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2015年4月 5日 (日)

2015年14号(3.30-4.5 通算769号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2015年3月30日-4月5日
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◆イラン核問題、枠組み合意(2日)☆
・米欧など6カ国とイランは、核問題の包括的解決に向けた枠組みで合意した。
・イランが保有するウラン濃縮の遠心分離機の約3分の1にを削減。
・今後10-15年にわたり濃縮能力を制限し、1年以内に核兵器を作れない状況にする。
・合意の順守はIAEAが監視する。
・欧米は見返りに経済制裁を軽減・解除する。
・6月末までに細部を詰めて最終合意を目指す。
・イラン核問題は2000年代からくすぶり、中東や国際安保の懸念材料の1つだった。
・最終合意に至れば、中東情勢の転換点になる可能性がある。

◆イラク、ティクリートを「イスラム国」から奪還(31日)☆
・イラク軍は過激派「イスラム国」が占拠していた北部のティクリートを奪回した。
・奪回はイラク軍に加えシーア派民兵が中心になって実現した。米軍の空爆で支援した。
・「イスラム国」が空爆などを受け劣勢に立っている状況が表れた。
・イラク政府や米国は今後、イラク第2の都市モスルの奪還を目指している。
・一方シリアでは1日、「イスラム国」がダマスカス南部のパレスチナ難民キャンプを襲撃した。

◆ナイジェリア大統領選、野党の元軍政トップが勝利(28-29日)☆
・大統領選が実施され、野党候補のブハリ元最高軍事評議会議長が勝利した。
・1999年の民政移管以後、初の政権交代となる。
・同氏は1983年にクーデターで全権を把握した経歴がある。
・選挙戦では治安安定を強調。現政権を、ボコ・ハラムの台頭を許したと批判した。
・汚職蔓延の批判も強めた。
・同氏は北部のイスラム教系の支持が中心。一方現職ジョナサン氏はキリスト教系中心。
・このため選挙後の混乱も懸念されたが、ジョナサン氏が敗北宣言を出し落ち着いている。
・同国は人口1億7800万。南アを抜いてアフリカ最大のGDPを誇る産油国。
・しかし原油収入の恩恵が貧困層にまで及ばず、人口の半数近くが貧困にあえぐ。
・近年は北東部中心にイスラム過激派ボコ・ハラムが台頭。治安が揺らいでいる。

◆アジアインフラ投資銀、50カ国超が参加(31日)☆
・中国主導のアジアインフラ投資銀(AIIB)の創設メンバー参加申請が締め切られた。
・申請した国・地域は51。アジア、欧州や中東から参加国が相次いだ。
・G7からは英独仏伊が参加。ASEAN10か国、ロシア、ブラジル、印豪韓なども入った。
・米日は不参加。当初、欧州などに慎重姿勢を求めた。
・しかし3月12日に英国が参加を表明。欧州諸国が相次ぎ参加に転じた。
・参加国は既存のアジア開発銀(ADB)の67に比べ遜色ない。
・米欧中心の既存の国際金融秩序に、中国がくさびを打ち込む動きが表れた。

◆ケニアでテロ、ソマリアのイスラム過激派が(2日)☆
・東部ガリッサで武装集団が大学キャンパスを襲撃。銃を乱射し、147人以上が死亡した。
・犯人は治安当局が射殺した。
・ソマリアに拠点を置くイスラム過激派「アッシャバーブ」が犯行声明を出した。
・同組織は
イスラム教徒の学生を解放し、キリスト教徒のみを殺害したとしている。
・2013年秋にはナイロビの
ショッピングセンターを襲撃するテロを実施。67人が死亡した。

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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │ (日)騒いでいるのは日本だけ
 │ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない     
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◎寸評:of the Week
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 【中東・アフリカ激変】 引き続き、中東・アフリカ情勢が激変している。イエメンでは内戦が激化、情勢は混迷を深めている。ケニアでもテロが発生した。一方、イラク政府は「イスラム国」からティクリートを奪回。イランの核問題が枠組み合意した。ナイジェリア大統領選では平和裏に政権交代が進む見通し。こうしたニュースはとりあえず(治安安定の意味から)Good Newsと言えそうだ。。いずれにしろ動きは急激。ニュースとして伝わらない水面下でも、様々な動きがあるはずだ。

