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2014年6月 8日 (日)

2014年23号(6.2-8 通算726号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2014年6月2日-8日
 

◆欧州中銀がマイナス金利(5日)☆
・欧州中銀は理事会で、政策金利を0.25→0.15%に引き下げた。
・同時に民間銀行が中銀に預け入れる余剰資金の金利をマイナス0.1%にした(手数料を取る)。
・マイナス金利導入は主要国・地域では初。過去には2012年のデンマークなどがある。
・ユーロ圏でデフレに陥る懸念が拡大。景気も回復が弱く、ユーロ高が続く。
・こうした状況に対応のため、金融緩和を拡大する。
・ただ、米国や日本のような大規模な量的緩和の導入は見送った。
・マイナス金利そのものの効果や影響は限定的との見方もある。しかし象徴的な意味合いは大きい。

◆ウクライナ巡り首脳外交、事態収拾模索(4-6日)☆
・ウクライナ情勢を巡り欧米ロシアなどの首脳外交が展開された。
・ノリマンジー上陸70周年式典などに、欧米やロシア、ウクライナの首脳が集結。
・ロシアのプーチン大統領は英独仏の首脳とそれぞれ公式に会談。事態改善を模索した。
・オバマ米大統領、ポロシェンコ・ウクライナ次期大統領とも6日非公式に会談した。
・G7は4-5日で首脳会議で、ロシアに追加制裁もあり得ると警告し、圧力をかけた。
・欧米はロシアに圧力をかけつつ対話を模索するが、米国と欧州の温度差も鮮明になった。
・ポロシェンコ大統領は7日就任式を行った。親ロ派に対し和平を呼びかけた。
・一方で将来のEU加盟を掲げ、連邦制を否定した。
・首脳外交はD Day Diplomacyと呼ばれ、世界が注目。対話のチャネルは広がった。
・しかしウクライナ危機の決着は見えなく、流動的だ。

◆天安門事件25周年、香港で18万人デモ(4日)☆
・中国民主化運動を武力弾圧した天安門事件から25周年を迎えた。
・北京は厳戒態勢。ミニブログの「微信」は通信が一部制限された。
・香港では追悼集会が開かれ、18万人が集まった。
・中国当局は事件への対応を正当化している。外務省は政府は評価を変えないと繰り返した。
・事件後も中国は年率2ケタ近い経済成長を維持。世界における存在感はけた違いに拡大した。
・世界の主要メディアの論評も、単純な反民主化批判は少ない。
・巨大な非民主国家である中国を抱える世界の課題、問題点などに言及するものが多い。

◆シリア大統領選、アサド氏勝利(3日)
・大統領選が実施され、人民議会は4日、アサド大統領が得票88%で選出されたと発表した。
・投票率は73%だったとする。
・アサド政権はこのところ反政府勢力との内戦で攻勢を続ける。選挙を受け正統性を強調しそうだ。
・米国は選挙は意味のないものとし、結果を認めない姿勢。

◆スペイン国王退位表明(2日)
・フアン・カルロス1世国王(76)が退位する。フェリペ皇太子(46)が継承する。
・王位継承に必要な法律改正などを行い、速やかに実施する。
・世代交代による王室再再生が目的。
・王室はスキャンダルや支出が膨大との批判を浴びていた。
・欧州では近年、オランダやベルギーなどで王室の世代交代が進んでいる。

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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │ (日)騒いでいるのは日本だけ
 │ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない     
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◎寸評:of the Week
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 【ダイナミックな動き】 今週もダイナミックに世界が動いた。Dデイ外交(D-Day Diplomacy)ではウクライナ問題を巡り様々な駆け引きが演じられ、欧州中銀の「マイナス金利導入」は金融史に刻まれる決定だ。

 【天安門25周年】 天安門事件から25年が経過した。6月4日には香港でデモが行われたが、中国本土などの動きは静かだった。重要なのはこの日の動きそのものより、25周年を迎え「中国をどのように理解すべきか」「民主主義」「世界は中国とどう付き合うべきか」といった問題を、世界に改めて突きつけていることだ。
 天安門事件後、欧米と中国の関係は冷え切った。中国の非民主主義的な行動に非難が集中し、軌道に乗り始めた経済成長の行方を危ぶむ見方も(反中国の立場からの希望的見解も含め)表面化した。
 しかし中国はその後驚異的な経済成長を継続し(鄧小平による92年の南巡講和をテコにした改革開放推進が大きかった)、世界の工場から世界の市場に発展。2010年には世界2位の経済大国になった。政治的な影響力も拡大し、近年は軍事支出の拡大や、南シナ海や東シナ海で領土問題を巡り、強硬姿勢も目につく。
 冷戦終了直後の1990年代初め、世界は市場経済と民主主義の方向に進むとの楽観的な見方があった(いわゆるワシントン・コンセンサスに近い)。しかし、中国が「西洋的民主主義の否定」「社会主義的市場経済」で発展してきた事実は、欧米のオーソドックスな価値観・見方を揺るがす。天安門事件は、そうした状況の出発点ともいえる。意味合いは大きい。

 【欧米の温度差】 ウクライナ問題を巡るD-day Diplomacyでは、問題に対する欧米の温度差も目立った。仏オランド大統領、英キャメロン首相、独メルケル首相はロシアのプーチン大統領と会談。対話による解決模索の姿勢を出した。メルケル首相はプーチン大統領とポロシェンコ・ウクライナ次期大統領の階段に同席した。3首脳はプーチン大統領との握手も映像に撮らせた。
 これに対しオバマ米大統領はプーチン大統領と会ったものの、非公式会談にとどめた。握手はもちろんなし。D-Dayに先立つG7首脳会議では、対ロシア制裁の可能性についてより強い表現を求めた。背後には米国の国内政治事情もある。秋の中間選挙を控え、野党共和党に弱腰と批判される材料を与えるわけにいかないからだ。
 当たり前だが、ウクライナ情勢も多様な条件の中で動く。

◎今週の注目(2014.6.9-15)&当面の注目
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・サッカーのW杯が12日開幕する。決勝は7月13日。期間中、世界はW杯に熱中し、多くの人びとの話題の中心になる。
 英大手ビットメーカーCoralの賭け率では、優勝候補はブラジルで3対1。次いでアルゼンチン4対1、ドイツ6対1、スペイン6.5対1、ベルギー20対1、イタリア22対1、イングランド、フランス、ポルトガルが25対1(ここまでで9か国)と続く。
 ちなみに日本は14位の80対1と、評価はまあ高い。C組のコロンビアは33対1。コートジボアールは150対1、ギリシャは300対1で、日本は2番目だ。
http://sports.coral.co.uk/football/world-cup/outright-winner-1223352.html?market_set=ALL#market-15328447
 世の多くの人の関心は「どこが勝つか」だが、英EconomistやFinancial Times紙はFIFAの抱える問題(汚職など。特に2020年のカタールW杯開催を巡る汚職)に関心を寄せている。「サッカーと政治」「サッカーとビジネス」の視点も忘れてはならない。

・ウクライナ情勢は引き続き注目。
・南シナ海の領土をめぐる中国とベトナム、フィリピンの対立も継続的に要注意事項。

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 incd-club は国際問題に関係する内外のジャーナリストやビジネスマンらのグループです。「国際ニュース・カウントダウン」は、世界のニュースから週刊単位でベスト5を選び、解説したもの。日本のメディアの報道とは異なる視点から、面白くかつ分かりやすく地球を鳥瞰しています。
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