◇世界の関心と国際世論 (2014.6.2-8)
・6月2-8日週の世界の関心は、ウクライナ情勢を巡る首脳外交。”D-Day Diplomacy”がキーワードだ。欧米主要メディアはもちろんロシアや親ロシア派に厳しい論調だが、あまりに見え見えのバイアスに基づく情報は少ない。
・天安門事件25周年の報道: 英FTや米WSJ(アジア版)は、フロントページに香港のデモの写真を大々的に使用、非常に「目立つ扱い」で読者に訴えた。天安門事件の評価そのものは、上記「天安門25周年」で分析したように歯切れがいいものは少ない。それでも、FT6月2日号が25年前の民主化指導者の写真を大々的に掲載した特集紙面を展開するなど、天安門が世界にとって重要名問題であること、メディアとしてもかかわっていく姿勢を見せ続ける。それは欧米のメインストリームの人々にとっての問題意識であるように見える(日本は?)。
・Economistの5月31日号のカバーストーリーは”A world to conqure"と題してアジア企業について取り上げている。イラストは「三国志」を彷彿とさせるような馬軍部隊の集結。たなびく旗はハイアール、アリババなど並ぶ(日本企業はソフトバンクのみ)。特集は各社の現状、戦略などをレポートするが、位置づけとして、企業や経済の隆盛(特に世界の支配的な地位を占めること)が、世界の文化や生活スタイルに多大な影響を与えるとの見方を提供している(かつて英国や米国がそうだったように)。欧米からアジア経済、アジア企業を見る一つの視点だろう。
・米国ではアフガニスタンの反政府武装勢力・タリバンと実施した捕虜交換が、連日トップニュースになっている。野党・共和党への報告が遅れたことや、解放された米兵の脱走疑惑などが表面化、オバマ政権への批判も出ている。事件はBergdahl(バーグドール)Caseとなり、Bergdahl軍曹の名前は注釈もなしでNYタイムズの1面トップの見出しになっている。温度差。
・欧州司法裁判所がグーグル関連の裁判で、個人情報を消去するいわゆる「忘れられる権利」を認める判断を下した。グーグルは判断に従うと表明したが、実は対応は複雑で容易ではない。ラリー・ペイジCEOは英FTの会見に対し、判断がネット発展の妨げになりかねないとの懸念を示した。情報化時代と個人情報保護の話は、日本の感覚以上に世界では重要な問題になっている。
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