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2017年8月

2017年8月28日 (月)

2017年34号(8.21-27 通算894号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2017年8月21-27日
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◆米がアフガン新戦略、関与を継続、増派に道(21日)☆
・トランプ米大統領はアフガニスタン新戦略を発表した。
・アフガンへの関与を継続。増派に道を開く内容。
・現在米国はアフガンに8400人の兵を駐留させている。
・米国は2001年の9.11の後、多国籍軍を組織しアフガンを攻撃。タリバン政権を倒した。
・現在までにアフガンでの死者は8400人、負傷者は2万人に上る。
・アフガンではタリバンが勢力を回復。政府が支配する地域は縮小している。
・米国内でアフガンへの関心は薄れ、2016大統領選でもほとんど争点にならなかった。
・トランプ政権の新戦略も、アフガンからの「出口戦略」が描けていない。
・ティラーソン国務長官は22日、同問題でインドやパキスタンの関与拡大を要求。
・特にパキスタンに対しては、親タリバン的ともいわれる姿勢の転換を強く求めた。

◆米で皆既日食(21日)☆
・米国の広い範囲で皆既日食が起きた。
・米本土を西海岸から東海岸を横断する皆既日食は99年ぶり。
・全米各地で人々が日食を観測。海外からのツアーも組まれた。

◆タイのインラック前首相が国外逃亡の模様(25日)☆
・インラック前首相が25日に予定されていた判決公判を欠席。国外に亡命した模様だ。
・同国メディアが一斉に報道。その後ドバイに亡命などの情報が流れている。
・前首相はコメ買い上げ政策を巡り職務怠慢の罪に問われていた。
・前首相はタクシン元首相の妹。2011年に首相に就任した。
・2014年に最高裁判断で失職。その後軍事クーデターで身柄を拘束された。
・同国では2000年代からタクシン派と反タクシン派が対立。政治混乱が続く。

◆サムスンのトップに実刑判決(25日)☆
・ソウルの地裁は李在鎔サムスン電子副会長に懲役5年の実刑判決を下した。
・同氏は朴槿恵前大統領への贈賄罪などに問われていた。
・同氏はサムスングループを事実上率いている。
・同グループはトップの逮捕→実刑判決という異常事態に直面する。

◆米韓が軍事演習、北朝鮮はミサイル発射(21日-)
・米韓両軍は朝鮮半島有事を想定した定例の軍事演習を開始した。31日まで。
・北朝鮮の核・ミサイル問題で緊張が高まる中、例年以上に注目を集めている。
・北朝鮮は26日、数発の飛翔体を発射した。ミサイルとみられる。

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◎寸評:of the Week
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 【出口見えないアフガン】 トランプ米大統領がアフガニスタン新戦略を発表した。今後も関与を継続し、増派に含みを示した。トランプ大統領の「米国第一」主義と海外増派は両立しにくいが、背に腹は変えられないと考えたのか。オバマ大統領もアフガンからの撤退を目指したが、路線修正を余儀なくされた。アフガンの出口は見えないし、それはイラクでも同様だ。

 それにしてもアフガンのニュースが大見出しになることはめっきり減った。2001年の9.11の後は、アフガン攻撃→タリバン政権の崩壊→民主選挙による新政府の樹立を実現した。しかし、その後も政局・治安の安定化は進まず、タリバンが勢力を回復。政府の支配地域は縮小している。アフガン情勢がさらに悪化し、不安定→混迷に段階が変わってもおかしくない。

 世界的にもアフガンや中東の混迷がテロを生んでいる。混乱やテロの背後には格差拡大などの問題があるが、対応は表面的なものにとどまる。

 9.11は毎年盛大な式典が開かれるのに、アフガンやイラクはすっかり忘れられたかのような関心の低さ。自国中心は世の常とはいえ、やはり解せない感覚が残る。

 アフガンにしてもイラク、シリアにしても、話題になるたびに世界が抱える抜本的な矛盾を思い起こす。

◎ アフガンの悲劇がたまに語られる
◎ テロ16年 混迷振り出しになる瀬戸際
◎ 復興をまじめに進めたはずだった

◎今週の注目(2017年8月28日-9月3日 &当面の注目)
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・米韓の合同演習は31日まで。北朝鮮のさらなる反応はあるか。
・タイの政治情勢に注目。インラック前首相の海外逃亡に関する情報などが出てくる見通し。

