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2016年7月

2016年7月25日 (月)

2016年30号(7.18-24 通算837号) 国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2016年7月18-24日
 

◆トルコ非常事態宣言、反体制派排除を拡大 ☆
・エルドアン大統領は20日非常事態を宣言。議会は21日承認した。
・15日の軍の一部によるクーデター未遂を受けた措置。期限は3か月。
・閣議で法律と同等の政令を発令できるようになる。
・大統領は事件に関わった者を一掃すると宣言。
・22日までに6万人以上の軍人、裁判官、教員などを拘束・解任した。
・政敵のギュレン運動系のテレビやラジオ局の免許取り消しも始めた。
・テロ対策を口実に、反政権派を一掃しているとの見方が強い。
・エルドアン政権の強権化に対し、米欧は警戒を強めている。
・市場も強権化を懸念し、トルコリラの価格は過去最安値を更新した。
・トルコ情勢は地域安保、対「イスラム国」、難民など多くの問題を揺さぶる。

◆ロシア陸上を五輪締め出し、他競技も可能性 ☆
・ロシア陸上がリオ五輪・パラリンピックへの参加を禁止される。他競技も微妙だ。
・世界反ドーピング機構(WADA)は17日、同国のドーピング問題の報告書を発表した。
・遅くとも2011年以降、国ぐるみでドーピングの不正を繰り返していたと報告。
・IOCと国際パラリンピック委員会に、全種目で同国のリオ大会出場禁止を勧告した。
・スポーツ仲裁裁判所は21日、国際陸連が6月に下した処分に関する判断を下した。
・陸連は同国選手の五輪出場禁止を決定。ロシアは潔白選手の出場を求め提訴していた。
・裁判所判断の結果、ロシアの陸上選手は五輪に参加できなくなる。
・IOCは24日理事会を開き、出場禁止の判断を競技ごとの国際連盟に委ねると決めた。
・各連盟は判断を急ぐが、五輪開催は8月5日に迫っている。
・一部競技では混乱が避けられない。

◆米共和党党大会、トランプ氏を大統領候補に指名(18-21日)☆
・米共和党は党大会を開き、トランプ氏を大統領候補に指名した。
・副大統領にはペンス・インディアナ州知事を選んだ。
・ブッシュ元大統領らは大会を欠席。共和党の分裂が浮き彫りになった。
・採択した政策綱領は、医療保険改革の撤回や銃所有の権利などを強調。
・トランプ氏は最終日の受諾演説で、グローバリズムより米国第一と強調した。
・TPPには署名しないと語った。イスラム教徒の移民禁止については、表現を弱めた。
・政治家や軍人の経験のない共和党大統領候補は初めて。
・異色の大統領候補は、米政治が曲がり角にあることを物語る。

◆独でテロ連続 ☆
・独南部ビュルツブルク付近を走行中の列車内で、少年がおのやナイフで乗客を襲撃。
・5人が重軽傷を負った。少年はアフガン難民だった。
・22日にはミュンヘンのショッピングセンターでイラン系の男が銃を乱射。
・9人が死亡した。男は自殺した。単独犯だったとみられる。
・仏やベルギーでイスラム過激派によるテロが相次いでいるが、独は少なかった。
・欧州で難民に対する警戒はさらに強まる可能性がある。

◆世界中でポケモンGOブーム (^^) ☆
・任天堂のポケモンGOが世界中で流行。社会的現象になっている。
・今月6日にリリースされてから、欧米や日本など30カ国以上でサービスを開始。
・米国では1日当たり2000万人以上が利用。利用者ランキングのトップに立っている。
・ポケモンGOはGPDや架空現実を利用したスマホのゲーム。
・運転中にゲームをする人がいるなど問題も出ている。

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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │ (日)騒いでいるのは日本だけ
 │ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない     
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◎寸評:of the Week
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 【トルコ強権化】トルコ情勢は「やはり」というか、エルドアン政権による反対派の弾圧拡大に進んでいる。エルドアン大統領は非常事態を宣言。ギュレン運動に賛同する軍人、裁判官、教師などを中心にすでに6万人を拘束・解職した。政府に批判的なメディアの弾圧も進め、死刑の復活をにおわす発言もしている
 トルコは欧州とアジアの間に位置し、中東のイスラム世界と欧米をつなぐ架け橋として重要な役割を占めてきた。人口7500万人あまりの地域大国。NATOの一員であり、対「イスラム国」でも重要な役割を果たす。さらに、シリアからの難民約250万人を抱え、欧州への難民流出の防波堤にもなっている。
 かつての重要案件だったEU加盟は、当面現実身のある問題ではなくなった。欧州や米国は、協力関係維持か、強権容認かという選択も迫られる。

