« 2018年9月 | トップページ | 2018年11月 »

2018年10月

2018年10月28日 (日)

2018年43号 (10.22-28 通算957号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2018年10月22-28日
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

◆香港・マカオ・珠海に世界最大の橋(24日)☆
・香港・マカオ・珠海感の海上橋が開通した。全長55キロで世界最長。
・2009年に着工。約10年で完成した。総工費は1000億元(1.6兆円)。
・9月には香港と広州を結ぶ高速鉄道が開通している。
・珠江デルタのインフラが着々と発展している。
・経済発展への寄与が期待される一方、香港、マカオの1国2制度への影響もある。

◆サウジ、記者殺害の計画性認める、混乱継続(25日)☆
・サウジはトルコでの同国記者殺害事件が計画的犯行だったと認めた。
・当初の失踪→事故→計画的殺害と説明を二転三転させた。
・サウジが23日開いた投資家セミナーは、多くの欧米政治家、企業家が欠席した。
・ただムニューシン米財務長官はこの時期に同国を訪問。一定の配慮を示した。
・トルコのエルドアン大統領は23日会見し、犯行が計画的だったと主張した。
・国際的関心はムハンマド皇太子の関与や、事件幕引きの展開に向いている。
・この問題が世界の中東と世界を揺らす状況が続いている。

◆欧州委がイタリアの予算差し戻し、伊は修正拒否(23日)☆
・イタリアは2019年度予算を決定。欧州委員会に15日提出した。
・財政赤字をGDP比2.4%に設定した。2017年実績の2.3%を超え、前政権の計画の3倍。
・小規模事業者の税軽減などバラマキ的色彩が強い。ただしEUルールの3%内。
・欧州委員会は23日、案を差し3週間以内の再提出を求めた。
・これに対しコンテ伊首相は同日、修正に応じない考えを示した。
・欧州委の審査は2013年に導入した。伊が修正を拒めば制裁発動発動もあり得る。
・最大でGDPの0.5%相当の制裁金を科す可能性がある。
・EUのルールにイタリアが公然と違反する格好。EUの求心力低下を映す。
・市場ではイタリア国債の利回りが上昇。警戒信号が灯っている。

◆NATOが冷戦後最大規模の演習(25日)
・NATOは北大西洋などで冷戦後最大規模の演習を開始した。11月7日まで。
・加盟29カ国とスウェーデン、フィンランドが参加。兵力は5万人。
・ノルウェーが軍事攻撃を受けたことを想定し、主権回復を目指す。
・車両約1万台、航空機250機、艦船65隻が参加している。
・ロシアの軍事力を意識した演習と見られる。
・ロシアも極東などで演習演習を実施。中ロ合同演習は30万人規模だった。
・世界的に軍事的緊張が高まる兆しがある。

◆日中首脳会談(26日)
・日本の安倍晋三首相が中国を訪問。習近平国家主席と会談した。
・両国関係の改善・発展に向けた協議をした。
・日本の首相の公式訪中は7年ぶり。
・日中関係は尖閣諸島問題などを巡り2012年から悪化していた。
・その後数年間首脳会談が開催できない異常事態が続いていた。
・トランプ米大統領の登場などで国際環境が変化。
・日中の政治対話が徐々に改善している。

  ┌──────────────────────────── 
 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ├───────────────────────────
 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
 └─────────────────────────────

◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 【サウジの記者殺害事件】 事件は3週間を経ても収拾のメドが立たず、サウジへの批判は高まったまま。同国はムハンマド皇太子のに責任が及ばない形で幕引きを目指すが、行方は不透明だ。異例の展開がどう動くか。