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2017年8月22日 (火)

2017年33号(8.14-20 通算893号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2017年8月14-20日
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◆米大統領がバノン氏解任(18日)☆
・ホワイトハウスのバノン首席戦略官・上級顧問が辞任した。
・トランプ大統領による事実上の解任。
・同氏は極右的思想に近く、大統領選では白人労働者をとらえトランプ氏当選を支えた。
・政権入り後はTPPやパリ協定離脱など、排他的政策を主導してきた。
・一時は大統領の最側近としてを権勢を誇り、「影の大統領」とも言われた。
・しかし政権内ではトランプ氏親族、軍人出身者などと対立。権力闘争が激化していた。
・今週に入り人種問題を巡り政権への批判が拡大。政権維持にバノン氏を切ったとみられる。
・同氏辞任で政権内内紛は収まる可能性がある。一方で白人労働者の支持離れが進みかねない。
・これまでに首席補佐官、報道官ら幹部が相次ぎ辞任。トランプ政権は揺らいでいる。

◆人種問題巡りトランプ大統領への批判拡大 ☆
・バージニア州・シャーロッツビルでの人種問題での衝突を巡り、大統領への批判が拡大した。
・事件は12日、白人至上主義や極右の集会と抗議する人々が衝突。抗議側の女性が死亡した。
・大統領は当初曖昧なコメント(12日)。その後KKKやネオナチを名指しで批判した(14日)。
・しかし15日「双方に非」などと発言。与党共和党や軍関係者からも批判が強まった。
・メルクのCEOら企業トップは相次ぎ、大統領助言組織の委員を辞任した。
・大統領は16日、製造業評議会など助言組織を解散した。
・英FT紙は"American establisment steps off Trump train"と評した。
・米国各地では大統領に抗議する集会などが広がった。
・大統領は18日になって白人至上主義に近いとみられるバノン氏を事実上解任。
・しかし支持者を含めた人々のトランプ離れと政権の動揺が止まるかどうかは不明だ。
・英語メディアでは事件をthe Charlottesville violence との表現で表すことが多い。

◆スペイン・バルセロナなどでテロ(17日)☆
・バルセロナ中心部で車が観光客などに突っ込むテロが発生。14人死亡、100人以上が負傷した。
・「イスラム国」(IS)が犯行声明を出した。実行犯はモロッコ人のイスラム過激派ら。
・16日にはバルセロナ南西のアルカナルで民家が爆発する事故が発生。
・18日未明にはバルセロナ郊外のカンブリスで銃撃戦があった。
・犯行グループが大規模テロを計画していたとの情報がある。
・欧州では2015年以降、IS絡みの大規模テロが各地で発生している。
・一匹狼的な手法と、組織で計画したテロが混在。
・観光地や商業施設など一般人を狙うケースが多く、警備は困難だ。

◆NAFTA再交渉が開始(16日)
・米・カナダ・メキシコのNAFTA(北米自由貿易協定)再交渉が始まった。
・原産地規制の厳格化などが焦点。
・年内の決着を目指す。
・米トランプ政権は貿易赤字の削減や米国への雇用回帰にこだわる。
・NAFTAは1994年に発効。協定をベースに北米3国間でサプライチェーンが発達している。

◆英がEU離脱交渉戦略(15日)
・英政府はEU離脱後の貿易関係についての交渉指針を公表した。
・2019年3月末の離脱後も移行期間を設け、実質的にEUとの関税同盟を維持する。
・16日にはアイルランドとの国境について、なるべく自由移動を維持する計画を示した。
・具体的詳細はなお明確でない。「いいとこ取り」の色彩もあり、EU側の対応は不透明。
・離脱交渉は6月に第1回、7月に第2回を開催した。
・まず離脱協定をまとめ、次いで将来関係協定合意を目指す事で一致している。