◎ 「対テロだ」何でもありに 向く世界
◎ その昔 語ったセキュラー(世俗主義) 多様性
◎ ボスポラス欧州の距離遠ざかる
◎ 歴史都市イスタンブールに負の追記
◎ イスラムとの対話木戸から難しい

 【重要ニュース】 今週も重要ニュースが多かった。英国のメイ首相はドイツ、フランスを訪問。EU離脱の通知が年明けになると表明し、独仏首脳も容認した。ブラジルでは当局がテロを計画していた容疑で10人を逮捕した。アフガニスタンの首都カブールでは23日にまたもや爆発テロがあり80人が死亡した。ASEAN外相会議(ラオス)は24日、南シナ海問題で対中批判のベトナム、フィリピンなどと親中派のカンボジアが対立。共同声明なしで閉幕した。中国・成都で開催したG20財務相会議は、英国のEU離脱問題や世界経済減速などを協議した。

 

◎今週の注目(7月25-31日 &当面の注目)
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・米民主党大会が25-28日フィラデルフィアで党大会を開く。クリントン元国務長官を大統領候補に指名する。
・トルコのクーデター未遂の余波が続く。
・英国のEU離脱を巡る動きも色々ありそう。
・リオ五輪は8月5日開幕。ロシアの出場禁止、テロ対策など競技の他の話題も多い。

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2016年7月19日 (火)

◆トルコ・クーデター未遂の影響 2016.7.17

 トルコでクーデター未遂が発生した。軍の一部による動きは、1日あまりで鎮圧。その後政権は、兵士のみならず反体制派6000人余りを拘束した。エルドアン大統領はここ数年、強権的な姿勢を強化しているが、事件を機に一層強まる可能性がある。

▽1日で鎮圧

 クーデター未遂の真相はいまだ不明だが、軍の一部が政権に対し不満を持ち行動を起こしたのは間違いない。クーデター派はHPで、大統領の強権政治を批判した。

 クーデター派はイスタンブールとアンカラの主要地点を占拠し、国営放送を把握した。これに対しエルドアン大統領は、休暇先からスマホの動画を通じて国民にクーデターに対抗するように呼びかけ、大統領支持派がそれに従った。結果、クーデターの試みは短時間で失敗した。

▽反体制派を拘束

 事件後、大統領は兵士3000人余りに加え、反体制派の裁判官などを含め合計6000人を拘束。さらに事件の背景に、もともと大統領支持だったがその後決裂したイスラム運動の「ギュレン運動」があると主張し、米国に滞在する指導者ギュレン師の引き渡しを要求した。

 反体制メディアの閉鎖などにも動いている。事件を機に、大統領は基盤をさらに強化しようとしているように見える。

▽強権職
 
 エルドアン大統領は2003年に首相に就任。もともと強い指導力で経済成長を率いてきたが、ここ数年は強権的な姿勢を強めている。

 2013年にはイスタンブールの都市開発計画に端を発する反政府運動を武力で鎮圧(その結果、2020年の五輪誘致は失敗)。エルドアン支持から対立するようになったギュレン運動を批判し、反体制の政治家やメディアに弾圧を加えている。2014年に大統領に就任した。

 クルド労働者党に対しては対話路線から対決に転じ、2015年には戦闘が再開。大統領権限を強める憲法改正を目指し、元朋友のギュル元大統領らとも袂を分かった。今年5月には改憲に新潮だったダウトオール前首相を事実上解任した。

▽テロや難民の課題

 もちろん、エルドアン氏が強権的な姿勢を強めているのには事情もある。

 トルコ周辺ではシリア内戦が都築「イスラム国」(IS)が勢力を拡大。ISやクルド人過激派によるテロが頻発している。シリアからは大量の難民が流入し、その数は250万人を超える。