 【中南米の難民・移民キャラバンの北上】 中米ホンジュラスからグアテマラを経てメキシコに入った数千人規模の難民・移民が、米国を目指して北上を続けている。距離は2000キロ以上。集団は「キャラバン」と呼ばれ、米メディアなどは連日大々的に報じている。トランプ米大統領は入国阻止の姿勢で、マティス国防長官は米国国境への米軍部隊派遣を承認した。一方メキシコ政府は、正式な入国手続きや難民申請をした一部の入国者には、一時的な身分証明書を発行する措置を発表した。
 今回の難民・移民流出の背景には、中南米の貧困と格差、治安悪化などの問題がある。これは世界の他の難民流出国も同じだ。貧困、紛争・内戦のほか、歴史に根差す差別など構造的な問題な横たわるケースが多く、問題は複雑で対処は難しい。国際社会は綺麗ごとの策では対処できず、抜本的な対策が見当たらない。しかし放置しておけば、近代社会を支えてきた西洋流の人道主義は地に落ちる。欧州の難民危機も、事の本質は同じだ。
 今回のキャラバンは、SNSでの呼びかけなどで規模が膨らんだ。ネット時代の出来事という側面もある。仮に米国・メキシコ国境に到着したら、予期せぬ出来事が起きる可能性もある。その場合、どんな影響が出てくるのか。これも予測不能だ。
 答えのない難問に、米トランプ政権はどう対応するのか。そしてどんな結末が待ち構えているのか。向こう数週間、目が離せない。

◎ 商品を運ばぬキャラバン当世風
◎ 壁あると分かっても進む2000キロ
◎ 難民を阻止して剥がれる人道主義
 

◎今週の注目(2018年10月29日-11月4日 &当面の注目)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・ブラジル大統領選尾決選投票が28日行わあれる。世論調査では極右候補とされるボルソナロ下院議員がリードしている。
・ドイツのヘッセン州の州議会選が28日行われる。メルケル首相与党のCDSが大幅に議席を失いそうな情勢。
・米中間選挙が11月6日。残すところ1週間余りだ。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 incd-club は国際問題に関係する内外のジャーナリストやビジネスマンらのグループです。「国際ニュース・カウントダウン」は、世界のニュースから週刊単位でベスト5を選び、解説したもの。日本のメディアの報道とは異なる視点から、面白くかつ分かりやすく地球を鳥瞰しています。
 ブログは毎週発行のメールマガジンを元に作成しています。

 ------------------------------------------------
 メールマガジンの登録変更・解除は次のアドレスから。(『まぐまぐ』を利用)。
 http://www.mag2.com/m/0000056121.htm
 ------------------------------------------------

 Copyright(c) 2000-2018 INCD-club

2018年10月22日 (月)

2018年42号 (10.16-21 通算956号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2018年10月16-21日
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

◆サウジ記者殺害の影響拡大、米財務長官は投資会議欠席 ☆
・記者殺害を巡りサウジへの批判が拡大。事態は深刻化している。
・同国当局は20日、失踪したカショギ氏の死亡を初めて認めた。
・トルコ・イスタンブールの領事館内での事故死とする。
・米国やトルコは説明が不自然とし、トランプ米大統領は「ウソ」と述べた。
・ムニューシン米財務長官は23日からサウジで開く投資会議欠席を決めた。
・米メディアはムハンマド皇太子の関与を疑う情報を流している。
・サウジは事態の早期収拾を目指すが、メドは全く立たない。
・中東情勢の新たな不透明要因になっている。

◆中国の7-9月成長6.5%に減速、貿易戦争の影響も(19日)☆
・国家統計局発表の7-9月のGDP成長率は、前年比実質6.5%だった。
・4-6月の6.7%から減速。2009年1-3月期以来9年半ぶりの低水準だ。
・地方政府の債務削減の影響でインフラ建設などが低迷した。
・米中貿易戦争の影響は数字面には出ていないが、景況感などに影響。

◆EU首脳会議、Brexitで進展なく終了(17-18日)☆
・首脳会議がブリュッセルで開催。英国のEU離脱問題を協議した。
・北アイルランド国境などを巡り打開策が打ち出せず、進展は乏しかった。
・EUと英国は従来10月末の合意を目指していたが、先延ばしとなった。
・当面年内の合意を目指すが、「合意なし離脱」のリスクも高まっている。

◆米大統領がINF破棄条約の破棄を表明(20日)☆
・トランプ大統領はINF(中距離核戦力)廃棄条約破棄の意向を表明した。
・同条約は1987年に米国が旧ソ連と締結。中距離核の削減・廃棄を定めている。
・大統領はロシアが条約に違反しミサイルの配備を進めていると批判した。
・中国は条約の制約を受けずに戦力増強を進める。それに対抗する狙いもある。
・冷戦後の核軍縮の流れが変わる可能性がある。
・ボルトン大統領補佐官は21日からモスクワを訪問し、この問題を協議する。