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◎寸評:of the Week
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 【人種問題・バノン氏辞任とトランプ政権の行方】 バージニア州シャーロッツビルでの衝突とその後のトランプ大統領の発言などを巡り、米社会と政権が大きく揺れた。南北戦争の南軍の英雄・リー将軍の記念像撤去を巡り、それに反対する白人至上主義ややKKK、ネオナチなどが12日集会を開催。これに抗議するグループと衝突した。集会参加者の1人が車で抗議集団に突っ込み、1人が死亡した。

 トランプ大統領は当初12日、白人主義者らを非難しないあいまいな形で事件を批判。世論の批判が強まると14日にKKKやネオナチを名指しで批判する発言を加えた。しかし15日、「双方に責任がある」という趣旨の発言をした。

 これには与党共和党の主流派や軍トップ、経営者なども相次いで直接的、間接的な表現で批判。経営者トップからは大統領の助言機関委員の辞任が相次いだ。ABCテレビは"Trump faces leadership crisis after Charlottesville"と状況を表現した。

 そうした中で、バノン首席戦略官が18日辞任した。事実上の解任をみられる。同氏は極右的な思想のメディア出身で、政権内でTPP離脱など排他的・保護主義的政策を主導してきた。大統領選では白人労働者層を獲得するのに貢献した。今回の人種問題を巡る大統領の対応の背景にも、バノン氏の存在を指摘する見方があった。

 発足から半年強を経過し、トランプ政権は統治の危機に直面。孤立傾向を強めている。オバマケア見直しなど主要政策も進まない。外交政策もちぐはぐな動きが目立ち、国際的指導力が弱いばかりか、通商や環境問題で孤立する場面も目立つ。

 人種問題は移民国家米国では琴線に触れる問題。今後の対応次第では、一気に支持者離れ→政権の一層の弱体化につながりかねない。

 トランプ氏の行動は予測し難く、一夜にして政策を大きく転換してもおかしくない。今回の人種問題とバノン氏辞任で政権がどう変わるのか。先を読めている人はほとんどいないように見えるが、政権が重大に転換点にあることは間違いない。

 それにしても、こうした事件があると表面化するのが人種差別の意識だ。奴隷制が廃止されてから150年以上、公民権運動で制度的な差別がなくなって半世紀が経つ。2008年には黒人の大統領まで登場した。それでも、KKKは活動を続け、それを陰に陽に支持する人は少なくない。「民主主義国家」「多民族国家」米国の現実だ。

◎ 差別ですか? 格差に怒っていたのでは
◎ KKK 死語にならずに2世紀目
◎ ネオナチを「非難しない」を誰が支持?

 【バルセロナのテロ】 バルセロナで観光客らに車両が突っ込むテロが発生した。「イスラム国」が犯行声明を出した。「またか」という感じだ。

 過去3年間に欧州で起きた大規模テロを挙げれば、2015年のパリでの新聞社襲撃、パリ同時テロ、2016年のブリュッセル同時テロ、仏ニースでの車両テロ、ベルリンでのクリスマス・テロ、2017年の英マンチェスターでのコンサート会場テロなど数えきれない。いずれもイスラム過激派が関係した。いわゆるHome Grownのテロもあれば、組織だった計画的なテロもある。

 一般の人々が集まる場所を狙う、いわゆるソフト・ターゲット・テロだけに防止は難しい。我々はテロと毎日直面する時代に生きている。そんな厳しい現実を改めて思い知る。
 

◎今週の注目(2017年8月21-27日 &当面の注目)
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・人種問題やバノン氏辞任を受けたトランプ政権の動きに注目が集まる。
・米韓が21日から共同演習を実施。北朝鮮の反応が予想される。
・米FRBが24-25日、ワイオミング州ジャクソンホールで経済シンポジウムを開催する。イエレン議長の講演などに注目。