 こうした危機に対応するためには、強い指導力が欠かせない。

▽地域安定の要

 欧州や米国も、エルドアン氏の強権姿勢は批判しつつも、同氏の力に頼らざるを得ないのが現実だ。

 トルコは人口約7500万人の地域大国。NATO加盟国で兵力は50万人を超え、米欧を中心とした安全保障体制には欠かせない。エルドアン体制になってからイスラムの色彩が強まったとはいえ、周辺国に比べれば世俗主義・民主主義の伝統もある。対ISの空爆でも協力は欠かせない。

 欧州にとっては、難民問題でトルコとの協力関係は死活問題だ。欧州には昨年、シリアなどから120万人の難民が流れ込んだ。多くがトルコ経由だった。

 今年に入り、トルコに対する支援拡大と引き換えに難民管理の強化を求めることで合意。結果、流入数は減少している。エルドアン政権は、安全保障上からも難民問題の観点からも欠かせない状況だ。

▽究極のジレンマ

 エルドアン政権支持は、強権政治を黙認することにもなりかねない。しかし、中東の混乱や難民問題に対応するため、他の選択肢もなかなか見つからない。究極のジレンマともいうべき状況だ。それが世界の現実といえばそれまでだが、欧米が主導してきた民主主義の足元を揺るがす危機であるともいえる。

2016.7.17

2016年29号(7.11-17 通算836号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2016年7月11-17日
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◆国際仲裁裁判所、中国の南シナ海の主権否定(12日)☆
・国際仲裁裁は、南シナ海の領有権を巡り国際海洋法条約に基づく判断を下した。
・中国の主張する境界線「九段線」は根拠がないと認定した。
・同国が建設した人工島を島と認めず、排他的経済水域を主張できないとした。
・スカボロー礁で中国がフィリピン漁船を締め出したのは国際法違反と述べた。
・中国の主張を全面的に否定した内容だ。
・裁判はフィリピンが2013年に提訴した。
・中国は判決を受け入れないと表明。南沙諸島などの軍事施設建設を継続する姿勢。
・米国などは中国に判決を尊重するよう主張した。
・判決に強制力はない。ただし、膨張を続ける中国に対する国際世論の圧力になる。
・南シナ海問題で国際司法の判断は初めてで、歴史的な節目になる。

◆トルコでクーデター未遂(15日)☆
・トルコ軍の一部勢力がクーデターによる権力掌握を試みた。
・政府の治安部隊が16日までに鎮圧した。市民を含め260人が死亡した。
・クーデター派はホームページでエルドアン大統領の強権的政治を批判した。
・鎮圧後、政権は兵士のほか反体制派の裁判官ら6000人を拘束。
・イスラム運動「ギュレン運動」の関わりを主張し、米国に指導者引き渡しを求めた。
・背後関係など真相はなお不明だが、大統領は事件後、強権に拍車をかけている。
・同国では「イスラム国」(IS)やクルド人勢力過激派によるテロが相次いでいる。
・シリアからの難民は250万人を超え、中東や世界の安保で重要な地位にある。
・こうした中で大統領はここ数年強権色を強めている。

◆仏ニースで無差別テロ(14日)☆
・南仏ニースで海岸沿いの遊歩道にいた群衆にトラックが突っ込む無差別テロが発生。
・84人以上が死亡し50人以上が重体となった。
・犯人はチュニジア出身の男。単独犯の可能性が大きい。
・「イスラム国」系の通信社が犯行声明を出した。ただし真相は不明だ。
・仏では2015年1月にパリ新聞社テロ、11月にパリ同時テロで多数の死者を出した。
・治安当局は警戒を強めていたが、防止しきれなかった。
・オランド大統領は非常事態宣言の延長を表明した。
・世界各地で、「イスラム国」などの呼びかけに呼応するテロが発生。
・世界中が日常テロと直面することがが常態化している。

◆英首相にメイ氏就任、外相などにEU離脱派(13日)☆
・テリーザ・メイ氏が英国の新首相に就任した。
・外相には離脱派を率いたジョンソン元ロンドン市長を任命。
・EU離脱担当相や国際貿易相も離脱派を起用した。
・EU離脱の通知には時間をかける方針を改めて強調した。
・国民投票で割れた社会の融合や、貧富の格差是正も強調した。
・メイ政権下でのEU離脱交渉の行方は依然不透明だ。

