◇世界の関心と国際世論44号(2014.10.27-11.2)
・米中間選挙が近づき、当然ながら世界の関心の的になっている。現時点の報道は「どちらが勝つか」への関心が中心で、選挙の影響、選挙戦の分析などは少ない。英ブックメーカーの賭け率では、共和党勝利の予想が圧倒的。次いで、どちらも上院の過半数を制することができない(州により過半数の得票を得ないと再選挙がある)で、民主党勝利の予想はわずかだ。
・米NYタイムズは同時に行われる知事選に関連し、社説で幾つかの州取り上げ、政策の課題と支持・不支持を打ち出している。この新聞であるから当然のことながら、民主党寄りだ。
・アップルのクックCEOが同性愛者であることを公表した。日本ではせいぜい小さな記事で取り上げられただけだが、欧米メディアでは英FTが1面トップ、AWSJ紙も1面で報道するなど大きな扱い。見出しも、クック氏発言の”I am proud to be gay"を引用するなど、総じて好意的な報道だ。
・欧米ではこの4半世紀の間に、同性愛者の権利拡大が進んだ。米国ではすでに過半の州が同性婚やそれに相当する権利の保護が認められている。英国では著名な同性愛者のランキングがキワモノ的にではなく公表され、ランク上位者もそれを踏まえて権利拡大の活動をする、という具合だ(エルトン・ジョン、イアン・マッケラン、ピーター・マンデルソンなど)。性転換者(公表)が閣僚や市長になるケースすらある。
・英Economist誌は10月11-17日号で、”The Gay Divide"と題して同性婚に関するカバーストーリーを掲載。過去20年間の変化を報じた。同誌が1996年に同性婚に好意的な記事を掲載した時には反発の手紙が多かった。しかし今では米国の多くの州で同性婚が認められ、欧州や中南米でも同様だ。一方でロシアや中東などではむしろ反発の動きが出ていると報じ、divideの見出しを付けている。
・評価は色々ある。ただし、世界がこのように急速に動いている事実は重要だ。日本が「世界の動きからカヤの外」の事例の一つなのだろう。
2014.11.2
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