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2014年7月 7日 (月)

2014年27号(6.30-7.6 通算730号)  国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2014年6月30日-7月6日
 

◆トルコ首相が大統領選出馬表明(1日)☆
・トルコのエルドアン首相が8月の大統領選に出馬を表明した。
・世論調査では同氏がリード。当選すれば首相・大統領で16年以上の長期政権になる。
・同氏はイスラム色の強いAKP(公正発展党)が支持母体。
・2003年に首相に就任。強力な指導力で経済成長を実現し、国民の支持を得てきた。
・一方2013年の大規模な反体制デモを武力で制圧するなど、強権姿勢も目立つ。
・同国は07年の改憲で大統領選を国会の選挙→直接選挙に改めた。
・エルドアン氏は2015年の総選挙後、再度の憲法改正を目指している。
・トルコは欧米と中東の中間に位置し、両者の架け橋としての意味も大きい。

◆アフガン大統領選集計巡り混乱、暫定集計発表を延期(2日)☆
・選挙管理委員会は当初2日に予定していた大統領選の暫定結果の発表を延延期した。
・不正告発やテロが相次ぎ、混乱が続いているため。
・選挙は6月14日、アブドラ元外相とガニ元財務相の間で決選投票が行われた。
・アブドラ氏の支持母体は少数派のタジク人、ガニ氏は多数派のパシュトゥン人だ。
・投票日だけでもテロ行為は500件に上ったと指摘される。
・大統領選が新たな民族対立を生むとの懸念も消えない。

◆イラク連邦議会招集、新政権調整難航、分裂危機拡大(1日)☆
・イラク連邦議会が4月末の議会選後、初めて招集された。
・新政権樹立に向けた調整を進めるが、意見対立は続き難航は必至。
・シーア派母体のマリキ首相への辞任要求は内外から高まっているが、首相は応じない。
・北部スンニ派過激派の「イラク・シリアのイスラム国」は「イスラム国」として独立を宣言。
・クルド勢力も独自の動きを強めている。背景には独立の模索もある。
・イラクは分裂危機を抱えたまま、混迷が続く。

◆中国主席が訪韓、北朝鮮より先に(3日)☆
・習近平国家主席が訪韓。朴槿恵大統領と首脳会談を行った。
・中国国家主席が北朝鮮より先に韓国を訪問するのは初めて。中韓国交正常化は1992年。
・会談では北朝鮮の核開発を認めない姿勢で一致。
・対日本では従軍慰安婦の共同研究を進めるなど協調姿勢を演出した。
・北朝鮮は2日、日本海に向けてミサイル2発を発射した。中韓へのけん制とみられる。

◆香港で民主化デモ、返還後最大級(1日)
・香港が英国から中国に返還されて17周年を迎えた。
・民主派団体が主催したデモには約51万人(主催者発表)が参加。返還後最大規模となった。
・中国政府が香港への介入姿勢を強めている事が背景とみられる。
・香港警察はデモ参加者500人余りを逮捕した。
・香港では2017年の次期行政長官選挙を巡り、中国の意を汲む体制派と民主派が対立する。

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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ├─────────────────────────────
 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │ (日)騒いでいるのは日本だけ
 │ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない     
 └─────────────────────────────

◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 【動きの多い週】 重要なニュースが多かった。中東・周辺では、ベスト5にあるように、イラクとアフガニスタンの混乱、トルコ首相の大統領選出馬のほか、エジプトではシシ大統領の就任1ヶ月、イスラエルとパレスチナの紛争など。
 東アジアでは返還17年の香港で民主化デモがあり、新疆ウイグルではウルムチ騒乱5年を迎えた。中国本土では汚職追放(権力闘争?)の動きが軍に波及し、習近平中国国家主席が北朝鮮より先に韓国を訪問した。北朝鮮のミサイル発射や日本の拉致被害再調査(見返りに経済制裁一部解除)は当然ながら水面下でつながる。
 米国ではオバマ大統領が移民制度改革の年内実施を断念。アルゼンチンの債務問題はデフォルトの瀬戸際だ。ウクライナでは政府軍が親ロ派拠点の1つだったスリャビャンスクを奪回。欧州ではパリバへの多額(89億ドル)の罰金が話題になっている。 
 カネあまりの中、市場では株高がじっくり上昇。金融緩和のひずみへの警戒も強まっている。

