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2017年4月

2017年4月24日 (月)

2017年16号(4.17-23 通算876号) 国際ニュース・カウントダウン


◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2017年4月17-23日
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◆英国が議会解散、6月総選挙(18日)☆
・メイ首相は下院を解散し、6月8日に総選挙を実施する意向を表明した。
・下院は19日提案を3分の2以上で可決。前倒し実施が決まった。
・首相は政権基盤を固め、EU離脱交渉を有利に進める狙い。
・世論調査では保守党有利が出ている。ポンド相場は首相発表を受け上昇した。
・英国は2010年に解散の条件を厳しくし、議会で3分の2以上の賛成を条件とした。
・英は昨年EUからの離脱を決定。3月にEU側に通告し、2年間の交渉期間入りした。
・交渉の難航は必至。メイ首相は政治基盤強化策を模索してきた。

◆米国がビザ審査厳格策(18日)☆
・トランプ大統領は専門技能保有者を含むビザ審査厳格化する大統領令に署名した。
・技術者などを対象にしたH1Bビザ発行審査強化を徹底する。
・同ビザはインドの移民技術者などが対象。IT企業が活用している。
・2016年は発給枠8万5000に65万の申請があった。
・厳格化でIT業界の人で不足が深刻化する懸念がある。
・大統領はまた、政府調達で米国製品の調達を優先するよう求めた。
・大統領が当初打ち出した入国規制策は裁判所の差止めもあり予定通り進んでいない。
・しかしビザ規制の強化や、中東発便へのPC持ち込み禁止など新施策を進めている。
・ビザ支給規制の強化は、オーストラリアやNZも導入した。

◆ベネズエラで反政府デモ拡大、混乱加速(19-20日)☆
・カラカスで数万人単位の反政府デモが連日発生。政治の混乱が拡大している。
・同国は1999年のチャベス大統領~13年からのマドゥロ大統領の左派政権が続く。
・2015年の選挙で野党が大勝。政権との対立を深める。
・大統領は3月に議会の機能を一時停止するなど、強硬姿勢を強めている。
・同国は政府歳入を原油に依存。原油価格の下落で財政が悪化している。
・国営石油会社PDVSA発行の社債のデフォルトもささやかれている。
・ブラジルやコロンビアに難民が流出しているとの情報もある。
・同国の混乱は、地域の不安定化をもたらす可能性もある。

◆仏大統領選1回目投票(23日) ☆
・フランス大統領選の第1回投票が行われた。
・事前の世論調査では、中道のマクロン氏、極右のルペン氏がリード。
・保守のフィヨン氏、急進左派のメラション氏と続く。いずれも支持率20%前後。
・上位2人が5月7日の決選投票に進む。
・極右のルペン大統領誕生となれば、EUの行方や欧州の枠組みに甚大な影響を与える。

◆トルコ・EU関係の溝深まる、憲法改正受け ☆
・EUとトルコの溝が深まっている。
・国民投票で憲法改正→大統領権限強化→エルドアン大統領の強権化加速。EUが警戒する。
・エルドアン氏は16日の投票、死刑制度復活に前向きな発言を繰り返した。
・死刑廃止はEU加盟交渉の大前提で、復活となれば交渉は停止する。
・投票前にトルコ政府は在欧州のトルコ住民向けの選挙運動を展開。
・オランダや独は社会の分断を煽るなどの理由で一部を規制。両者の対立が深まった。
・一方でEUは、中東からの難民流入規制にトルコとの協力が欠かせない。
・トルコとEUの関係は、地域の安定にも多大な影響を及ぼす。

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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない     
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◎寸評:of the Week
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 【英総選挙のサプライズと欧州情勢】 英国のメイ首相が下院の解散→総選挙を発表した。事前の予想もほとんどなかったサプライズ。政権基盤の強化→EU離脱交渉を有利に運ぶ狙いという。世論調査では保守党有利と出ているが、ことがうまく運ぶか。

