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2018年8月

2018年8月28日 (火)

2018年34号(8.20-27 通算948号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2018年8月20日-27日(欧米時間)
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◆米墨がNAFTA再交渉で大筋合意(27日)☆
・米国とメキシコはNAFTA再交渉で大筋合意に達したと発表した。
・自動車の関税ゼロの条件として、部品調達比率を現行の62.5%→75%に上げる。
・40-45%は自給16ドル以上の地域での生産を義務付ける。
・協定は6年ごとに見直す。米国が主張した5年毎のサンセット条項は不採用。
・今後はカナダを加えた合意ができるかが焦点になる。
・NAFTA見直しはトランプ大統領が選挙公約として主張してきた。

◆ベネズエラがデノミ(20日)☆
・ベネズエラは通貨単位を5ケタ切り下げるデノミを実施した。
・銀行などの業務を休業として実施した。7月末に計画を発表していた。
・現行の10万ボリバルを新しい1ボリバルソベラノとする。
・同時に同国が独自に発行する仮想通貨ヘトロとのペッグ制を導入する。
・同国のデノミ実施は2008年以来。
・同国はハイパーインフレ下にあり経済は混乱。物資の不足、治安悪化が進む。
・デノミで通貨の安定に結び付ける狙いとみられる。
・しかし同国経済の混乱は一層深刻化するとの見方が多い。

◆米、対中制裁関税第2弾を発動、米中貿易戦争さらに激化(23日)☆
・米トランプ政権は中国の知財権侵害を理由とする制裁関税の第2弾を発動した。
・中国からの輸入品160億ドルに25%の関税を上乗せする。
・半導体や同製造装置、化学素材など279品目。
・中国も米国製品に同額の報復関税を課した。自動車や古紙などを対象とする。
・米国は7月6日、中国からの産業用ロボットなど340億ドルに25%の関税を発動した。
・第1弾、第2弾を合わせると500億ドルになり、中国からの輸入額の1割に相当する。
・米政権は2000億ドル規模の対中制裁第3弾を予定。実施となれば影響は更に広がる。
・米中貿易戦争は歯止めがかからない状況だ。

◆米国務長官の訪朝延期、米朝協議難航(24日)
・ポンペイオ国務長官は8月末に予定していた北朝鮮訪問を取りやめた。
・トランプ大統領が指示した。
・米朝は6月12日初の首脳会談を実施。朝鮮半島非核化を目指す協議などで合意した。
・しかしその後の協議は難航している。
・米国が期待する中国の後押しも、米中貿易摩擦激化で当面難しい状況。
・歴史的な米朝首脳会談か2カ月半を過ぎたが、協議の難航が目立つ。

◆豪で首相交代(24日)
・与党・自由党はモリソン財務相を新党首に選出。同氏は首相に就任した。
・前任のターンブル前首相は国民の支持が低迷。
・2019年5月までに行われる次期総選挙に勝てないと判断された。
・世論調査では野党労働党の支持が上回り、与党は挽回を狙う状況。
・ターンブル前首相は2015年前任のアボット氏を党首選で破り、首相を襲った。
・同国では党首選で党首交代→首相交代のケースが何度か繰り返されている。

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◎寸評:of the Week
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 【トランプ大統領2度目の夏】 米国にトランプ政権が発足してから2回目の夏が過ぎようとしている。昨年の夏は、プリーバス首席補佐官やバノン上級顧問の解任など、トランプ政権の混乱が目立った。今年は7-8月に対中制裁関税を発動、米中貿易戦争が始まった。このほかトルコとの緊張、対イラン制裁の発動、NAFTA再交渉を巡る米墨大筋合意、歴史的な米朝首脳会談→その後の協議停滞など、政策面で既存の常識を破る動きが目立った。

 中でも重要なのは米中貿易戦争だろう。中国による知的財産権侵害を理由に、中国からの輸入品に高率関税を導入。すでに第2弾まで発動し、第3弾まで進めば総輸入の約半分に高額関税がかかる。これだけの規模になれば、例外的な措置などではなく、自由貿易の大原則にかかわる問題だ。一部で貿易制限措置を是認する政策と位置付けていい。