 【中国の汚職追放、軍に】 中国共産党は人民解放軍の制服組ナンバー2だった徐才厚・元党中央軍事委員会副主席の党籍を剥奪した。新華社が30日伝えた。収賄容疑とされる。人民解放軍の首脳級が汚職で処分されるのは、1978年の改革開放以降で初めてだ。
 習近平政権は汚職追放を強化し「石油閥」の利権にメスを入れてきたが、これに加え、「軍」の利権までターゲットが広がってきた。
 石油閥ではすでに何人もの幹部級が党籍剥奪、逮捕などの処分を受け、目下は周永康元政治局中央委員常務委員に処分が及ぶかが焦点。
 中国の利権構造は複雑で、汚職追放も権力闘争と絡む。真相を見極めるのは困難だが、習近平政権がこれまでにないタブーに挑んでいるのは間違いない。汚職体質が中国社会の安定を揺るがし、その改善なしに社会の安定や経済の安定成長が望めないことも、これまた言うまでもない事実だ。

 【香港のデモとウルムチ騒乱5年】 香港が中国に返還されて7月1日で17年。今年は民主派のデモに、返還後最大の人数が参加。世界のメディアからも大きな関心を集めた。2017年の行政長官選挙などをにらみ、中国の意向を背景にした締め付けが強まり、民主派は危機感を深めている。「1国2制度」はもともと論理矛盾を含む言葉ではあるが、その行方は不透明だ。
 一方、2009年7月5日のウルムチ騒乱(ウイグル族と公安当局の大規模な衝突)から5年を経過した。ウイグルの民族問題はその後も形を変えて表面化。昨年の天安門への車両突入事件は記憶に新しい。習近平政権は「テロとの戦い」と断言し、締め付けを強化している。
 こうした民族問題や地域問題を、「弾圧する中国当局」vs「抵抗する民主派や民族主義者」という視点中心にとらえるほど事態は単純でない。経済格差、民主化、中国支配体制の正統性、民族問題、宗教、世界的なテロとの戦い、グローバル化への対応など様々な要素が関係する。

 【米移民制度改革】 オバマ米大統領は30日、移民制度改革の年内実現を事実上断念する考えを示した。第2期の内政の際優勢課題の一つに位置付けていた政策。下院を野党・共和党が支配する中で法案成立のメドが立たないと判断、大統領令を使い部分的な改革を優先させる。
 米国内には1100万人以上の不法移民がいると推定される。議会上院は昨年、国境管理を強化する一方、すでに国内に滞在している移民には市民権獲得の道を開く改革案を採択した。しかし下院は共和党が拒否している。中間逝去の結果次第だが、オバマ政権中の改革は困難との見方も強い。
 米国の影響力低下もあり、米国内問題は国際的に注目を集めるニュースになりにくくなった。世界の構造変化を映していると言えばそれまでだが、米国がなお世界で最も影響力のある国であることに変わりはない。医療制度改革や移民制度改革、教育改革などは本当は極めて重要だ。

 
◎今週の注目(2014.7.7-13)&当面の注目
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・インドネシア大統領選が7月9日に投票される。ウィドド・ジャカルタ州知事と元軍人のスビアント氏の一騎打ち。支持率では野党・闘争民主党の支持を得ているウィドド氏がリードしてきたが、スビアント氏が猛追している模様。

・イラク情勢は引き続き深刻であることに変わりはない。加えて周辺国や国際社会の動きが重要になっている。米国やイランに加え、シリアやロシアも加わり、世界への影響も拡大している。

・アフガニスタン大統領選(6月4日投票)は7月2日予定の暫定結果発表が先送りされた。混乱の中、予想外のことが起きてもおかしくない。
・サッカーW杯がは7月13日決勝。

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