◆ホンジュラスから難民が北上☆
・中米ホンジュラスから数千人規模の難民の集団が北上している。
・グアテマラを経由し、メキシコ国境に到達した。
・メキシコ政府は入国阻止を目指すが全面対処は難しい。入国後の対応は不明だ。
・集団は米国を目指している。米メディアも大きく報道している。
・トランプ米大統領は必要ならメキシコ国境を閉鎖すると表明した。
・背景にはホンジュラスなど中南米諸国の貧困と治安悪化がある。
・ベネズエラからは100万人単位の難民がコロンビアなど周辺国に流出している。

  ┌──────────────────────────── 
 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ├───────────────────────────
 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
 └─────────────────────────────

◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 【深まるサウジ記者殺害問題】 サウジの記者殺害問題が、前週に続き国際社会の大きな関心事だ。同国は20日になり同国人記者ジャマル・カショギ氏の死亡を認めた。これまでの説明の誤りを認め、事態の早期収拾を図る狙いだ。しかし、新しい説明にも不自然な点が多く、米欧などは批判を強めている。米財務長官や欧州各国の閣僚はリヤドで開催する投資会議欠席を決定。経済面の悪影響も出てきた。ムハンマド皇太子の関与があれば、体制の揺らぎにもつながりかねない。当面目が離せない。

 【Brexit交渉の迷走】 EU首脳会議は英国のEU離脱問題について、さしたる前進のないまま終了した。EUと英国は当初、10月末までの合意を目指していたが先送りを余儀なくされた。2019年3月の離脱期限まであと5カ月半。残された時間は少なく、「合意なし離脱」のリスクも高まっている。
 2016年6月に英国がBrexitを決めてから2年強。英国保守党内では強硬離脱派と穏健離脱派の対立が続き、交渉スタンスすら定まらない状況。これではEUも交渉を進めようがない。
 EU残留の27カ国にとっては、難問問題やポピュリズム、反移民政党の台頭などがBrexitより喫緊の課題。一方でEUは、Brexitをきっかけに統合戦略の立て直しを目指したが、パンチの利いたものにはならなかった。
 「迷走」という言葉がピッタリのBrexitを巡る情勢。離脱決定時に続く第2のショックが世界を襲う可能性も小さくない。

 【アフガンの総選挙】 アフガニスタンで20-21日に下院選を実施した。下院選は8年ぶり。しかしタリバンによる選挙妨害が続き、一部投票場では投票できなかった。選管は11月10日に暫定結果を発表する予定だ。
 同国では2019年4月に大統領選を予定している。これを計画通りに実施できるかも不透明だ。
 アフガンは2001年のアフガン戦争の後、2004年に大統領選を実施。再建に歩みだすかに見えた。しかしその後タリバンが各地で勢力を拡大し、治安が悪化。不安定な状況が続く。米国も軍撤退ができない状況だ。
 9.11を引き金にしたアフガン戦争から20年近くが経過した。情勢の改善は遅れたままだ。そして国際社会の関心も低くなっている。

◎ アフガンの再建のニュースはいつの日や。
◎ 投票も命懸けになり早や10年
 

◎今週の注目(2018年10月22-28日 &当面の注目)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・サウジの記者殺害問題は落としどころが見えない状況。トルコのエルドアン大統領は23日に声明を出す予定だ。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 incd-club は国際問題に関係する内外のジャーナリストやビジネスマンらのグループです。「国際ニュース・カウントダウン」は、世界のニュースから週刊単位でベスト5を選び、解説したもの。日本のメディアの報道とは異なる視点から、面白くかつ分かりやすく地球を鳥瞰しています。
 ブログは毎週発行のメールマガジンを元に作成しています。

 ------------------------------------------------
 メールマガジンの登録変更・解除は次のアドレスから。(『まぐまぐ』を利用)。
 http://www.mag2.com/m/0000056121.htm
 ------------------------------------------------

 Copyright(c) 2000-2018 INCD-club

2018年10月16日 (火)

2018年41号 (10.8-15 通算955号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2018年10月8-15日
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

