げる。
・12月には中国からの輸入5000億ドル以上のほぼ全てに高額関税がかかる。
・昨年夏の第1弾引上げ前の関税は約3%だった。これが20%前後に上がる。
・中国も同日、報復関税の引き上げを実施した。
・高率関税は貿易の流れを阻害するほか、企業は生産拠点見直しを迫られる。
・世界経済は減速を強め、米国の消費者にも価格上昇や品不足などの影響が出る。

◆英議会1か月閉会、首相がBrexitにらみ奇策(28日)☆
・英議会が9月9日から10月13日まで1か月強閉会する。
・首相官邸が決定。エリザベス女王の承認を得た。
・10月末のEU離脱期限をひかえ、議会の動きを封じる狙いとみられる。
・ジョンソン首相はEUとの合意なし離脱も辞さない構え。
・これに対し議会は、合意なしを認めない法案策定などを検討してきた。
・閉会で議会の選択肢が制約。合意なし離脱の可能性が高まった。
・内閣不信任案成立→総選挙に進む可能性も指摘される。
・首相の決定は従来の慣例を破る奇策。民主主義軽視との批判も強い。

◆イタリア、コンテ首相続投の方向、連立組替え(29日)☆
・5つ星運動と民主党はコンテ首相続投と連立政権で合意した。
・マッタレッラ大統領は同氏を次期首相候補に再指名。組閣を要請した。
・5つ星はポピュリスト。民主党は中道左派でこれまでは最大野党。
・首相は5つ星と同盟(極右)の連立政権内紛を受け、先に辞任表明した。
・調整の結果、連立組替えが決まった。
・同盟は解散・総選挙で第1党確保を狙ったが、5つ星・民主党が阻止した。
・政局を仕掛けた同盟に対する支持率は低下。極右政権成立は当面なくなった。
・市場は新政権成立のメドを歓迎。イタリア国債の利回りは低下した。

◆ブラジル、焼き畑農業60日間禁止(29日)
・ブラジルは焼き畑農業を60日間禁止すると官報公示した。
・アマゾンの火災拡大防止策の一環。
・同国ではボルソナロ政権が成立した今年に入り、アマゾンの火災が増加した。
・大統領が自然保護より開発重視の姿勢を打ち出したためとみられる。
・G7サミットで批判が集中。欧米でブラジル製品へのボイコットが拡大した。

   ┌──────────────────────────── 
 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ├───────────────────────────
 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
 └─────────────────────────────

◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 【緊迫度増す香港情勢】香港情勢が緊迫度を増している。29-30日には警察当局が民主派指導者や議員を逮捕、31日に予定していたデモを不許可とした。これに対し市民が反発。31日には香港島中心部などで抗議活動が展開され、衝突が発生した。(→「国際ニュースを切る})

 

◎今週の注目(2019年9月2-8日 &当面の注目)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・香港情勢に注目。どう動いてもおかしくない。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 incd-club は国際問題に関係する内外のジャーナリストやビジネスマンらのグループです。「国際ニュース・カウントダウン」は、世界のニュースから週刊単位でベスト5を選び、解説したもの。日本のメディアの報道とは異なる視点から、面白くかつ分かりやすく地球を鳥瞰しています。
 ブログは毎週発行のメールマガジンを元に作成しています。
 ------------------------------------------------
 メールマガジンの登録変更・解除は次のアドレスから。(『まぐまぐ』を利用)。
 http://www.mag2.com/m/0000056121.htm
 ------------------------------------------------

 Copyright(c) 2000-2019 INCD-club

 

 

« 2019年8月 | トップページ | 2019年10月 »

2019年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

ウェブページ