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2018年11月

2018年11月25日 (日)

2018年47号 (11.19-25 通算961号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2018年11月19-25日
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◆英国とEUが離脱協定合意、英議会承認は不透明(25日)☆
・EUと英国は、英離脱後の条件を定めた協定案を正式決定した。
・同時に将来の通商などの枠組みを示す政治宣言を採択した。
・協定は2019年3月の離脱に伴うルールなどを定める。
・北アイルランド国境問題が解決するまで英国はEU関税同盟に留まる。
・政治宣言は、離脱後に広範囲な自由貿易協定を目指すとする。
・英国は移行期間中、EU単一市場に残る。期限は2020年末から1-2年延長の予定。
・合意により、無秩序離脱回避に向けたシナリオが定まった。
・ただ英国の保守党内強硬派などは合意案に反対する。英議会を通るかは不明だ。
・英国の無秩序離脱のリスクは依然残っている。

◆台湾地方選で与党大敗、蔡総統は党主席辞任(24日)
・地方選が行われ、与党民進党が大敗した。
・高尾、台中などの首長ポストを野党国民が獲得。台北は無所属候補が勝利。
・与党への批判票が野党などに流れた。
・蔡英文総統は責任を取り民進党党首の辞任を表明した。
・蔡氏は総統は続けるが、求心力の低下は避けられない。
・民進党は中国と距離を取る政策を維持してきた。国民党は親中色が強い。
・中台関係にも影響は必至だ。

◆日産ゴーン会長逮捕、解任(19日)
・東京地検はルノー、日産、三菱自動車のゴーン会長を逮捕した。
・金融証券取引法違反の容疑。
・日産自動車の内部通報を元に捜査。日産と司法取引を行った。
・日産は22日臨時取締役会を開き、同氏を会長から解任した。
・ルノーは同氏の会長解任を見送り、ボロレCOOを20日暫定CEO代行に選んだ。
・コーン氏は報酬を過少報告したなどと報道されるが、詳細は不明だ。
・ルノー・日産・三菱の統合関係にも影響が出てくる可能性がある。
・世界の自動車業界、経営者のあり方、日仏関係などに波紋が広がる。

◆株価、原油価格が下落、米大統領はFRB批判
・世界的な株価や原油価格の下落が進んだ。
・原油のWTIは23日、1バレル=50.42ドルと1年1月ぶりの安値となった。
・10月初旬の70ドル台から34%下落した。世界景気の減速懸念などが背景。
・NYダウも続落。相場をけん引してきたIT大手の株価が下落している。
・トランプ米大統領は20日金利が高すぎると、利上げを続けるFRBを批判した。
・世界経済は米経済好況に支えられてきたが、微妙な局面に来ている。

◆サウジ記者殺害、米は皇太子の責任問わず(20日)
・トランプ米大統領はサウジの記者殺害事件に関する声明を発表した。
・皇太子の関与については不明とし、責任を問わなかった。
・その上でサウジとの関係強化を強調した。
・米政府としての立場をひとまず明示。事件は新た新段階を迎える。
・米国内からはサウジへの強硬な措置を求める声も強く、問題はくすぶる。

