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2015年4月

2015年4月26日 (日)

◇世界の関心と国際世論 2015年17号(4.20-26)


・欧州への不法難民問題に世界の関心が集まった。地中海での転覆事故、イタリア海岸やギリシャ・ロドス島に押し寄せる難民搭載船などの映像が世界に流れ、事故の生々しい画像も映し出された。EUは緊急の首脳会議を開いた。

・米NYタイムズは20日の社説(電子版)で、「移民問題への欧州の責任」と題し、締め出しの強化だけではさらなる犠牲が出ると指摘。WSJアジア版は21日社説(同)で「EUは難民危機対策を」と強調した。英Financial Timesは22日社説(同)で「EU首脳会議は難民流出に強固な政策を打ち出さなければならない」と主張した。いずれも、政治家の強いリーダーシップを求める内容だ。

・WSJアジア版は21日付のトップ記事で、習近平中国国家主席のパキスタン訪問を取り上げ、シルクロード構想などを報じた。バンドン会議60周年首脳会議の報道も加え、欧米のメディアは中国の影響力拡大と新国際秩序作りに向けた動きを、様々な角度から伝えた。

・米NYタイムズは20日(電子版)、"Shinzo Abe and Japan's History"という社説を掲載。安倍首相の米国訪問と米議会での演説に触れ、アジアの地域安定という観点から歴史問題を重視している。その上で、某米の成功は安倍首相がどれだけ歴史を受け入れるかにかかっていると指摘している。

2015.4.26

2015年17号(4.20-26 通算772号)  国際ニュース・カウントダウン

 

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2015年4月20-26日
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◆EUが難民対策、監視強化に財源3倍(23日)☆
・地中海での難民密航や事故の急増を受けて、EUは緊急首脳会議を開催した。
・監視や救助強化のために財源を3倍とすることで合意した。
・密航船ビジネス防止のために、事前に把握・破壊も検討する。
・当面は不法難民の流入阻止を前面に出した。
・EUへの難民流入は中東・北アフリカ情勢悪化を受けて急増。
・19日にはリビア沖で密航船が転覆し、推計800人以上が死亡した。
・ただ、規制強化だけで解決する訳ではなく、問題の根は深い。

◆バンドン会議、中国が存在感(22-23日)☆
・アジア・アフリカ会議60周年の記念首脳会議がインドネシアで開催した。
・新興国の連携や国連改革を求める声明を採択した。
・中国の習近平主席は、経済発展の支援を強調し存在感を示した。
・アジアインフラ投資銀やシルクロード構想を強調した。
・習主席は会議に先立ちパキスタンを訪問。水力発電建設協力を表明した。
・日本の安倍首相と習主席は首脳会談を5カ月ぶりに開催した。

◆ネパールで地震、死者2000人超(25日)☆
・ネパール中部でM7.8の地震が発生。多大な被害が出た。
・首都カトマンズでは多数の建物が崩壊。エベレストでは雪崩が発生した。
・死者数は26日までに2000人を超えた。
・同国政府に加え、各国からも救助隊が入り被害者救済などに当たっている。
・同国はインド亜大陸を載せたプレートが沈み込む地震多発地帯。

◆サウジがイエメンの空爆終了宣言、一部継続も(21日)
・サウジアラビアなどがイエメンへの空爆作戦の終了を宣言した。
・空爆はシーア派武装組織「フーシ」に対し、3月末から行っていた。
・今後は政治的交渉を進める意向とみられる。
・ただし、終了宣言後も一部では空爆を再開。情勢の行方は不透明だ。
・イエメンではフーシが勢力を拡大し首都サヌアを制圧。各勢力の争いが続く。

◆ギリシャ問題の支援再開見送り、深刻度増す(24日)
・ユーロ圏財務相会議はギリシャへの支援再開を見送った。
・ギリシャは会議に使う資料も提出せず、協議は進まなかった。
・市場ではギリシャ国債の利回りが上昇。デフォルト懸念も強まっている。