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2017年8月14日 (月)

2017年32号(8.7-13 通算892号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2017年8月7-13日
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◆米・北朝鮮が威嚇・非難応酬、緊張高まる ☆
・米国と北朝鮮が核問題を巡り非難・威嚇を応酬。緊張が高まっている。
・トランプ米大統領は8日、「炎と怒りに直面する」などと北朝鮮を威嚇。
・北朝鮮は9日、グアムを狙った作戦計画を検討していると表明した。
・アジア株は戦争リスクを懸念し下落する局面があった。
・北朝鮮核問題は、落としどころが見えないままリスクが拡大している。
・米メディアによると、米国防情報局は北朝鮮の核保有が最大60発との分析をまとめた。

◆中国ネット大手を調査(11日)☆
・国家インターネット情報弁公室は、ネット大手の騰訊控股(テンセント)などの調査に入った。
・国家の安全を脅かす情報を流す利用者がいるとの理由。
・対象はこのほか、新浪(シナ)、百度(バイドゥ)のサービス。いずれも無料対話アプリを提供する。
・利用者は3サービスで合計で13億人以上に達する。
・中国では国民の多くがネットを利用。世論形成に影響を与えている。
・当局はネット規制を強化。6月にはネット安全法を施行している。

◆ケニア大統領選が現職が当選、開票巡り衝突(8日投票)☆
・大統領選が8日行われ、選管は11日にケニヤッタ大統領の再選を発表した。
・ケニヤッタ氏が54%、野党連合のオディンガ元首相が45%という。
・オディンガ氏は不正があったとし、同氏支持者らは抗議活動を展開。
・13日までに24人が警察官に殺害された。犠牲者数はさらに拡大している模様。
・同国では2007年の大統領選後も暴動が拡大。1000人以上が死亡した。
・背後には、汚職が横行する同国政治がある。民族対立も影響している。
・同国に最大のキクユ族(約20%)など42の民族が居住。対立関係は複雑だ。

◆ASEAN結成50年(8日)☆
・ASEANが1967年の結成(5カ国)から50年を迎えた。
・共産主義に対抗する目的で設立。その後、地域発展や経済統合に機能を移した。
・1999年のカンボジア加盟で10カ国に成長。2015年にはASEAN経済共同体などが発足した。
・1990年代以降地域に大規模な紛争はなく、東南アジア経済は高成長を続ける。
・マニラで記念式典が開かれた。併せて外交交渉も行われた。
・ASEAN・中国の外相会議では、南シナ海の紛争を防ぐ行動規範の枠組みで合意した。
・ASEANと中国の関係は昨年より改善。中国ペースで関係見直しが進む。

◆南ア議会が大統領不信任案否決、混乱は拡大(8日)
・国民議会はズマ大統領の不信任案を採決。反対多数で否決した。
・賛成177、反対198。与党ANCからの造反が一定範囲内にとどまった。
・大統領に対しては汚職疑惑がくすぶり、経済改革は閣僚の解任なども続いた。
・当面大統領の座は維持するが、退陣要求デモなど抗議活動は続く。
・経済は資源価格下落の影響もあり低迷。失業率は20%に達する。

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◎寸評:of the Week
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 【北朝鮮危機】 北朝鮮の核問題を巡る緊迫が再び増している。北朝鮮のミサイル実験などに対し。トランプ米大統領が会見やツイッターで威嚇。これに北朝鮮が反発し、グアムへの攻撃計画検討など挑発を繰り返すという構図だ。
 双方とも、どこまで計算された言動か疑わしいところもあり、先は読みにくい。しかし、状況が一層キナ臭さを増していることは間違いない。

