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2015年10月

2015年10月19日 (月)

◆アフガン撤退の撤回―15年超える泥沼 2015.10.18

 オバマ米大統領がアフガニスタン撤退計画を修正、2016年末の撤退を撤回した。大統領が遺産(レガシー)として挙げてきた計画。その撤回に追い込まれたのは、同国情勢がいかに悪化しているかを映す。

▼治安悪化

 アフガンでは2014年末に米国を含むNATOの外国軍の戦闘部隊が撤退。その後米軍などはアフガン軍の訓練などを支援し、アフガン軍中心の治安維持体制を築く計画だった。

 しかし、計画通りに体制整備は進まず、夏以降治安が特に悪化している。反政府勢力タリバンが各地で勢力を伸ばし、9月末には北部の州都を一時占拠するなど、国全体の治安を揺るがしかねない情勢になっている。

▼アフガン政府は当事者能力欠く

 背景には、アフガン政府がまとまりと当事者能力を欠く事情がある。アフガン政府はカルザイ前大統領の時代から、民族などによる内部対立が続き、中央政府の統制が地方までに及ばない状況だった。政府の汚職体質も強く、国民の支持を集められない。

 こうした状況は2014年にガニ大統領の政権が成立しても変わらない。大統領選を争ったアブドラ元外相の勢力の対立はなお続く。

 加えて、タリバン内部の対立も指摘される。今年7月にオマル師の死亡(2年前)が公表され、後継となったマンスール師とオマル師の遺族などとの対立が伝えられる。このため、一時進展していたアフガン政府とタリバンの和平交渉も立ち消え状況とされる。アフガン情勢は再び泥沼に陥っている感じだ。

▼ソ連のアフガン侵攻を超える期間

 9.11直後のアフガン戦争からすでに15年が経過した。情勢は泥沼化し、事態改善の展望が開けない。

 ソ連のアフガン侵攻(1978年)から撤退(1989)までが12年。米国のベトナム介入は、フランスに代わり本格介入の時期(1954年)からサイゴン陥落(1975年)までなら21年だが、大規模軍事介入のきっかけとなったトンキン湾事件(1964年)から終戦までなら11年だ。アフガンの15年はそれより長い。

 事の重大さを改めて考えさせる数字である。

2015.10.18

2015年42号(10.12-18 通算797号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2015年10月12-18日
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◆米がアフガン撤退を撤回、2017年以降も駐留(15日) ☆
・オバマ大統領は、2016年末のアフガニスタン駐留米軍撤退計画を撤回した。
・同年末に軍の大半を撤退させる方針を見直し、9800人程度を維持する。
・大統領任期の切れる17年1月も5500人を残すとしている。
・米軍などは2014年末に戦闘部隊を撤退。16年の撤退をにらんでいた。
・しかしアフガン国軍の統治能力は弱く、治安が悪化していた。
・治安維持が外国軍の直接支援なしに難しい事が改めて顕わになった。
・オバマ大統領がレガシー(遺産)にするはずだったアフガン撤退は遠のいた。

◆ビール再編、首位が2位買収(13日)☆
・世界首位アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)が2位の英SABミラーを買収する。
・各国独禁法審査などを経て実現すれば、世界のビールのシェア30%となる。
・買収額は710億ポンド。食品では世界最大の買収となる。
・インベブはバドワイザーなどを、SABはミラーなどのブランドを持つ。
・低金利などを背景に、世界でM&Aが加速している。今回もそれを象徴する動き。

◆トルコ、政府への抗議拡大
・アンカラで10日に起きた自爆テロの余波が広がっている。
・事件の背景などはなお不明。そうした中、政府の対応への抗議が拡大している。
・政府はこうした動きを警戒。12日には、今後捜査内容を公表しないと表明した。
・SNSを規制する動きも見られる。マスメディアは自主規制が目立つ。
・同国では11月1日に総選挙を控える。
・イスラム色を強めるエルドアン大統領与党のAKPと野党、クルド系政党などが争う。

◆米民主党討論会、クリントン氏存在感、議論は低調(13日)
・米民主党の大統領候補者による討論がラスベガスで開催した。
・クリントン元国務長官、サンダース上院議員、オマリー前メリーランド州知事らが参加。
・クリントン氏が存在感を示したが、議論は全体的に低調だった。
・民主党の指名争いは本命クリントンで推移しているが、盛り上がりは欠く状況。

