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2019年5月

2019年5月26日 (日)

◆インド総選挙とモディ政権2期目の展望 2019.5.26

 

 インド総選挙の結果が発表され、モディ首相率いるBJPが圧勝した。過去5年間7%以上の成長を実現してきた経済運営などが評価された格好だ。2期目のモディ政権は、地方の振興や格差是正などの課題に取り組む。経済成長著しく存在感を高める同国の行方には、世界の関心も大きい。

▼地滑り的勝利

 インド総選挙は4月11日から7回に分けて投票が行われた。有権者は9億人。世界最大の選挙だ。開票は5月23日から一斉に始まり、24日に結果が発表された。

 BJPは下院545議席中、過半数を大きく上回る303議席を獲得。前回より21議席増やした。英FT紙は地滑り的(landslide)な勝利と報じた。最大野党の国民会議派は8議席増の52議席にとどまった。ラフル・ガンジー党首は敗北を宣言。曾祖父のネルー元首相から続く"ネルー・ガンジー王朝”の黄昏を報じるメディアもあった。

 BJPはモディ首相人気を維持していたとはいえ、昨年の地方選で野党に相次ぎ敗北した。このため総選挙での勝利を危ぶむ見方もあった。圧勝は事前の予想を覆す結果だ。

▼モディノミクスの5年

 モディ首相は2014年に就任した。前職は東部グジャラート州の首相。民間活力の採用、スピード重視、改革推進などの経済運営で成果を残し、CEO型のリーダーとして注目された。

 インドの首相就任後も、モディノミクスと銘打ったそうした経済政策で、年平均で7%を上回る成長を実現した。

 改革の中でも重視されるのが、破産法の改正(2016年末以来施行)、高額紙幣の廃止(2016年11月発表)、税制改革(2017年7月)などだ。

 このうち税制改革は、従来州ごとにバラバラだった税制を全国レベルで統一した。歴代政権も実現を目指してきたが、反対が多く実施できなかった政策だ。「インドの市場が初めて統一された」などというメディアの解説もあった。 

 高額紙幣の廃止は、マネーロンダリングや脱税防止を目的に突如発表され、実行に移されたもの。発表日は2016年11月8日。米大統領選でトランプ氏が当選した日だった。

 その経済的影響には様々な見方がある。しかしこれだけの改革を極秘裏に準備し、断行した首相の行動力は改めて印象付けられた。

▼対テロで強い姿勢

 2018年の地方選でBJPが苦戦したのは、野党国民会議派が農村救済などの計画を掲げたことなどによる。そうした劣勢ムードを変えたのが、今年2月にカシミール地方で起きたテロ事件だ。パキスタンに拠点を置くイスラム過激派が、インド軍の基地を襲撃した。

 モディ政権はこの問題で強硬な姿勢を誇示。インド・パキスタン国境を越えて過激派の基地を空爆した。こうした「強いリーダー」のイメージが、選挙での勝利に結びついたとの見方が多い。

▼勝利の5つの理由

 英BBCは予想外の圧勝の理由を、選挙戦上の戦術も合わせて次のようにまとめた。(1)モディ首相の個人の力、(2)ナショナリズム、(3)地方政党との協力関係がうまくいったこと、(4)東部の州に選挙戦の資源を振り向けたこと、(5)メディア活用戦略での勝利――の5つだ。

▼2期目の課題

 経済の高成長が続く中で、課題も浮かび上がる。インドは依然、全人口の6割が農村に住む構成。その農村の発展は、都市部に比べて遅れている。都市との格差は拡大する。

 インド経済ではITソフトなど、サービス分野の拡大が目立つ。しかし輸出産業(製造業)育成の遅れ、インフラ整備など課題は山積する。銀行の不良債権問題、ビジネスの不透明性の払しょくなど構造的な問題も多く残る。

▼ヒンズー至上主義?