 そのEU離脱交渉だが、英国は3月末に離脱を正式に通告した。2年間を期限とする交渉はあったでも難航必至だが、その間にそもそも欧州情勢が大きく変わる可能性もある。当面の最大の案件は仏大統領選。ルペン大統領誕生なら、EUの基盤そのものが大きく揺らぐ。

 英国内ではスコットランドの独立問題が再燃しつつあり、北アイルランドの立場をどうするか、ジブラルタルの地位問題なども懸案になる。

 今回の議会解散は、サプライズとは言っても「合理的判断だった」と理解しやすい。しかし、他のサプライスはもっと入り組んでいるように感じられる。

 サプライズはもちろん、英国や欧州の専売特許ではない。トランプ大統領の米国。北朝鮮。中東。世界で日常光景化している。

◎サプライズの連鎖も日常トランプ時代

 【トランプ、欧州、北朝鮮、シリア】 世界の動きはこのところ激しく、多くの重要ニュースが流れる。目下の焦点を整理すれば米トランプ政権の政策、仏大統領選やBrexitなど欧州の動向、北朝鮮情勢、シリア情勢(「イスラム国」、米ロの対立と協議など含む)あたりか。

 【世界は動く】 このところずっとそうだが、世界各地で重要な動きが続く。今週の5本以外のニュースでも、中国の1-3月GDP成長(6.9%の高い数字)、韓国大統領選本格始動(17日)、国連安保理が北朝鮮非難決議(20日)、イラン大統領選で候補者審査、G20財務相会議(20日)、バリで爆破事件などの動きがあった。
 

◎今週の注目(2017年4月24-30日 &当面の注目)
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・仏大統領選の第1回投票が23日に行われ、24日には結果がでる。上位2人が5月7日の決選投票に進む。ルペン大統領誕生となれば、欧州、世界への影響は甚大だ
・EU27カ国(英国除く)の首脳会議が29日に開催される。離脱交渉のガイドラインを採択する。
・トランプ米大統領の就任から29日でちょうど100日になる。

・イラン大統領選が5月19日に行われる。

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2017年15号(4.10-16 通算875号) 国際ニュース・カウントダウン

 

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2017年4月10-16日
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◆北朝鮮情勢が緊迫、米先制攻撃の観測も ☆☆
・北朝鮮を巡り緊張が高まっている。米国の先制攻撃の観測も浮上している。
・北朝鮮は15日平壌で大規模な軍事パレードを実施。ICBM初公開など軍事力を誇示した。
・6回目の核実験や弾道ミサイル実験もにおわせている。
・米国は原子力空母カール・ビンソンを朝鮮半島近海に進め圧力をかけている。
・4月上旬のシリア攻撃のような巡航ミサイル発射が可能とされる。
・トランプ米政権と北朝鮮は相互に厳しい発言を繰り返し、チキンゲームの様相を呈する。
・北朝鮮は核実験とミサイル発射を加速。1-2年内に米本土を射程にいれるとされる。
・米トランプ政権はこうした動きに強硬姿勢を強め、緊張が高まった。
・中国の動きはなお不透明で、情勢の行方は読みにくい。
・情勢はボタンの掛け違い→軍事衝突のリスクをはらみ、緊迫した中で推移している。

◆トルコ国民投票、憲法改正を(16日)☆
・国民投票が行われ、憲法改正が僅差で承認された。エルドアン大統領が宣言した。
・改正は大統領権限を強大にする内容。国家元首に行政の長を兼ねる。
・議会解散権や閣僚・判事の任命権を付与。非常事態宣言権も与える。首相は廃止する。
・エルドアン氏与党AKPは、テロ対などに強い大統領権限が欠かせないと主張した。
・野党は強権化が進むと反対。欧米諸国も警戒を発してきた。
・投票は接戦で、国営通信によれば賛成は51%。野党は不正があったと再集計を求める。
・エルドアン大統領は2003年の首相就任以来権力を握り、近年は強権化を強めている。
・次期2019年の大統領選で当選すれば、2029年まで(2期10年)までの長期政権が可能だ。
・大統領の強権化が一層進む見通しだ。

