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2019年4月

2019年4月29日 (月)

2019年17号 (4.22-18 通算981号)国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年4月22-28日
 

◆スリランカのテロ、イスラム過激派が犯行声明(23日)☆
・スリランカ各地の連続爆破テロで、「イスラム国」が犯行声明を出した。
・テロは21日にコロンボのホテルや教会など8か所でほぼ同時に発生。
・外交人観光客なども含め250人以上が死亡した。
・8か所中6か所は自爆テロによる爆発だった。
・同国当局によると、国内ではイスラム過激派NTJが関与した。
・人口の約7割は仏教徒。ヒンズー教徒、イスラム教徒が各約1割。
・2018年には反イスラムの暴動が広がった。
・ISは2017年10月に首都としたラッカを放棄。ほぼ領土を失った。
・しかしアジア、アフリカなど約20か国にテロのネットを維持するとされる。

◆ウクライナ大統領選、コメディアンのゼレンスキー氏圧勝(21日投票)☆
・大統領選の決選投票が行われ、新人のゼレンスキー氏(41)が圧勝した。
・約7割を得票。ポロシェンコ現大統領に大差を付けた。
・同氏はコメディアンで政治は素人。既存政治に失望した有権者の支持を得た。
・ロシアとの和平協議にも前向き姿勢を示す。ただ具体策は未知数だ。
・同国は2014年に政変→ロシアによるクリミア併合を経験。以後混乱が続く。
・東部地区の親ロシア派は独立を主張。紛争状態にある。
・経済は2013-15年にマイナス成長を記録。高インフレが続く。
・汚職が蔓延、貧富の格差拡大など社会の不満も高まる。
・同国は10月に議会選を予定している。
・新大統領が「汚職撲滅」などの公約を守れる道筋見えない。
・ロシアは対ウクライナで外交攻勢をかけて来る可能性がある。

◆スペイン総選挙、与党が第1党、極右議席(28日投票)☆
・総選挙(議席350)が実施され、与党・中道左派の社労党が第1党になった。
・サンチェス首相率いる同党は親EU。議席を84→122前後に増やす見込み。
・中道右派の国民党は134→大幅に議席を減らす。
・振興極右のボックスが24議席となり、初めて議席を獲得する。
・過半数を制した政党はなく連立交渉が始まるが、難航する可能性もある。

◆ロシア、北朝鮮首脳が会談(25日)
・北朝鮮の金正恩委員長がロシアを訪問。プーチン大統領と会談した。
・極東ウラジオストックで。両者の会談は初めて。
・朝鮮半島の非核化などの問題を協議した。
・プーチン氏は会談後、非核化の段階的推進を支持すると述べた。
・プーチン氏は翌26日北京で習近平国家主席と会談。問題を協議した。

◆エジプト国民投票、憲法改正承認、シシ大統領任期延長(23日)
・国民投票が20-22日行われ、憲法改正を承認した。23日発表。
・シシ大統領の任期延長を含む内容。
・この結果、同氏は2030年までの在職が可能になる。
・同国は2011年のアラブの春を経て、ムスリム同胞団系の政権が成立。
・しかし2013年に事実上のクーデターで、シシ氏が権力を掌握した。

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寸評:of the Week
 

 【スリランカのテロが問う世界的問題――「イスラム国」、民族・宗教対立】 スリランカの同時テロで、「イスラム国」(IS)が犯行声明を出した。2014年ごろからイラクとシリア北部を支配したISは、2017年に領土をほぼ失った。しかしテロのネットワークは残り、米国の報告では中東やアジア、アフリカなど20か国にネットが存在するという。今回の事件で、改めて存在を示した形だ。
 スリランカは1970年代から仏教徒中心のシンハラ人とヒンズー教徒中心のタミル人の内戦が勃発し、10万人が死亡した。内戦はシンハラ系が勝利する形で2009年に終結。平和を取り戻し、経済再建を進めているところだった。
 しかし、対立の根はシンハラ系とタミル系だけではなかった。人口の約1割を占めるイスラム系の人々への圧迫もあり、2018年には反イスラムの暴動が発生した。今回のテロはそんな状況の中で起きた。実行犯は中東でISの活動に携わった者だけでなく、高等教育を受けた裕福な家庭出身者もいたと伝えられる。今回のテロが、3月にNZで起きたモスク襲撃への報復だったとの情報もある。
 「イスラム国」、民族・宗教対立。内戦の傷跡。憎悪の連鎖。テロは多くの根深い問題を見せつける。