 中国に対しては、ハイテク企業への警戒もあらわにする。ZTEやファーウエイを狙い撃ちする形で取引停止や米市場からの締め出しを図った。

 中国製品に対する高率関税は、大統領選の公約にも掲げていた政策。それがその通り実施されている格好だ。

 トランプ政権の通商政策が保護主義的であることは間違いないし、外交政策が一環性を欠き、世界の不確実を高めているのは深刻だ。一方で、トランプ政権の政策が従来の延長線上にとらわれず、世界の枠組みを変えているのも事実だろう。

 トランプ政権2度目の夏は、そんな傾向をあらわにしている。

◎ 貿易戦争(トレード・ワー)号砲連射の暑い夏
◎ 公約をここまで守るかトランプ流
◎ 新秩序 リカードの世界が遠ざかる

 【ベネズエラのデノミ】 ベネズエラがデノミを実施した。現行の10万ボリバルを新しい1ボリバルソベラノとする5桁のデフレ。7月末に発表した計画を実施した。
 同国経済は、姿勢や米などの経済制裁などを引き金にハイパーインフレ下にある。IMFの予測では年率100万%に達する可能性もあるという。モノ不足が深刻化、治安は悪化し、国民の海外脱出も相次いでいる。政府はデノミや一連の政策で物価安定を目指しているが、事が上手く運ぶと見る人は少ない。

 それにしてもよく分からないのは同国の経済や生活の実態。金持ちはドルのクレジットカードで物を買っているようだが、貧しい人たちは?自国通貨の信用力が全くなくなった時、代わりに交換手段になっているものは何か?現地からのニュースや映像に従来以上に注意を払っているが、腑に落ちる情報は得にくい。

 【ステラが株式非公開計画中止】 米ステラが24日、株式非公開化計画を撤回すると発表した。マスクCEOがブログで発表した。マスク氏は7日ツイッターで株式非公開化計画を発表していた。

 非公開化計画については、その手法を巡り投資家から批判が殺到。SECも同社の情報公開に対すし調査を行っていることが表面化した。テスラの株価は下落。同社はこうした常用を見て中止を決めた模様だ。マスク維持は中止の理由について、当初予定より時間がかかり混乱を招くためとした。

 テスラはEVや宇宙開発で先端を行く注目企業。今回の騒動は、企業の情報公開やガバナンスのあり方に問題を投げかけた。

 【マケイン上院議員死亡】 ジョン・マケイン上院銀が25日脳腫瘍のため死亡した。81歳。アリゾナ州選出で、2008年には共和党の大統領候補になった重鎮。ベトナム戦争で5年間捕虜となるなどの軍歴を積み、多くの人々の尊敬を集めた。トランプ大統領とは政策や行動を巡り対立した。死亡に対する大統領の追悼メッセージや半旗の掲げ方、葬儀への出席を巡り物議を醸している。マケイン氏は死んでなお、トランプ政権や米政治への問題意識を投げかけている。

◎今週の注目(2018年8月28日-9月2日日 &当面の注目)
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・9月9日にスウェーデンで総選挙が行なわれる。極右政党台頭が一つの焦点。

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2018年8月19日 (日)

◆トルコ・ショックが意味するもの 2018.8.19

 米国とトルコの対立を引き金に、トルコ経済の混乱が深まりリラが急落。その影響が世界に波及して新興国経済を揺るがしている。 NATO同盟国だったはずの両国の亀裂は、地域安保や中東情勢も揺さぶる。トルコ・ショックは世界が直面する様々な課題を浮かび上がらせる。

▼深まる対立

 米・トルコの対立がのっぴきならぬ状況になったのは7月末から。その後3週間の経緯は以下の通りだ。

・7月末 トルコが拘束している米牧師の解放を巡る交渉が決裂。
・8月1日  米国が制裁第1弾。トルコの閣僚の資産凍結など。
・4日 トルコが対抗措置。
・6日 トルコ・リラが下落。1ドル=5.2リラ水準に。
・10日 トルコが中期経済計画発表。中身は具体性を欠く。
    リラが一時前日比2割下落(1ドル=6.8リラに)。
    エルドアン大統領が国民にリラ買い支え要求。
    トランプ米大統領が制裁の第2弾(鉄鋼・アルミ関税上乗せ)発表
・13日 リラが一時1ドル=7.2リラまで下落。
    中銀・当局が銀行の準備金引き下げ。先物取引規制強化などの措置
    米がF15の売却禁止
・14日 ラブロフ・ロシア外相がトルコ訪問。
・15日 トルコが報復第2弾を発表。米からの自動車、ウィスキー関税強化など
    カタールがトルコに資金支援(150億ドルの投資) 
    エルドアン大統領が独メルケル首相と電話会談
・16日 エルドアン大統領が仏マクロン大統領と電話会談
    ムニューシン米財務長官が追加制裁示唆
    トルコが拘束していたアムネスティの事務局長、ギリシャ兵士解放
・17日 トルコ裁判所が牧師解放申請改めて却下
    S&P、ムーディーズがトルコ国債格下げ(投機的の中で一段下げ)
・18日 トルコ大型連休入り