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◎寸評:of the Week
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 【難民問題】 欧州の難民問題が俄然、脚光が当たった。前週の地中海での難民船沈没事故がきっかけ。問題の深刻さを印象付ける映像が世界に流れ、EUは臨時首脳会議を開催して対応を協議した。会議は、犠牲者の霊を慰める祈りや言葉から始まった。
 合意したのは対策費の3倍増、監視の強化、不正な難民運搬ビジネスの取り締まりなど。中東や北アフリカの紛争に巻き込まれた人々を救済するより、不法な難民流入を阻止する姿勢の方が前面に出る。
 EU各国とも国内では反移民・難民を主張する政党が力を得ている。政治リーダーも当然、そうした声を無視できない。問題の難しさを改めて見せつける。

 【株高】 米ナスダックが23日、15年ぶり(200年3月のITバブル期以来)の高値を更新した。グーグル、マイクロソフトなどITハイテク銘柄が上昇した。特にスマホやSNSが株高の牽引になっている。

 【各地の動き】 韓国の李完九首相が20日朴槿恵大統領に辞意を表明した。不正資金疑惑が理由。首相は2月に就任したばかりで、朴政権の打撃は必至だ。フィンランドの総選挙が19日行われ、中道の野党・中央等が第1党になった。4年ぶりの政権交代は確実。シピラ中央党首が首相に就任する見込み。

◎今週の注目(2015.4.27-5.3)&当面の注目
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・日本の安倍首相が訪米。29日に米議会の上下両院合同会議で演説する。注目されるのが第2次大戦の位置づけなど巡る歴史問題。反省や謝罪の言葉が入るかなどに注目が集まる。東アジアでは中国の勢力が拡大するなど構造が変化。日米同盟のあり方も変わろうとしている。歴史認識は新しい枠組み構築をも左右する問題として、米国は注目する。

・ギリシャ問題、欧州の難民問題、イエメンなど中東情勢は引き続き注意。

・英総選挙が5月7日。

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2015年4月19日 (日)

◇世界の関心と国際世論 2015年16号(4.13-19)

・欧州委員会がグーグルの検索サービスに対し異議通知書を送付した。数カ月内に判断が下る見通し。この問題はネットサービスのあり方やIT産業の行方にもかかわるだけに、欧州や米国の関心は大きい。

・英Financial Timesは4月15日付けの朝刊で欧州委員会の発表を事前にスクープ。同日の電子版(16日の紙面)では社説で、欧州委員会が調査を進めることを支持する立場を明らかにした。ただし、調査の結果どのような判断を下すのが適切かとなると難しい。規制が行き過ぎれば、技術革新を阻害することになりかねないためだ。

・地中海を渡って欧州を目指す難民が増加。海難事故も目立つ。14日にはリビア沖の事故で400人が溺死する事故が発生。19日には700人が不明になった。

・英FT紙は1回目の事故を受けて、15日(電子版)に、「難民船を巡る欧州の恥」という社説を掲載。無策を批判し、救済策を早急に講じるよう求めた。そうした中で、2度目の災害が起きた。

2015.4.19

2015年16号(4.13-19 通算771号) 国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2015年4月13-19日
 

◆欧州委員会がグーグルに通知書、競争法違反の疑い(15日) ☆
・欧州委員会は米グーグルに異議通知書を送付した。
・同社の検索サービスがEU競争法に違反する疑いがあるとの内容。
・グーグルの反論などを経て最終判断をする。数カ月かかる見込み。
・結果次第では、グーグルの欧州のビジネスに大きな影響を与える。
・欧州委はグーグルの独占的地位を警戒。5年前から調査をしてきた。

◆AIIBメンバー決定、G20は改革に米批准促す(15、17日)☆
・アジアインフラ投資銀の創設メンバーが15日確定した。中国財務省が発表した。
・メンバーは57カ国。欧州から英独仏など20か国が参加する。日米は不参加。
・日米主導のアジア開発銀(ADB)の67カ国に迫る規模となる。
・G20はワシントンで財務相・中銀総裁会議を開催した。
・新興国の発言力を拡大するIMF改革実現のため、米議会の批准を促した。
・中国主導のAIIBは米中心の既存の国際金融秩序にくさびを打ち込もうとしている。

◆ギリシャ問題懸念が再燃、S&Pが格下げ(15日)☆
・EUとギリシャの資金支援交渉が難航。目標の4月末までの合意が難しい情勢になった。
・同国デフォルトの懸念が再燃。国債の利回りは上昇した。
・S&Pはギリシャ国債の格付けを切り下げた。
・チプラス政権は経済改革に後ろ向きな姿勢を変えず、主張の一貫性を欠く状態。