◆南スーダンの混乱拡大 ☆
・南スーダンで大統領派と副大統領派の衝突が拡大。
・首都ジュバなどで戦闘が起き、数百人単位で死者が出た。
・市民が保護を求めて国連PKO施設に避難している。
・一連の戦闘で、国連PKOの中国人兵士2人が死亡した。
・同国は2011年にスーダンから独立。部族間の対立などから政情は不安定だ。
・動きを伝える国際報道も少なく、情報は限られている。
・PKOの中身(中国兵が多い)なども、国連HPを見ても公開情報は少ない。

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◎寸評:of the Week
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 【大ニュース連鎖】 大ニュースが続いた週だった。12日の国際仲裁裁判所の南シナ海問題判決(中国の主張を全面的に否定)、13日の英メイ首相就任、14日の仏ニースの無差別テロ、15日のトルコのクーデター未遂と、世界を震撼させる動きが連続した。普段だったら当然「週間5大ニュース」に入る中国4-6月のGDP(前年比6.7%、15日)、米大統領選共和党の副大統領候補にペンス・インディアナ州知事(15日)、ASEM首脳会議(15-16日)、欧州委員会がグーグルにネット広告で警告(14日)なども番外。日本ではこれに加え、参院選の結果衆参で改憲勢力が3分の2超(11日)、天皇の生前退位の意向表面化(13日)などがあった。

 【テロが常態化した世界】 世界各地でテロは頻発しているが、ニースの無差別テロはいくつかの点で新しく、ショッキングだった。まず、銃や爆弾を使用したテロではなく、トラックで人を轢くという手段。80人以上が死亡した規模。そして、治安当局からあまりマークされていなかった犯人による犯行であるという事実だ。
 仏では2015年1月のパリ新聞社襲撃、11月のパル同時テロに次いで1年半で3回目。警戒をお強めていたのにもかかわらず事件を防げなかった。しかし、トラックでのテロとなると予防にも限界があるのも事実だ。
 今回のテロも、「イスラム国」などの呼びかけに呼応して、個人が起こした可能性が強い。いわゆるhome grown型のテロだ。これが毎週のように、欧州各地、米国、バングラデシュなど世界各地で起きている。中東となると、テロの数は他の地域の比ではない。
 トラックによるテロまで加わったことで、「テロの日常化・常態化」はさらに鮮明になった。世界は「戦時」にあるいっても過言ではない。この現実から目をそらしては何も見えない。

◎ 世界中が戦場の世に生く定め知る
◎ 憎しみの拡散するをただ眺む
◎ 流血がここまで日常化この10年
 

◎今週の注目(7月18-24日 &当面の注目)
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・トルコのクーデター未遂の余波が続く。
・米共和党が18-21日、オハイオ州のクリーブランドで党大会を開く。トランプ氏を大統領候補に選出する。
・英国のメイ政権が本格的に動き出す。EU離脱をめぐる進展に注目。

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2016年7月10日 (日)

2016年28号(7.4-10 通算835号) 国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2016年7月4-10日
 

◆米国で警官銃撃相次ぐ、黒人射殺に抗議活動(5-8日)☆
・ルイジアナ州とミネソタ州で黒人が5-6日、警察に射殺された。
・映像がネットを通じて流れ、7日から全米で抗議活動が広がった。
・ダラスでは7日、警備をしていた警官に対し発砲事件があり、5人が死亡した。
・犯人は元陸軍予備役兵士の黒人。射殺事件に対する報復とみられる。
・その後7-8にはテネシー州とミズーリ州、ジョージア州でも警官銃撃が相次いだ。
・一連の事件を受けてオバマ大統領はスペイン訪問を中止して帰国を決めた。
・事件の背景には米社会に存在する人種差別の根深さがある。
・米社会の分断が改めて浮き彫りになった。

◆NATO首脳会議、対ロに新部隊(8-9日)☆
・NATOはワルシャワで首脳会議を開催した。
・ロシアへの抑止力強化のため、バルト3国とポーランドに4大隊を配置することを決めた。
・合計4000人規模で、米英独カナダが主導する。
・「イスラム国」掃討への支援拡大も改めて打ち出した。
・オバマ米大統領はEUのトゥスク大統領ら欧州首脳と会談。
・英国のEU離脱後の情勢が流動化する中で、米欧の結束を強調した。

