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2018年3月26日 (月)

◆FBの情報漏洩で鮮明化する「IT大手vs世界」

 米フェイスブックから5000万人以上の個人情報が流出したことが発覚。世界を揺るがしている。

 個人情報は英ケンブリッジ大学教授が学術研究目的で提供されたものを、英コンサル会社に不正に渡したとされる。この情報が2016年の米大統領選で活用された模様。流出は米Nタイムズと英ガーディアンの報道で表面化。FBが後講釈に負われるというよくある(?)パターンとなった。

 同社は当初、第3者による問題でありFBに責任はない、という態度だった。しかし、その後同社に対する批判が拡大。不利用運動も起きるに及び、ザッカーバーグ会長が「誤りを犯した」と謝罪した。

▼大手IT企業の社会的責任

 IT革命が進む中、米大手IT企業の巨大化が加速している。代表がアップルとアルファベット(グーグル)、アマゾン、FB、MSの5社。グーグルやFBはプラットフォーマーと呼ばれ、ネット・インフラで優越的な地位を占める。アマゾンはオンライン通販で独走する。

 成長の背後には制度的な面も見逃せない。FBなどはサービス状で流通する情報の中身について、責任を問われることなくビジネスを展開できた。これが急速な成長を支えてきた。

 しかし情勢は変わりつつある。2016年の米大統領選では、FBやグーグル、ツイッター上に大量のファイクニュースが流れ、選挙戦に影響を与えた。プラットフォーマーに集められた膨大な個人情報が不正使用されたり、本人の意図に反して商売のタネに使われることも数多い。畢竟、大手IT企業への風当たりが強まっている。今回の情報漏洩はそんな流れの中で表面化した。

▼EUのデジタル課税

 IT企業への課税も注目の論点だ。国境を超えたネット取引は急速に拡大。IT企業の売上・利益の把握は困難になっている。適切な課税も難しい。節税を狙った登記上の本社の移転が、世界の税制をゆがめているとの指摘も根強い。

 各国は共通国際ルール作りに向けて協議を始めたが、調整は容易ではない。取引実態が複雑であるだけでなく、各国間の利害対立も大きいためだ。

 EUの欧州委員会は21日、「デジタル課税」の導入を加盟国に提案した。アップルなど巨大IT企業を対象に、売上の3%を課税する。国際的な協議はエンドレスになりかねないと見越し、独自の課税を検討する動きだ。

 ムニューシン米財務長官は早速EU案などに反対する姿勢を表明した。EU内部でも利害対立があり、提案が簡単に実現する状況ではない。しかしEU提案は、新しい動きとして注目に値する。

▼新たなルール作り

 ITの大手5社が世界の時価総額の上位5位を占めたのは2017年。このころから新たな規制論やルール作りの議論が大きくなってきたのは偶然ではないだろう。

 IT大手vs世界の動きが、形を色々変えて出てくるのは必然だ。

◎ 色々なビッグブラザーがいる時代
◎ 個人データ一度出したらヤツらのもの

2018.3.25

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