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2014年11月10日 (月)

2014年45号(11.3-9 通算748号) 国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2014年11月3-9日
 

◆米中間選挙、オバマ民主党大敗(4日)☆
・中間選挙が行われ、野党共和党が上下両院で勝利した。
・上院(100議席、36議席改選)は、共和党が52議席を確保。多数派の座を奪った。
・下院(435議席)は243議席以上を確保、1946年以来の多数となった。
・中間選挙は政権への信任投票的な意味合いがあり、国民のオバマ離れが表れた。
・米政治は保守とリベラルの分断が進み、ねじれ議会の下で「決められない政治」が続く。
・メディアは大統領の指導力不足を指摘。大統領支持率は40%程度に低下していた。
・中間選挙で求心力は一層低下。レームダック化の懸念も強まる。
・一方共和党の責任も従来以上に拡大。大統領‐共和党の協調の模索も始まった。
・「指導力の空白」となれば、世界情勢への影響も大きい。

◆日中首脳が3年ぶり会談決定(7日)☆
・日本の安倍首相と中国の習近平国家主席が北京で会談することが決まった。
・日中両国政府が合意文書を発表した。
・懸案の歴史問題、尖閣問題については、玉虫色の表現を盛り込んだ。
・日中関係は2012年9月の尖閣国有化などをきっかけに悪化。
・首相‐国家主席の会談は2011年12月の野田・胡錦涛以来となる。
・国際会議などの際にも首脳会談が行われない異常な状態になっていた。
・日中の関係悪化は地域の不安定要因になると、欧米も懸念している。

◆ベルリンの壁崩壊25年(9日)☆
・東西冷戦の象徴だったベルリンの壁崩壊から25年を経過した。
・壁崩壊をきっかけに東欧各国の社会主義政権は1989年に相次いで崩壊した。
・同年末にはマルタでの米ソ首脳会談で冷戦終結が宣言された。
・ドイツは1年後の1990年に東西統一を実現。ソ連は1991年に崩壊した。
・4半世紀を経て、世界はグローバル化やIT革命、テロ戦争、中国台頭などを経験。
・欧州ではEUの拡大、ユーロ誕生、NATO拡大などが実現した。
・今年に入りウクライナ危機で新冷戦が懸念され中東は混乱が続く。世界は流動している。

◆APEC会議開始(7日)☆
・APECの閣僚会議・首脳会議など一連の会議が北京で始まった。7-8日は閣僚会議。
・首脳会議は10-11日に行われる。
・テーマは安全保障、経済、インフラ整備、エボラ対策など多岐にわたる模様。
・並行して米中、日中の首脳会談など首脳外交が行われる。
・中国は影響力拡大、米国は主導力発揮、ロシアは制裁網の打破などが課題に挙がる。
・期間中にTPPの首脳会議も開かれる。
・APECの後、ミャンマーと豪州に舞台を移して東アジア首脳会議とG20首脳会議が行われる。

◆カタルーニャ州が住民投票(9日)☆
・スペインのカタルーニャ州が9日、住民投票を実施した。
・独立の是非を問う内容。ただし合法性が認められず非公式の投票と位置付けられる。
・投票に対し同国憲法裁判所は非合法と判断。政府も中止を求めていた。
・同州では独立運動がくすぶり、9月のスコットランド住民投票を契機に運動が高まった。
・独立派は住民投票の結果を、今後の運動に活用していく姿勢だ。

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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ├─────────────────────────────
 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │ (日)騒いでいるのは日本だけ
 │ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない     
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◎寸評:of the Week
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 【ベルリンの壁から25年--想像もできなかった変化】 ベルリンの壁崩壊から25年を経た。壁崩壊のニュースに世界の多くの人が感動し、無条件で「良かった」と感じ、「より良い世界が来る」と期待した。
 その後4半世紀の世界の変化は、今週のカウントダウンに書いた通り。経済グローバル化やIT革命で経済成長を実現した国は多く、豊かになった人は多数いる。一方でテロ戦争など、当時は予想すらできなかった混乱も拡大している。
 インターネットもスマホもグーグルもSNSも、また9.11もイスラム国も、当時は想像もできなかった。冷戦終結が遥か昔のように思われる。4半世紀の変化を改めて思う。