◆英保守党党首選、女性2人の争いに(7日)☆
・キャメロン首相の後任を争う英保守党首選は、下院議員の投票で上位2人に絞り込んだ。
・メイ内相とレッドソム・エネルギー担当閣外相。一般党員の投票で9月9日までに決める。
・メイ氏は残留派、レッドソム氏は離脱派だった。いずれも女性。
・メイ氏はEU離脱交渉を時間をかけ進める姿勢。レッッドソム氏は早急な離脱通告を主張する。
・どちらが新党首・首相になっても、EU離脱交渉など難問を抱える。

◆クリントン氏のメール問題、追訴なし(6日)☆
・FBIのコミー長官は5日、クリントン氏のメール問題で司法省に追訴を求めないと表明した。
・リンチ司法長官は6日、追訴しないと発表した。問題の捜査は正式に終了した。
・問題は、同氏が国務長官時代に機密情報を含む公務に私用のメールを使ったというもの。
・大統領選の民主党候補となった同氏にとって、選挙の懸念材料になっていた。

◆豪総選挙、与党が過半数(8日)
・2日投票の豪総選挙は、与党・保守連合の過半数獲得が確実になった。
・野党・労働党は8日、事実上の敗北宣言を出した。
・ターンブル首相の続投がほぼ確実になった。

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 【人種差別に揺れる米社会】 米国でまた人種差別に根差した暴動が拡大した。5-6日にルイジアナ州とミネソタ州で白人警官に黒人が射殺され、いずれもSNSなどを通じ映像が流れた。特にミネソタ州の事件は、自動車に同乗していたガールフレンドが射殺をリアルタイムで発信。社会にショックを与えた。
 これを受けて全米で抗議活動が拡大。7日にはアトランタ、ダラス、NY、シカゴなどで大規模な活動が点火された。
 こうした中で、ダラスでは元陸軍予備役の兵士が警備にあたっていた警官を射撃。5人の警官が死亡し、警官7人と市民2人が負傷した。犯人は自動ロボットで運んだ爆薬で殺害された。
 警官に対する反発は事件によっても消えず、ミズーリ州やジョージア州、テネシー州で警官の襲銃撃が相次いだ。
 黒人は白人警察への不信感と憎しみが強まり、白人らからはダラスへの射殺事件への驚きと不信感が強まった。米社会の分裂と対立も一層際立った形だ。
 この種の事件は過去にも何度も起きている。最近では2014年のミズーリ州のファーガソンでの白人警官による黒人青年射殺事件などが有名。ファーガソンの名は人口に膾炙するものとなった。
 過去半世紀の間に、米社会の人種差別はずいぶん改善してきた。2008年にはオバマ大統領が誕生した。それでも、人々の心や生活に根差した差別は消えない。そして、何かのきっかけがあると今回のような問題が社会を揺るがすのが、米国の現状だ。

◎ 日々の無差別オバマを生むより難しい
◎ また点火、深層流の差別の根
◎ 「平等」が時に空しく響くなり

 
◎今週の注目(7月11-17日 &当面の注目)
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・南シナ海への中国の進出問題で、フィリピンが国際仲裁裁判所に訴えた裁判の判決が12日に出る。中国に不利な判断になる可能性が大きい。その後どんな動きが続くか。
・英国のEU離脱の余波が様々な方面に広がっている。いろいろな動きが予想される。

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2016年7月 3日 (日)

◆英EU離脱の余波 2016.7.3

 英国のEU離脱の余波が広がり、混乱が拡大している。

▽英国の亀裂

 英国内では残留派が「再国民投票」要求の署名を開始。短時間のうちに370万人分が集まった。「ロンドンの英国からの独立」など、非現実的な内容も含む主張も加わった。議論はパンドラの箱が放たれたかのような状況だ。ただし、キャメロン首相は再国民投票を否定している。

 スコットランドでは、独立の動きが再び表面化。民族党のスタージョン党首は英からの独立を問う住民投票の可能性に言及した。

 外交人に対する排他主義的な動きも目立ち始めている。国民投票を機に、英国社会の亀裂と分断は拡大した。

 EU離脱という重い事実を向き合う局面になり、その具体的な戦略がないことも判明した。離脱派が主張していた「EUへの出資を活用して福祉などへ」の主張は根拠を欠くものであることが判明。EUとの間で人の移動自由を制限したまま貿易だけは自由に、という都合のいい主張に対しては、EUが「いいとこ取りは許さない」との姿勢を明確にした。離脱の通告をいつできるかも不明だ。多くの分野で「先送り」が現実的な選択肢になっているのが現状だ。