◆イタリア沖で難民船が転覆(19日)
・地中海リビア沖で中東からの多数の難民を乗せた船(漁船)が転覆。
・乗船していた約700人の大半が行方不明になった。溺死した恐れがある。
・中東・北アフリカからイタリアに向かっていたとみられる。
・中東・北アフリカ混乱で、同地域から欧州に向かう難民が近年急増。
・14日にはリビアからの難民400人が溺死した。
・2014年にイタリアに到達した難民は14万人を数える。
・2015年はすでに3万人以上が到達。4月中旬には1週間で1万人を救助した。
・難民拡大は欧州にとって重い問題になっている。

◆米大統領がキューバテロ支援国家指定解除(14日)
・オバマ大統領は、キューバに対するテロ支援国家指定解除を議会に通告した。
・議会の反対決議がなければ45日後に解除される。反対の可能性は小さい。
・解除後、キューバに対する経済制裁なども緩和される。

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◎寸評:of the Week
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 【EUvsグーグル】 欧州委員会がグーグルの検索サービスがEU競争法に抵触する可能性があるとして、通知書を送った。今後グーグル側の反論などの段取りを経て、数か月後にも最終判断を出す予定だ。判断次第では、グーグルの欧州戦略・世界戦略に影響を与えかねない。
 EUは数年前からグーグルの活動を警戒してきた。公正な競争の維持はもちろん、背後には欧州のICT市場でグーグルなど米企業が支配的になっていくことに対する警戒もあると指摘される。
 昨年は欧州司法裁判所が、グーグルに対し特定の個人情報の掲載を削除すべきだとの判断(いわゆる「忘れられる権利」を認めるべきだとの判断)を下し、グーグルの事業に影響を与えた。
 情報通信分野では、競争当局の規制が大手企業のあり方や事業を大きく変えてきた。古くは米司法省とIBMやATTの対立(結果的にATTの分割などにつながった)、その後は欧米当局とマイクロソフトの対立などがある。
 欧州委員会vsグーグルの問題は、これまでも欧米のメディアは定期的に大きく取り上げている(その辺、日本のメディアでは世界の流れが伝わりにくい)。ICT社会の行方を左右する重要な問題として認識すべきだ。

 【ジェノサイド】  第1次大戦中にオスマン・トルコ帝国内で起きたとされるアルメニア人の虐殺から100年が経過した。ローマ法王フランシスコは12日にバチカンで行われたミサで「20世紀最初のジェノサイド」と批判した。欧州議会は15日、殺害事件について「ジェノサイド」と表現する決議を採択した。トルコは一方的な決めつけだなどとの反発を強めている。メディアの取り上げ方を含め、欧州での関心は高い。

◎今週の注目(2015.4.20-26)&当面の注目
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・英総選挙が5月7日に行われる。世論調査によると、保守・労働の二大政党はいずれも単独過半数は難しい情勢。スコットランドの独立を目指すスコットランド国民党、右派の独立党などが票を伸ばす勢いだ。選挙後の連立協議は難航しそうで、先行きは不透明だ。

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2015年4月14日 (火)

◇世界の関心と国際世論 2015年号(4.6-12)

・英Economistの4月11日号は、カバーストーリーでヒラリー・クリントン前国務長官を取り上げた。タイトルは"What does Hillary stand for"。stand for は体現する、象徴する、立候補するなど多くを含む。そして、最有力候補である一方で、意外に知られていない面もあると指摘。様々な角度から分析を試みている。

・記事によれば、アイルランドのブックメーカーPaddi Daveの賭け率だと大統領に当選の確率は91%。国際的な関心がヒラリー氏に向かっている。

2015.4.12

2015年15号(4.6-12 通算770号) 国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2015年4月6-12日
 

◆米・キューバ首脳が会談(11日)☆
・オバマ大統領とカストロ国家評議会議長は、パナマ市で約1時間会談した。
・首脳会談は59年ぶりで、1961年の国交断絶後は初めて。
・早期の大使館開設などで合意した。
・オバマ氏はキューバに対するテロ指定国家解除を数日中にも決断する構えだ。
・両国は冷戦終了後も国交なしが続き、昨年関係正常化に向け動き出した。
・首脳会談は歴史的な節目で、正常化に弾みがつきそうだ。