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◎寸評:of the Week
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 【ゴーン氏逮捕の衝撃】 東京地検特捜部が19日、ルノー・日産・三菱自動車連合の会長を兼務するカルロス・ゴーン氏を逮捕。日産は22日、同氏を会長から解任した。一方、ルノーは20日同氏の解任を見送り、ボレロCOOを暫定CEO代行に選んだ。ショックは世界に伝わり、様々な反響を生んでいる。
 事件の全容はなお不明だ。現時点で明らかになっていることは、(1)逮捕容疑は金融証券取引法違反で、有価証券報告書に虚偽の内容を記載したという理由、(2)事件は日産の内部通報で動き出した、(3)数カ月にわたる内密の捜査があった、(4)東京地検と日産が司法取引を行った、など。
 容疑についてはゴーン氏は有価証券記載以外に報酬を受けていたとか、同氏が世界各地に日産の資金で住居を購入したが適切な報告がなかったなどの情報が流れている。また、不法行為をゴーン氏と側近のケリー日産代表取締役(解任前)が行ったという情報も流れるが、日産の関与などは不明だ。
 3社連合はゴーン氏個人の存在により結びつき、関係はゴーン氏個人の判断により決まっていたとの指摘がある。ルノーが日産を吸収合併する動きがあったとも伝えられる。様々な経営上の利害が絡み合うが、それと事件が関係するかも不明。3社連合の行方も、ゴーン氏退場で益々先行き不透明になった。
 ゴーン氏がルノーから日産に送られ、瀕死の同社を立て直したのが約20年前。思い切った経営界改革はゴーン・ショックをもたらし、経済のみならず社会的にも日本にショックを与えた。カリスマ経営者のイメージはすっかり定着していた。その突然の逮捕→退場(多分)は、寝耳に水という他はない。
 ルノーには仏政府が15%を出資する。ニュースはフランスでも大きく取り上げられる。その報道のニュアンスは、日本とは多少異なり、事件の真相を問うところから始まっている。
 事件を巡っては、それこそFake Newsも飛び交うだろう。情報を鵜呑みにすることなく、展開を見守る必要がある。

◎ 2回目のゴーン・ショックが世を襲う
◎ 観客が「なぜだ」と叫ぶ解任劇
◎ 救世主を急に容疑者と呼ばれても
◎ ゴーンなきゴーン帝国絵は見えぬ

◎今週の注目(2018年11月26日-12月2日 &当面の注目)
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・G20の首脳会議が30日からアルゼンチンで開催される。トランプ米大統領と習近平中国国家主席など、2国間の首脳会談も行われる。

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2018年11月18日 (日)

2018年46号 (11.12-18 通算960号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2018年11月12-18日
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◆アジアで一連の会議、米中が火花(15-18日)☆
・東アジア首脳会議、APEC首脳会議など一連の首脳会議が開催された。
・通商や安全保障を巡り米中が衝突。
・APEC首脳会議(パプア、17-18日)は首脳宣言を採択できなかった。
・首脳宣言断念は1989年に首脳会議が始まってから初めて。
・東アジア首脳会議(シンガポール、15日)でも米中首脳が批判合戦を演じた。
・米中新冷戦ともいわれる緊張の高まりが、地域全体に影響を及ぼす。

◆英国とEUが離脱交渉暫定合意、英与党内は亀裂拡大(13日以降)☆
・英国と欧州委は、同国のEU離脱協定について暫定合意に達した。
・英政府は14日協定案を閣議了承した。
・20年末までにアイルランド問題が解決しない場合、英全体をEU関税同盟に残す。
・関税同盟からの離脱時期などは、英・EUの共同委員会が判断する。
・英与党保守党の強硬離脱派は案に反対。ラーブEU離脱担当相らは15日辞任した。
・保守党内にはメイ首相降ろしの動きが拡大。議会承認は不透明だ。
・2019年3月の離脱期限が近づく中、合意なし離脱のリスクはなお消えない。

◆サウジ人記者殺害事件、皇太子命令の報道(16日)☆ 
・米メディアによると、CIAは記者殺害事件がムハンマド皇太子の命令と断定した。
・Wポストなど複数のメディアが報じた。通信傍受などから判断したという。
・米政府は15日、事件にかかわった17人を経済制裁の対象とした。
・トランプ大統領は20日までに包括的な報告を受けると明らかにした。
・事件はサウジの体制を揺るがしている。皇太子関与となれば衝撃は更に広がる。
・中東情勢全体への影響も大きい。

◆伊が欧州委の予算修正要求拒否、対立深刻化(13日)☆
・イタリア政府は欧州委員会が求めていた2019年予算の修正を拒否した。
・予算は財政赤字をGDPの2.4%とする内容。前政権の公約の3倍増だ。
・同国では5月にポピュリストの5つ星運動と極右の同盟の連立政権が誕生。
・財政拡大による景気刺激を国民に約束していた。
・EUの財政規律ルールをあからさまに無視する姿勢だ。
・EUは、ルール上では同国に制裁を課すことも可能だ。
・ただ実行すれば同国で反EU感情が高まり懸念もある。難しい対応を迫られる。