◆米国がアフガンで大規模爆弾使用(13日)☆
・米軍はアフガニスタンで大規模爆風爆弾(MOAB)を使用した空爆を行った。
・アフガン当局によると、92人以上の「イスラム国」兵士を殺害した。
・核兵器を除けば最大の破壊力を持つ爆弾。地下にいる兵士などにも損害を与える。
・MOABはMassive ordnance air blastの略だが、Mother of all bombsの異名も持つ。
・北朝鮮に対する圧力になる、との見方も流れている。

◆シリア非難決議廃案、ロシアが拒否権(12日)☆
・国連安保理はシリアの化学兵器使用を非難する決議案を採決。ロシアの拒否権で廃案となった。
・中国などは棄権した。
・シリアでは4月4日、政府軍の反体制派空爆で化学兵器使用の疑惑が浮上。
・米国は6日、シリアの軍事基地を空爆した。安保理決議などはなかった。
・ロシアは米国の攻撃を、根拠がないなどの理由で批判。米ロ関係は悪化している。
・米ロは対「イスラム国」で協力強化を模索していたが、当面前進しそうな状況ではない。

◆ユナイテッド航空が乗客引きずり出し、非難集中(9日)
・ユナイテッド航空がオーバーブッキング客を機内から引きずり下ろした。
・画像が世界に流れ、同社への非難が集中している。
・事件が起きたのはシカゴ発ケンタッキー州ルイビル域のUA3411便。
・便の変更に応じなかったベトナム系医師を空港警備員らが強引に排除した。
・男性は鼻の骨を折るなどのケガをした。他の乗客が画像を撮影し投稿した。
・非難の高まりにユナイテッドのCEOは陳謝。男性は提訴する方針だ。
・空港会社のサービスのあり方にも一石を投じている。
・それにしても、SNSで画像が流れたことで事態が動いた。そういう時代になっている。

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◎寸評:of the Week
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【北朝鮮情勢緊迫】 北朝鮮情勢が緊迫している。同国による核実験やミサイル発射、軍事パレードでの兵力誇示。米国の空母派遣やシリア攻撃、アフガンでの新型爆弾使用。そして双方から出る脅し文句。チキンレースが加速している。
 ここに来て緊張が高まってきた背景には、いくつかの要因がある。北朝鮮は核保有を国家と体制維持の柱に据える。近く米本土に届く弾道ミサイルを開発しそうな見通しだ。それは米国にとって、容認できる範囲を超える。2月には金正男氏の暗殺事件があり、北朝鮮は何をするかわからないとの認識が一層高まった。
 米トランプ政権は、前任のオバマ政権の”弱腰外交”への批判もあり、強硬な姿勢を強めている。米国による先制攻撃、金正恩委員長の暗殺計画などがささやかれる。もちろん、いずれも憶測の域を出ない。
 不明な点は非常に多い。北朝鮮に影響力のある中国はどう出るのか。米中首脳会議で何が話されたのか。米国が仮に北朝鮮を攻撃したら、北朝鮮はどんな行動に出るのか(報復はするのか? その場合どこを攻撃するか?等々)。
 意図せぬボタンの掛け違いが、戦争に発展した事例は過去に何度もある。しかも今回の当事者は核保有国だ。危険極まりない。
 冷戦終了後、90年代には朝鮮半島危機、台湾海峡危機などがあった。いずれも、歴史上の「危機」で済んだ。しかし、今回もそうなる保証はない。
 21世紀に入り、世界は過激派によるテロや大規模なサイバー攻撃など、従来型とは異なるリスクに日々直面する時代に入った。国家間の紛争・戦争という従来型のリスクも同様に厳しい。