◆クリントン氏が大統領選出馬表明へ(12日) ☆
・ヒラリー・クリントン前国務長官が2016年大統領選への出馬を表明する。
・米国時間12日に動画やSNSで伝える予定だ。
・同氏は民主党の候補の本命。
・2008年にも大本命と言われ出馬したが、オバマ氏に敗れた。
・米国発の女性大統領になるかが注目される。

◆シェルがBGグループ買収(8日)☆
・英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは、英同業大手のBGグループ買収で合意した。
・買収額は470億ポンド(約8兆4000億円)。
・BGは有望な鉱区を抱える。傘下に収めメジャー首位の米エクソンモービルに迫る。
・航空物流大手米フェデックスは7日、同業のオランダTNT買収で合意した。
・電子商取引拡大などを背景にした、世界的な物流再編に対応する。
・業種を超えて世界的に、M&Aが増加している。

◆ロシアとギリシャの首脳が会談(8日)
・プーチン大統領とギリシャのチプラス首相がモスクワで会談した。
・チプラス首相はEUの対ロシア制裁に反対の姿勢を表明した。
・ロシアによるギリシャの金融支援の協議はなかったとされる。
・貿易などの協力拡大は合意した。
・ギリシャはEUと金融支援で対立。ロシアはEUや米国の制裁に反発する。
・両国とも、EUや米国をけん制したい思惑がある。

◆世界各地で株高
・世界的な株高が進んだ。
・中国の上海総合指数は8日、7年ぶりに4000に回復。
・欧州の主要600社の指数は9日、15年ぶりの高値を付けた。
・日経平均は10日、15年ぶりに2万円を超えた。
・金融緩和によるカネ余り、企業業績堅調などが背景にある。

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◎寸評:of the Week
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 【歴史的】 オバマ米大統領とカストロ・キューバ国家評議会議長の会談が実現。両国の国交正常化に向けた動きが加速した。米州首脳会議には、これまで排除されていたキューバが参加した。
 米・キューバ首脳の会談は1961年の国交断絶以来初めて。欧米のメディアも「歴史的」の見出しでの報道が多かった。

 【ヒラリー・クリントン大統領?】 2016年の米大統領選で、ヒラリー・クリントン前国務長官が出馬を表明する。民主党の大本命。当選すれば、初の女性大統領となり、歴史的な意義も大きい。
 ただ、ヒラリー大統領誕生となっても何か新しいことが起きそうだという「わくわく感」は少ないように見える。米国は共和・民主党の支持が2分し、大統領と議会がねじれになって「決められない政治」が続く。2008年大統領選の民主党予備選では、「オバマは明日、クリントンは昨日」のようなイメージだった。何より、米国の力が相対的に低下し、世界のリーダーとして振る舞いにくくなっている事情がある。
 色々な評価やコメントはあるが、米政治・世界政治はクリントン氏抜きに語れなくなる。

◎今週の注目(2015.4.13-19)&当面の注目
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・ヒラリー・クリントン氏の大統領選出馬表明は米時間の12日。どのようなメッセージがあり、どんな反響があるか。
・英総選挙が5月7日。

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2015年4月 5日 (日)

◇世界の関心と国際世論2015年13号(2015.3.30-4.5)

・イラン核問題の枠組み合意について、欧米ではとりあえず歓迎する向きが多い。NYタイムズは社説で「重要な前進」と評価(4月3日電子版)。他の主要メディアも論調は近い。

・混乱が広がる中東情勢にに対する懸念が広がっている。英FTは3月29日社説で、イエメン情勢へのサウジアラビアの介入について、「内戦の危機を生んでいる」と指摘する。

・マレーシアの政治混乱が広がっている。相次ぐスキャンダルなどで政府に対する国民の信頼が低下。マハティール元首相は異例のナジブ首相退陣要求を発表した。こうした動きに対し、同国を繁栄している「イスラム教の民主国家」の代表例ととらえ、その観点から状況を懸念する見方がある(3月31日FT紙社説)。留意すべき視点だ。

・ナイジェリアの大統領選が終了。平和裏に政権交代が進む見通しだ。事前には混乱も懸念されていただけに、好い方向に予想が外れた。FT社説(4月1日)も、”Remarkable outcome"、「平和裏の権力移行は大きな機会をもたらす」と正面から評価している。