◆中米移民、米国境に到達(14日)
・中南米から米への移民を目指す集団(キャラバン)がメキシコ側米国境に達した。
・ティフアナの町には、数千人単位が集結した。
・既存の収容施設などに入った。到着者は収容能力を上回り、さらに増加している。
・米側は入国を許さない構えで、保安要員を増強している。
・国境にはフェンスが設置されている。
・滞在が長引けば収容が困難になるのは必至。今後の展開に関心が集まる。

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◎寸評:of the Week
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 【米中対立のアジア会議】 シンガポールとパプアニューギニアで、東アジア首脳会議、APEC首脳会議など一連の首脳会議が15-18日を中心に行われた。15日の東アジア首脳会議(シンガポール)には、ASEAN10カ国に日米中印ロなど合計18カ国、17-18日のAPEC首脳会議(パプアニューギニア)には日米中など21カ国・地域の首脳が参加。このほかにも中国-ASEAN、ロシア-ASEANなど多数の会議や2国間会談が行われた。
 特に目立ったのが米中の対立。ペンス米副大統領(トランプ大統領の代理首席)は、東アジア首脳会議で中国の「南シナ海軍事拠点化は違法だ」と主張。APEC首脳会議では中国を念頭に「インド太平洋に独裁主義や侵略の居場所はない」と批判した。
 中国側はAPEC首脳会議で習近平国家主席が「保護主義と一国主義が世界経済に影を落としている」と米国を批判。両国は安保や通商で真っ向からぶつかった。
 米中対立の結果、APEC首脳会議は首脳宣言発表を断念するところに追い込まれた。
 米トランプ政権は今年に入り、中国の知的財産権侵害を理由に同国からの輸入品に制裁を発動。ZTEなどハイテク企業との取引停止にも踏み切った。
 10月にはペンス副大統領が演説。対中政策を融和→対抗に転換する姿勢を示した。米中関係は緊張を高め、米中「冷戦」に入ったとの指摘もある。米ソの東西冷戦は1989年に終結したが、それから約30年を経て新しい冷戦の復活かも知れない。
 アジアでの一連の会議も、そうした情勢変化を映した格好だ。これが新しい常態となっていることは、十分に押さえておく必要がある。

◎ G2の舌戦熱し南の島
◎ 冷戦は懐かしいものだったのに

 【Brexit交渉】 Brexitを巡る事務方の交渉が13日まとまり、離脱協定案が発表された。合意案は600ページ弱の分厚いもの。ポイントは、アイルランド国境問題で解決策が見つからない場合、英国全体が2020年末の移行期間終了後もEU関税同盟に残るという点。その後、英国が関税同盟から抜ける時期などは、英国とEUの合同委員会で決定する。焦点のアイルランド国境問題を事実上先送りする一方、英国が勝手に関税同盟から離脱しないように制約をかける内容だ。
 関税同盟に残ることで膨大な国境検査の復活などを避け、モノの移動はこれまで通りの自由に近い形を保持できる。一方で、英国は通商規則などEUのルールを順守する必要がある。
 メイ首相は14日、協定案を閣議決定した。この日、英メディアは1日中首相や国会の動きを実況中継。英国が重要な局面を迎えていることを映した。
 保守党内の強硬離脱派からは、協定の内容ではEUから主権を回復するというBrexitの目的に合わないという批判が噴出。ラーブ離脱担当相らは15日、辞表を提出した。党内ではメイ降ろしの動きが活発になっている。
 協定案が議会を通るかのめどは、全く立たない。否決となれば合意なし離脱の可能性も高まる。英経済が混乱するばかりか、政治も混迷は必至だ。
 英国内の議論を聞いていると、政治家はBrexitを選んだ「国民の意思」を好き勝手に解釈して自分の主張を展開している。当然、話はかみ合わない。英国の迷走ばかりが際立つ。

◎今週の注目(2018年11月19-25日 &当面の注目)
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・トランプ米大統領がサウジ記者殺害事件についての報告を20日までに受ける。その後どんな判断を下すか。

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2018年11月12日 (月)