◎ テロ発生 「ISか?」のカンよく当たる
◎ 和平10年 平和の国かと思ったが
 

 【ウクライナ大統領選】 ウクライナ大統領選でコメディアンのゼレンスキー氏が当選した。得票率は7割を超えた。同氏は昨年大晦日に人気テレビ番組の中で出馬声明。具体的政策もほとんど語らないまま選挙戦を展開した。その結果が圧勝だ。
 大統領選を機にウクライナの政治や経済状態を改めてチェックすると、事態は深刻だ。同国の2014年の政変にロシアが介入。クリミア半島を併合した。東部のロシア系住民は独立を宣言し、政府軍とロシア系の間で紛争が続く。
 経済は2014-16年にマイナス成長に陥り、高インフレが続く。ロシアはエネルギー供給の締め付けで圧力をかける。国民は100万人単位でポーランドなどに出稼ぎに出かける。
 汚職が蔓延。格差は拡大している。ポロシェンコ大統領は欧米に支援を求めたが、その条件の財政赤字の抑制は、国民に負担を強いている。
 ウクライナは人口4200万。面積ではロシアより東では欧州最大の"大国"だ。しかし現状はかくの如しだ。
 悲劇的ともいえる混乱と、その中で選ばれたコメディアン出身の大統領。先行きは楽観を許さない。

◎ 悲劇の世、託したくなる喜劇役者(コメディアン)

 

◎今週の注目(2019年4月29日-5月5日 &当面の注目)
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・日本の天皇が30日退位。5月1日に新天皇が即位する。時代は「平成」から「令和」に変わる。
・タイでラーマ10世(ワチラーロンコーン国王)の戴冠式が5月4日から行われる。
・欧州議会選挙が5月23-26日に行われる。極右やポピュリズム政党の台頭を含め、欧州政治の流れを占う。

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2019年4月22日 (月)

2019年16号 (4.15-21 通算980号) 国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年4月15-21日
 

◆ノートルダム寺院で火災(15日)☆

・パリ中心部のノートルダム寺院で大規模な火災が発生した。
・尖塔や屋根が焼失した。文化財の多くは運び出されて無事だった。
・関係者は事故の可能性が大きいとみている。
・同寺院は仏カトリック信仰の中心。1163年に着工し200年かけて完成した。
・18世紀のフランス革命時に破壊されたが、その後再建された。
・1991年にユネスコの世界文化遺産に指定された。
・観光の名所で、年間1300万人が訪問している。
・マクロン大統領は5年以内に再建したいと語った。見通しは不明。
・文化的な損失であるのみならず、精神、社会的影響も大きい。

◆インドネシア大統領選、ジョコ氏再選(17日)☆

・大統領選が投開票され、現職のジョコ氏が勝利宣言した。
・民間調査機関によると、ジョコ氏の得票は55%。
・プラボウォ元陸軍戦略予備軍司令官を大きく上回った。
・2014年からの第1期の期間中、5%程度の安定成長を維持。国民の支持を得た。
・経済成長の維持、改革の推進などが課題になる。