2015.4.5

◆「中東混乱」の整理 2015.4.5

 中東・北アフリカの混乱が拡大している。先月半ば以降だけでもチュニジアのテロ、サウジによるイエメン空爆、イラク軍による「イスラム国」からのティクリート奪回、イスラエル総選挙、イラン核問題枠組み合意など、国際社会を揺るがす大ニュースがずらりと並ぶ。
 各ニュースの深層はなお不明な点も多い。しかも底流で相互に結びついて動く。実態は複雑だ。世に溢れる「中東の簡単な理解」という解説本が描くように、現実は単純でない。
 2015年の最初の3か月の動きを、とりあえず事実関係中心に整理しておく。

▼中東・イスラム過激派・テロ関連の動き

・1.7  パリで連続テロ(シャルリエブド襲撃など)。
・1.10 ナイジェリア北東部のボルノ州でボコ・ハラムのテロ相次ぐ。
・1.15 ベルギーでテロ拠点一斉摘発
・1.20 「イスラム国」が日本人の人質画像(2.1までに殺害)
・1.22 イエメンでシーア派系過激派が首都サヌア制圧。
・1.23 サウジのアブドラ国王死亡。サルマン新国王。
・1.27 リビアのトリポリで高級ホテル襲撃テロ。
・2.3  「イスラム国」がヨルダン人パイロット殺害映像。ヨルダンは報復空爆
・2.6  イエメンでシーア派系過激派が議会解散。政権掌握。ハディ政権首都脱出。
・2.12 米大統領が対「イスラム国」方針転換。軍事派遣強化の新決議案
・2.14 デンマークで連続銃撃テロ(表現の自由に関する集会)
・2.15 リビアで「イスラム国」がエジプト人動労者21人を殺害。エジプトが拠点空爆。
・2.17 ワシントンでテロ対策閣僚級会合、60か国超から参加 
・3.2  イラク軍がティクルートの奪還作戦開始
・3.3  イスラエル首相が米議会演説。米大統領と亀裂。イラン核交渉反対。
・3.5  「イスラム国」がモスル近郊のニムルド遺跡、ハトラ遺跡を破壊
・3.17 イスラエル総選挙。リクードが勝利
・3.18 チュニジアでチュニスで博物館襲撃テロ、外国人観光客ら19人死亡
・3.24 米がアフガン撤退警戒見直し。年内半減を先送り。
・3.25 米などがティクリートに空爆開始
・3.26 サウジがイエメンに軍事介入。シーア派系「フーシ」を空爆
・3.28 ナイジェリア大統領選。野党のブハリ氏当選
・3.38 アラブ連盟首脳会議(エジプト)。イエメン介入支持、合同軍設置など合意。
・3.31 イラク軍、シーア派民兵が「イスラム国」からティクリート奪還 
・4.1  パレスチナが国際刑事裁判所に正式加盟
・4.1  イスラム国がシリア・ダマスカス郊外の難民キャンプ襲撃
・4.2  イラン核問題枠組み合意。
・4.2  ケニアで大学襲撃テロ。147人死亡。

▼地域・テーマごとに見た動き

(1)「イスラム国」を巡る動き
・イラク、シリア北部で活動を維持している。各地のテロ組織が「イスラム国」のブランドを使う。
・各国から「イスラム国」への流入はなお続く。英国人少女の入国などが話題になった。
・空爆でイラクでは勢力後退も伝えられるが、実態は不透明な部分が多い。

(2)シリア
・内戦状態が続く。
・北部中心に「イスラム国」の活動。アサド政権も存続。情報は交錯している。

(3)イラク
・「イスラム国」が北部を支配。米軍などの支援でティクリートを奪回した。
・政権内部の宗派や民族の対立は根強い。

(4)イエメン
・シーア派過激派の「フーシ」が首都サヌアを制圧。南部アデンに迫る。
・サウジが介入し空爆。ハディ暫定大統領(スンニ派)を支援するが、空爆だけでは効果限定的。
・アラブの春で政権を追われたサレハ前大統領系も反政府(反ハディ政権)の立場。
・イランはフーシを支援(支援の内容は諸情報)。サウジとイランの代理戦争の側面もある。
・過激派「アラビア半島のアルカイダ」が拠点を構え、国際的なテロの輸出拠点になっている。
・各勢力の対立で、同国は無政府状態になりつつある。そうなればテロの輸出拠点の色彩がさらに強まる。