◆サウジの記者殺害疑惑、国際社会の批判が強まる☆
・サウジの著名記者がトルコ内のサウジ領事館で殺害された疑惑が表面化。
・国際社会の対サウジ批判が強まった。
・トランプ大統領はサルマン国王と電話会談。国務長官の派遣を決めた。
・英独仏の外相はサウジに真相究明を求める声明を出した。
・トルコとサウジは15日、イスタンブールのサウジ領事館を合同捜査した。
・先立つ14日、トルコのエルドアン大統領とサルマン国王は電話会談した。
・殺害された疑いがあるのは記者のカショギ氏。サウジ政府に批判的だった。
・サウジ領事館を訪れたのちに消息不明になった。
・サウジはスンニ派の盟主で、イランと対立。米国はサウジを支持してきた。
・米欧とサウジの関係が悪化すれば、中東の枠組みも変化しかねない。

◆トルコで拘束の米国人牧師が解放(12日)☆
・イズミル県の裁判所は米国人牧師の自宅軟禁と出国禁止の解除を決めた。
・牧師は釈放され同日出国。帰国の途に就いた。13日米国に到着した。
・牧師はキリスト教右派福音派のブランソン牧師。
・トルコは2016年、クーデター未遂関係とつながりがあるなどと拘束した。
・米国は牧師の解放を要求し、8月には対トルコ制裁に踏み切った。
・これがトルコ・リラの急落に拍車をかけ、トルコ・ショックを生んだ。
・解放により米トルコ関が改善に向かう可能性がある。

◆独地方選でメルケル首相与党が大敗(14日)
・バイエルン州議会選が行われ、メルケル政権与党が大敗した。
・キリスト教社会同盟(CSU)の得票は、前回の47.7%→37.2%に低下した。
・第2党だった社民党は20.6→9.7%に半減した。
・緑の党が17.5%で2位。極右のAfDが10%余りを獲得した。
・CSUは単独過半数を失い、州政府樹立に連立工作が必要になる。
・敗北の最大理由は難民問題。メルケル首相の寛容な政策に批判が集まった。
・メルケル首相の政治基盤が揺らぎかねない。

◆G20財務相・中銀総裁会議(11-12日)
・G20財務相・中銀総裁会議がインドネシアのバリ島で開かれた。
・世界経済のリスクなどを協議したが、共同声明はまとまらなかった。
・会議に先駆け、米国株は10日大幅に下落。各国の株価も下がった。
・米長期金利は9日、一時3.26%と7年ぶりの水準に上昇した。
・株価下落は調整の面もあるが、市場は不安定な状況。
・貿易戦争の懸念、先進国・新興国の過剰債務などリスクが高まっている。
・そうした環境下のG20会議だったが、有効なメッセージを発せなかった。

◆ブラジル大統領選、極右と左派で決選投票(7日投票)
・大統領選の第1次投票は極右と左派候補が決選投票に進んだ。
・元軍人のボルソナロ下院議員と左派のアダジ元サンパウロ市長。
・ボルソナロ氏の得票率は約46%、アダジ氏が29%だった。
・ただし決選投票では拮抗する可能性が大きい。

  ┌──────────────────────────── 
 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ├───────────────────────────
 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
 └─────────────────────────────

◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 【サウジの記者殺害疑惑】 サウジ政府に批判的だった著名記者がトルコ・イスタンブールのサウジ領事館を訪れたのちに失踪。殺害の疑惑が強まっている。サウジからトルコに殺害の実行部隊が送られ(さながらアサシン団)、領事館内で殺害したとの情報がある。また、国王の息子で実権を握るムハンマド皇太子が関わったとの情報も一部で流れている。
 国際社会はサウジを批判。これまでサウジ寄りの姿勢を明確にしていた米国のトランプ大統領もサルマン国王と電話会談し、解明を厳しく求めた。サウジの対応次第では、米国のサウジ寄りの姿勢に変化も生じかねない。
 問題は、これまでも微妙だったサウジとトルコの関係にも影響を与えかねない。
サウジがカタールと断交したのに対し、トルコはカタールと貿易を維持し、経済封鎖の効果を失わせている。サウジ領事館内は治外法権だが、同国内で事件を起こされたトルコは甘受しがたい。
 国際的な批判を深刻に受け止めたためか、サウジはトルコと合同で真相究明の捜査を実施。サルマン国王自身がトランプ米大統領やトルコのエルドアン大統領と電話会談するなど、これまでにないほどの迅速な動きだ。
 中東の重要な構図のひとつは、スンニ派盟主サウジとシーア派のイランの対立。米国はサウジを支援し、イランと敵対する。米・サウジ関係が揺らげば、中東全体が大揺れになりかねない。
 殺害された可能性があるのはジャマル・カショギ記者。サウジの政治体制に批判的だった。同国は王室が絶対的な権力を握り、体制批判には厳しく当たる。その王室内でも対立派激しい。ムハンマド皇太子は2017年、不正蓄財などの容疑で王室内のライバルらを一斉に拘束、話題になった。事件はサウジの体制への関心も呼び起こす。