 政治的にはモディ首相の母体であるBJPの体質が常に問われる。BJP支持者の中には、ヒンズー至上主義者が少なくない。過去にもイスラム教徒迫害を引き起こすなど、政治・社会上の問題を引き起こしてきた。国際社会からの批判も折に触れて浮上する。

 BJP政権が2期続くのは1947年の独立以来初めて。思わぬ圧勝で、ヒンズー至上主義の動きに火をつけないかとの懸念がある。

▼混沌の社会

 インドの人口は2020年代には中国を抜き世界1になる見込みだ。すでに購買力平価でみたGDP(経済力)では世界3位。ITソフト開発など一部では世界先端を置く。世界における存在感は年々大きくなっている。

 しかしドルベースで見た1人当たりのGDPは約2000ドルと、まだ貧しい。農村にはカースト制度の伝統も残り、絶対的な貧困も残り、教育も十分に行き届かない。古いものと新しいもの、進んだ部分と遅れた部分が混在し、混沌の社会ともいえる。

▼インドの行方の世界的意味

 インドは世界最大の民主国家。経済の高成長は今後も続く可能性が大きく、国際社会における政治的な影響力をさらに拡大しそうだ。中国とのバランスを踏まえた地政学的な存在意味も大きい。インドの行方は国内や南アジアのみならず、世界に影響する。

 特に発展途上にある国において、政治リーダーの果たす役割は大きい。モディ首相の2期目の手腕を世界が注視するゆえんだ。

 

◎ 10億人混沌の地の民主主義
◎ 不条理も夢も飛び交う総選挙
◎ 王朝を凌いで目立つかCEO

 

2019.5.26
  

 

2019年21号 (5.20-26 通算985号)国際ニュース・カウントダウン

 

国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年5月20-26日

◆インド総選挙、モディ首相与党が圧勝(23-24日)☆
・4-5月投票の総選挙結果が開票され、モディ首相の与党BJPが勝利した。
・定数545の過半数を超える303議席を獲得した。首相が続投する。
・BJPが2期連続で政権を担うのは初めてだ。
・首相は2014年に就任。7%前後の成長を実現してきた。
・地方ごとに異なった税制の統一や高額紙幣の廃止などを実施した。
・2月のカシミールのテロ時には強硬姿勢を示し、支持を得た。
・2期目は成長の維持や地方の農村振興による格差是正などが課題になる。
・選挙は4月11日から7回に分けて実施。有権者9億人で世界最大。
・投票率は67%で、1947年の独立以来最高だった。

◆英メイ首相が辞任表明(24日)☆
・メイ首相は、6月7日に与党・保守党の党首を辞任すると表明した。
・後任が決まり次第、首相からも退く。
・EU離脱をまとめられず、混乱が続く責任を取った。
・後継の党首選にはジョンソン元外相らが出馬表明した。
・ただし、新党首が決まっても分裂する党内のとりまとめは難しい。
・新党首がスンナリ首相に決まるかも不確実だ。
・英国はEU離脱期限を10月末に再延長した。しかし行方は見えず混乱が続く。
・合意なき離脱のリスクも、首相辞任でまたぞろ浮上してきた。

◆欧州議会選投票(23-26日)☆
・欧州議会選の投票がEU加盟28か国で行われた。
・26日以降開票される。
・事前の世論調査によると、ポピュリストや極右政党が議席を伸ばしそう。
・2大勢力だった中道右派、中道左派はいずれも後退しそうだ。
・欧州議会選挙は欧州政治の潮流を映す出来事として注目される。

◆インドネシア大統領選ジョコ氏再選、反対派が抗議(21日)☆
・選管は4月19日の大統領選の結果を発表した。
・現職のジョコ大統領当選が正式に決まった。得票率55%。
・しかし野党支持派は結果を認めず抗議活動を展開。
・6人の死者が出たほか、投石や放火なども広がった。
・当局は「イスラム国」の関係者を逮捕したと発表した。
・抗議デモ長期化の懸念も出ている。

◆米が中東に1500人追加派遣(24日)
・トランプ大統領は約1500人の米兵を中東に追加派兵すると発表した。
・イランの脅威の高まりに対応するためとしている。
・米国は5月に対イラン制裁を強化。イランは反発している。
・ホルムズ海峡付近ではサウジなどのタンカーが襲撃される事件が発生した。
・バクダッドでは19日、米大使館などがある地域にロケット弾の攻撃があった。
・偶発的な衝突→紛争拡大への懸念も強まっている。

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◎寸評:of the Week
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 【ビッグニュース】 比較的大きなニュースが続いた。インドの総選挙はモディ首相与党のBJPが事前予想を上回る勝利(→「国際ニュースを切る」)。英国ではメイ首相が退陣を発表した。

 