 さながら報復が報復を呼ぶチキンレースの様相だ。強烈な個性の2人の指導者の争いは、劇ならば面白い。しかし世界の平和と安定をゆるがすようなら、冷笑しているわけにもいかない。。

▼新興国経済への波及

 トルコ・リラ下落の影響は新興国経済に波及した。主な事例は以下の通りだ。

・アルゼンチン ペソが下落。8月13日に40%→45%に利上げ。
・インドネシア ルピアに下落圧力。8月15日に利上げ。今年4回目。
・インド: ルピーが下落。8月1日に利上げ。

 米国は2017年に3回の英上げを実施した後、2018年も3月。6月に利上げを実施。さらに年内に1-2回の利上げが見込まれる。米利上げ加速の観測を背景に、新興国から資本流出の圧力が強まっている。

 そんな地合いのなかでトルコ・ショックが起きた。影響はまず、経常赤字が多額であるなど経済条件の弱い国を直撃。アルゼンチンやインドネシア、インドの通貨が下落した。

 中国の人民元は、米中貿易戦争激化への懸念もあり下落基調が続いている。世界経済への影響とおいう面では、この動きも不気味だ。

 世界経済はここ数年、3%台の成長を実現。「適温経済」とも呼ばれてきた。このバランスを崩すシナリオとして懸念されてきたひとつが市場の混乱だ。貿易戦争激化による経済減速も懸念される。

 混乱は今のところ、一部新興国に限定されている。しかし、トルコ・ショックは、世界経済がそうしたリスクを抱えている現実を改めて浮かび上がらせた。

▼安全保障への影響

 トルコ・ショックの影響は経済にとどまらない。地域の安全保障や中東の枠組みへの影響も重要だ。

 米トランプ政権が今回、トルコに対して強硬姿勢を崩さないのは、中東戦略全体の一環というより、11月の中間選挙をにらんだ面が大きい。拘束(自宅軟禁)されている牧師は、米福音派。選挙で支援を求めるためには、強い姿勢が必要との判断だ。しかし、その影響は(多分)意図に反して広範囲に拡散する。
 
 2011年のアラブの春以降の中東情勢は複雑に動いた。シリア内戦、「イスラム国」の台頭、イラク戦争後の同国情勢の変化、イラクやシリア、トルコのクルド人の自治拡大の動きなどがあり、それぞれが微妙に川見合う。こうした中で米国はイラクからの戦闘部隊撤退など関与の縮小を進めた。

 トランプ政権の発足後はイスラエル寄りへの傾斜、対イラン強硬姿勢などを鮮明にした。しかし、中東への関与縮小の流れは変わらない。

 トルコとは対「イスラム国」では共闘したが、クルド人への姿勢などでは立場が異にする。ただ米国とトルコがNATO加盟国である事実は重いはずえだ。

 そうした微妙なバランスだったところに、今回の亀裂の表面化。今後の手打ちの行方も見えない。中東情勢は今後どんな方向に転んでもおかしくなく、不確実性は一段と高まった。

▼中ロの中東戦略とトルコ・欧州関係

 行方は読みがたいが、注目すべきポイントはいくつかある。

 一つはロシアや中国だ。ロシアはシリア内戦の仲介などを通じ中東への影響力を拡大する姿勢を見せている。シリア問題ではトルコやイランと一部で協力している。今回もラブロフ外相をトルコに派遣し、米国の姿勢を批判した。トルコに接近する姿勢を隠さない。

 中国は中東各国と経済面でのつながりを強化し、影響力の拡大を狙っている。今後トルコと米国の関係が冷えれば、その隙間を狙いトルコとの関係強化に動くのは自然だ。

 もうひとつは欧州との関係だ。トルコのエルドアン政権が2010年代以降強権色を強めたのに対し、EUは人権侵害を批判。EUとトルコの関係は冷却化した。トルコのEU加盟交渉も完全にストップした。