2018年45号 (10.5-11 通算959号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2018年10月5-11日
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◆米中間選挙、下院は民主勝利、ねじれ議会に(6日)☆
・米中間選挙が投票され、野党民主党が下院の過半数を8年ぶりに奪回した。
・上院は与党・共和党が過半数を維持。「ねじれ議会」となった。
・トランプ政権の運営はこれまで以上に厳しくなる。
・ロシア疑惑を巡り大統領弾劾などの動きが出てくる可能性もある。
・大統領は会見。民主党に秋波を送る一方、疑惑追及の動きをけん制した。
・最終議席は票の再集計を実施する州もあるため、確定していない。

◆第1次大戦終了100年式典(11日)☆
・第1次世界大戦の終結から100年を経過。記念式典がパリで開かれた。
・各国首脳級約70人が出席した。
・トランプ米、プーチン露、エルドアン・トルコ各大統領やメルケル独首相ら。
・主催国仏のマクロン大統領はナショナリズムの高まりに警告を発した。
・マクロン氏らの国際主義とトランプ氏らのナショナリズムが対照を成した格好。
・式典に合わせて多数の2国間首脳会議も開催された。

◆米司法長官を解任(7日)☆
・トランプ米大統領はセッションズ司法長官の退任を発表した。事実上の解任。
・両氏は、2016年大統領選のロシア疑惑を巡り確執が広がっていた。
・中間選挙終了のタイミングで解任したとみられる。
・当面ホワイテカー司法長官首席補佐官が長官代理を務める。

◆米がイラン制裁第2弾(5日)☆
・トランプ米政権は対イラン経済制裁の第2弾を発動した。
・石油、金融部門や造船などを対象に加え、700以上の個人・団体に制裁を科す。。
・石油タンカーや航空機も対象になり、イランとの物流に影響が出る。
・外国企業が制裁対象の企業と取引すると、米国内での事業ができなくなる。
・原油輸入については、日中インドなど8カ国に180日の猶予期間を認める。
・米国は8月に鉄鋼などを対象に制裁の第1弾を復活。イランへの圧力を強める。
・米は5月にイラン核合意から離脱した。対イランでは米欧間の距離も広がる。

◆米カリフォルニア州で山火事 ☆
・加州で複数の大規模な山火事が発生。10日までに25人以上が死亡した。
・30万人以上が非難している模様だ。被害はさらに膨らむ模様。
・同州で過去最悪の山火事被害の1つとなった。
・同州の山火事は随時発生。警戒態勢を強化するが、防止には至らない。

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◎寸評:of the Week
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 【勝者なき米中間選挙】 米中間選挙はトランプ大統領与党の共和党が上院の多数を維持する一方、下院では野党民主党が過半数を奪回した。議会は上下院がねじれとなり、政策決定が滞る可能性がある。ロシア疑惑を巡りトランプ大統領の弾劾の動きが具体化する可能性もある。トランプ政権の運営は従来以上に難しくなる。これが米国の外交や移民政策、経済政策などにどう表れてくるかは、読みにくい部分がある。

 今回の中間選挙は米国内のみならず、世界が大いに注目した。トランプ政権の行方に影響するためだ。

 結果は、事前の世論調査結果にほぼ沿った内容。中間選挙には現政権への信任投票の面があり、与党に不利に働きやすい。この流れで民主党は下院を制したが、上院は共和党がむしろ議席を伸ばした(最終議席数は未確定)。決定的な勝利はどちらにもなかった。

 議会がねじれになることで、予算など議会に決定権がある事項は政策が決まりにくくなる。メキシコ国境への壁の建設や、医療保険改革(オバマケア見直し)などが当てはまる。

 トランプ大統領の弾劾手続きが動き出す可能性もある。手続き開始の権限は下院にある。実際の弾劾は上院で3分の2以上の賛成が必要なため難しいだろうが、これまで以上に公の問題となり、トランプ政権の行方を縛る局面も想定できる。

 選挙後の会見で大統領は、民主党と米国民のために政策で協調したいと秋波を送った。一方で疑惑対応では民主党を強くけん制。硬軟入り交えた姿勢を見せた。反大統領のメディアに対する挑発的な受け答えは、これまでと変わらなかった。