 【米中貿易・ハイテク戦争の影響】 米中貿易・ハイテク戦争の影響が世界経済にジワリと及んでいる。中国では対米輸出が減少。東南アジアも対中や対米輸出の減少で、成長率が下がり始めた。IMFやADBなどは成長予測を下方修正している。
 米中貿易交渉が4月末に不調に終わった後、米国は5月に入り(1)中国からの輸入2500億ドル分の関税を10%→25%に引き上げ、(2)別に3000億ドル分の関税を引き上げ、(3)ファーウェイとの取引を事実上禁止、などの措置を相次ぎ発表。貿易・ハイテク戦争は新段階に入った。
 影響は今後さらに拡大してくる可能性が大きい。トランプ大統領が対中制裁関税を打ち出したのが2018年3月。それから1年強で、世界経済の風景は大きく変わったと、改めて実感する。

 

今週の注目(2019年5月20-26日 &当面の注目)

・欧州議会選挙が5月23-26日に実施。結果が判明する。極右やポピュリズム政党の台頭を含め、欧州政治の流れを占う。
・EUの臨時首脳会議が28日に開催される。欧州議会選を踏まえたEU情勢や、今秋以降のEUの新体制などを協議する見通し。
・ベルギーの総選挙が26日に行われた。

 

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2019年5月19日 (日)

2019年20号 (5.13-19 通算984号)国際ニュース・カウントダウン

 

国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年5月13-19日

◆米中貿易・ハイテク戦争拡大、関税全品目に、ファーウエイ禁輸 ☆
・米国は13日、中国への制裁関税の第4弾を発表。対象を全輸入に拡大する。
・第4弾はスマホなど3805品目が対象、総額約3000憶ドル。最大25%を課す。
・発動日は公表せず、6月に公聴会を開きその後決定する。
・昨年末から継続してきた米中の貿易協議の不調を受けた措置。
・3月10日には第3弾2000億ドル分の関税を10%→25%に上げた。これに続く。
・米国は15日、中国ファーウエイに対するハイテク部品などを輸出禁止した。
・米企業に対し、安保上の脅威となる外国企業からの通信機器調達を禁止した。
・米中の貿易・ハイテク紛争が一層エスカレート。世界経済への影響も広がる。

◆サウジ周辺で武力衝突続発、米・イランの緊張高まる ☆
・UAE沖合でサウジのタンカー2隻を含む4隻が12日攻撃を受け被害が出た。
・米メディアはイランや同国関係の武装勢力が関係したとの見方を報じた。
・サウジ中央部の石油パイプラインが14日ドローン攻撃を受けた。
・イエメンのイスラム教シーア派反武装組織フーシが攻撃を認めた。
・サウジ主導の連合軍は16日、サヌアにあるフーシの武器庫などを空爆した。
・米国は5月初めにイランに対する制裁を強化。
・イランは欧州などとの核合意の実施を一部停止すると発表した。
・米とイランの対立を軸に、関係するサウジなども加え緊張が高まっている。

◆豪総選挙、与党が勝利、モリソン首相続投へ(18日)☆
・総選挙(151議席)が行われ、与党の保守連合が勝利した。
・74議席以上を獲得した。過半数に届くかは微妙。
・モリソン首相が続投する見通し。
・保守連合は一角の自由党の内紛で首相が15年と18年に交代。不評を買った。
・しかし経済運営堅調で有権者の支持をつなぎとめた。
・豪州は28年連続で景気拡大が続くなど、経済は順調だ。

◆台湾、同性婚を合法化、アジア発(17日)☆
・立法院は同性婚を認める特別法を可決した。アジアでは初。
・同性カップルが結婚を登記。配偶者に相続権や相互扶養の義務が生まれる。
・蔡英文総統は法案を推進。リベラル色を強調し、来年1月の総統選をにらむ。

◆仏NZ、FBなどがネットのテロ情報削除宣言(15日)
・仏NZと米グーグル、FBなどの代表はパリのエリゼ宮で会議を開催。
・SNS上でテロをあおる情報への対応などに関する宣言を発表した。
・テロ情報は直ちに削除するなどとしている。
・ただし対策の実現性や実効性については疑問の声も上がる。
・NZでは3月にモスクで乱射事件が起き50人が死亡した。SNSの影響が指摘される。

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寸評:of the Week
 

 【米中貿易・ハイテク摩擦エスカレート】 米中の貿易・ハイテク摩擦が一段とエスカレートした。米国は中国からの輸入品に対する制裁関税を全品目に広げると表明。通信機器のファーウエイに対し、部品などの輸出を禁止すると同時に、米企業に対し事実上同社製品の購買を禁止した。昨年末からの米中貿易協議は、土壇場になって中国側が合意済みだった内容を取り消したという(背景に、中国国内で「不平等条約になる」という反対があった、との情報が流れる)。