(5)サウジアラビア
・アブドラ国王→サルマン国王。スンニ派の大国。
・イランと敵対。シリアでは反アサド派を支持、武器等供与の情報も。
・石油市場に影響力。原油価格下落容認で「イスラム国」への打撃を狙うとの情報も。

(6)イランと核問題
・2014年のロウハニ大統領誕生以降、米欧と関係改善模索の兆候がある。
・核問題の前進で経済制裁の解除を狙う。
・シーア派の盟主。シリアのアサド政権、レバノンのヒズボラ、イエメンのフーシなどを支援している。

(7)イスラエル
・選挙で右派リクードが勝利。ネタニヤフ政権が継続する。
・パレスチナ問題では強硬姿勢を示し、イランの核問題は交渉に反対する。
・米オバマ政権との関係はかつてないほど緊張している。
・欧州でもイスラエルの強硬姿勢に対し、批判的な世論が強まっている。
・ネタニヤフ首相がどのような連立政権を組むかが当面の焦点。

(8)パレスチナ
・イスラエルとの和平交渉は事実上停止状態にある。
・ヨルダン川西岸の自治政府とハマス中心のガザの対立は、一時より緩和した。ただ関係は複雑だ。
・ICC加盟などパレスチナにとって前向きな動きもあるが、パレスチナ情勢全体を変えるものではない。
・かつてのように中東問題の中心がパレスチナ問題という状況でなくなっている。

(9)エジプト
・シシ政権は治安安定をある程度実現しているが、強権姿勢が強い。
・テロのリスクなどを抱える。
・米国は軍事支援を再開。
・経済は苦境。国民の不満は大きい。
・アラブの春を主導した民主派の若者は屈折感を抱えている。

(10)リビア
・中央政府が機能を果たしていない。各地に民兵組織などが拠点を構える。
・過激派が入り込み、テロが頻発する。

(11)チュニジア
・アラブの春の後、曲がりなりにも民主化プロセスが進んでいる唯一の国。
・経済は苦境。若年中心に失業率高い。「イスラム国」への出国者も少なくない。
・先の博物館テロのように、過激派が活動している。

(12)ナイジェリア
・北東部でイスラム過激派ボコ・ハラムが活動を続ける。
・人口1億7800万、アフリカ1のGDPを誇る大国。産油国。
・石油収入の恩恵は国民に及ばず、半数近くが貧困にあえぐ。汚職など多い。
・2015年3月末の選挙で元軍事政権のブハリ氏が当選。平和裏に政権交代が実現した。
・北部はイスラム教徒、南部派キリスト教徒が多い。

(13)その他アフリカ
・ソマリアは中央政府の支配が地方支配に及ばず、各地に勢力が散在。
・過激派の拠点も紛れ込んでいる。
・ケニアでもイスラム過激派によるテロがしばしば発生。
・マリ、コンゴ、スーダン、南スーダンなど紛争の火種を抱える地域は多い。

(14)欧州におけるイスラム過激派によるテロ
・1月にパリで連続テロ。2月にデンマークでテロが起きた。いわゆる「一匹狼型のテロ」が頻発。
・「イスラム国」への応募も止まらない。
・背景に欧州社会に受け入れられないイスラム系移民の不満などがある。
・地元の住民の間では、移民排斥の動きも強まっている。

(15)国際社会の動き
・2月にワシントンでテロ対策閣僚会議を開催。G7などでもテロ問題を協議している。
・様々なテロ防止策が講じられているが、抜本策は見つからない。
・テロとの戦いは長期的なものになるという見方が、「共通認識」として共有されている。

(16)米国の動き
・オバマ政権はイラク、アフガンからの撤退を表看板にする。しかし実質修正を余儀なくされている。
・イランやエジプトと関係改善の動きがある。
・イスラム国というより深刻な脅威への対応を優先させている。

