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2019年6月17日 (月)

◆香港の抗議デモと世界への問いかけ 2019.6.16

 香港で「逃亡犯条例」改正を巡り市民らの抗議活動が拡大。行政長官は改正の延期を表明した。しかし今後事態がどう展開するか、予断を許さない。香港の事態は、民主主義体制の経つを米欧などが中国とどう付き合っていくかなど、世界への問いも投げかける。

▼100万人の抗議デモ

 条例改正は、香港で逮捕した容疑者などを中国本土に送れるようにする内容。英語ではExtradition lawと表記されることが多い。親中派が多数の立法会は、20日ごろまでに採決の構えを見せていた。

 民主派は条例が改正されれば、中国にとって都合の悪い人物が不当逮捕され大陸に送られると懸念。同派が呼び掛けた9日のデモには、主催者発表で103万が参加した。この規模は、2003年の固化安全条例反対(50万人)や、2014年の雨傘運動(10万人)をはるかに上回る。

▼揺らぐ1国2制度

 香港は1997年の返還後、50年間は1国2制度を認められるはずだった。しかし現実には中国の支配が次第に強まり、自由な言論や政治活動が抑制されている。今回条例改正が実現すれば、司法や警察でも中国による支配がさらに強まりかねない。

 そうなれば、香港の法律体系の上に回っている経済活動にも影響が出てくる。実際、外資系企業の撤退や拠点縮小がささやかれる。

 こうした心配があるから、抗議活動には民主派だけでなく、一般市民が加わり、経営者も理解を示した。

▼延期表明後→200万人デモ

 林鄭月娥行政長官は15日、対立緩和のために規制の延期を発表した。しかしあくまで撤回ではないと主張した。

 これに対し民主派は撤回を求め、16日も抗議集会を継続。参加者は主催者側発表で約200万人に達した。行政長官の辞任を求める声も上がった。

▼雨傘運動の記憶

 今回の抗議活動の舞台は、香港島の立法院前とその周辺の道路。2014年に雨傘運動の中心になった地と同じだ。雨傘運動は2017年の香港行政長官選挙に事実上親中派のみしか立候補できず、自由選挙でなくなることに抗議する学生らが始めた。同年9月26日から12月15日まで80日あまり続いたが、結局要求を聞き入れられることなく終結した。

 今回は雨傘運動に比べ、市民の参加者も多く、とりあえず条例改正の延期を勝ち得た。しかし、香港当局屋中国がこのまま撤回に応じると見るのは楽観すぎる。今後の行方は全く不透明だ。

▼天安門事件30年の年

 抗議活動は、天安門事件30周年に起きた。6月4日、香港や台北などでは追悼式典や様々な行事が行われたが、北京は全くの平穏だった。中国では、事件について何も語られなくなった。これが香港の未来図か、と不安を抱く人も多い。

▼世界への問い

 実際大きな流れとしては、中国による香港支配の強化が進んでいるのが現実だ。この先、再び強硬策が導入されても不思議ではない。

 条例改正は、1国2制度の行方(まやかし)、中国による自由社会支配のあり様、住民の生き方など様々な問題に問いを突き付ける。それは、世界が中国とどう付き合うかという問題にも関係する。奥は深い。

◎ 雨傘の記憶再生 もう5年
◎ 自由なき大国の膨張どう生きる
◎ 怖いけどただ飲み込まれてなるものか

2019.6.16

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