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2019年3月 4日 (月)

◆米朝首脳会談の眺め方 2019.3.3

 ベトナムのハノイで27-28日に行われた米朝首脳会談は、合意文書の署名なしで終わった。朝鮮半島の非核化などに関する何らかの合意があるとの期待もあっただけに、いささか拍子抜け。会談の位置づけも難しい。

▼合意なし

 今回の会談は、2018年6月の「歴史的」な会談に続く2回目の会談。前回会談の後に行われた事務レベルや閣僚級の協議でも、朝鮮半島の非核化の道筋が見えてきたわけではない。それでも首脳会議が開催される以上、何らかの部分合意が発表されるとの観測が事前にはあった。

 しかし蓋を開けてみれば合意もなければ共同記者会見もなかった。金正恩委員長の仏頂面ばかりが目立った印象だ。

 米国が求めた全核施設の廃棄に北朝鮮が応じなかったとの情報が流れている。北朝鮮が求めた経済制裁の全面解除には米国が応じなかった模様。後講釈では、そもそも合意なしは当然のようにも見えるが、詳細はなお不明だ。

▼緊張から対話

 北朝鮮の核問題は2017年に緊張が高まった。同国は断続的に核実験やミサイル発射を実施。これに対し米トランプ政権は北朝鮮周辺海域に空母などを派遣するなど圧力を高めた。経済制裁も強化した。

 この年にはマレーシア、クアラルンプールでの金正男氏暗殺事件もあり、北朝鮮に対する国際的な批判が強まった。

 状況が変わったのが翌2018年。韓国で開かれた平昌冬季五輪を契機に対話ムードが強まり、同年6月のシンガポールでの米朝首脳会談につながった。

 しかし朝鮮半島の非核化に向けた米朝の思惑は異なり、シンガポール会談の共同声明も同床異夢の面があった。

▼パフォーマンス

 そして今回の会談。金正恩委員長は北朝鮮からハノイまで遠路鉄道で移動。世界の注目を浴びた。開催地のベトナム・ハノイでは歓迎パフォーマンスやトランプ氏、金正恩氏の髪型を模倣した人が出てくるなど、話題は万歳だった。

 しかし会談の成果に見るものはなかった。北朝鮮側の会談後の対応は、朝鮮中央通信などで断片的に情報を流すというお定まりのパターンだ。

▼不透明な今後

 会談をどのように位置づけるかには、世界のメディィアや専門家も苦労しているようだ。英BBCは”From enemies to frenemies”(敵から友人と敵の混じった関係)と表現していた。面白いが、分かったような分からないような。そもそも、この個性的な2人の間でどんな会話が成り立ったのか(あるいは成り立たなかったのか)、興味深い。

 ただ、1年前には米朝首脳会談の開催自体が「(当面は)あり得ない」話だった。会談があってもおかしくない状態になったのは、重要な状況変化だ。北朝鮮のミサイル発射や核実験もとりあえず止まっている。ただ、これがいつまで続くかは別の話だ。

 今後も引き続き対話路線が維持されるのか。それとも新たな緊張へと動くのか。事実関係の不明な部分も多いので予断は許さないが、目は離せない。

◎ 「2度目だと見出しは取れぬ」の例になり
◎ 兎に角に会談はありの世になれり
◎ 個性派コンビ 政治も旅も髪型も

2019.3.3

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