◆スリランカでテロ、200人以上死亡(21日)☆
・スリランカ各地で爆破テロが発生。200人以上が死亡した。
・最大都市コロンボにある高級ホテル3か所と、東部、西部などの教会3つ。
・爆発はいずれも現地時間正午前後に起き、計画的犯行とみられる。
・スリランカ政府は事件をテロと断定。
・犯人はまだ不明だが、外国人客やキリスト教徒を狙った可能性がある。
・同国では1980年代-2009にシンハラ人とタミル人が内戦。7万人が死亡した。
・2009年に和平が成立したのち、経済発展が軌道に乗り始めたところ。

◆鴻海の郭董事長が台湾総統選出馬表明(17日)☆
・鴻海の郭台銘董事長(68)が台湾総統選出馬を表明した。
・国民党の予備選に出る。2020年1月の総統選で当選を目指す。
・同社は電子機器の受託製造(EMS)で世界最大。中国国内に多数の拠点を持つ。
・郭氏は中国の習近平国家主席との距離の近さでも知られる。
・世論調査では、郭氏の支持率が蔡英文総統を含め他の候補を上回る。
・出馬の影響は中台関係、鴻海の経営など様々な方面に及ぶ。

◆ロシア疑惑の報告書を公表(18日)☆
・米司法省はロシア疑惑に関するモラー報告書を公表した。
・3月下旬にバー司法長官に提出したもの。
・全体448ページで、プライバシーなどにかかわる部分を黒塗りした。
・トランプ氏の捜査妨害についてモラー氏は有無を判断しなかった。
・バー氏は18日、捜査妨害について「証拠不十分」と述べた。
・野党民主党は議会で疑惑追及を強化する姿勢。
・ロシア疑惑はモラー報告で一つの節目を超えたが、まだくすぶる。

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寸評:of the Week

 【北アイルランドの不安】 北アイルランドのロンドンデリーで18日夜に暴動が発生。取材していた女性記者が撃たれて死亡した。カトリック系の過激派新IRA(かつての過激派IRA=アイルランド共和軍=から分離した組織)の関与を疑い、捜査している。
 北アイルランドは英国のEU離脱(Brexit)の最大の焦点になっている地域。現在の北アイルランドと南部のアイルランド間の移動は、EUの自由移動の原則に従って完全に自由。1998年の北アイルランド和平も、それを前提に合意された。
 しかし英国内の強硬離脱派は、EUのルールに縛られない完全な国境管理権の復活を主張している。仮にBrexitで「目に見える」国境が復活すれば、和平の大前提が揺らぐ。
 北アイルランドのプロテスタント系とカトリック系の住民の対立は、歴史的に根深い。いまだに来事の底では憎しみあっている住民も少なくない。
 Brexitで紛争再燃の懸念が生じるとは、これまでも度々指摘されてきた。しかし、今回のような事件が起きると、不安げ現実のものにならないか、本当に心配になってくる。

◎ 離脱派がなぜか語らぬ和平維持
◎ 焦燥が焦眉に変わる弾一発

 【重要なニュース】 ベスト5以外にも重要なニュースが多数。アップルとは16日、スマホの知的財産を巡る紛争で米クアルコムと和解。5Gの半導体で主導権を握る同社と関係修復した。ウクライナの大統領選決選投票が21日行われた。新人のタレント候補、ゼレンスキー氏が優勢。フィンランド総選挙(14日)で極右のフィン党が第2党になった。

 

今週の注目(2019年4月22-28日 &当面の注目)

・エジプトで憲法改正を問う国民投票が20-22日に実施される。大統領の任期延長などを盛り込んだもの。会見が実現すれば、2014年に就任したシシ大統領は2030年までの在任が可能になる。
・スペイン総選挙が28日に行われる。
・北朝鮮の金正恩委員長が4月下旬にロシアを訪問。プーチン大統領と会談する。

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2019年4月15日 (月)

2019年15号 (4.8-15 通算979号)国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年4月8-15日(アジア時間)

