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2018年2月 4日 (日)

◆FBのICO広告禁止が映すもの 2018.2.4

 ファイスブックが仮想通貨のICOの広告を掲載しないと決めた。同社は昨年後半から偽ニュース防止などで相次ぎ対応策を打ち出しているが、今回は違法でない広告も含め、幅広に禁止する。偽ニュースを拡散させたなどという社会からの批判に応えるものだ。

▽基本戦略の転換

 同社は2004年設立で、SAS最大手。FBの利用者は20億人に上る。IT社会の社会インフラの存在になり、2011年のアラブの春を引き起こす原動力にもなった。同社は自らを「プラットフォーマー」と規定し、コンテンツの内容に対しては価値判断を行わない姿勢で急成長してきた。この基本戦略を転換する。

 同社は昨年後半から、偽ニュース対策などを相次ぎ打ち出してきた。今回の決定もそうした流れに沿うものだ。しかし、ICO広告禁止は同社の主要収入源である広告収入の減少も甘受する決定。禁止の対象としても、従来のように違法なもの(これは当然)だけではなく、「疑わしきは排除する」姿勢を打ち出した。そこに決定の大きな意味がある。

▽GAFAの時代とその社会的責任

 現在は、巨大IT企業が情報化革命を先導する時代と言ってもいい。時価総額の上位5社はアップル、グーグル(アルファベット)、FB、アマゾン、マイクロソフトが並ぶ。4社の名前を取ってGAFAともよく言われる。IT大手は技術革新で世界に大きな恩恵をもたらしてきた。

 しかしIT大手の存在感が大きくなるにつれ、社会的責任を問う声が高まっている。2016年の米大統領選では、偽ニュース(Fake News)の拡散が問題になった。米国の法律はこれまで、ネット業者(プラットフォーマー)に対しそこに掲載されるコンテンツの内容に責任を持たなくていい立場を与えてきた(米通信品位性230条)。しかし、この大原則が問われている。
 
 米議会は昨年11月公聴会を実施。FBとグーグル、ツイッターの幹部に証言を求めた。IT大手に対する世間の批判を背景にした動きだ。

▽難しい規制

 IT大手の情報独占に対する批判も大きくなっている。ただ、規制するにしてもその方法は簡単ではない。通信・表現の自由とのバランスをどうとるか、イノベーションを損なわない形で規制を導入する方法はあるのか、など難問が並ぶ。

 世界に目を広げれば、中国やロシアなど国家による情報規制や情報独占とどう向き合うかという問題にも直面する。既存のルールの延長上では解けない。AIでも解は容易に見つからないはずだ。

▽急速な変化

 旧メディアの世界でも変化は急ピッチだ。1月30日にはトムソン・ロイターがロイター(金融情報サービス)の株式55%を米投資ファンドのブラックストーン・グループなどに売却すると発表した。買収額は200億ドル。IT、メディアの世界では世界的ブランドのM&Aが日常茶飯事で起き、業界の再編が加速する。

 サービス、ルール、産業地図が、連日のように一瞬のうちに変化する。IT・メディアの分野では、世界の変化のダイナミズムが最もよく表れている。

◎ 偽ニュース政治に次いでIT揺れ
◎ GAFAとなり責任問われる時が来た
◎ AIも答えが見えぬ新ルール

2018.2.4

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