◎ 核のボタン握る2人のチキンゲーム
◎ 開戦か?術なく見守る周辺国
◎ 危機止めよ 歴史の進歩を期待する

 【トルコ国民投票】 トルコ国民投票は、エルドアン大統領が主張する憲法改正を僅差で承認した。大統領権限が強化され、エルドアン氏は2029年までの続投が可能になる。首相就任の2003年から数えれば30年近区権力の座を維持する。同大統領は近年、強権化を強めており、憲法改正で拍車がかかる。

 野党は投票に不正があったと批判している。近年のトルコの醸成を見る限り、政権が押し切る可能性が大きいが、新たな不安定要因を抱えた面もある。

 【重要ニュース】 トランプ米大統領がドル高への警戒を表明。市場を揺らしている。独ドルトムントでサッカー独1部リーグのドルトムントの選手が乗ったバス付近で爆発が発生。選手がケガをした。

◎今週の注目(2017年4月17-23日 &当面の注目)
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・仏大統領選の第1回投票が23日に行われる。決選投票は5月7日。ルペン大統領誕生となれば、欧州、世界への影響は甚大だ
・ペンス米副大統領が韓国、日本を訪問。北朝鮮問題、経済問題などを協議する。
・ジャカルタ知事選の決選投票が19日に行われる。結果はジョコ大統領の政治基盤に影響する可能性がある。
・G20の財務相・中銀総裁会議がワシントンで20-21日開かれる。

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2017年4月10日 (月)

◆米国のシリア攻撃が投げかけるもの 2017.4.9

 米国がシリアに対してミサイル攻撃を実施した。シリア政府の化学兵器使用疑惑に、何はともあれ行動することを選択。トランプ大統領は内外に「必要なら行動を取る」というメッセージを発した。ただ、シリア情勢の混迷は一段と拡大する可能性がある。

▼2日間の決断

 攻撃の前段になったのはシリア政府軍による4日の反体制派攻撃。北部の反体制派拠点を空爆した際に、科学兵器を使ったとの疑いが広がった。現地からは、呼吸困難に苦しみながら死を迎える子供らの様子が流れ、世界にショックを与えた。
 
 トランプ大統領がシリア攻撃に踏み切ったのはそのわずか2日後。地中海の駆逐艦から、シリア中部の軍事基地にミサイル59発を発射した。一部は軍事施設を破壊。米国によれば化学兵器の一部を使えなくしたという。

 トランプ大統領はシリアが化学兵器を使用したと断言して攻撃を命令した。ただし、強い疑惑があるとはいえ、シリア政府が化学政府を使った証拠が明らかになったわけではない。国連安保理の決議もなく、米国単独の攻撃だ。

 しかも、米政府高官によれば攻撃を継続する計画を今のところなく、単発にどろまる見通し。大統領の決断には、必要なら行動を取る」とのメッセージを送る示威行為的な側面もあるように見える。

 攻撃の先にシリア和平などのシナリオを描いた、計算ずくの行動とは到底思えない。

▼多くの疑問

 そもそも一連の動きには不明な点が多く残る。シリア政府が化学兵器使用に踏み切ったとすればなぜか。シリア内戦は昨年末に政権側が反体制派の拠点だったアレッポを奪回し、情勢は政権側に傾いている。そんな時に化学兵器を使って、国際社会を敵に回すのは通常考えたら利点がない。

 アサド大統領が米国など国際社会の出方を読み間違えたのか。それとも政権内に対立があるのか。政権側有利に傾いているという分析そのものが、言い過ぎなのか。不明な点は多い。

 米国が軍事的にシリア情勢をどう分析しているのか。「イスラム国」打倒優先の姿勢は、どこまで強いのか。化学兵器の問題がなければロシア主導の和平をかなりのところまで受け入れるつもりだったのか。疑問のオンパレードだ。

▼混迷

 シリア情勢を巡っては、米ロ接近の動きもあった。しかし今回の攻撃で少なくとも一時的な関係悪化が避けられないとの見方が多い。差し当たり利するのは「イスラム国」、などということにならないのか。