 【イラン核問題枠組み合意】 スイスのローザンヌで開催していた6か国(P5+ドイツ)とイランの核問題協議は、予定期限を2日延長した末に、とりあえず枠組み合意にこぎ着けた。中身に詰め切れていない点も多いようだし、6月までに最終合意に達するかも不明。しかし、6か国とイランが「決裂」を避け、合意実績の上に交渉継続の形を作った意味は大きい。
 枠組み合意のポイントは、(1)イランがウラン濃縮施設を削減し、短期間に核兵器を製造できなくする、(2)IAEAの監督を受け入れる、(3)約束が順守されれば欧米は経済制裁を軽減・解除、というものだ。
 ただし、イランが約束を守る保証がどこまで担保されているかとなると覚束ない。同国は過去にも、IAEAの査察を拒否したり、査察の目をかいくぐってウラン濃縮を進めた経緯がある。6月の最終合意までに詰めるべきことは多数ある。
 今回の協議が「決裂」となれば、緊張が一層高まり、地域情勢が不安定になる懸念が大きかった。イランが核兵器を開発するとの懸念が強まり、周辺のサウジやトルコ、エジプトなどが対抗のため核開発を進める「核のドミノ」が起きかねない。イスラエルがイランを攻撃するリスクも高まりかねない。
 核の拡散は世界の安全保障上でも最も深刻な問題の1つ。核管理が弱まり、核の拡散が進めば、テロリストの核兵器取得や使用のリスクも高まる。
 一方「地域情勢」という観点から見れば、中東の目下の最大脅威は「イスラム国」に移っている。米国とイランの接近の背景には、そうした事情がある。
 イラン核問題は多くの要因を含み、そして世界にとって重要な要素を多く含んでいる。

 【アジアインフラ銀行】 アジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバーへの申請が31日締め切られ、51の国・地域が申請した。同銀行は中国の主導。米国や日本は他国に慎重な姿勢を求めたが、3月12日に英国が参加を表明。これをきっかけに欧州諸国などが雪崩を打って参加を決定した。
 同行は、2010年代に8兆ドルとも予想されるアジアのインフラ投資資金を供給するため設立する。ただし、米欧中心の既存の国際金融秩序に対する中国の挑戦という側面も見逃せない。中国はIMFやアジア開発銀行などへの出資比率(=影響力)拡大を求めてきたが、米国などが押さえ込んできた経緯がある。
 英国が参加を決めたのは、何よりアジアビジネス、中国ビジネスを重視したためとされる。これに対しては、安全保障(あるいは地政学)の側面への配慮が十分だったのかという批判や疑問提示が、英国内にもある(FT紙など)。
 様々な見解があるが、AIIBは既存の国際金融秩序にすでに大きなインパクトを与えている。

 【東南アジアの動き】 マレーシアが4月1日に消費税を導入した。財政悪化への対応。翌2日にはマハティール元首相がナジブ首相の退陣を求める異例の声明を発表した。相次ぐスキャンダルなどを理由に上げている。同国は1人当り国民所得1万ドル付近に達すると成長が鈍化する「中心国の罠」に直面して久しい。曲がり角に来ていることは間違いない。
 同じ1日にはタイが戒厳令を解除した。昨年のクーデター以来10か月ぶり。新しい統治のルールを発表したが、プラユット暫定首相下の軍事独裁政権であることに変りはない。政策的には相続税の導入などを進める方針。タクシン元首相系の政権が進めた「バラマキ政策」で傷んだ財政立て直しの面もある。
 ASEANは今年末に域内のモノやサービスの自由流通を目指す経済統合を目指している。加盟各国は様々な課題に直面している。

◎今週の注目(2015.4.6-12)&当面の注目
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・中東・アフリカの情勢がそれこそ猫の目のように変わっている。目を離せない状況が続く。
・英総選挙が5月7日。

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