 しかし2015年の欧州難民危機以降、状況に変化が生じている。EUはこの問題でトルコの協力を仰がざるを得ず、事実2016年に難民問題で合意をまとめた。人権問題などでトルコ批判をしつつ、水面下では手を握る複雑な関係だ。

 今回もメルケル独首相やマクロン仏大統領がエルドアン大統領と電話協議して協力を確認。関係維持の姿勢を見せつける。トルコ側も、スパイ容疑で拘束していたギリシャ兵を解放したり、アムネスティ・インターナショナルの事務局長を釈放するなど欧州への配慮を示した。

 米牧師の釈放という一つの問題から、各方面に展開を見せてる今回の動き。中東情勢、世界経済、難民危機、米国と中ロ、欧州の国際戦略など、大きな課題が複雑に絡み合う構図を示す。

◎ 通貨危機? 牧師の話だったのに
◎ 個性派のケンカといつまで笑えるか

2018.8.19

2018年33号(8.13-19 通算947号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2018年8月13日-19日
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◆トルコ・ショックが世界に波及、新興国経済を揺るがす ☆
・米との対立に端を発したトルコ経済の動揺が続き、影響は世界に波及した。
・トルコ・リラは12-13日にかけて1ドル=7.2リラの市場最安値を記録。
・年初からの下落率は4割に達した。
・トルコ・ショックを引き金に新興国からの資金流出が加速。
・アルゼンチンは13日、政策金利を40→45%に引き上げた。
・インドネシアは15日利上げを実施。香港も香港ドル防衛の為替介入をした。
・世界経済は順調な成長を続けてきたが、通貨動揺は大きな懸念材料になっている。

◆米・トルコの対立深刻化 ☆
・米国とトルコの対立が深まり、地域の政治・経済を揺るがしている。
・米国は8月1日以来の制裁に加え、F15のトルコ売却を当面禁止する。
・さらに追加制裁の可能性も示唆した。
・トルコは15日に報復関税を導入するなど対抗措置を強化。報復合戦が加速する。
・米国とトルコはNATOの同盟国。関係の揺らぎは地域安保にも響く。
・エルドアン大統領は対立の長期化を示唆。国民に協力を求めた。
・一方でエルドアン氏は14-15日に独仏首脳と電話会談するなど対欧・対ロ接近を図る。
・米トルコの対立は、世界経済への影響のみならず地域安保や中東情勢を揺さぶる。

◆イタリア・ジェノバで高架橋が崩落、インフラ老朽化問題に脚光 (14日)☆
・北部ジェノバで高速道路の高架橋が崩落。39人以上が死亡した。
・走行していた30台以上の乗用車がトラックが墜落。道路化の工場などが被災した。
・高架橋は1960年代に開通。その後何度か補修工事を受けていた。
・原因は調査中だが、高架橋の老朽化を指摘する情報がある。
・欧州先進国などの「インフラの老朽化」問題に一石を投じている。

◆テスラが株式非公開化計画、SECは情報公開姿勢を調査 ☆
・イーロン・マスクCEOが7日ツイッターで、株式非公開の移行を表明した。
・同氏は13日、自社のブログで、サウジ政府系ファンドと交渉していると表明した。
・14日には非公開に向け、特別委員会(取締役3人)の設置を発表した。
・その後SECがテスラの情報公開姿勢を調査していたことが判明した。
・同社はEVで世界をリードしてきたほか、宇宙事業などでも先端を走る。
・上海にEV工場建設計画を発表するなど、投資家の注目を集める。
・一方でマスク氏の独断専行色が強く、情報公開に不熱心との批判もある。
・異色の注目企業の行方、企業の経営情報公開問題など、話題満載だ。

◆南北朝鮮閣僚会談(13日)
・韓国と北朝鮮は板門店で閣僚級会談を開催した。
・南北首脳会談を9月中に平壌で開く日程で合意した。
・北朝鮮の核を巡る問題は、6月の米朝首脳会談以降膠着状況が続く。
・南北首脳会談は今年3回目になる。
・両国は18日ジャカルタで開催したアジア大会で共同入場行進を実施した。