 トランプ大統領も全面決裂を避けたいと考えていると報道されるが、真相は不明。行方は不透明だ。世界史的に見れば米中の覇権を巡る争いの一コマだろうが、当面はどんな影響が及んでくるのか、一つ一つの動きに目を凝らすしかない。

 
 【フィリピン中間選挙】 フィリピンの中間選挙が13日行われ、ドゥテルテ大統領支持派が圧勝した。2016年から6年の任期の中間で行われる選挙で、政権への信任投票的な意味がある。麻薬対策など治安政策や、経済成長が評価された格好だ。

 大統領は強引な麻薬対策など強権的な色彩も強く、国際的には批判も多い。しかし支持率は2018年末時点で8割を超えるなど圧倒的だ。就任から3年近くを過ぎてこの高支持率は、驚異的ともいえる。

 既存のしきたりにとらわれない行動力。強い大統領像。人気の要因には、外部にいると見落としがちな要素も含まれている。もちろん、麻薬問題での成果(代わりに人権の侵害はある)や経済順調の効果も大きい。

 残り3年。どんなドゥテルテ語録と行動録が記録されるか。

◎ 悪は撃てマッチョが受けるフィリピン流
◎ 8割の支持にハテナの外国人

 

今週の注目(2019年5月20-26日 &当面の注目)
 

・欧州議会選挙が5月23-26日に行われる。極右やポピュリズム政党の台頭を含め、欧州政治の流れを占う。
・インド総選挙の結果が23日に開票される。

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2019年5月12日 (日)

◆米中貿易戦争再燃 2019.5.12

 

 休戦状況にあった米中の貿易戦争が再燃した。米中の貿易協議は難航し、米国は10日、中国からの輸入品2000億ドル相当に対し、関税を10%→25%に引き上げた。米国はさらに、対象を中国からの輸入品全品に拡大する制裁関税の「第4弾」を導入する方針を示した。中国は対抗措置を講じると表明した。

 貿易戦争には経済的利害はもちろん、ハイテク分野の競争や国家の覇権争いが絡む。行方は世界経済の行方にも大きく影響する。

▼広範な課税

 米中の貿易戦争が始まったのは2018年。トランプ米大統領は、中国が知的財産権保護に違反しているなどとして制裁関税の発動を表明。同年中に3段階にわたって追加関税を導入した。第1弾は340億ドルに25%(7月)、第2弾は160億ドルに25%(8月)、第3弾は2000億ドル分に10%(9月)だった。

 関税を引き上げた合計2500万ドルは、米国の中国からの輸入のほぼ半分に当たる。

 米国はさらに2000億ドル分の関税を10%→25%に引き上げる方針を打ち出し、12月から中国と貿易協議に入った。

▼産業補助金などで対立解けず 

 協議では中国側が外国企業に対して課してきた技術移転義務をなくすなど、歩み寄りもあった。しかし、米国は中国の産業補助金廃止や、知財保護の強化などを要求。対立が解けなかった模様だ。

 対立の背後には構造的な問題が横たわる。中国の産業補助金は、国有企業の存続に直結し、「国家資本主義」の経済モデル根幹にも関わる。中国としても簡単には譲れなかったとみられる。

 トランプ大統領はさらに、報復関税の対象を中国からの輸入品全品目に広げる方針を示した。追加分は3000億ドル。詳細は13日にも発表する。

 米大統領は同時に、今後も中国と協議を続ける点を強調した。同時に、交渉は急がずゆっくり進む姿勢を示した。先行きは予断を許さない。

▼風景様変わりの1年

 トランプ米大統領が対中制裁関税や、世界各国からの鉄鋼・アルミ製品への課税を打ち出したのが2018年3月。それから1年強で、関税引き上げは対象・金額とも急速に広がった。この現実の前に、「自由貿易に反する」などという(まっとうな)批判は埋没しがちだ。

 米国が中国に対して仕掛けている貿易戦争は、単なる経済上の利益を巡る紛争ではない。ハイテク分野での主導権争いや、国家の覇権争いが背後に控える。この点は最も重要なポイントだ。

