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2018年4月16日 (月)

◆FB議会証言とIT規制の行方 2018.4.15

 フェイスブックのザッカーバーグCEOが米議会で証言を行った。テーマは先月発覚した個人情報漏洩事件から、同社のデータ管理体制、プラットフォーマーのビジネスのあり方、大手ITの規制論など幅広い範囲に及んだ。議会証言としては異例の注目だった。

▼プラットフォーマーの発展と特権

 世界を急速に変えるIT革命を推進する中心が、ビッグ5に代表される米大手IT企業。FBやグーグルはネットの情報基盤を提供し、プラットフォーマーと呼ばれる。プラットフォーマーは便利なサービスを無料で提供する代わりに、利用者の情報を入手し、それをベースに広告収入を得る。そんなビジネスモデルが成り立ったのも、プラットフォーマーは利用者が投稿する情報の内容に基本的に責任を負わなくてもよかったためだ(利用者は規制を受けることなく自由に記事を投稿できた)。この点は、掲載内容の責任を問われる伝統的なメディアとは異なる。

 プラットフォーマーが提供するSNSなどのシステムは人々の生活や経済活動を便利にし、人々の貴重な情報源になり、アラブの春のような民主化の動きを後押しした。

 しかし一方で大量の個人情報が吸い上げられ、利用者の知らないところで個人情報が使われることが日常化している。2016年の米大統領選などでは大量の偽情報(ファイクニュース)がSNSを通じて拡散された。個人情報の漏えい事件も多数発生している。ネットを通じて集められた膨大なデータは中国など国家による監視強化の材料にも使われている。

▼規制論

 大手IT企業への情報独占に対してはこれまでも規制論が議論され、EUは今年5月に新たな一般データ保護規則(GDPR)を導入する。これに加え、米国でも規制論が強まってきた格好だ。

 新しい規制のあり方はまだ見えない。規制を強めすぎて技術革新の芽を摘んだら本末転倒だ。ITのサービスは国境を超えて展開しており、1カ国だけの規制は限界がある。従来の競争法や経済学の理論では対応できない。

 それでも、何らかの形の規制が模索されていくのだろう。これまでの「技術革新は自由に」という流れに何らかの変化が出るのは間違いない。

 FBのCEOは個人情報流出問題については自らの責任を認めて陳謝。フェイクニュースの監視強化など対策を表明した。また、政府による何らかの規制が必要なことを認め、法的に規制ができればそれに従うと述べた。証言自体は驚くような内容があったわけでなく、何ら結論を導くものではない。

 しかし、時代の節目として重要な意味を持つ。ザッカーバーグ氏がいつものTシャツではなくスーツ姿だったのは、境遇の変化を印象付ける映像だ。

 蛇足だが、国家による情報独占は、民間企業によるものより実はもっと深刻な問題になり得る。これは常に意識しておく必要がある。

◎ プライバシー「そんなのあった?」と聞く時代
◎ 大小のビッグブラザーが覇を競う
◎ 世直しも扇動も手助けSNS

2018.4.15

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