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 【トルコ・ショック】 米国とトルコの対立に端を発したトルコ・ショックの影響が世界に伝播している(→国際ニュースを切る「トルコ・ショックが意味するもの」)

◎今週の注目(2018年8月20-26日 &当面の注目)
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・米国が23日対中制裁関税の第2弾を発動する。中国も対抗措置を発動させる。それに先立ち、米中の事務レベル協議が行われるとの情報がある。
・米欧日の中銀総裁などが集まるジャクソンホール会議(カンザス指定連銀主催)が23-25日開かれる。パウエルFRB議長の講演などに注目。

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2018年8月12日 (日)

◆中東の新・リスク相次ぎ表面化 2018.8.12

 中東が揺れている。前週には(1)米国のイラン制裁が復活。(2)米・トルコ関係が急激に悪化し、トルコ経済に影響、(3)サウジアラビアとカナダの軋轢が突然表面化、という動きがあった。同地域では昨年「イスラム国」が拠点を失ったものの、シリアやイエメンの内戦、サウジとイランの対立など不安定の材料が尽きない。そんなところに、突然のように新たなリスクが表面化する。

▼対イラン制裁復活

 米トランプ大統領がイラン核合意からの離脱を表明したのが5月。その後米国は制裁復活の準備を進め、8月6日にトランプ氏が大統領令に署名。7日制裁を復活した。第1弾は自動車などの取引を禁止する内容。米企業だけでなく、欧州や各国に停止を求める。違反した企業には、米国内の金融決済から締め出すなどの罰則を科す。

 11月に予定している第2弾では、原油や石油製品の取引禁止を盛り込んでいる。イラン経済の生命線ともいえる分野の締め付けだ。

 制裁はイラン経済に影響し始めた。仏トタルは新規投資プロジェクトを中止。デンマークのマースクは石油輸送取引の中止を決めた。イランの通貨リアルは連日のように史上最低値を更新。

 イラン経済は2015年の核合意後発展を速め、2016年は2桁成長を実現している。自動車や鉄鋼の生産も拡大した。そんなとこ後に突然の逆風だ。この先、ボディブローのように効いてくる制裁に対し、どこまで耐久力があるか。当面問われるポイントだ。

 政治的には国内で恐慌派が発言力を拡大。「米国はやはり信用できない」という主張が支持を得やすくなっている。革命防衛隊はホルムズ海峡封鎖の演習を実施した。サウジやイスラエルなど周辺国との一触即発のリスクも高まっている。

▼トルコ・米国関係の悪化

 トルコと米国の関係悪化が進み、経済に影響を及ぼしている。

 米・トルコ関係悪化の理由はトルコによる米国人牧師の拘束。トルコ政府は2016年のクーデター未遂に牧師が関わったとして拘束していた。米国は解放を求めてトルコと交渉を続けたが。7月に決裂。これを受けて米国は対トルコ制裁発動に踏み切った。トルコも対抗措置を講じた。

 両国は以前も批判合戦などをしたことがある。しかしNATO同盟国内の制裁合戦はこれまでにない事態だ。

 米国との緊張が高まる中、トルコ経済は悪化。通貨リラは年初から30%も下落した。6月の消費者物価上昇率は前年比15%増と、過去10年で最悪になっている。

 エルドアン大統領は7月に2期目に就任。改正憲法の下で、強権色を益々強めている。経済では中銀の独立性に異議を追う仕立て、政策介入の姿勢を見せている。中東情勢を巡っては、ロシアや中国と接近するそぶりも見せている。この先どんなサプライズがあってもおかしくない。

▼サウジ・カナダの軋轢

 サウジアラビアとカナダの対立は突然表面化した感がある。

 きっかけはサウジによる女性の権利拡大を求める活動家(サマル・バダウィ氏)拘束に対するカナダ外相の解放要求。これに怒ったサウジが、謝罪供給やカナダ大使の国外追放、サウジ航空機のカナダ乗り入れ中止などの策を相次ぎ打ち出し、対立はエスカレートした。

 サウジはムハンマド皇太子の下で「脱石油依存」を目指して経済改革を進めている(その成果はなかなか上がらないのが現実)。

 政治・外交綿では強硬姿勢を進めている。イエメンの内戦に介入。昨年6月にはイランとの関係を維持するカタールと断交した。政策の基本にあるのは、イランへの対抗。ただし、政策は極端で唐突なことも多い。