 【ケニヤとルワンダの大統領選】 ケニアで大統領選が実施され、選管は現職のケニヤッタ氏の勝利を宣言した。これに対して野党候補オディンガ氏の支持者らが抗議活動を展開し、一部で警察と衝突している。多数の犠牲者が出ている。
 大統領選→与野党支持派の対立・暴動、という動きは、2007年大統領選後の繰り返し。今回も混乱の発生は事前に予想されていた。しかし防止することはできず、「やはり」という感じだ。
 背後には政治の腐敗、汚職、民族対立など複雑な要因が絡み合う。ケニアは1990年代から複数政党の下で選挙が行われているが、流血事態が時々繰り返される。
 同じ東アフリカのルワンダでは8月4日に大統領選が実施され、カガメ大統領が圧倒的多数で3選された。同国では1994年の虐殺事件で主に多数派フツ族が少数派フツ族住民を襲撃、約80万人が犠牲になった。その後、大統領選は3回目だ。ちなみにカガメ氏は少数派フツ族に属する。
 同国はこのところ順調な経済成長を実現している。しかしカガメ大統領は野党指導者などを弾圧を繰り返しているとの指摘があり、欧米の人権団体などは批判している。欧米政府は表立った批判を控えている。カガメ3選はそんな状況下で進んだ。
 アフリカが国際政治のニュースとして取り上げられることがは多くない。多くの場合注目されるのは紛争や自然災害など悪いニュース。大統領選は、そんな中でバイアスが少ない定点観測の機会だ。
 植民地だったアフリカの多くの国が独立してからすでに半世紀以上が経つ。最近ではITサービスの普及に伴う経済の新たな発展など明るい動きもあるが、政治危機や紛争が数多いのも否定できない。経済成長もアジアなどに比べると低く、未来の展望を必ずしも描けていないのも事実だ。大統領選からも、多くの国が複雑で根の深い問題を抱え、民主化と発展に格闘する姿が浮かんでくる。

◎ 「暗黒」が晴れて「混乱」アフリカなり
◎ 汚職あり民族ありの選挙戦

◎今週の注目(2017年8月14-20日 &当面の注目)
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・北朝鮮の核問題をめぐり、同国と米国の威嚇と非難の応酬が続く。目が離せない。

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2017年8月 9日 (水)

◆ベネズエラ混乱の読み方 2017.8.6

 ベネズエラでマドゥロ大統領の政権が制憲議会(議会とは別)の選挙を強行。与党の与党統一社会党が全議席を獲得した。大統領は制憲議会開催→憲法改正→任期延長・長期政権を目指す構え。野党は反対運動を展開。欧米などは制憲議会選を独裁的と批判し、対ベネズエラ制裁強化に動く。混乱の拡大は必至だ。ベネズエラ情勢をどう見ればいいのか。

▼選挙を強行

 制憲議会選実施はマドゥロ大統領が5月1日に発表した。

 ベネズエラは2015年12月の総選挙で与党が敗北。議会で多数を占めた野党と大統領が激しく対立した。今回の動きの前段として、2017年3月には大統領派の最高裁が議会の立法権を剥奪。国際社会の批判を浴びて撤回した経緯がある。

 制憲議会選実施に野党は激しく反発。選挙をボイコットした。欧米など国際社会の多くも選挙を批判した。しかし、マドゥロ大統領は選挙を強行した。

▼政治混乱拡大

 野党がボイコットしたため、与党が545の全議席を獲得した。投票率は42%、人口約3000万人のうち800万人が投票したという。マドゥロ大統領は直ちに勝利を宣言した。ただし不正があったという指摘が野党や国際社会から出ている。