 イスラエル、イラン、サウジアラビア、トルコなど周辺国はどう動き、シリア情勢にどう絡んでくるのか。

 確実なのは、シリア情勢の混迷が当面再び増大しそうなこと。そして真相はなかなか明らかになってこないこと、などだろう。

 国連難民高等弁務官事務所によれば、シリアからの難民は2011年の内戦開始から2017年3月30日までに500万人を超えた。国難避難民は630万人と予想される。同国の人口は2000数百万人。内戦による死者は32万人を上回るとされる。

 内戦6年目の現実は重い。そして、子供の被害者の映像や、ミサイル攻撃でもなければ、シリアの悲劇が世界のニュースのヘッドラインにならなくなっているのも、厳しい現実だ。

◎ この地にも国があったか6年前
◎ 半数の民が流民を正視すべし
◎ シナリオがなくても攻撃、いつか見た?

2017.4.9

2017年14号(4.3-9 通算874号) 国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2017年4月3-9日
 

◆米国がシリア攻撃(6日)☆
・米国はシリアの軍事基地に対するミサイル攻撃を実施した。
・内戦で政府軍が化学兵器を使用したと断定。地中海の駆逐艦から59発を発射した。
・攻撃は事前にロシアに通知。中国の習近平主席と首脳会談中に実施した。
・欧州各国や日本は攻撃を支持。一方ロシアは強く反発している。
・シリア政府軍は4日、北部の反体制派支配地で空爆を実施。化学兵器使用の疑いがある。
・ただ米政府当局者によれば、現時点で追加攻撃の計画はない。
・トランプ大統領は、必要なら攻撃をためらわない姿勢を内外に見せつけた。
・ロシアとの関係悪化で、共同して「イスラム国」対応に当たる計画は当面難しくなる。
・シリア情勢は再び混迷と悪化のリスクを高めている。

◆米中首脳会談(6-7日)☆
・習近平中国主席が訪米。フロリダでトランプ大統領と初の首脳会談を行った。
・北朝鮮、シリア、経済などを協議した。会談は合計10数時間に及んだ。
・北朝鮮問題では、米国が単独攻撃も辞さないとの考えを示した模様。
・米国は会談中にシリアを攻撃。他地域でも武力行使辞さずとの姿勢を示したと見られる。
・経済では貿易不均衡是正の100日計画策定で一致した。
・ただ共同声明発表や共同会見はなく、具体的中身は少なかった。
・会談の最大の注目点は、両首脳がどんな関係を樹立したか。この点の見解はまちまちだ。

◆ロシアの地下鉄で爆破テロ(日)☆
・サンクトペテルブルクの地下鉄で爆発があり、乗客ら14人以上が死亡した。
・当局は自爆テロと断定した。実行犯はキルギス出身でロシア国籍を持つ男。
・テロはプーチン大統領がサンクトを訪問しているタイミングで起きた。
・ロシアでは2000年代、チェチェン独立派などイスラム過激派によるテロが続発した。
・2013年以降は主要都市でのテロを抑え込んでいたが、今回再発した。
・プーチン大統領は5日、どの国もテロの対象になり得ると述べ、強い危機感を示した。

◆北朝鮮が弾頭ミサイル発射(5日)☆
・北朝鮮は日本海に向けて弾道ミサイルを発射した。
・米中首脳会談をにらんだ牽制との見方が強い。
・同国は2016年に10回以上のミサイル発射を実施。2017年も3回実施している。
・米トランプ政権による北朝鮮攻撃もささやかれている。
・北朝鮮情勢はきな臭さを増している。

◆米上院、保守派の最高裁判事を承認、議会規則を変更して(7日)☆
・上院は最高裁判事に保守派のゴーサッチ氏を承認した。
・採決は54対45。従来は60議席を必要としていたが、議会規則を6日変更した。
・議会規則の変更は「核オプション」とも言われてきた策。与野党対立が激化しそうだ。
・最高裁判事のバランスは、保守派5、リベラル派4になった。
・最高裁判事は終身制で、その使命は米国の政策に長期にわたり影響を及ぼす。