◆台湾の与党国民党、総統選候補差し替え(17日)
・与党・国民党は来年1月の総統選の候補に、朱立倫党首を指名した。
・同党は7月、洪秀柱立法院副院長を候補に指名したが、差し替えた。
・洪氏は中国との統一を連想させるような発言を繰り返し、支持は低迷。
・世論調査では野党・民進党の蔡英文主席が大幅リードしている。
・蔡氏は対中関係については「現状維持」の立場。
・同氏は1つの中国の原則を認める92年コンセンサスは認めていない。

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◎世界を眺める視点
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◆アフガニスタン撤退の撤回――すでに15年の泥沼

 オバマ米大統領がアフガニスタン撤退計画を修正、2016年末の撤退を撤回した。大統領が遺産(レガシー)として挙げてきた計画。その撤回に追い込まれたのは、同国情勢がいかに悪化しているかを映す。

◎今週の注目(2015.10.19-25)&当面の注目
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・エジプトの総選挙が10月18日からと11月22日からの2回に分けて行われる。シシ大統領の政権の認めた政党だけによる戦況で、ムスリム同胞団は立候補が認められない。同国の議会は、2013年夏の軍によるクーデター以来不在だった。政権葉「民主化の総仕上げ」と言うが、ムスリム同胞団支持派などは当然反発している。
・シリア情勢、トルコのテロのその後の動き、欧州の難民問題は引き続き重要。

・日中韓首脳会談が11月初旬にもソウルで開かれる。日韓首脳会議も3年半ぶりに実現する見込み。
・トルコのやり直し総選挙が11月1日に行われる。
・ミャンマー総選挙は11月8日投票の予定。
・11月中旬にG20首脳会議がトルコで開催される。
・12月にスペインの総選挙。

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2015年10月12日 (月)

◆TPP合意の意味  2015.10.11

 日米やカナダ、豪州など12か国が参加するTPPが合意に達した。モノの関税のみならず、サービス、電子商取引、知財、環境など31分野をカバーする大型の多国間協定で、21世紀型のルールとの期待もある。その意味と影響は大きい。

▼5年半越しの合意

 TPPの交渉が始まったのは2010年。米豪など8カ国による協議だった。その後日本などが加わり12か国に拡大(米国、カナダ、メキシコ、チリ、ペルー、日本、マレーシア、シンガポール、ブルネイ、ベトナム、豪州、ニュージーランド)。

 今回のアトランタでの閣僚会議は、新薬データの保護期間を巡る米豪の対立などがギリギリまで続いたが、期限を2度延長した結果ようやく合意にこぎ着けた。

▼中国を意識

 今回合意できたのは、米国がこれまで以上に取りまとめに前向きだったことが大きい。背景には、政権の遺産を残したい米オバマ政権の思惑がある。しかし、それ以上に重要なのは、中国の経済成長と国際社会における影響力の拡大だ。

 国際的な経済体制やルール作りはこれまで米国主導で動きてきた。しかし、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立に象徴されるように、中国はこの分野でも影響力を増している。米国としては、新時代の貿易や投資のルール作りの主導権を中国に譲るわけにはいかない。

 そうした事情もあり、協定は法による支配、透明性だけでなく、民主主義や基本的人権などの普遍的価値共有などを書き込んだ。その辺にも、米国の戦略が出ている(ただし、下記のような事情で合意文書の全文は公開されないため、部妙な表現のニュアンスは不明なところがある)。

▼画期的

 英ガーディアンは今回の合意を画期的(landmark)と報じた。そうした報道に表れるように、TPPには大きな意味がある。合意がカバーするのは物の関税引き下げだけでなく、サービス、投資保護、地財、電子商取引、環境、国営企業の規律、政府調達、電気通信など新しい分野に及ぶ。WTO交渉がまとめようとして失敗した領域だ。

 WTO交渉の不調を見て、世界では2000年ごろからFTA(自由貿易協定)が増えている。しかしFTAは2国間あるいは少数の国の間の取り決めにとどまり、多国間のルールになっていない。