▼複雑な対立構図

 中東にはもともと、複雑な対立構図が絡み合う。情勢は不安定だ。イラク戦争後のイラク情勢は混とんとしたまま。シリアは内戦が続く。「イスラム国」は領土を失ったとはいえ、依然テロ組織として活動を続ける。イスラム教スンニ派とシーア派の対立を背景にサウジアラビアとイランの対立は深刻化。イスラエルとイランの関係も緊張が高まる。トルコのエルドアン政権は強権職を強める。サウジでは経済改革+強権化が並立して進む。行方は不透明だ。

▼米トランプ政権登場で混乱に拍車

 こうした混乱に拍車をかけるのが、米トランプ政権の政策だ。同政権はイラン核合意からの離脱やイスラエル大使館のエルサレム移転を強行。新たな対立の材料を生み出している感じだ。

 米中東政策の傾向を示せば、親イスラエル、反イラン、一貫性の欠如、コミットメントの軽減などが挙げられよう。一貫性を書くから、具体的な動きは当然予測しがたい。

▼キーワード

 中東の動きにかかわるいくつかのキーワードを挙げれば、強権化(トルコ、サウジ、エジプトなど)、イランとサウジの対立、イランとイスラエルの対立、経済悪化の懸念、シリア内戦、イエメン内戦、代理戦争(イエメン、レバノンなど。イランとサウジなどの代理戦争の色彩)などがある。

 世界の安全保障にとって最も不安定な地域が中東いう指摘は多い。アラブの春(2011年)や「イスラム国」の勢力縮小(2016年)など”好ましい”動きもあった。しかしそれが変化の本流となることはなく、この地域では「何が起きてもおかしくない」状況が続く。世界が中東発のサプライズに揺れすケースは、今後も繰り返されるだろう。

◎ 春到来「いいね」と押した日懐かしい
◎ 混乱にトランプ・ドミノも加わった

2018.8.12

2018年32号(8.6-12 通算946号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2018年8月6-12日
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◆米国が対イラン制裁再開(7日)☆
・米国の対イラン制裁が再発動した。トランプ大統領が6日大統領令に署名した。
・第1弾は自動車や貴金属の取引停止が内容。米企業だけでなく欧州などの企業に求めた。
・11月4日には第2弾として、同国との原油取引の停止などを求める。
・米制裁決定を受けて、欧州企業などはイランとの取引停止・縮小に追い込まれている。
・イラン経済は2015年の核合意合意後改善が進み、2016年は2ケタ成長を実現した。
・しかし制裁の影響で悪化。通貨安に拍車がかかっている。
・イラン国内では強硬派が力を得ている。革命防衛隊はホルムズ海峡封鎖の演習を実施した。
・EUや中ロは核合意を守ろうとしているが、米制裁再開で枠組み維持は困難な情勢だ。
・イランと米国やイスラエル、サウジなどの対立が強まり、中東の緊迫が高まっている。

◆米トルコの対立が激化、トルコ経済悪化(1日以降) ☆
・米国とトルコの対立が激化。その影響でトルコ経済が悪化している。
・米国は8月1日、対トルコ制裁を決めた。同国による米国人牧師拘束問題が理由。
・牧師は2016年のクーデター未遂に係わったとして逮捕・拘束されている。
・解放を巡る交渉決裂→制裁と進んだ。米によるNATO同盟国への制裁は異例だ。
・トルコ・リラは下落が加速、史上最低を更新する。年初来の対ドル下落率は30%に達する。
・エルドアン大統領は7月に2期目入り。憲法改正で権限を拡大した。
・大統領による中銀の金融政策への介入も目立つ。経済政策への信頼も問われている。

◆サウジとカナダが対立、貿易や航空便停止(6日)☆
・サウジアラビアとカナダが、人権問題を巡る発言をきっかけに対立を深めている。
・サウジによる女性人権活動家拘束に対し、カナダ外相が懸念を表明したのがきっかけ。
・サウジは発言を批判。カナダ大使を国外追放。サウジ航空便のカナダ就航も止めた。
・両国とも譲歩の姿勢を見せず、問題は行き詰ったままだ。
・両国とも西側の同盟国。対立は関係国にも衝撃を与えている。
・サウジはムハンマド皇太子の下で経済改革推進と外交の強硬路線を進む。
・サウジの強硬路線が、国際情勢の新たなリスク要因として警戒され始めた。