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◎寸評:of the Week
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 【揺れる世界】 前週も世界が大きく動いたが、今週も負けず劣らずという感じだ。「注目のニュース5本」以外にも、エジプトのテロ(9日)、スウェーデンのテロ(7日)、ベネズエラのカラカスで反政府の大規模デモ(8日)、タイで新憲法がようやく公布(6日)など重要なニュースがあった。

◎今週の注目(2017年4月10-16日 &当面の注目)
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・トルコで憲法改正を問う国民投票が16日に行われ、結果が判明する。大統領権限の強化が柱。
・G7の外相会議が10日にイタリアで行われる。シリア情勢、北朝鮮問題などに関心。
・ティラーソン米国務長官が11日ロシアを訪問する。
・仏大統領選の第1回投票が23日に行われる。決選投票は5月7日。ルペン大統領誕生となれば、欧州、世界への影響は甚大だ。

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2017年4月 2日 (日)

2017年13号(3.27-4.2 通算873号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2017年3月27日-4月2日
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◆韓国、朴前大統領を逮捕(31日)☆
・検察は朴槿恵前大統領を逮捕した。サムスングループからの収賄などの容疑。
・大統領経験者の逮捕は1995年の盧泰愚、全斗煥氏に続き3人目。
・韓国国会は昨年12月大統領を弾劾。憲法裁は3月10日罷免を決定した。
・現職大統領は内乱罪などを除き逮捕されない特権があったが、罷免で消滅した。
・昨年10月に友人の国政関与などを巡るスキャンダルが発覚。
・友人のほか、サムスンの実質トップの李在鎔副会長などが逮捕された。
・5月の大統領選では、最大野党共に民主党の文在寅候補らが一層優位になる。
・一連の動きは、社会の分断、政財癒着など韓国の抱える問題を改めて炙り出した。

◆英国がEU離脱を通知(29日)☆
・メイ首相はEUに離脱を通知した。リスボン条約50条に基づく。
・通知により2年を期限とする離脱交渉が始動した。
・英国とEUは離脱協定と将来の英EU関係を定める協定などを協議する。
・交渉範囲は広範囲に渡り、難航は必至だ。
・英国内ではスコットランドが独立を目指す動きなども再燃している。
・EU加盟国の離脱は初めて。交渉の行方は、欧州の将来や世界秩序にも影響する。

◆米大統領が温暖化規制撤廃に署名、パリ協定空洞化懸念(28日)☆
・トランプ米大統領はオバマ前政権の地球温暖化対策を見直す大統領令に署名した。
・火力発電所へのCO2排出規制、シェールガス・オイルの採掘規制などを見直す。
・石炭産業などの支援につながる。具体策は180日以内に固める。
・米国はパリ協定で、2025年までに05年比で26-28%の排出削減を掲げた。
・オバマ政権の対策を見直せば目標達成は不可能になり、パリ協定の形骸化が進む。
・パリ協定は昨年11月に発効。産業革命前からの気温上昇を2度以内に抑える目標だ。

◆マレーシア、金正男氏の遺体を北朝鮮に返還(31日)☆
・マレーシアで暗殺された金正男氏の遺体が北朝鮮に引き渡された。
・両国政府が30日に共同声明を発表。翌日遺体が北京経由で北朝鮮に戻った。
・同時にマレーシア警察が捜査対象にした北朝鮮国籍の外交官らも帰国した。
・一方、北朝鮮で事実上身柄を拘束されていたマレーシアの外交官らも帰国した。
・金正恩北朝鮮委員長の義兄の金正男氏は、2月にKL国際空港で暗殺された。
・マレーシア政府は北朝鮮国籍者らによる犯罪と表明。外交官らを指名手配した。
・しかし北朝鮮が駐在マレーシア外交官らの出国を禁止。事実上人質にした。
・北朝鮮の強硬策にマレーシアが屈した格好で幕引きが演じられた。
・事件の真相究明は遠のいた。