◆英国のEU離脱、再度先送り(11日)☆
・EUは臨時首脳会議で、英国のEU離脱の再延期を認めた。
・英国が5月の欧州議会選に参加すれば10月末まで延期を認める。
・欧州議会選に不参加ならば6月1日に離脱となる。
・英議会が離脱協定を採決した場合は、期限前の離脱が可能。
・4月12日での「合意なし離脱」を避け、問題を再度先送りした。
・ただ、先行きは依然として不透明な状態が続く。

◆ブラックホールのイメージを公開(10日)☆
・ブラックホールのイメージ画像が初めて公開された。
・日米欧などの国際共同研究グループが撮影したもの。
・米国、チリ、スペイン、南極など世界8か所の電波望遠鏡を連動。
・地球から5500万光年離れたM87銀河の画像をとらえた。
・ブラックホールに吸い込まれるガスが発する電波などを映した。
・ブラックホールの存在は理論的に実証されていたが、直接証拠は初。
・国際プロジェクトは2012年に始動。ワシントンなど6か所で発表された。
・公開されたイメージは2017年4月に撮影されていた。

◆ウィキリークスのアサンジ氏を逮捕(11日)☆
・英警察はウィキリークス創設者のジュリアン・アサンジ氏を逮捕した。
・ロンドンのエクアドル大使館で拘束した。
・ウィキリークスは2006年に創設の内部告発サイト。
・告発者が匿名で投稿できるシステム。偽情報防止などの技術も備える。
・2010年にはイラク戦争など米外交文書文書を大量公開。衝撃を与えた。
・アサンジ氏は2010年に性的暴行容疑で英警察に逮捕された。
・保釈中の12年にエクアドル大使館に亡命を申請。7年近く籠城していた。
・エクアドルで政権が交代。大使館からの追放を決めた。
・米国は同日、同氏を起訴。英に身柄引き渡しを求めた。
・米国は同サイトが安保上の脅威として、アサンジ氏追及の姿勢を貫く。

◆イスラエル選挙、首相与党が勝利(9日投票)☆
・国会選挙が行われ、ネタニヤフ与党の右派リクードが第1党となった。
・120のうち36議席を獲得した。
・ガンツ元軍参謀総長率いる中道政党連合の「青と白」は35議席だった。
・右派諸政党を合わせると過半数を制し、首相続投が確実になった。
・同首相はパレスチナ問題や対イラン、シリアなどで強硬姿勢。
・パレスチナ和平の進展は当面望めない可能性が強まる。
・米トランプ政権は親イスラエル、サウジと反イランを中東政策の柱に据える。
・3月にはゴラン高原の主権がイスラエルにあると認め、首相を側面支援した。

◆スーダン軍が大統領解任(11日)☆
・軍がバシル大統領を解任したと発表した。
・暫定軍事評議会を設置し、今後2年間統治。その後大統領選を実施する。
・同国では2018年末から大統領退陣を求めるデモが拡大していた。
・軍がこうした動きを踏まえ、クーデターに踏み切った模様だ。
・バシル氏は1989年の無血クーデターで権力を掌握。93年から大統領。
・83年から続いた南北の内戦(200万人死亡)は2005年に和平が成立した。
・2011年には南スーダンが独立した。
・スーダンは人口4000万人。石油などの資源を抱えるが、産業発展は遅れる。

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寸評:of the Week
 

 【Brexitまた先送り】 迷走を続けている英国のEU離脱は、再度先送りとなった。EU首脳会議は合意なし離脱回避を優先した。次の節目は、まず欧州議会の行われる5月下旬(23-26日)。英国が不参加ならば、6月1日に離脱となる。参加した場合には10月31日が次の節目となるが、先行きは不透明だ。英国議会が離脱協定案を採決する見通しは立たないし、メイ政権がいつまで続くかも分からない。ポンド相場は奇妙な安定を保っている。
 離脱期日はもともと3月29日。延期は2回目だ。関係者や世界が混乱に慣れて緊張感がなくなっていないか。離脱の行方の本筋に加え、「ドタバタ慣れ」もちょっと気がかりだ。

 