 制憲議会は4日に始動。国会を廃止し、新憲法制定に動く見通しだ。マドゥロ大統領の任期は2019年までだが、憲法改正すれば長期政権が可能になる。

 野党は制憲議会を認めず、徹底構成の姿勢を崩していない。全国的に抗議活動が拡大し、死者も多数出ている。混乱は加速する。

 欧米など国際社会の多くは大統領の動きを批判。制裁強化などに動いている。ただ、ロシアや中国などは政権への理解を示し、必ずしも一枚岩ではない。

▼国を2分

 ベネズエラの現在の政治対立は、1999年のチャベス政権成立にさかのぼる。同国は石油資源に恵まれながら、富を一部の富裕層や米国資本が独占。貧富の格差が大きかった。チャベス氏は貧民救済と反米を前面にカリスマ性を発揮。反対派に対しては強権的な姿勢で臨み、独裁的な体制を築いた。2013年3月に死亡するまで大統領を続けた。

 同氏の後継者としてチャベス路線を継承したのがマドィロ大統領だ。基本的な姿勢は反米・貧民救済・社会主義的な姿勢だ。

 これに対し野党は経済改革を重視。米国との関係改善など国際協調を打ち出して対立した。

 同国社会はチャベス派と反チャベス派に二分され、混乱は加速度的に拡大している。米国など他の国でも社会の分断が指摘されるが、ベネズエラの程度はその比ではない。
 
▼壊滅的な経済
 
 経済は壊滅的だ。原油価格の低迷もあり、同国経済は2015年以降大幅なマイナス成長に陥った。2016、2017年は2桁のマイナス成長の見通し(統計の正確さも疑問だが)。

 インフレ率は500%に達し、1000%に跳ね上がるとの見方もある。通貨ボリバルは大幅に下落。経済悪化で国債や国営石油会社の債権のデフォルトの懸念が膨らんでいる。

▼崩壊に向かう社会

 社会の混乱は深刻だ。治安が悪化する中、犯罪率は急上昇。殺人率は人口数千万人以上の大国では世界最悪だ。年間の殺人件数は推定3万件以上。人口が3分の2ほどのシリア(約2000万人)の民間人の殺害数(年間1.5万人程度)よりも多い、という見方もできる。

 食料不足から食料不足から飢餓に直面する人も増えている。動物園ではライオンなどに十分にえさを与えることができず、がりがりに痩せた映像が流れている。

 同国からの難民も増加。コロンビアにはすでに15万人以上が流出した。ブラジルなど他の国にも難民流出が続く。医師など専門家は、すでに多くの人が同国に見切りをつけて脱出した。

 このまま政治的な対立が進み、混乱がさらに拡大すれば行きつくところまで行ってしまうリスクもある。社会自体お崩壊の危機、国の失敗国家化も切実な問題として迫っている。
 
▼根深い歴史的・構造的問題 

 それにしても、なぜこんな状況になってしまったのか。

 背景には植民地時代からの支配体制、大土地所有、第2次大戦後の米国支配、膨大な貧富の格差、民主主義の未発達など歴史的・構造的な問題がある(この辺は、中南米職に共通する)。

 ベネズエラは世界有数の産油国で、埋蔵量は世界トップクラス。石油ブームの2014年まではその恩恵にあずかり、経済改革も遅れた。原油価格下落で、そのツケが一気に表面化した。

 チャベス氏-マドゥロ氏と続く現在の政権は、基本的に革命政権だ。革命政権であれば、既存の秩序にはとらわれない。政治・社会的な課題も「革命の貫徹」で解決しようというのだから、既存の法秩序を重視しないのもおかしくない。欧米など先進民主国と同じ尺度では、同国の動きは理解できない。