◆欧州など各地で猛暑
・欧州各地で記録的な猛暑を記録している。
・スペイン南西部やポルトガル中部では4日、46度を超えた。
・北欧でも30度を超える気温が続いている。
・フランスでは河川の水温が上昇し、それを冷却水として使用する原子力発電所が停止した。
・各地で山火事も発生。人々の生活に影響を与えている。

◆インドネシア大統領選が始動(9日)
・ジョコ大横領は来年4月の大統領選への出馬を表明した。
・副大統領候補にはイスラム教指導者のアミン氏を指名した。
・選挙には最大野党・グリンドラ党のプラボウォ氏(スハルト元大統領女婿)も出馬の予定。
・大統領選が事実上スタートする。
・ジョコ氏は2014年当選。初のビジネスマン、地方政治上がりの大統領となった。
・同国は1998年のスハルト政見崩壊後、民主化を模索している。
・5%前後の経済成長を維持する。一方で汚職体質の克服など課題も多い。

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◎寸評:of the Week
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 【揺れる中東】 イラン制裁の復活、米・トルコの対立、サウジ・カナダの対立と中東で重要な動きが相次いだ。(→国際ニュースを切る)

◎今週の注目(2018年8月13-19日 &当面の注目)
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・トルコリラやイランリアルなど新興国の通貨の動きが不安定だ。要注目。
・スウェーデンの総選挙が9月9日に行われる。移民規制強化を主張する政党の伸長が焦点。
・リーマン・ショックから9月15日で10年を迎える。

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2018年8月 9日 (木)

2018年31号(.29-8.5 通算945号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2018年7月29日-8月5日
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◆アップルの時価総額が1兆ドル超(2日)☆
・米アップルの時価総額が1兆ドルを超えた。
・1兆ドル超は米企業で初。米以外では07年のペトロチャイナ上場時(上海市場)などがある。
・IT・ハイテク株の代表銘柄。4-6月期は利益115億ドルと最高益を記録した。
・アップルに続き、アマゾンやグーグル(アルファベット)も1兆ドルに迫っている。
・IT革命が加速する中、2010年代半ば以降IT大手が時価総額上位を独占している。
・ただ、トランプ政権の保護主義的的政策が今後の成長に水を差す恐れもある。
・IT大手のデータ独占に対する批判や規制論も強まっており、今後は不透明要因もある。

◆米の対中制裁第3弾、関税25%を検討、対象2000億ドル分(8月1日)☆
・トランプ大統領は対中制裁第3弾について、関税25%に引き上げる旨を表明した。
・対象は2000億ドルで、中国からの輸入の約4割に当たる。
・すでに第1弾340億ドル分を7月6日に発動。第2弾160億ドルを8月中に発動予定。
・第3弾の計画は7月上旬に表明。当初は10%の予定だったが、25%に引き上げる。
・9月以降発動の見込み。1-3弾を合わせると中国からの輸入の半分に達する。
・中国は3日報復措置を発表した。米からの輸入600億ドルに最大25%の追加関税を課す。
・米はEUと相互関税引き下げ交渉開始で合意。貿易摩擦は一時休戦にある。
・一方、中国との貿易戦争は一層エスカレートする懸念が強まっている。

◆カンボジア総選挙、フン・セン首相与党が圧勝(29日)☆
・総選挙が実施され、首相与党のカンボジア人民党が圧勝した。
・下院125議席の全議席を獲得する可能性がある。
・同国では政権が最大野党の党首を逮捕。解党を命じた。
・野党からはボイコット呼びかけもあったが、選管によると得票率は82%に達した。
・フン・セン首相の独裁体制が一層強まる見通しだ。
・同国ではポル・ポト政権崩壊後93年に国連支援で選挙が実施された。
・フン・セン氏は選挙で敗れたのち、98年から1党支配を復活。強硬姿勢を強めている。

◆中国が景気重視に傾斜(31日)
・中国共産党は政治局会議で、財政政策で景気下支えする方針を決めた。
・これまで経済構造改革を重視してきたが、景気優先の色彩を強める。
・米中貿易戦争の影響による経済減速を防ぐ狙いがある。構造改革は遅れる懸念がある。
・中国経済は民間債務の拡大や資金流出の加速などが懸念される。
・経済の実態は見えない部分も多く、同国経済の行方は不透明感を払拭できない。