 選挙直後のトランプ大統領や民主党の動きは事前の想定空大きく外れていない。大統領は米国第一の姿勢を変えず、移民政策などでは従来の強硬姿勢を貫く。ツイッター中心のコミュニケーションも同じだ。民主党は国民優先を訴え、大統領との距離感を探る感じだ。

 いずれにしろ、米政治の局面が変わったのは間違いない。トランプ劇場は新しいステージに入った。

 【第1次大戦終結100年】 第1次世界大戦の終了から11日で100年を経過した。パリでは仏政府主催で記念式典が開かれ、世界の首脳級70人が集合した。世界のメディアは100年前との対比を一つの軸に、現在の世界が直面するナショナリズム台頭などの問題を報じた。

 式典でマクロン仏大統領は、ナショナリズムの高まりに強い警戒を示した。第1次大戦の犠牲によりナショナリズムは一度は後退したはずだったが、その後再び高まり「2度目の大戦を生んでしまった」と大統領は警告した。ドイツのメルケル首相らも、国際協調の重要性を訴えた。

 意識していたのが米トランプ大統領であるのは明白だ。ナショナリズムは欧州内も含め世界各地で高まり、自国優先や排他主義が勢いを増している。そうした時代に、世界最強国である米国が自国優先や刑事あ的保護主義、排他主義などの動きを見せれば、世界的潮流を国際協調とは反対の方向に加速させかねない。

 式典からは、国際主義のマクロンvsナショナリズムのトランプという図式が改めて印象付けられた格好だ。

 第1次大戦の記憶は、欧米社会で強い影響を保っている。各国で追悼式典などが行われる。英国ではポピーの花のバッジを付けて追悼するのが慣わし。今年も同日ロンドンで式典が行われ、ドイツのシュミットマイヤー大統領が参加し献花。和平を印象付ける演出をした。

 ナショナリズムは時に排他主義、非寛容主義に向かい、民族紛争や戦争を生き起こす。一方で、1990年代以降のグローバリズムが格差拡大など新たな問題を生んだのも事実だ。問題は簡単ではない。

 人類が過去100年の歴史から何を学んでいるのか、いないのか。考えさせられる。

◎ 歴史超えナショナリズムは彷徨えり
◎ 寛容の後退とも言う自国優先
◎ 1世紀解なき問いがまた巡る

◎今週の注目(2018年11月12-18日 &当面の注目)
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・ASEAN首脳会議やRCEP首脳会議、東アジア首脳会議、APEC首脳会議など一連の会議が12-16日に開かれる。

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2018年11月 5日 (月)

◆メルケル時代の終焉?――党首辞任のインパクト 2018.11.4

◆メルケル時代の終焉?――党首辞任のインパクト 2018.11.4

 ドイツのメルケル首相が与党CDU(キリスト教民主同盟)の党首を退任すると表明した。首相は2020年の任期まで続けるというが、求心力の低下は避けられない。欧州の行方への影響も甚大だ。

▼地方議会選敗北の責任

 メルケル氏は29日、12月7-8日に行われるCDU党大会で党首選に出馬しない述べ、党首退任を表明した。首相は2020年5月の任期まで続けるとしている。同氏はかねて、党首と首相は同一人物が務めるべきと述べていたが、言動を覆した。

 辞任決断のきっかけは、10月に行われた地方議会選での与党の敗北だ。14日のバイエルン州議会選で、与党(姉妹党のCSU)が歴史的な大敗を喫した(得票率は2013年の48%→37%)。続く28日のヘッセン州議会選でも、CDUは38%→27%に大幅に議席を落とした。

 メルケル氏がCDU党首になったのは2000年。18年の経歴に幕を閉じる。

▼難民問題で批判

 地方選敗北の重要な理由が難民問題だ。メルケル氏は2015年の欧州難民危機の際に、難民受け入れに寛容な姿勢を示し、前後で100万人を上回る難民を受け入れた。これが難民・移民に反対する勢力の攻撃の的となり、極右や反移民政党の台頭を許すことになる。

 2016年の総選挙で極右のAfDは第3党に躍進。10月のバイエルン州議会選でも10%(前回はゼロ)、ヘッセン数議会選では13%(前回比9%増)と大きく得票を伸ばした。