 米中貿易関係や世界の通商体制は、すでに1年前に比べて全く異なる光景になった。交渉の行方がどうなるか不透明だが、さらに大きな変化が予期されることだけは確実だ。

 良きにせよ悪しきにせよ、トランプ米大統領が「ゲーム・チェンジャー」(ルールを変える人)。その認識を改めて想起させる。

◎ 自由貿易 つい昨日まで「いいね!」だった
◎ 関税に練り込む覇権と面子かな

2019.5.12

 

2019年19号 (5.6-12 通算983号)国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年5月6-12日

◆米国が対中関税引き上げ(10日)☆
・米国は中国製品2000億ドル分に課す制裁関税を10%→25%に引き上げた。
・米は2018年7月以来段階的に、計2500憶ドルの中国製品に制裁関税を課した。
・米中は昨年末から貿易協議を開催。決着点を模索した。
・しかし折り合いが付かず広範な引き上げとなる。課税対象は5700品目。
・米国はさらに報復関税の対象を全輸入製品に広げる方針。詳細は13日公表の予定。
・中国も同日報復を表明。貿易戦争が過熱する懸念がある。
・知財保護や中国の産業補助金などを巡り、対立が解けなかった模様だ。
・米中摩擦は、すでに各国の対中輸出減少などを通じ世界経済に影響している。
・摩擦の背景にはハイテクを巡る米中の覇権争いなども絡み、対立は根深い。

◆トルコがイスタンブール市長選やり直し、政権の圧力か(6日)☆
・選管は3月末実施のイスタンブール市長選のやり直しを決定した。
・エルドアンン大統領与党のAKPの訴えを認めた。
・3月の選挙では野党CHPのイマモール氏が勝利。4月17日に確定した。
・しかしAKPは不正があったなどとしてやり直しを求めた。
・エルドアン政権の圧力でやり直しになったとの見方が強い。
・英FTは民主主義の決定的な後退と批判。市場は嫌気しトルコリラは下落した。
・トルコではエルドアン氏への権力集中が加速。強権色を強めている。
・一方経済は、通貨価値の下落やインフレ率の上昇など苦境に直面する。

◆イランが核合意履行を一部停止(8日)☆
・ロウハニ大統領は核合意に基づく義務の履行を一部停止すると発表した。
・濃縮ウランの貯蔵を合意の制限量より増やす可能性がある。
・イランへの制裁を強める米国に対抗する狙いとみられる。
・米国は2018年、イランと米欧ロなどが2015年に合意した核合意から離脱した。
・その後、イランへの経済制裁を復活するなど強硬姿勢を強める。
・5月初めにはイランからの原油輸入禁止措置を一段と強化した。
・イランは欧州と合意維持や経済関係強化を模索するが、難航している。
・イランの履行一部停止で、米国がさらに強硬な姿勢に出る可能性もある。

◆南ア総選挙、与党が継続へ(8日)☆
・総選挙が実施され、与党ANCが過半数を獲得する勢い。
・議会はラマポーザ大統領を再選する見通しだ。
・南アは1990年代にアパルトヘイト廃止。その後ANC政権下にある。
・2009-18年のズマ前大統領下では経済が低迷し、汚職が蔓延した。
・ラマポーザ氏は汚職撲滅などを主張。2018年に就任した。
・選挙を踏まえズマ派を押さえたい意向とされるが、行方は不透明要素が残る。

◆ミャンマー、ロイター記者を解放、国際世論に配慮(7日)
・政府は刑務所に収監していたローター通信の記者2人を釈放した。
・大統領令に基づく恩赦。4月下旬に実刑判決が確定していた。
・記者はイスラム系少数民族ロヒンギャへの迫害疑惑を取材していた。
・国家機密法に違反するなどとして逮捕され、有罪判決を受けた。
・国際社会からは同国政権への批判が高まっていた。
・同国では2016年にアウン・サン・スー・チー氏主導の民政政権が発足。
・しかしロヒンギャ問題では軍主導の強硬姿勢が続く。
・経済改革の成果も限定的で。大国からの投資は2015年の3分の1に低迷する。
・同国は国際世論に配慮せざるを得ない状況だ。

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◎寸評:of the Week
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 【米中貿易戦争再燃】 米国は10日、中国からの輸入品2000億ドル相当に対し、関税を10%→25%に引き上げ。米中の貿易戦争が再燃した。 (→国際ニュースを切る)

 

