◇世界の関心と国際世論32号(2014.8.11-17)
・イラク情勢を巡り、国際メディアではマリキ首相退陣を求める合唱が起きた。NYタイムズが社説で「イラクは新しい首相を必要としている」(Iraq nees a new PM)を明確かつシンプルなメッセージを送ったのが代表。そうした背景もありマリキ首相は退陣を表明。焦点はアバディ新首相による挙国一致内閣の設立と、治安の収集に移る。これに対する国際メディアの報道や世論形成の動きはまだ少ない。
・トルコ大統領選への関心も高かった。同国が地域大国であるばかりでなく、欧米と中東をつなぐ重要な国だからだ。エルドアン首相勝利に対しては、評価・期待と懸念が併存する。欧米主要メディアの報道を見る限り、当然のことながら無条件の支持も批判もなく。クリアカットの評価は少ない。
・英FT社説は"The era of the elected potentate"(直接選挙で選ばれた権力者の時代)と題し、エルドアン新大統領下のトルコが"affluent but less free"(豊かだが自由が制約される)と見る。同氏は民主私的な公正な手続きで選ばれた。トルコの国民は、「ダイナミックな経済発展とトルコ的なイスラム主義の組み合わせを選択した」と分析する。その上で、エルドアン氏に冷静な対応を求める。
・ロシアによるウクライナ東部への支援物資搬送計画も注目された。物資を積載したトラック280台が並ぶ風景は絵になる。欧米メディアは連日写真・動画付きで報じた。先のマレーシア航空機撃墜事件のように白黒(どちらが悪いかが)はっきりしている訳ではないので、評価よりも事実関係のフォローが中心のように見えた。
・経済への関心も強かった。ユーロ圏の4-6月期ゼロ成長、日本の4-6月期の大幅マイナス成長(1-3の消費税駆け込み需要の反動)、長期金利の低下などが材料だった。
・このほか注目を浴びた出来事は、米ミズーリ州での警官による黒人少年射殺事件。エボラ出血熱など。
20140817
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