 その点TPPは、モノの貿易を越えた分野をカバーしているのみならず、多国間の協定だ。そうした点で、21世紀のルールになる要件を備えている。

 TPPの意義を説明するときに、バリュー・チェインという言葉もよく出て来る。グローバル経済の下では、モノやサービスは国境を越えて動き、その輪が円滑につながっていないと機能しない。それを支えるルールは、多国間の協定であるのが望ましい。ここにも、時代のニーズがある。

▼他の協定に波及も

 世界には200以上のFTAが結ばれている。また、多数の2国・地域間や多国間の交渉中だ。日本を例に取れば、日中韓自由貿易協定や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)などの交渉を始めている。TPPがこうした協定の雛型になる可能性も十分にある。

▼批准は不透明

 ただし、TPPがすんなりと発効するかどうかは不透明。発効には域内GDPの85%以上で、かつ6か国以上の批准が必要。実際には日米を含む6か国の批准が求められる。

 米国ではオバマ政権与党の民主党内に反対が多く、次期大統領有力候補のクリントン元国務長官も閣僚時代の賛成から「現時点では」としながら反対に転じた。野党共和党は比較的自由貿易に前向きとされるが、今回の合意には譲歩し過ぎとの批判もある。批准の見通しは現時点では見えない。

 国内の抵抗が大きいのは他の国でも同じ。政治指導者には、そうした国内調整を乗り越える力量が求められる。

▼透明性は不十分

 そうした国内抵抗への配慮もあってか、TPP交渉は原則非公開の下で進められた。今回の合意文書も、向こう4年間は公表されない。

 このため、新ルールの詳細は不明なところが残る。上記のように、「民主主義」など原則の位置づけも完全にははっきりしない。

 日本では官邸HPも含め「大筋合意」となっているが、英語の発表はagreeed, final agreementなどが多い。この辺も分かりにくい。

2015.10.11

2015年41号(10.5-11 通算796号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2015年10月5-11日
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◆TPP合意(5日)☆
・日米など12か国はTPP(環太平洋経済連携協定)で合意に達した。
・関税のほかサービス、知財、金融、電子商取引、環境など31分野をカバー。
・人口約8億人、世界のGDPの4割弱を占める自由貿易圏の枠組みを作る。
・WTOに代わる新たな多国間自由貿易のルールの雛型になる可能性がある。
・日米などは21世紀型のルールと強調している。
・日米などが批准をすれば発効する仕組みで、当面は米議会の批准が焦点だ。
・英ガーディアンはlandmark pact(画期的な協定)と表現。世界の注目も大きい。

◆ロシアがシリア攻撃強化、巡航ミサイルも発射 ☆
・ロシアがシリアへの軍事介入を強化している。
・9月末からの空爆に加え、7日にはカスピ海から巡航ミサイルの攻撃を始めた。
・対「イスラム国」に加え、反アサド政権勢力への攻撃も繰り返している模様だ。
・一方米国は反アサド政権勢力への支援を縮小している。
・シリア情勢への対応はロシアに主導権が完全に移っている格好だ。

◆トルコ首都で連続テロ(10日)☆
・アンカラ中心で連続爆破テロがあり、90人以上が死亡した。
・政府とクルド系反政府武装組織PKKの戦闘再開に抗議する集会が開かれていた。
・自爆テロとみられるが、背景は不明。
・トルコ政府は、「イスラム国」を含むテロの可能性があると述べた。
・同国政府は8月、イスラム国への空爆を始める一方、PKKとの戦闘を強化している。
・11月1日には出直し選挙の日程が組まれている。
・同国はシリアからの難民流入、イスラム国など難問と直面している。

◆チュニジア団体にノーベル平和賞、中国は自然科学で初(9、5日)☆
・2015年のノーベル平和賞がチュニジアの民主化組織に決まった。
・労働組合、人権擁護連盟、弁護士会など4組織からなる連合体。
・2011年のジャスミン革命後、イスラム勢力と世俗派の間の対話を促した。
・その結果、14年までに新憲法制定、議会選、大統領選を実現。
・2015年2月に両勢力が参加する形で新政府が発足した。
・アラブの春を経験した各国は混乱が続くが、チュニジアだけは民主化に向けて動いている。
・授賞には、民主化を後押しする狙いがある。各国首脳も歓迎のコメントを発した。
・ただし、経済再建の遅れやテロなど問題も抱えている。
・一方医学・生理学賞は熱帯病治療の中国の屠氏、日本の大村氏らに決定。
・中国人が自然科学系の賞を受賞するのは初めて。