 【中東・アフリカの不安定】 スーダンで30年続いたバシル政権が崩壊した。食料品の値上がりなどに端を発した反大統領の運動が拡大。軍も大統領を見放して大統領解任のクーデターに動いた格好だ。
スーダンでは過去40年の間に内戦を経験。200万人の死者を出した。2011年に南スーダンが独立した後も、傷跡は残る。今回のクーデターで政権が後退しても、先行き安定の道筋は見えてこない。
 リビアでも西部トリポリ拠点の暫定政権と東部ベンガジ拠点の「リビア国民軍」勢力の衝突が拡大。国連が主導する和平が崩壊の危機に直面する。背後には石油資源やイスラム原理主義との距離などを巡る対立があり、それぞれの背後に中東や欧州諸国が控える。
 大規模な紛争や政権交代でもなければ、なかなか国際ニュースの大見出しにもならないのが、中東やアフリカの現状だ。厳しさを改めて認識する。

 

 【ブラックホール】 ブラックホールのイメージが公表された。公表したのはthe Event Horizon Telescope (EHT) projectと呼ばれる日米欧などのグループ。米国やスペイ、チリ、南極などに設置した電波望遠鏡を連動させ、地球から5500万光年離れたM87銀河のブラックホールのイメージをとらえた。約200人の科学者が参加し2012年から活動。2017年4月に撮影に成功したという。11日の発表は、ワシントンとブリュッセル。サンチャゴ、上海、台北、東京で同時に行われた。
 ブラックホールは光すら吸い込むから、直接撮影はできない。代わりに周辺で生じる電波などをとらえ、イメージを作り出した。
 ニュースを伝える記事には、アインシュタインの予言(一般相対性理論)などの文言も並んだ。久しぶりにスケールの大きいニュースに出会った感じがする。

◎ 「万光年」のニュースに背筋ピンと伸び
◎ 宇宙観ひとつ高めて次の謎 

 

今週の注目(2019年4月15-21日 &当面の注目)
 

・インドネシアの大統領選・総選挙が17日に行われる。ジョコ大統領再選が有力視される。
・ウクライナ大統領選の決選投票が21日。

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2019年4月 8日 (月)

2019年14号 (4.1-7 通算978号)国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2019年4月1-7日
 
◆トルコ地方選、大統領与党が大都市で敗北(31日投票)☆
・地方選が3月31日行われ、エルドアン大統領与党AKPが大都市で敗北した。
・首都アンカラ市長選で野党CHPが勝利。イスタンブールも野党有利。
・ただAKPはイスタンブール市長選の勝利を主張。再集計を要求した。
・選管によれば、全国ではAKPが51.6%を獲得した。
・与党に批判票が集まった背景には、経済の苦境がある。
・トルコ経済は昨年以来リラ安、物価高に見舞われ、3月末にも動揺した。
・インフレは20%前後で推移。企業は負債拡大に悩む。
・経済不安の背景には米国との対立などがあり、大統領への不満が高まった。
・エルドアン氏はイスタンブール市長→首相→大統領と上り詰めた。
・地方選での後退は、大統領の政治基盤の揺らぎにつながりかねない。
・同氏がさらに強権色を強める可能性も否定できない。
◆英のEU離脱、大詰めも迷走続く ☆
・英のEU離脱問題は展望が開けないまま混乱が続いた。12日に期限を迎える。
・英下院は1日に、メイ首相の離脱協定案に代わる案の採決をした。
・EU関税同盟に残留など4案がすべて否決された。
・メイ首相は5日、離脱の6月末までの再延長を求める書簡をEUに送った。
・EU側は10日に臨時首脳会議を開き対応を協議する。
・EU内には英国の煮え切れない態度に不満も多く、再延期を認めるかは不明。
・4月12日に合意なし離脱になるリスクも消えない。
◆B737MAXの墜落は誤作動、ボーイングが認める(4日)
・ボーイングは新型機B737MAXの墜落が誤作動のためだったと認めた。
・昨年10月のインドネシア・ライオン航空機と今年3月のエチオピア航空機事故。
・エチオピア当局は4日、パイロットの操縦に問題はなかったと報告した。
・自動運航のプログラムや訓練プログラムに問題があったと指摘される。
・同機種の運航は世界各地で飛行停止になっている。
・航空機や自動車など「自動運転」のあり方にも問題を投げかける。
◆北朝鮮がマドリード大使館襲撃事件に初めて言及(31日)
・北朝鮮は2月に起きたマドリードの駐スペイン大使館襲撃事件に初めて言及した。
・事件は金正恩体制打倒を掲げる海外の反体制派が2月21日に起こした。
・大使館からコンピュータや携帯電話が持ち去られた。
・自由朝鮮(Free Joseon)が3月27日にHPで関与を表明。
・情報は」米FBIと共有したという。FBIはコメントを否定する。
・北朝鮮の国外滞在者による反体制運動の一端が、白日の下にさらされた。
・国際情勢の奥深さを改めて感じさせた。