◎ 今の世のアサシン団は目立ちすぎ
◎ イスラムの盟主と言うが顔見えず 

 【トルコの米国人牧師解放】 米・トルコ対立の原因になっていた米国人牧師の拘束問題が、急転直下で解決した。トルコの裁判所が出国禁止などの措置の解除を決定した。政権の意向に沿う決定と見るのが常識。エルドアン政権は米国の要求に一歩も譲らない姿勢を強調していたが、態度を変えた。
 問題を巡り米国は8月に対トルコ制裁を発動。これをきっかけに、トルコリラの下落が加速。トルコ。ショックが起きた。
 エルドアン首相が単純に譲歩したわけではないだろうが、経済制裁がボディブローのように利いたことは間違いない。トランプ米大統領は当然ながら、「外交成果」として中間選挙のPR材料にしている。

◎今週の注目(2018年10月9-21日 &当面の注目)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・ポンペオ米国務長官がサウジアラビアを訪問する。記者殺害疑惑はどう展開するか。

・英国のEU離脱を巡る交渉が山場を迎える。EUは18-19日に首脳会議を開催。ここで10-11月決着に向けた方向が見えてくるか。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 incd-club は国際問題に関係する内外のジャーナリストやビジネスマンらのグループです。「国際ニュース・カウントダウン」は、世界のニュースから週刊単位でベスト5を選び、解説したもの。日本のメディアの報道とは異なる視点から、面白くかつ分かりやすく地球を鳥瞰しています。
 ブログは毎週発行のメールマガジンを元に作成しています。

 ------------------------------------------------
 メールマガジンの登録変更・解除は次のアドレスから。(『まぐまぐ』を利用)。
 http://www.mag2.com/m/0000056121.htm
 ------------------------------------------------

 Copyright(c) 2000-2018 INCD-club

2018年10月 8日 (月)

2018年40号 (10.1-7 通算954号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2018年10月1-7日
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

◆米加が新貿易協定合意、北米3国協定の枠組み維持(30日)☆
・米加はNAFTAの見直し交渉で合意した。
・米墨はすでに新協定に合意済みで、NAFTAに代わる新3国間協定ができる。
・カナダからの自動車輸入は数量規制を採用。260万台超は高率関税を課す。
・自動車部品でも輸入枠を設けた。
・乳製品ではカナダが国内市場保護策の一部を廃止する。
・NAFTA見直しはトランプ大統領が選挙公約に掲げた政策の1つ。
・自国の雇用を優先し、高率関税も辞さない姿勢で交渉をまとめた。
・新合協定は管理貿易色が強い内容で、世界の貿易体制への影響も大きい。
・企業はNAFTAを前提に北米の生産体制を整えてきた。今後見直しを迫られる。

◆米最高裁判事にカバノー氏承認(6日)☆
・米上院は、トランプ大統領が最高裁判事に指名したカバノー氏(53)を承認した。
・同氏を巡り高校時代の性的暴行疑惑が浮上。
・告発者の女性大学教授が議会証言するなど、世間の関心事となっていた。
・上院は賛成50、反対48で人事を承認。同氏は6日就任した。
・この結果最高裁は保守派5人、リベラル4人の構成となった。
・最高裁判事は終身制。今後長期に渡り、最高裁が保守化する可能性がある。

◆ノーベル平和賞、紛争地の性暴力防止の活動2人に(5日)☆
・2018年のノーベル平和賞が、性暴力防止などの活動家2人に決まった。
・1人はコンゴ民主共和国(旧ザイール)の医師ムクウェゲ氏で、内戦被害者を救済。
・もう1人のムラド氏(25歳・女性)はイラクの少数派宗教ヤジド派出身。
・自身が「イスラム国」(IS)による性被害者で、現在は被害者救済活動を続ける。
・ノルウェーのノーベル財団が発表した。
・授賞理由は、性暴力を戦争や武力紛争の武器として使うことを終結させる努力。
・中東やアフリカなど、各地の紛争地での性暴力に改めて光を当てる。