 与党内でも極右などへの対抗上、より厳しい難民・移民政策を求める声が拡大。メルケル首相を公然と批判する動きも目立ち始めた。6-7月にはCSUのゼーホーファー党首との対立から連立政権(CDUとCSU、社民党の大連立)崩壊の危機に直面した。メルケル首相はこうした動きを押さえ政権の枠組みを維持するため、党首辞任のカードを切った模様だ。

▼欧州のアンカー役

 党首辞任でメルケル氏の求心力低下は避けられないとの見方が多い。欧州のメディアは、「メルケル時代の終わり」と表現するものもあった。

 メルケル氏は過去10年余り、欧州の政治をリードしてきた。同氏が首相に就任したのは2005年。フランスとの「独仏協調」を基本に親EU路線を貫き、重大局面での意思決定に決定的な役割を果たしてきた。

 2008年のリーマン・ショック後の金融危機対応や、2010年からのユーロ危機では、金融機関救済や金融システム安定策の決定に寄与。2008年のジョージア(グルジア)危機や2014年のウクライナ危機では、欧州を代表してロシアのプーチン大統領らとやり合った。2015年のイラン核合意でも大きな役割を果たした。

 EUの政策決定は首脳会議や閣僚理事会で決まるが、重要な案件の場合は独仏の調整などで決まる。特にメルケル氏が認めなければ何も決まらない、というのは欧州ウォッチャーの常識だった。メルケル氏は非常時の政策決定のアンカー役を担った。だからこそ「欧州最強の政治家」や「欧州の女帝」と言われたし、メディアのカメラもメルケル氏に集中した。

▼欧州・EUへの影響甚大

 メルケル氏の政治力を支えるのが、ドイツの経済力であり、国内的な政治基盤の安定だった。党首辞任で政治基盤の安定が揺らぐ。それが深刻なものとなれば、欧州やEUへの影響は甚大だ。

 欧州が抱える問題は多岐で深刻。難民・移民問題は各国の利害が対立し、極右・反移民政党の台頭に歯止めがかからない。英国のEU離脱問題は交渉大詰めの時期に来ても先が見えない。米トランプ政権との関係はギスギスし、関係再構築は喫緊の課題だ。イタリアはバラマキ型の予算案を作成し、EUとの対立が表面化しつつある。ギリシャなどの財政改革は遅れ、ユーロ危機再燃の懸念は常にくすぶる。ロシアとの関係はいつ何があってもおかしくない。中東の混乱は続いたままだ。

 こうした問題に適宜対処するとともに、EUとしての新たな政策や改革を打ち出していくには、強力なリーダーシップが不可欠で、アンカー役が求められた。メルケル氏の影響力低下は、こうした役割を担う政治家が見当たらなくなる懸念がある。

▼新時代

 メルケル氏は旧東独の出身。元々科学者だったが、ベルリンの壁崩壊を受けて政治の世界に身を投じた。政治思想や哲学を積極的に語ることは少なく、世界観は広く知られてなく、未知数の部分がある。難民受け入れに寛容的だったのは、社会主義体制下で生活した経験が影響しているとの見方がある。トランプ米大統領のメルケル氏に対する姿勢は極めて悪い。

 英FT紙は党首辞任のニュースを受けて、「ドイツは新時代に直面する」(Germany confronts new era sa Merkel calls time on leadership)と位置付けた。同紙社説はメルケル氏がドイツと欧州のために良い働きをしてきたと評価したうえで、「ドイツは欧州のために強さを維持するべきだ」(Germany needs to keep strong for Europe's sake)と評した。

 メルケル氏はなお首相の座にはとどまる。しかし従来に比べ不確実性は高まった。新時代への移行=メルケル時代の終わりの始まり=に直面し、同氏の存在感の大きさと力量を改めて認識する。

◎ メルケルに安心した日々早や10年
◎ いつの間にかドイツが決めてるヨーロッパ
◎ 節目のたび 課題に嘆息 欧州の地

2018.11.4

 