 以上、一部に触れただけだが、状況は極めて複雑だ。冷戦の終了による米ソの分割統治が終わり、イラク戦争やアラブの春でサダム・フセイン政権やリビアのカダフィ政権などが倒れた。シリアのアサド政権は弱体化した。その結果、以前なら強権政治が押さえ込んでいた紛争の種が、表面化した格好だ。
 イスラム過激派の影響は拡大している。インターネットなどの発展により新たな新たな情報伝達の方法や人的ネットワークが形成された。テロ問題は国単位では考えても意味がない。中東混乱には、そうした特徴が表れている。

2015.4.5

2015年14号(3.30-4.5 通算769号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2015年3月30日-4月5日
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◆イラン核問題、枠組み合意(2日)☆
・米欧など6カ国とイランは、核問題の包括的解決に向けた枠組みで合意した。
・イランが保有するウラン濃縮の遠心分離機の約3分の1にを削減。
・今後10-15年にわたり濃縮能力を制限し、1年以内に核兵器を作れない状況にする。
・合意の順守はIAEAが監視する。
・欧米は見返りに経済制裁を軽減・解除する。
・6月末までに細部を詰めて最終合意を目指す。
・イラン核問題は2000年代からくすぶり、中東や国際安保の懸念材料の1つだった。
・最終合意に至れば、中東情勢の転換点になる可能性がある。

◆イラク、ティクリートを「イスラム国」から奪還(31日)☆
・イラク軍は過激派「イスラム国」が占拠していた北部のティクリートを奪回した。
・奪回はイラク軍に加えシーア派民兵が中心になって実現した。米軍の空爆で支援した。
・「イスラム国」が空爆などを受け劣勢に立っている状況が表れた。
・イラク政府や米国は今後、イラク第2の都市モスルの奪還を目指している。
・一方シリアでは1日、「イスラム国」がダマスカス南部のパレスチナ難民キャンプを襲撃した。

◆ナイジェリア大統領選、野党の元軍政トップが勝利(28-29日)☆
・大統領選が実施され、野党候補のブハリ元最高軍事評議会議長が勝利した。
・1999年の民政移管以後、初の政権交代となる。
・同氏は1983年にクーデターで全権を把握した経歴がある。
・選挙戦では治安安定を強調。現政権を、ボコ・ハラムの台頭を許したと批判した。
・汚職蔓延の批判も強めた。
・同氏は北部のイスラム教系の支持が中心。一方現職ジョナサン氏はキリスト教系中心。
・このため選挙後の混乱も懸念されたが、ジョナサン氏が敗北宣言を出し落ち着いている。
・同国は人口1億7800万。南アを抜いてアフリカ最大のGDPを誇る産油国。
・しかし原油収入の恩恵が貧困層にまで及ばず、人口の半数近くが貧困にあえぐ。
・近年は北東部中心にイスラム過激派ボコ・ハラムが台頭。治安が揺らいでいる。

◆アジアインフラ投資銀、50カ国超が参加(31日)☆
・中国主導のアジアインフラ投資銀(AIIB)の創設メンバー参加申請が締め切られた。
・申請した国・地域は51。アジア、欧州や中東から参加国が相次いだ。
・G7からは英独仏伊が参加。ASEAN10か国、ロシア、ブラジル、印豪韓なども入った。
・米日は不参加。当初、欧州などに慎重姿勢を求めた。
・しかし3月12日に英国が参加を表明。欧州諸国が相次ぎ参加に転じた。
・参加国は既存のアジア開発銀(ADB)の67に比べ遜色ない。
・米欧中心の既存の国際金融秩序に、中国がくさびを打ち込む動きが表れた。

◆ケニアでテロ、ソマリアのイスラム過激派が(2日)☆
・東部ガリッサで武装集団が大学キャンパスを襲撃。銃を乱射し、147人以上が死亡した。
・犯人は治安当局が射殺した。
・ソマリアに拠点を置くイスラム過激派「アッシャバーブ」が犯行声明を出した。
・同組織は
イスラム教徒の学生を解放し、キリスト教徒のみを殺害したとしている。
・2013年秋にはナイロビの
ショッピングセンターを襲撃するテロを実施。67人が死亡した。

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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ├─────────────────────────────
 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │ (日)騒いでいるのは日本だけ
 │ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない     
 └─────────────────────────────

