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2016年4月10日 (日)

◆世界を揺るがすパナマ文書 2016.4.10

 パナマの法律事務所から世界の政治指導者らの節税実体を示す文書が流出。国際社会を揺るがしている。

 ICIJ(The International Consotium of Investigative Journalists=国際調査報道ジャーナリスト連合、本部ワシントン)を通じて流れている資料は1000万件を超える。

▼世界各国首脳の名

 法律事務所のモサック・フォンセカには1万を超える金融機関などからペーパー・カンパニー設立などの依頼があり、パナマやバージン諸島など21カ国・地域に設立した21万社のパーパーカンパニーにお金が流れていた。ここで節税などのほか、マネーロンダリングなどが行われていた可能性がある。

 取引が明らかになった各国首脳には、アイスランドのグンロイグソン前首相(今回の事件で辞任)、英国のキャメロン首相、アルゼンチンのマリク大統領、パキスタンのシャリフ首相周辺、中国の習近平主席の親族、ロシアのプーチン大統領の友人などが上がっている。

 表面化下情報は氷山の一角。今後どんな情報が出て来るか、現時点では予想がつかない。

▼英国民投票に影響も

 これら政治主導者の取引が違法とは限らない。しかし、道義的責任や自らが進めている政策との矛盾を指摘する声が各地で湧き上がっている。

 キャメロン英首相の場合、亡父が資産運用しており、首相が就任前に売却した。しかし、その事実を表明するまでに数日間曖昧な姿勢を取った。

 首相は企業などによる「税逃れ」を批判し、その対策を進めようとしている。こうした情勢下の事件だけに、当然批判は強い。政治指導力に影響しそうだし、英国が6月に控えるEU離脱を巡る国民投票にも影響しかねない。

 予期せぬ情報の暴露が世界を揺さぶる事件としては、2010年のウィキリークスによるアフガン文書などの暴露、2013年のスノーデン事件などがある。これらは政府による機密文書の暴露が中心だった。今回は、個人や企業による隠されていた取引の暴露である。また、ICIJのジャーナリストにより、情報の信ぴょう性や公共の利益とのバランスなどが検討されている模様だ。

 影響は今のところ予想がつかない。

▼批判を呼ぶ土壌

 企業による税逃れなどを批判し、その対策を強めているのは英国だけでない。欧州諸国やEUがアップルやグーグル、フェイスブックに対する税制優遇の問題を指摘、納税を拡大する動きも出ている。米財務省はM&Aによる節税への規則を強化、その結果大手製薬ファイザーはアイルランドの大手、アラガンの買収を断念した。

 国内では国民への課税逃れ防止を強化し、税制再建策を強めている。政治指導者による課税逃れなどの動きは、国民の激しい反発を呼ぶ土壌にある。

 中国では習近平国家主席が綱紀粛正の運動を進めている。主席周辺のスキャンダルは、反発する勢力への追い風になりかねない。途上国では事件一つで政権が交代しかねない国が少なくない。

▼問われる正統性

 指導者への信頼性、モラル、政策の理念、国家の体制。世界の枠組みを支える正統性が、機密文書で崩されることは、歴史上にも珍しくない。目が離せない。

 パナマ発 正義の虚構 揺さぶられ
 一束の 紙が揺るがす 国・体制
 改革も 俺は例外 さもありなん

2016.4.10

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