◆ジンバブエ大統領選、現職勝利と発表(30日投票)
・大統領選が行われ、選管は3日、現職のムナンガグワ氏が当選したと発表した。
・50.8%を獲得したという。野党のMDCチャミサ議長は不正があったと反発する。
・2017年11月にムガベ前大統領が失脚した後で初の選挙。。
・ムナンガグワ氏はムガベ氏の元側近。ムガベ退陣後に大統領に就任していた。
・ムガベ氏はムナンガグワ氏が裏切ったと主張。不支持を表明した。
・同時投票の議会選でも、ムナガグワ氏与党が勝利した。
・大統領再選で事態がスンナリ収まるかは不明だ。

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◎寸評:of the Week
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 【米中貿易戦争と世界経済】 トランプ米大統領が対中制裁第3弾の内容強化を指示。これに対し中国側は報復策を発表するなど、米中貿易戦争がエスカレートしている。この影響が世界経済にもボディーブローのように効き始めた。米国ではGMなど一部企業の利益が減少。中国では制裁のターゲットになったZTEが経営困難に直面するなど、一部企業の経営に悪影響が及び始めた。中国当局が、景気下支えを優先する経済政策に転じたのも、景気減速への懸念が強まっているためだ。
 影響はまだ出始めたばかり。今後より具体的な形で、色々な分野で表れ始めるだろう。目を凝らすべし。だ。
 

 【東南アジアの民主主義】 カンボジア総選挙でフン・セン首相与党の人民党が圧勝した。選挙前に最大野党を解党に追い込むなど、独裁的な手法を駆使した挙句の結果。フン・セン首相の独裁色が一層強まるのは必至だろう。同国は1993年の国連主導の総選挙の後、民主主義の歩みを始めたかのように見えたが、頓挫は否めない。
 同国はポル・ポト政権下の圧制で、人口800万人中100数十万―200万人が虐殺された。激しい内戦を経て、国連の和平の下治安を回復した。
 フン・セン氏は一時選挙で敗北した後、98年から権力を維持。政治的に強権色を強めている一方、経済は高成長を続けている。中国との関係を強め、中国の支援をバックに政権や経済成長を維持している面がある。
 隣国のタイでは2014年に軍がクーデターを実施。民政移管の選挙は数度にわたり先送りされている。フィリピンではドゥテルテ大統領が強権的な姿勢を強めるが、麻薬撲滅対策などで国民の高い支持を維持している。
 一方、マレーシアでは今年5月の総選挙で、1957年の建国以来初の政権交代が実現した。
 東南アジアの事情は国により異なる。安易な単純化は物事の理解を誤らせる。しかし域内各地に強権政治台頭の流れ生じているのは、否定できない。
 東南アジアは30年あまり前まで戦争が続いた地域。民族や宗教が複雑に入り組み、安定の維持は容易ではない。一部の国は開発独裁が支配した。経済が急速に発展している一方で、なお貧困問題を抱えてる点も忘れてはならない。
 安定と民主主義のバランス、国家の安定や治安の維持と自由のバランスなど、難しい問題が横たわる。カンボジアの動向を眺めていると、背後に重い現実が透けて見えてくる。

◎ 虐殺を歴史と言うにはまだ早い
◎ 一票を「平和」と「民主」に投じたい
◎ 「開発」と「独裁」が切れぬ途上国

◎今週の注目(2018年8月5-11日 &当面の注目)
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・米国の対イラン制裁が7日再開する。まず自動車や鉄鋼などが対象となる。イランと取引のみならず、同国と取引を続ける外国企業に対しても、米国内での取引禁止などの罰則を課す。このため欧州や日本などの企業がイランでのビジネス停止に追い込まれる可能性が大きい。11月には第2弾として、石油関連製品の取引への制裁を導入する。
 制裁を控え、イラン経済は苦境に直面している。通貨リアルは下落、史上最安値を記録し続ける。
 こうした中でイランはホルムズ海峡などで演習を始めた。イランは、いざ米国やイスラエルとの対立がのっぴきならぬ状態になればホルムズ海峡閉鎖も辞さないとの警告している。演習はそうした姿勢を誇示するものとみられる。行方は要注意だ。

・米中貿易戦争の行方から目が離せない。

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