▽時期リーダー選混乱

 キャメロン首相の後任となる保守党党首選には、残留派のメイ内相や離脱派のゴーブ司法相らが出馬した。離脱派のキャンペーンをリードしたジョンソン前ロンドン市長は不出馬を宣言した。新党首は9月初旬までに選ぶ予定で、今のところメイ氏が有利な情勢だ。

 しかし、メイ氏は残留派だった人物(ただし、EUに愛しては厳しい姿勢を取ってきた)。そもそも離脱を進めるべき政権を、残留派が率いることになるのはおかしい、との指摘は正論だ。

 格付け会社は英国国債の格付けを引き下げた。著名投資家のジョージ・ソロス氏は英ポンドが20%以上下落する可能性もあると指摘した。IMFなどは英国経済が打撃を被り、今後マイナス成長に陥るとの予測を出している。

 離脱決定から1週間。英国は大揺れである。

▽EU27

 EUは28-29日の首脳会議会議で、英国を除く27カ国で結束を固めていくと強調。英国に対しては、EU 統合市場への自由なアクセスを求めるならば人の自由移動などの減速を受け入れる必要があるとクギを刺した。

 また、英国に対し早く離脱通告を出すよう求めた。ただし、英国の政治状況でそれが難しいことも認識。現実的には、9月に英新政権ができるまでは離脱交渉は動かないと認識している。

 EUが警戒するのは。反EUの動きが勢いを得ること。そして英国に続く離脱の動きが表面化することだ。英国との交渉で「離脱にはコストがかかる」と示すことは、他国の安易なEU離脱運動を押さえるためにも必要だ。

 英国の離脱は、EUの求心力低下も露呈した。ユーロ危機は今のところ封じ込められているとはいえ、いつ再燃してもおかしくない。夏場になれば昨年い続き、難民問題が深刻になるのは確実だ。問題対応力が問われる。

 26日スペインの総選挙では、事前予想に反し反緊縮政策で人気を得てきたポデモスが伸び悩んだ。国民が英国の混乱をみて安定を求めたためと解説される。EUにとっては一息ついた格好だ。

▽遠心力

 金融市場では英ポンドやユーロ安が進む一方、株式も下落した。英離脱で世界の行方に不確実性が増し、経済にも悪影響が出るのは避けられそうもない。市場はそうした動きを反映した。
 
 この週、イラクやトルコ、バングラデシュでは相次ぎ大規模なテロが発生。「テロに揺れる世界」の実態を映し出した。世界に広がる格差や貧困、人々の不満の蓄積、難民などの問題は根深い。

 米国では大統領選の共和党候補となるトランプ氏が、英国のEU離脱を歓迎する声明を発表。移民の規制強化や排斥を主張し、一部(半数近く)の国民の支持を得ている。

 求心力より遠心力。英国のEU離脱決定後の欧州と世界は、それが際立つ。

2016.7.3

2016年27号(6.27-7.3 通算834号)国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2016年6月27日-7月3日
 

◆英EU離脱の混乱拡大。調整は長期化 ☆
・英国のEU離脱による混乱が続いている。
・EUは28-29日に首脳会談を開催。英なきEUの結束強化などを確認した。
・英離脱については正式な通告があるまで交渉しないと決定。事前交渉を否定した。
・英国内では再国民投票要求に370万が署名した。キャメロン首相は再投票を否定した。
・スコットランド民族党のスタージョン党首は英からの独立を問う住民投票の可能性に言及。
・英国社会の分断は各方面で深まっている。
・首相後継を選ぶ保守党党首選にはメイ内相らが出馬表明した。9月初旬までに選ぶ。
・離脱派の指導者だったジョンソン前ロンドン市長は出馬しなかった。
・離脱の具体的戦略は描けてなく、通告までには時間がかかりそうだ。
・市場の混乱は一服したが、格付け会社は英国債の格付けを引き下げた。
・混乱は長期化。落としどころは見えて来ない。

◆スペイン総選挙、反EU政党は足踏み(26日)☆
・やり直し総選挙が行われ、与党国民党(中道右派)が議席を伸ばし第1党を維持した。
・ラホイ首相は勝利宣言した。
・EUの緊縮財政反対のポデモス(急進左派)は第3党にとどまった。
・英国のEU離脱を契機に反EU政党の動向が注目されたが、勢いに弾みがつかなかった。
・有権者が英国の混乱を見て、政治の安定を求めた可能性がある。
・同国では昨年末の総選挙後、連立政権を組めない状況が続き、再度の選挙になった。