◎寸評:of the Week
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 【中東・アフリカ激変】 引き続き、中東・アフリカ情勢が激変している。イエメンでは内戦が激化、情勢は混迷を深めている。ケニアでもテロが発生した。一方、イラク政府は「イスラム国」からティクリートを奪回。イランの核問題が枠組み合意した。ナイジェリア大統領選では平和裏に政権交代が進む見通し。こうしたニュースはとりあえず(治安安定の意味から)Good Newsと言えそうだ。。いずれにしろ動きは急激。ニュースとして伝わらない水面下でも、様々な動きがあるはずだ。

 【イラン核問題枠組み合意】 スイスのローザンヌで開催していた6か国(P5+ドイツ)とイランの核問題協議は、予定期限を2日延長した末に、とりあえず枠組み合意にこぎ着けた。中身に詰め切れていない点も多いようだし、6月までに最終合意に達するかも不明。しかし、6か国とイランが「決裂」を避け、合意実績の上に交渉継続の形を作った意味は大きい。
 枠組み合意のポイントは、(1)イランがウラン濃縮施設を削減し、短期間に核兵器を製造できなくする、(2)IAEAの監督を受け入れる、(3)約束が順守されれば欧米は経済制裁を軽減・解除、というものだ。
 ただし、イランが約束を守る保証がどこまで担保されているかとなると覚束ない。同国は過去にも、IAEAの査察を拒否したり、査察の目をかいくぐってウラン濃縮を進めた経緯がある。6月の最終合意までに詰めるべきことは多数ある。
 今回の協議が「決裂」となれば、緊張が一層高まり、地域情勢が不安定になる懸念が大きかった。イランが核兵器を開発するとの懸念が強まり、周辺のサウジやトルコ、エジプトなどが対抗のため核開発を進める「核のドミノ」が起きかねない。イスラエルがイランを攻撃するリスクも高まりかねない。
 核の拡散は世界の安全保障上でも最も深刻な問題の1つ。核管理が弱まり、核の拡散が進めば、テロリストの核兵器取得や使用のリスクも高まる。
 一方「地域情勢」という観点から見れば、中東の目下の最大脅威は「イスラム国」に移っている。米国とイランの接近の背景には、そうした事情がある。
 イラン核問題は多くの要因を含み、そして世界にとって重要な要素を多く含んでいる。

 【アジアインフラ銀行】 アジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバーへの申請が31日締め切られ、51の国・地域が申請した。同銀行は中国の主導。米国や日本は他国に慎重な姿勢を求めたが、3月12日に英国が参加を表明。これをきっかけに欧州諸国などが雪崩を打って参加を決定した。
 同行は、2010年代に8兆ドルとも予想されるアジアのインフラ投資資金を供給するため設立する。ただし、米欧中心の既存の国際金融秩序に対する中国の挑戦という側面も見逃せない。中国はIMFやアジア開発銀行などへの出資比率(=影響力)拡大を求めてきたが、米国などが押さえ込んできた経緯がある。
 英国が参加を決めたのは、何よりアジアビジネス、中国ビジネスを重視したためとされる。これに対しては、安全保障(あるいは地政学)の側面への配慮が十分だったのかという批判や疑問提示が、英国内にもある(FT紙など)。
 様々な見解があるが、AIIBは既存の国際金融秩序にすでに大きなインパクトを与えている。

 【東南アジアの動き】 マレーシアが4月1日に消費税を導入した。財政悪化への対応。翌2日にはマハティール元首相がナジブ首相の退陣を求める異例の声明を発表した。相次ぐスキャンダルなどを理由に上げている。同国は1人当り国民所得1万ドル付近に達すると成長が鈍化する「中心国の罠」に直面して久しい。曲がり角に来ていることは間違いない。
 同じ1日にはタイが戒厳令を解除した。昨年のクーデター以来10か月ぶり。新しい統治のルールを発表したが、プラユット暫定首相下の軍事独裁政権であることに変りはない。政策的には相続税の導入などを進める方針。タクシン元首相系の政権が進めた「バラマキ政策」で傷んだ財政立て直しの面もある。
 ASEANは今年末に域内のモノやサービスの自由流通を目指す経済統合を目指している。加盟各国は様々な課題に直面している。

◎今週の注目(2015.4.6-12)&当面の注目
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・中東・アフリカの情勢がそれこそ猫の目のように変わっている。目を離せない状況が続く。
・英総選挙が5月7日。

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