◆ロシア80都市で反政府デモ(26日)☆
・モスクワなど80都市で反腐敗デモが行われた。
・野党指導者でブロガーのアレクセイ・ナワリニー氏がSNSで呼びかけた。
・若者らが参加。予想外の広がりを見せた。
・2011-12年の反政権運動以降では最大のデモ。プーチン政権に衝撃を与えた。
・組織立ったデモでなかったため、当局による事前規制も困難だった。
・プーチン政権への支持率はなお高く、政権基盤は強固との見方が強い。
・そうした中でも若者らの閉塞感が強いことを示した。

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 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │  (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない     
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◎寸評:of the Week
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 【トランプ大統領に揺れた第1四半期の世界】 2017年は早くも3か月を経過した。第1四半期の世界を振り返ると、「トランプ旋風」に尽きるだろう。TPPからの脱退表明、入国規制令、パレスチナ・イスラエルの2国家共存にこだわらない発言など、従来の常識を覆す大統領令や言動を連発。毎週のようにヘッドラインを提供した。世界最大・最強の国家は世界秩序の要というより、破壊者のようにふるまっている。この傾向はしばらく変わらないだろう。「第2次大戦後の世界秩序が変わっている」と実感する。
 この他には北朝鮮の金正男氏の暗殺、韓国朴槿恵大統領の罷免・逮捕、引き続き世界各地で頻発するテロなどが目に付いた。

 【重要ニュース】 世界が大きく動いた週だった。「今週の5本」以外にも、米大統領報道官がシリア内戦でアサド退陣に必ずしもこだわらないと発言(31日)。国連では核兵器禁止条約の会議が開かれ、NATO外相理事会にティラーソン米国務長官が初めて出席した。中東諸国首脳会議が開かれサウジアラビアとイランの関係修復の動きも見え隠れした。イラクのモスルで「イスラム国」空爆により多数の市民が巻き添えで死亡。独地方選ではメルケル与党勝利した。経済ではサムスンが火災事故の後初めてとなるスマホ旗艦機種の新シリーズを発売。スペースXが打ち上げたロケットの回収・再利用に成功した。

 【幕引き】 金正恩北朝鮮委員長の義兄・金正男氏がマレーシア・KL国際空港で暗殺された事件で、マレーシアと北朝鮮は共同声明を発表。マレーシアは金正男氏の遺体を北朝鮮に送還した。同国警察が容疑者として指定していた北朝鮮の外交官なども帰国した。事件後、マレーシアが一時強硬姿勢を見せたのに対し、北朝鮮は在平壌のマレーシア外交官らの出国を禁止。事実上人質にした。こうした脅しにマレーシアが屈したというのが大方の見方だ。
 北朝鮮が国際的な”常識”を超えた行動に出るのは、今回が初めてではない。典型は1983年のラングーン事件。現地を訪れていた韓国の閣僚数人を爆殺した事件だ。時のミャンマー軍事政権もさすがに怒り、断交した。しかし国際的には経済制裁などを受けただけで、武力的な懲罰などはなかった。
 国際情勢が陰謀や謀略に溢れ、秘密工作や暗殺、盗聴などが極秘裏に行われていることは世界の常識だ。しかし、主要国は一応「建前のルール」を守る。公然の暗殺は行わない、他国の主権は一応尊重するなどだ。これをしばし無視するのが、北朝鮮であり、「イスラム国」だ。
 事件はパワー・ポリティックスや国際的な約束事が通用しない国の存在を改めて認識させた。それにしても、後味が悪い。

◎暗殺はなかったことでお蔵入り
◎建前のルールも破るはぐれ者
◎不条理に一応のルールはあるのだが

◎今週の注目(2017年4月3-9日 &当面の注目)
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・習近平中国主席が米国を訪れトランプ大統領と6日首脳会談を行う。

・トルコで憲法改正を問う国民投票が16日に行われる。大統領権限の強化が柱。
・仏大統領選の第1回投票が23日に行われる。決選投票は5月7日。ルペン大統領誕生となれば、欧州、世界への影響は甚大だ。

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