 【米中間選挙】 中間選挙は、オバマ民主党の敗北。想定内で織り込み済みとはいえ、世界の安保や経済への影響は大きい。

 【日中首脳会談】 北京でAPECの閣僚会議・首脳会議など一連の会議が始まった。焦点の1つの日中首脳会議の開催も決まった。会談に先立ち、両国は文書を発表するという異例の措置をとった。両国の国内向け説明の面もあると解決されるが、いずれにしても異例の事前文書は、いったんこじれた関係の修復がいかに困難かを物語る。会談の中身には、当然ながら大いに注目だ。

 【香港】 中国の習近平国家主席は9日、北京訪問中の梁振英・香港行政長官と会談した。主席は民主派座り込みに対する香港政府の対応を支持。民主派の学生に妥協しない姿勢を明確にした。これまで香港の混乱に対し、「APEC首脳会議の前に中国や香港政府が強硬手段をとることはないだろう」と言われてきた。APECが終わり、どうなるか。

◎世界を眺める視点
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◆米中間選挙と世界

 米中間選挙は野党共和党が上下両院で勝利した。英ブックメーカーなどの予想通り。世界のメディアの選挙報道では、渋い顔のオバマ大統領の映像ばかりが目立った。
 中間選挙で与党が苦戦するのは通例。それに加え今回は、オバマ大統領の政治スタイルに問題があったとの指摘が欧米メディアでは多い。オバマ氏が野党共和党指導者と「話せる関係」の構築に失敗。結果、「決められない政治」を打開できなかったという指摘だ。もちろん、その背後には米世論・米政治がリベラルと保守に2極分化し、中道の現実的な議論がしにくくなったという構造的な問題もある。
 いずれにしろ与党敗北で、オバマ大統領の政局運営が一層難しくなったことは間違いない。
 内政では、医療保険制度改革が焦点だ。オバマ大統領が最重視したこの政策に、共和党は反対。廃止を求めている。もちろんオバマ政権としては、認めることはできない。
 大統領と共和党支配の議会の関係改善が見込めなければ、財政や予算を巡る対立→政府機関の閉鎖、が再燃する可能性もある。それは国民い新たな政治不信を生む。
 外交への影響も出てきそうだ。共和党はオバマ政権の弱腰を批判してきた。今後、ウクライナを巡るロシアへの対応や南シナ海での中国の動きに、より強硬な姿勢を求めてくる可能性がある。中東ではより積極的な軍事的介入を求める可能性がある。それはアフガンとイラクからの撤退というオバマ政権のレガシーを否定することになりかねない。容易に妥協できる問題ではない。
 一方、貿易交渉で共和党は自由貿易促進の姿勢が強い。政権への一括交渉権などで、オバマ大統領に有利になる可能性もある。
 経済では、共和党は伝統的にビジネス寄り。ウォール街も共和党伸長を歓迎する。IT政策など民主党でも共和党でも大きく変わらない政策もあるが、税制、金融機関規制、環境などでは共和党色の強い政策を求めてくる可能性がある。選挙結果を受けて、株価は上昇した。
 分野による違いは色々あり、一つ一つ分析していくと事情は異なる。しかし、総じて押さえておくべき点は、大統領の求心力が弱まり、かじ取りが一層難しくなるという(当たり前の)こと。重要政策を「決められない」「動けない」状況が続く懸念も払しょくできない。そうれは当然、世界の安全保障や経済にも影響する。
 世界が「弱い米国大統領」の下で歩間なければならない情勢は、実は選挙前からあまり変わらない。しかし選挙結果を受けて、そのことを改めて認識する必要がある。

◎今週の注目(2014.11.10-16)&当面の注目
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・APEC首脳会議が11月10-11日に中国・北京で開催される。それに続き、東アジア首脳会議、G20 首脳会議など一連の会議が開かれる。今後の国際情勢の行方に重要な影響を及ぼす。
・日中首脳会談が北京で開かれる。こじれた関係をどう修復していくのか、どんなやり取りがあるか、大いに注目。
・香港情勢にも注目。APEC首脳会議が終わり、中国や香港政府のスタンスが変わる可能性も排除できない。

・米中間選挙を受けて、オバマ政権と野党共和党の新たな関係作りが進む。今週大統領は外遊中でが、様々なレベルで動きがある。
・エボラ、イスラム国には引き続き注目。

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