◆米韓企業が5Gサービス開始(3日)
・米韓の企業が5Gに対応したスマホサービスの提供を開始した。
・米ベライゾンがシカゴなど一部都市でサービスを開始。
・韓国SKテレコムも一部芸能人らを対象にサービスを始めた。世界初を主張する。
・5Gは次世代の高速通信規格。現在のG4LTEの100-1000倍の容量となる。
・各国は2019年以降実用化していく予定で、主導権争いが激化する。
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◎寸評:of the Week
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 【3か月経過】 2019年も3か月が経過した。世界は引き続きトランプ米大統領の政策に揺れる。イスラエルによるゴラン高原の主権承認は中東の秩序を再度揺り動かした。メキシコ国境の壁建設のために非常事態宣言をしたことは、米政治の常識を覆した。貿易・ハイテクをめぐる米中摩擦は落としどころが見えない状況だ。
 世界経済変調の兆しが目立ち、中国経済は減速。米国は金融引き締め(正常化)の停止を決めた。英国のEU離脱は迷走を続ける。
 【北朝鮮大使館襲撃事件】 在スペインの北朝鮮大使館が2月、反体制集団に襲撃され、コンピューターなどを奪われる事件があった。海外の反体制組織、自由朝鮮(Free Joseon)が3月27日にHPで関与を表明。奪った情報をFBIと共有したなどと伝えた。北朝鮮は3月31日になって初めて事件について言及、テロなどと批判した。
 スペイン当局によれば、事件の主犯格は米国在住のAdrian Hong Chang(アドリアン・ホン・チャン)容疑者。2013年ごろから亡命政権の樹立を画策し、金正恩氏の異母兄で2017年に暗殺された金正男氏に亡命政府主導者に就くよう働きかけたとされる。自由朝鮮の前身の組織は、金正男氏の暗殺事件の後、長男のキムハルソル氏を保護したと公表した。
 自由朝鮮のHPは、大きなことを準備していると予告する。
 さながらスパイ小説のような展開。実際にこのような諜報活動や破壊工作が行われていることを、改めて確認させる。
 世界を見るうえで、格好の材料を提供し、様々なヒントを与えてくれた。
 ちなみに自由朝鮮の公式サイトはここ。初めて訪問した。http://www.cheollimacivildefense.org/
◎ 「小説より奇なり」を地で行く工作劇
◎ 暗殺も破壊も普通世を見れば
◎ 日常の隣の陰謀ふと気付く
◎今週の注目(2019年4月8-14日 &当面の注目)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
・イスラエルの総選挙が9日に行われる。焦点はネタニヤフ首相の右派政権が続くかどうか。中道野党連合「青と白」が支持率を伸ばす。選挙結果は中東情勢に影響する。
・英国のEU離脱を巡る動きが大詰め。EUは4月10日に臨時の首脳会議を予定する。4月12日までに打開策が見つからなければ合意なき離脱に進む可能性がある。

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