 常識的にマドィロ氏の狙いが成功しそうには見えない。混乱がさらに拡大し、社会が揺らぐリスクは大きい。

 ベネズエラをはじめとする中南米には、現代の世界が抱える問題が凝縮されて表れている面もある。根の深い問題だ。

◎ 3年前、国も石油もあったのに
◎ 革命の理想の後の生地獄
◎ 世界(よ)はデフレ随所に4桁インフレぞ

2017.8.6

2017年31号(7.31-8.6 通算891号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2017年7月31日-8月6日
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◆ベネズエラで制憲議会選を強行、混乱拡大(30日選挙実施)☆
・ベネズエラのマドゥロ大統領の政権は制憲議会選挙を強行した。
・野党はボイコットし、与党統一社会党が545の全議席を獲得した。
・議会は4日に発足。憲法改正の議論に入る。国会の権限停止なども検討される。
・野党は抗議活動を拡大。各地で衝突が発生し、死者も出ている。
・同国では2015年の選挙で野党が勝利。マドゥロ政権と対立が激化した。
・大統領は権限強化を目指し制憲議会選を決断。国際社会の反対も押し切って実施した。
・原油価格の低迷もあり、同国経済は混乱の極みにある。社会不安も拡大している。
・混乱が拡大すれば経済破綻、失敗国家化などのリスクも広がる。

◆ビットコインが分裂(2日)☆
・仮想通貨のビットコインが日本時間2日に分裂した。
・新通貨ビットコインキャッシュ(BCC)が誕生した。
・取引急増に対する対応策で関係者の意見が対立。中国の一部事業者が新通貨をつくった。
・ビットコインは世界で数百ある仮想通貨の代表的な存在。
・複数のコンピューターが帳簿を管理するブラックチェーンという技術を利用する。
・取引量は500億ドルに上ると見られる。
・新しい台帳を作る「マイナー」は中国の専門業者が多い。
・分裂に際し、一部取引所は取引を一時中止した。
・仮想通貨の行方は不透明だが、新技術によるサービスの急速な拡大実態を反映する。

◆パキスタン首相が失職、後任に首相派 ☆
・最高裁は6月28日、税逃れ疑惑を巡りシャリフ首相が「不適格」との判断を下した。
・ナワズ・シャリフ首相は失職した。
・下院は1日、アバシ前石油・天然ガス相を指名した。つなぎ役の首相との見方が強い。
・国会ではPML-Nが過半数を握っている。アバシ新首相も与党所属。
・前首相の弟のシャバズ・シャリフ氏が、補選で議員になり首相就任するとの見方が強い。
・同国は比較的高い成長を続けているが、治安安定、経済改革など課題は多い。

◆米特別検察官が大陪審を招集
・モラー特別検察官はロシア疑惑の起訴に関し大陪審を招集した。
・一般市民から選ばれた陪審員が犯罪の有無を審理する制度。Grand Jury.
・一般裁判の陪審と異なり、捜査の一環として使用する。
・ロシア疑惑を巡っては新たな情報が相次ぎ流出。大統領長男などにも疑惑が及ぶ。
・トランプ政権では31日、広報部長が任命から10日で解任された。
・ホワイトハウスの機能不全が指摘される。

◆NYダウが2万2000ドル超(2日)
・米株価が上昇。NYダウ30種平均は初めて2万2000ドルを超えた。
・1月に2万ドル超えしてから約半年で10%上昇した。
・企業業績好調が追い風になっている。カネ余りも背景にある。
・1月の上昇はトランプ政権の経済政策への期待が大きかった。それが消えても上昇が続く。
・FRBは今後金融引き締めを継続する見通し。その進め方が市場に影響する。

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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ├───────────────────────────
 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない     
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◎寸評:of the Week
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 【ベネズエラ危機と中南米】 ベネズエラでマドゥロ大統領が政権議会選挙を強行。混乱が広がっている(→国際ニュースを読む)

 【北戴河会議】 中国で北戴河会議が始まった模様だ。秋の共産党大会をにらみ、習近平主席ら指導部と長老らが非公式な意見調整を行う。様々な情報が漏れ伝わってくる。

 

◎今週の注目(2017年8月7日-13日 &当面の注目)
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・米トランプ政権の混乱が止まらない。ロシア疑惑を巡っては大陪審が設置された。大統領は夏休みに入った中、どんな動きが出てくるか。

・ASEAN発足から50年が経過。フィリピンで8日に記念式典が開かれる。

・南ア下院でズマ大統領の不信任投票が8日行われる。汚職疑惑などで人気が低下。与党ANC内部からも公然と辞任を求める声が出ている。

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