◆ダッカでテロ、日本人など外国人20人死亡(1日) ☆
・ダッカの大使館街で武装集団が飲食店に侵入。人質を取って立て籠もった。
・日本人やイタリア人など20人が殺害された。
・治安当局が2日突入。犯人を殺害・拘束した。
・「イスラム国」の支部を名乗る組織が犯行声明を出した。ただし真偽を疑う見方もある。
・犯人は人質にコーランの暗唱を求め、できない人を痛めつけたという。

◆イスタンブール空港でテロ(28日)☆
・国際空港で爆破テロが発生。41人が死亡、200人以上が負傷した。
・首相は「イスラム国」(IS)の関与との見方を示した。
・同国では2015年以降特にテロが増加。ISのほかクルド系過激派組織もテロに関わる。

◆フィリピン新大統領就任(30日)☆
・フィリピンのドゥテルテ大統領が就任した。
・就任後3か月以内の犯罪一掃を訴えた。死刑再度の復活などもっ耐えている。
・経済政策はアキノ前政権の方針を受け継ぐ姿勢を示している。
・外交ではアキノ政権から代わり中国との対話に意欲を見せている。

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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │ (日)騒いでいるのは日本だけ
 │ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない     
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◎寸評:of the Week
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 【欧州激震】 英国のEU離脱ショックの余波が広がっている。「国際ニュースを切る」参照。

 【バングラとトルコのテロ】 バングラデシュの首都ダッカで過激派がレストランを襲撃。人質を取って立て困った。日本人、イタリア人などが20人が犠牲になった。犯人はコーランの暗唱を求め、できなかった人を痛めつけた。

 「イスラム国」(IS)の地方組織を名乗る組織が犯行声明を出した(ただし否定する見方もあり真偽は不明)。

 数日前にはトルコのイスタンブール空港で爆破テロが発生し、41人が死亡した。ISの関与が疑われる。3日にはイラクのバグダッド爆弾テロがあり、78人が死亡した。ISが犯行声明を出した。

 世界ではこの種のテロが毎週のように発生する。ISなどイスラム過激派が直接実行する場合もあれば、過激派の影響を受けた自国民によるhomegrown terrorismのケースもある。それが世界の現実であることを、改めて認識する。

 【連鎖反応】 ロシアとトルコは1日ソチで外相会議を開き、2015年11月のトルコ軍医よるロシア軍機撃墜事件で悪化した関係の正常化に向け協議していくことで合意した。6月にトルコのエルドアン大統領がロシアのプーチン大統領に謝罪の手紙を送っていたことも明らかになった。

 トルコとイスラエルは27日、両国関係の正常化で合意した。両国関係は2010年にイスラエル軍がトルコの船団を攻撃したことで悪化した。

 国際情勢の変化を受け、外交関係は必要に応じ修正されていく。ロシア、トルコ、イスラエルとも外交的な孤立回避が目下の課題になっている。

 【重要な動き】 「今週のニュース」以外にも重要な動きは多かった。イラク軍は「イスラム国」からファルージャを奪回(26日)。フィリピンのドゥテルテ大統領が就任した(30日)。オーストリアの憲法裁判所は、5月に行われた大統領選の海氷手続きに問題があったとしてやり直し選挙を命じた(1日)。モンゴルの総選挙が行われ、最大野党モンゴル人民党が圧勝した。

 【第3の波】 米未来学者のアルビン・トフラー氏が死亡した。情報化社会の到来を予測した「第3の波」で有名。改めて読み返すと、予測は驚くほど当たっている。慧眼に改めて敬服する。
 現在の変化を農業革命、産業革命に続く第3の革命ととらえる。人類史的な視点からの見方は、時空を超えた考察を与えてくれる。

◎ 世の変化トフラーの予言追うがごと
◎ 人類史第3幕かと納得す
◎ 現実がSFを超える日々を生く

◎今週の注目(7月4-10日 &当面の注目)
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・英国EU離脱の余波はなお広がる。
・南シナ海への中国の進出問題で、フィリピンが国際仲裁裁判所に訴えた裁判の判決が12日に出る。中国に不利な判断になる可能性が大きい。その後どんな動きが続くか。

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