◆FIFA、会長の活動禁止、実質解任(8日) ☆
・FIFAの倫理委員会はブラッター会長を90日間の活動禁止処分とした。
・会長は背任などの容疑でスイス検察当局の捜査を受けている。
・同会長は2016年2月の任期までは職にとどまる意向だが、事実上解任された形だ。
・欧州サッカー連盟のプラティニ会長も活動禁止とした。
・同氏の次期会長選立候補は難しくなった。
・FIFAスキャンダルは、来年の会長選をにらんで揺れている。

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◎寸評:of the Week
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 【TPP】 TPPが合意した。その意味合いは大きいが、不透明な部分もなお多い。
 
 【シリア情勢:影響各方面に】 シリア情勢は、ロシアが空爆を強化。カスピ海からの巡航ミサイル攻撃を開始し、事実上の地上部隊派遣もささやかれる。空爆は対「イスラム国」だけでなく、反体制(アサド政権)派にも向けられている。反体制への支援縮小に動く米国に代わり、主導権を握りつつある。
 ロシアの攻勢を可能にしている要因の一つは、欧州の難民問題。シリアからの難民流出に悩む欧州は、アサド政権打倒を後退させてでも対「イスラム国」打倒とシリアの安定を優先させる方向に傾いている。米国もアサド政権退陣を「直ちに」から妥協し始めた。
 トルコでは同国史上最悪と言われるテロは発生。「イスラム国」関係者による自爆テロとの見方もある。
 シリア、「イスラム国」の影響は各方面に、予想もしない形で及んでいる。

◎今週の注目(2015.10.12-18)&当面の注目
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・シリア情勢、トルコのテロのその後の動きなどは目を離せない。
・欧州の難民問題も引き続き重要。

・日中韓首脳会談が10月中にも開催される予定。
・トルコのやり直し総選挙が11月1日に行われる。
・ミャンマー総選挙は11月8日投票の予定。
・11月中旬にG20首脳会議がトルコで開催される。
・12月にスペインの総選挙。

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2015年10月 4日 (日)

2015年40号(9.28-10.4 通算795号) 国際ニュース・カウントダウン

 
◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2015年9月28日-10月4日
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◆ロシアがシリアで空爆開始、イスラム国以外も対象か(30日) ☆
・ロシアは30日、シリア領内で空爆を開始した。1日以降も継続した。
・同国政府の要請を受けたもので、「イスラム国」(IS)対象と説明している。
・プーチン大統領は28日のオバマ米大統領との会談で、空爆を通知した。
・空爆の前にも通告。上空での不測の事態などを避ける措置を取った。
・しかし実際の空爆はISの拠点外の地域で、反体制派対象に行われた可能性がある。
・米国はロシアの対応を批判。ロシアはIS対象と主張し、対立する。
・反体制派はアサド政権打倒を目指し、米国などが支援している。
・ロシアから逃れたチェチェンの過激派なども合流していると伝えられる。
・シリア情勢はロシアの空爆開始という新しい動きも加わり、複雑さを増している。

◆アフガンでタリバンが攻勢、米軍は病院に誤爆(28日)☆
・アフガニスタンでタリバンが攻勢。北部クンドゥズ州都を襲撃し28日に掌握した。
・タリバン指導者のマンスール師は賞賛する声明を発表した。
・米軍中心のNATO軍が29日空爆を開始。市中心部を奪回した。
・NATOは昨年末アフガンでの戦闘任務を終了していたが、再開した格好。
・オマル師後任のマンスール師は一時和平に前向きとも見られたが、和平気分は沈んだ。
・治安維持には国際部隊展開の再開が必要との声も出ている。
・米軍は3日未明の攻撃で国境なき医師団の病院を誤爆。医師ら十数人が死亡した。
・アフガンのみならず、国際世論の批判も強まっている。

