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2014年11月10日 (月)

◆米中間選挙と世界 2014.11.9

 米中間選挙は野党共和党が上下両院で勝利した。英ブックメーカーなどの予想通り。世界のメディアの選挙報道では、渋い顔のオバマ大統領の映像ばかりが目立った。

 
 中間選挙で与党が苦戦するのは通例。それに加え今回は、オバマ大統領の政治スタイルに問題があったとの指摘が欧米メディアでは多い。オバマ氏が野党共和党指導者と「話せる関係」の構築に失敗。結果、「決められない政治」を打開できなかったという指摘だ。もちろん、その背後には米世論・米政治がリベラルと保守に2極分化し、中道の現実的な議論がしにくくなったという構造的な問題もある。

 いずれにしろ与党敗北で、オバマ大統領の政局運営が一層難しくなったことは間違いない。

▼課題

 内政では、医療保険制度改革が焦点だ。オバマ大統領が最重視したこの政策に、共和党は反対。廃止を求めている。もちろんオバマ政権としては、認めることはできない。

 大統領と共和党支配の議会の関係改善が見込めなければ、財政や予算を巡る対立→政府機関の閉鎖、が再燃する可能性もある。それは国民い新たな政治不信を生む。

 外交への影響も出てきそうだ。共和党はオバマ政権の弱腰を批判してきた。今後、ウクライナを巡るロシアへの対応や南シナ海での中国の動きに、より強硬な姿勢を求めてくる可能性がある。中東ではより積極的な軍事的介入を求める可能性がある。それはアフガンとイラクからの撤退というオバマ政権のレガシーを否定することになりかねない。容易に妥協できる問題ではない。

 一方、貿易交渉で共和党は自由貿易促進の姿勢が強い。政権への一括交渉権などで、オバマ大統領に有利になる可能性もある。

 経済では、共和党は伝統的にビジネス寄り。ウォール街も共和党伸長を歓迎する。IT政策など民主党でも共和党でも大きく変わらない政策もあるが、税制、金融機関規制、環境などでは共和党色の強い政策を求めてくる可能性がある。選挙結果を受けて、株価は上昇した。

▼弱い指導力の下での世界

 分野による違いは色々あり、一つ一つ分析していくと事情は異なる。しかし、総じて押さえておくべき点は、大統領の求心力が弱まり、かじ取りが一層難しくなるという(当たり前の)こと。重要政策を「決められない」「動けない」状況が続く懸念も払しょくできない。そうれは当然、世界の安全保障や経済にも影響する。

 世界が「弱い米国大統領」の下で歩まなければならない情勢は、実は選挙前からあまり変わらない。しかし選挙結果を受けて、そのことを改めて認識する必要がある。

2014.11.9

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