2018年44号 (10.29-11.4 通算958号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2018年10月29日-11月4日
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◆独メルケル氏が党首退任、首相は継続(29日)☆
・メルケル氏が与党CDU(キリスト教民主同盟)の党首を辞任する。
・12月の党首選に出馬しない。首相は2021年の任期切れまで留まる予定。
・10月に行われたバイエルン、ヘッセン州議会選で敗北。責任を取る格好だ。
・メルケル氏は2000年に党首に就任。2005年から13年間首相を務める。
・独国内はもとより、欧州最強の政治家として影響力を保持してきた。
・ユーロ危機などの際に指導力を発揮。欧州安定のアンカー役を果たしてきた。
・2015年の欧州難民危機では受け入れに寛容な姿勢を取った。
・これが欧州各地で反移民、極右政党の台頭を招いたとの批判がある。
・党首辞任で求心力の低下は避けらない。欧州情勢への影響は多大だ。

◆ブラジル大統領に極右のボルソナロ氏(28日投票)☆
・大統領選決選投票が行われ、極右社会自由党のボルソナロ下院議員が当選。
・得票率は55%。左派労働党のアダジ元サンパウロ市長が45%だった。
・同氏は汚職撲滅や治安回復を強調し支持を広げた。
・同国は資源ブームが終わった2010年代に入り経済が停滞。
・旧左派政権時代の汚職スキャンダルが表面化し、政治不信が高まっていた。
・2016年にはルセフ元大統領を罷免。後任テメル大統領の支持率は極めて低い。
・ボルソナロ氏は左派政権時代のバラマキ是正も訴える。
・一方で女性や同性愛者への攻撃的発言や人種差別的な言動が相次ぐ。
・人権軽視ともいえる姿勢への批判も多い。

◆英国がデジタル税導入(29日)☆
・英国は大手IT企業を対象としたデジタル税を2020年4月から導入する。
・IT企業に対し英国内の売り上げの2%に課税する。
・ハモンド財務相が2019年度の予算を説明する演説で表明した。
・事実上、グーグル、アマゾンなど米大手IT企業を狙い撃ちにする格好だ。
・大手IT企業への課税を巡っては、世界中で模索が続く。
・しかし国際的なルール作りは調整が進まない状況。
・英国は先行的にデジタル税を導入。国際議論に一石を投じる狙いだ。

◆米中間選挙投票へ ☆
・米中間選挙が6日に投開票される。共和・民主両党は大詰めの運動を展開した。
・トランプ大統領は接戦が続く州を積極的に訪問。支持を訴えた。
・選挙戦の争点は移民、経済など。それ以上にトランプ政権の評価の色彩が強い。
・世論調査では上院では共和党が過半数維持、下院は民主有利と出ている。
・ただし、2016年大統領選では調査の予測は外れた。予断は許さない。
・選挙結果はトランプ政権の今後の運営にも影響を与える。

◆米が対イラン制裁第2弾、原油輸入禁止は一部猶予 ☆
・トランプ米政権はイランに対する経済制裁の第2弾を5日発動する。
・8月の第1弾に続くもの。第1弾は自動車などを対象にした。
・第2弾ではエネルギー、金融などを対象とする。
・他国にも制裁を求め、応じない場合は米国内での取引禁止などを科す。
・イランからの石油輸入禁止については、日本など18カ国に対し一時容認する。
・トランプ政権は5月にイラン核合意から離脱。対イランで対立姿勢を強める。

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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
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◎寸評:of the Week
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 【メルケル時代の終焉?】 ドイツのメルケル首相が与党CDUの党首を辞任する。首相は当面続けるが、メルケル時代の終焉を予想する声も出ている(→国際ニュースを切る「メルケル時代終焉?―党首退任のインパクト」)

 【米中貿易戦争緩和?】 トランプ米大統領が中国との貿易摩擦に歯止めをかける合意案作成を閣僚に指示したとの報道が流れた(2日、ブルームバーグ)。これを受けて、アジアの株は軒並み上昇した。情報がどこまで正しいか、対話が本当に動き出すかなどは不明だが、それでも市場の反応は大きかった。世界にとっての重大事であることを改めて突き付ける。

◎今週の注目(2018年11月5-11日 &当面の注目)
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・米中間選挙が11月6日に行われる。結果はトランプ政権の今後の行方に大きく影響する。

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