◆カタルーニャ選挙、独立派が勝利(27日実施)☆
・カタルーニャ州議会選が実施。スペインからの独立を主張する勢力が過半数を獲得した。
・マス州首相は18カ月以内に独立宣言すると公約していた。
・一方、ラホイ政権は独立を認めない方針を改めて強調した。
・英キャメロン首相は、独立してもEU加盟の資格はないと述べ、独立をけん制した。
・欧州では地域が国から分離・独立を求める動きが多数あり、カタルーニャは代表例の1つ。
・スペイン憲法には分離独立の規程はない。EUの規程も地域の分離を想定していない。
・今後の展開は不透明。当面は12月のスペイン総選挙が節目になる。

◆国連総会、シリアや難民巡り議論
・国連総会で各国首脳の演説が行われた。シリア情勢などに焦点が当たった。
・オバマ米大統領は28日の演説でアサド政権退陣を改めて要求。
・ロシアのプーチン大統領は「イスラム国」(IS)掃討に向けた新たな枠組みを主張した。
・米ロ首脳は28日会談。プーチン氏はシリア内のIS空爆を通知した。
・習近平中国主席は、国際秩序を主導する正統性をアピールした。
・ウクライナ問題、欧州への難民問題なども共通のテーマになった。

◆ドイツ統一25年(3日)
・東西ドイツの統一から25年が経過した。
・実質東ドイツ吸収の財政負担→経済成長力低下を経て、2000年代に改革を実行。
・現在の経済は好調で、失業率は史上最低レベルに低下した。
・EU内での存在感は一段と拡大。ギリシャ危機や難民問題対応も独の動向が左右する。
・フォルクスワーゲンの不正が象徴する信頼への疑問など、新たな課題も投げかけられている。

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◎寸評:of the Week
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 【シリア情勢と国際政治】 シリアを取り巻く情勢が動いた。ロシアがシリア領内で空爆を開始。表向き「イスラム国」攻撃が目的と言いながら、同時に反アサド政権勢力を攻撃した疑いが強まっている。ロシアにはアサド政権支援のほかに、反体制派に合流しているチェチェン過激派を掃討する狙いがある、との指摘がある。
 イスラム国には、米国が主導する有志連合が空爆を重ねてきたほか、フランスも空爆を開始した。28日の米ロ首脳会談でプーチン・ロシア大統領がイスラム国空爆を伝えた時、オバマ米大統領は反対せず、黙認したと受け止められた。仮に反アサド政権空爆が事実なら、裏をかかれた格好だ。
 欧米ロなど関係各国位は、シリア情勢について当面、イスラム国掃討を最優先することで一致する。しかし、物事は単純ではない。アサド政権については、打倒を掲げる欧米に対し、ロシアは同政権支援。欧米内でもアサド政権打倒にどこまで重きを置くかについては、意見が割れる。
 昨年来の欧米とロシアの対立も影響する。ウクライナ情勢を巡り、欧米は対ロ制裁を続けるまま。ロシアにとってシリア情勢は、ウクライナ問題の取引材料にもなり得る。丁々発止の国際パワーゲームが演じられている。
 難民流出などの新たな外生変数も加わってくる。中東情勢は常に複雑だが、シリア情勢を巡る動向は目下特に動きが激しい。

 【TPP】 米アトランタで開催中のTPP閣僚会議は、期限を2回にわたり延長して交渉を続けている。今回大筋合意に至らなければ、それこそ漂流するリスクも高まる。それは国際通商秩序や経済の行方にも影響する。

◎今週の注目(2015.10.5-11)&当面の注目
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・TPP閣僚会議が米アトランタで実施中。2度の期間延長を経て好調が続いている。
・欧州の難民問題は引き続き世界の重大関心事。
・ノーベル賞各賞の発表が相次ぎ行われる。

・北朝鮮労働党の創設70周年が10月10日。それをにらんで動きがありそう。
・日中韓首脳会談が10月中にも開催される予定。
・トルコのやり直し総選挙が11月1日に行われる。
・ミャンマー総選挙は11月8日投票の予定。
・11月中旬にG20首脳会議がトルコで開催される。
・12月にスペインの総選挙。

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