◆マケドニア、国名変更の国民投票不成立(9月30日投票)☆
・旧ユーゴ・マケドニアで国名変更の是非を問う国民投票が行われた。
・国名を「北マケドニア」に変更する案。投票率37%と過半数に達せず無効。
・投票した人の多くは賛成投じた。
・同国はユーゴ解体で1991年に独立宣言。EU加盟を目指す。
・しかしギリシャが「マケドニア」の名称使用に反対。実現のめどが立たない。
・ギリシャなどとの調整の結果、「北マケドニア」とすることで折り合った。
・しかし国民投票不成立で、先行きは見えなくなった。
・ユーゴ解体から4半世紀以上が経過し、国の基本である国名がなお定まらない。

◆米カリフォルニア州が女性役員義務付け(8日)
・米加州で、上場企業に女性取締役の登用を義務付ける法律が成立した。
・2019年までに最低1人、2021年までに企業規模により2-3人を義務付ける。
・女性取締役義務化は欧州が先行。ノルウェーやフランスなどが導入する。
・同州はシリコンバレーを抱え、世界的なIT大手が多数本社を置く。
・こうした地での義務化は、世界のルールや企業経営にも影響を与える。

  ┌──────────────────────────── 
 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ├───────────────────────────
 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
 └─────────────────────────────

◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 【米加新貿易協定】 NAFTA見直しを巡る米加の交渉がまとまった。すでに米墨の交渉はまとまっており、これでNAFTAに代わる米加メキシコ3国の通商協定が形成される。新協定は従来より管理貿易食が強く、名前からもNAFTAにあった「自由貿易」が消える。内容については問題含みで様々な批判もあるが、トランプ政権の強引な手法で、貿易を含む世界の枠組みが変わっているのは事実だ。それを改めて感じさせた。

 【中国女優の脱税】 中国の税務当局が国際的な人気女優・范冰冰(ファン・ビンビン)さんと所属会社が巨額脱税をしていたと認定。追徴課税や罰金8億8000万元(146億円)の支払いを命じた。国営新華社など中国メディアが3日一斉に報道。国慶節休日中の国民に広く伝わった。
 脱税疑惑は5月、国営中央テレビの元キャスターのSNS投稿などで表面化。当局が捜査に入っていた模様で、范さんは公の場から姿を消していた。
 中国では貧富の格差拡大や、汚職に国民の不満が高まっている。習近平政権は大物を含む汚職摘発で国民の不満を押さえてきた。2014年に元政治局常務委員の周永康氏が逮捕されたのが代表事例。今回の脱税摘発も、一罰百戒で人々の不満を和らげる狙いが指摘される。強権国家だから可能という側面も勿論ある。
 それにしても、事件があると中国の芸能界の裏事情など知らない話が垣間見えてくる。奥が深い。

◎ 蠅も虎も女優もたたく中国流
◎ 見せしめに快哉もあり不安もあり 

◎今週の注目(2018年10月8-14日 &当面の注目)
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・ブラジル大統領選が7日投票。結果が判明する。過半数を取る候補者がいなければ決選投票に。
・11月6日の米中間選挙まで1カ月を切った。選挙戦は過熱する。トランプ政権による成果の誇示、大統領周辺のスキャンダルを巡る批判なども一層ヒートアップする。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 incd-club は国際問題に関係する内外のジャーナリストやビジネスマンらのグループです。「国際ニュース・カウントダウン」は、世界のニュースから週刊単位でベスト5を選び、解説したもの。日本のメディアの報道とは異なる視点から、面白くかつ分かりやすく地球を鳥瞰しています。
 ブログは毎週発行のメールマガジンを元に作成しています。

 ------------------------------------------------
 メールマガジンの登録変更・解除は次のアドレスから。(『まぐまぐ』を利用)。
 http://www.mag2.com/m/0000056121.htm
 ------------------------------------------------

 Copyright(c) 2000-2018 INCD-club

« 2018年9月 | トップページ | 2018年11月 »

2019年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
無料ブログはココログ

ウェブページ