今週の注目(2019年5月13-19日 &当面の注目)
 
・フィリピンの中間選挙が13日に投票される。ドゥテルテ大統領の6年の任期の中間採点ともいえる選挙。大統領の支持率は、引き続き驚異的に高い。

・欧州議会選挙が5月23-26日に行われる。極右やポピュリズム政党の台頭を含め、欧州政治の流れを占う。

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2019年5月 6日 (月)

2019年18号 (4.29-5.5 通算982号)国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年4月29日-5月5日  

 

◆日本で新天皇即位(1日)☆
・日本の平成天皇が4月30日に退位。5月1日に新天皇が即位した。
・元号は平成から令和に変わった。
・新天皇は59歳。初の第2次大戦後の生まれの天皇。
・即位後会見では象徴としての責務や世界平和への希望を語られた。
・天皇交代をにらみ日本では複数の休日が設定。実質10連休となった。
・日本の国のあり方を巡る議論も繰り広げられた。

◆タイで国王戴冠式(4日)☆
・タイでラーマ10世(ワチラーロンコーン国王=66)の戴冠式が行われた。
・国王は2016年即位したが、前国王の喪中などに配慮し戴冠式は遅れていた。
・戴冠式実施は69年ぶり。6日まで儀式や祝賀パレードを開催する。
・これに先立ち国王は1日、結婚を発表した。
・王妃は陸軍に所属していた女性で、国王の結婚は4度目とされる。
・国王は即位後政治的な影響力を拡大しているとの見方も強い。

◆ベネズエラでクーデター劇、成功せず(30日)☆
・暫定大統領を宣言したグアイド国会議長は蜂起を呼び掛けた。
・しかし同調する軍人は少数にとどまり、クーデタ―は不発に終わった。
・グアイド氏は1月に暫定大統領就任を発表。米などが支持を表明した。
・中ロなどはマドゥロ大統領支持の姿勢を崩さず、国際社会は2分している。
・混乱が続く中で、今回のクーデター劇が起きた。

◆北朝鮮が飛行物体打ち上げ(4日)
・北朝鮮は日本海に飛行物体を打ち上げた。ロケット砲との情報がある。
・飛行距離は70-200キロとみられる。
・2月末の米朝首脳会談は前進がなかった。これを受け挑発姿勢を示した可能性がある。
・同国は2018年以来、ミサイル発射や核実験などの目立った挑発行為は控えてきた。
・発射したのがミサイルでなく、ロケットならば国連安保理決議違反ではない。
・国際社会との決定的な対立を避ける姿勢を示した可能性もある。
・いずれにしろ、北朝鮮を巡る情勢が新たな局面に動き出した。

◆インドネシアが首都移転へ(29日)
・政府は首都を閣議決定した。ジャカルタからジャワ島外に移す。
・ジャカルタへの経済や人口の集中を是正。格差拡大を縮小する狙い。
・移転先はまだ未定。政府が調査している。
・実際の移転には、決定語5-10年を要する見通し。
・資金の確保など実現までには課題も多いが、政治的なインパクトは大きい。

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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
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寸評:of the Week

 

 【日本の改元・新天皇】 日本の平成天皇が退位。新天皇が即位し、時代も平成から令和に変わった。日本国内はもちろん、世界も関心を持って見つめた。

 英BBCの報道は、日本の天皇制、皇室の現状、天皇の役割、日本の歴史などを冷静に報じ、概してバランスの取れた情報を伝えた。そのうえで新天皇の即位を「日本の新時代」と位置づけていた。世界の主要メディアの報道も、おおむねそんな格好だったように見える。

 1世代前までは「世界の経済大国」だった日本の位置づけは、現在では「主要先進国の一つ」になっている。国の認識を示すキーワードとしては、安全、安定、高齢化、成熟社会、ダイナミズムの欠如などが浮かぶ。

 令和の日本は、世界の中でどんな位置づけとなり、何を期待され、どんな役割を果たしていくことになるのか。改めて考える機会になった。

◎ 新天皇静かに見つめる世界の眼
◎ 日本論、天皇を抜きに語れるか

 

◎今週の注目(2019年5月6-12日 &当面の注目)
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・イスラム教国でラマダンが6日ごろから始まる。約1か月。
・南アの総選挙が8日に行われる。
・欧州議会選挙が5月23-26日に行われる。極右やポピュリズム政党の台頭を含め、欧州政治の流れを占う。

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