2015年10号(3.1-7 通算765号) 国際ニュース・カウントダウン
◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2015年3月1-7日
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◆中国全人代、2015年は7%成長目標、軍事費2桁増(5日)☆
・全人代が開幕。李克強首相は政府活動報告で、2015年の成長目標を7%とした。
・高成長→安定成長を目指す姿勢を示した。
・都市部で年1000万人の新規雇用創造を目標に掲げた。
・15年の国防予算は前年実績比10.1%と、5年連続の2桁となった。
・海洋強国を目指し、ハイテク兵器の装備を強化。純国産の空母も建設する。
・反腐敗の継続も強調した。
・人民銀行は28日に貸出金利の3か月ぶりの利下げを決定、1日実施した。景気下支え。
◆イスラエル首相が米議会で演説、米政権との亀裂深まる(3日)☆
・ネタニヤフ首相は米議会の上下両院合同会議で演説した。
・欧米など6カ国とイランの核協議について反対を表明。
・議会多数派の野党共和党に、合意を承認しないよう訴えた。
・オバマ政権とイスラエルの亀裂は決定的になった。
・上院議長のバイデン副大統領は欠席。民主党議員数十人がボイコットした。
・演説は議会が招いて実現。オバマ政権の中止要請を無視して行われた。
・先立つ2日、オバマ大統領はイラン核に少なくとも10年核開発を凍結するよう求めた。
・イラン核協議は3月中に基本合意、7月に最終合意を目指すが、難航している。
・イスラエルはイランへの攻撃も辞さない姿勢を見せている。
◆「イスラム国」が遺跡破壊(5日)☆
・「イスラム国」がモスル近郊のニムルド遺跡を破壊し始めた。イラク観光・遺跡省が発表。
・同地は紀元前9世紀にアッシリアの首都が置かれた。
・モスル南方のハトラ遺跡の破壊も始めた。世界遺産。観光・遺跡省が7日発表した。
・同遺跡はパルティア王国の交易都市として栄えた。
・モスル博物館でも文化遺産の破壊を重ねている。
・イスラムの偶像崇拝禁止の教義に従う行為とみられる。アフガンのタリバンも破壊を行った。
・世界的な文化剤の喪失の損害は計り知れない。
・イラク軍はイスラム国が支配するティクリート奪回に向けた大規模作戦を2日開始した。
◆駐韓米国大使が襲撃される(5日)☆
・リッパート駐韓米国大使が、ソウル市内の会合出席の際に男にナイフで切りつけられた。
・顔などを切られ、80針縫う重症。命に別状はなかった。
・容疑者は左派系団体の関係者。2日からの米韓合同軍事演習への不満を叫んだ。
・事件は米韓関係を揺らしている。韓国内でも保守派による革新系攻撃などの動きがある。
・北朝鮮は2日短距離ミサイルを日本海に発射。中距離ノドンも発射体制にある。
◆ウクライナが大幅利上げ、経済苦境(3日)
・中銀は政策金利を19.5→30%に大幅に引き上げると決めた。
・インフレと通貨フリブナの下落防止が狙い。
・2月には14→19.5%に上げたばかりで、1カ月で金利は2倍になる。
・通貨は1月までの1ドル=16フリブナから2月に入り30フリブナまで低下。
・インフレ率は30%近くになっている。
・ウクライナ経済は政情不安定で冷え込み、昨年から大幅マイナス成長に陥っている。
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│INCDの採点
│ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
│ ☆☆ 世界史の年表に載るようなニュース
│ ☆ 国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース
│ 無印 興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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│プラスアルファ
│ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
│ (日)騒いでいるのは日本だけ
│ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
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◎寸評:of the Week
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【中国全人代の注目点】 中国の全人代が始まった。初日の李克強首相による政府活動報告は、7%の成長目標を示した。高成長より経済改革を重視する姿勢を鮮明にするもの。それが「新常態」(New Normal)であると強調した。ただし、そのように持っていくのは簡単な話ではない。米ウォール・ストリート・ジャーナルアジア版は、「改革への長くてゆっくりした道」(Long Slow Road to Refoem)と表現した。
海外ではむしろ、国防費の伸びに注目が集まった。中国の国防費の発表は昨年から、以前にも増して「不透明」になっている。詳細は分からないことが多いが、額としては5年連続で2ケタ増になった。軍の近代化・ハイテク化を進め、海洋強国を目指す姿勢が改めて鮮明になった。
【ロシア野党指導者射殺続報】 ロシアの野党指導者、ネムツォフ氏が2月27日に射殺されたのを受けて、追悼デモが1日モスクワで行われた。主催者側によると5万人が参加。事件に対する内外の関心は高い。ロシア当局は7日、容疑者2人を拘束したと明らかにした。カフカス地方出身者。ただし事件の真相が明らかになるかは不明。
【クリントン氏の疑惑】 2016年大統領選で民衆党候補の最有力候補であるヒラリー・クリントン氏が、国務長官時代に私用メールを公務に使っていたことが判明。法律違反の可能性もあり、野党は攻撃材料に使っている。展開次第では、大統領選に影響する可能性も排除できない。
◎今週の注目(2015.3.9-14)&当面の注目
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・イラク軍が「イスラム国」の支配する北部ティクルートへの攻勢を開始した。行方に注目。
・ギリシャ、ウクライナ情勢も引き続き注意銘柄。
・イランと欧米など6か国との核問題協議は、3月末までに基本合意を目指す。
・英総選挙が5月。
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