2017年22号(5.29-6.4 通算882号) 国際ニュース・カウントダウン
◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2017年5月29日-6月4日
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◆米、パリ協定離脱を宣言(1日)☆☆
・トランプ米大統領は地球温暖化対策の「パリ協定」から離脱すると発表した。
・協定内容が不公正で米国内の職を奪うと主張。地球的課題より米国第1主義を優先した。
・同協定は2020年以降の温暖化対策の枠組み。195カ国・地域が参加し2016年に発効した。
・米国は世界第2の温暖化ガス排出国。離脱は世界に打撃を及ぼす。
・独仏伊首脳は連名で遺憾を表明。協定再交渉を否定した。ローマ法王も反対していた。
・米国内でも産業界などから批判が噴出。世論調査では共和党支持層も半数が反対する。
・しかし大統領は炭鉱地帯など支持層の利益を優先した格好だ。
・実際にはシェール革命の進展で、石炭利用拡大が進むかは不明だ。
・しかし大統領が国際協調より米国利益優先の姿勢を改めて鮮明にした影響は大きい。
・米国のリーダーシップ後退も見せつけた。既存の国際秩序も揺らいでいる。
◆ロンドン中心部でテロ、犠牲者7人(3日)☆
・ロンドン橋と付近のバラマーケットでテロがあり7人が死亡、約50人が負傷した。
・ロンドン橋で車が暴走し歩行者をはねた。のち市場でナイフで客を襲撃した。
・犯人は男3人組。警察官に射殺された。
・メイ首相はイスラム過激派の影響を受けた人物の犯行との見解を示した。
・英国では過去3か月に3件のテロが発生。5月末にはマンチェスターで自爆テロが起きた。
・同国は警戒を強めているが、防止の決め手は欠く。
・欧州各国でもテロが頻発している。
◆カブール中心部で大規模テロ(31日)☆
・中心部の大使館街で大型車が爆発。90人が死亡、400人以上が負傷した。
・タリバンの一派の犯行との見方があるが、詳細は不明。
・現場はこれまで比較的治安がよかった地域。
・アフガン政府(ガニ大統領)の支配地域は縮小しており、同国の治安は不安が増している。
・米オバマ前政権は2016年末撤退の方針を断念。現在も8400人が駐留する。
・トランプ政権は数千人の増派を検討していると伝えられる。
・アフガン情勢は深刻度が深まっている。
◆米欧間、安保などで距離拡大 ☆
・安全保障や環境問題などを巡り、米欧間の距離が広がってる。
・メルケル独首相は28日、我々が他者だけに頼れる時代はある程度終わった」と発言。
・名指しを避けつつ、米トランプ政権への不信感を示した。
・ブリュッセルでのNATO首脳会議や伊タオルミナのG7首脳会議などを踏まえた発言。
・トランプ大統領は30日、ツイッターで米国が独に巨額の貿易赤字を抱えるなどと指摘。
・独が国防費負担などを十分に行っていないと批判した。
・1日には米国がパリ協定離脱を表明。一層距離が広がった。
・トランプ政権発足で米欧関係の希薄化が懸念されてきたが、より具体的になっている。
◆スリーマイル原発閉鎖(30日)☆
・米電力大手のエクセロンは、スリーマイル島原発(ペンシルバニア州)の閉鎖を発表した。
・現在稼働している1号機を2019年9月までに閉鎖する。
・同原発では1979年に2号機が原発事故を起こし閉鎖した。
・同事故の後、米国では原発の新設が停止。最近新設の動きが出てきたが、難航している。
・安全問題のほか、シェール革命による天然ガス・原油価格低下も原発縮小に影響している。
┌────────────────────────────
│INCDの採点
│ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
│ ☆☆ 世界史の年表に載るようなニュース
│ ☆ 国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース
│ 無印 興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
├───────────────────────────
│プラスアルファ
│ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
│ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
└─────────────────────────────
◎寸評:of the Week
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【米国のパリ協定離脱】 トランプ米大統領が地球温暖化対策のパリ協定からの離脱を表明した。(→「国際ニュースを切る」参照)。
【ロンドンのテロ】 ロンドンの中心、歌でも有名なロンドン橋とその周辺で無差別テロが発生した。ロンドンでは3月のウェストミンスター橋・国会議事堂でのテロが起きたばかり。5月末にはマンチェスターで自爆テロが起きている。我々はテロ時代に生きていることを改めて実感する。
【米が大使館のエルサレム移転先送り】 トランプ米大統領は1日、在イスラエル米大使館のテルアビブからエルサレムへの移転を先送りした。大統領は当選後に移転を表明していたが、パレスチナやアラブ諸国、欧州諸国などが強く反対。パレスチナ和平への影響を考え、先送りしたという。トランプ大統領が国際世論に従うと、ニュースらしくなる?
◎今週の注目(2017年6月5-11日 &当面の注目)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
・英国の総選挙が6月8日に実施される。世論調査では保守党リードの幅が縮まっている。3日のロンドン橋などでのテロが選挙に影響するか>
・トランプ政権の「ロシアゲート」疑惑を巡る展開がある。コミー元FBI長官の議会証言は6月8日にも予定される。
・フランス下院選が6月11、18日に行われる。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
incd-club は国際問題に関係する内外のジャーナリストやビジネスマンらのグループです。「国際ニュース・カウントダウン」は、世界のニュースから週刊単位でベスト5を選び、解説したもの。日本のメディアの報道とは異なる視点から、面白くかつ分かりやすく地球を鳥瞰しています。
ブログは毎週発行のメールマガジンを元に作成しています。
------------------------------------------------
メールマガジンの登録変更・解除は次のアドレスから。(『まぐまぐ』を利用)。
http://www.mag2.com/m/0000056121.htm
------------------------------------------------
Copyright(c) 2000-2017 INCD-club
« 2017年21号(5.22-28 通算881号)国際ニュース・カウントダウン | トップページ | ◆米国のパリ協定離脱が映すもの 2017.6.4 »
「ニュース」カテゴリの記事
- 2021年14号 (4.5-11 通算1082号) 国際ニュース・カウントダウン(2021.04.11)
- 2021年13号 (3.29-4.4 通算1081号)国際ニュース・カウントダウン(2021.04.04)
- 2021年12号 (3.22-28 通算1080号)国際ニュース・カウントダウン(2021.03.29)
- 2021年11号 (3.15-21 通算1079号)国際ニュース・カウントダウン(2021.03.22)
- 2021年10号 (3.8-14 通算1078号) 国際ニュース・カウントダウン(2021.03.15)
« 2017年21号(5.22-28 通算881号)国際ニュース・カウントダウン | トップページ | ◆米国のパリ協定離脱が映すもの 2017.6.4 »
コメント