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2014年4月

2014年4月28日 (月)

◆オバマ大統領のアジア訪問が映す課題 2014.4.27

 オバマ米大統領が23日から日本、韓国、マレーシア、フィリピンを訪問中。米国の指導力低下が指摘され、大統領の国内での政治基盤が弱体化していても、それでも米大統領の訪問は大きなニュースだ。

 オバマ政権はアジア重視外交を掲げたが、昨年10月のアジア訪問は国内の財政問題対応のために中止、APEC首脳会議も欠席した。アジアに失望が広がった。今回の訪問は、アジア重視の姿勢を改めて示す狙いがあり、「訪問すること自体が最も重要」という指摘もある。

 それは一面で正しいが、衰えたりとはいえ派遣国である以上、訪問しただけでは済まない。地域の抱える問題への対応を示し、指導力や影響力を示すことが求められる。

 今回の訪問で焦点になった問題を挙げれば、主なものでけでも以下の通り。それは、地域の抱える課題を映す。

▼中国の台頭への対応・けん制 
 日本の安倍首相との会談の後に発表した共同声明では、日米安保条約の防衛義務が尖閣諸島に及ぶ事を明記。この問題で日本支持の態度を明確に示した。中国はこれに強く抗議した。

 フィリピンとは、大統領の到着を前に新軍事協定に合意。これにより、米軍のフィリピン国内基地の利用などが可能になる。フィリピンは南シナ海の島を巡り中国と対立関係にあり、中国への対抗が両国の関係強化を進めた。中国は反発する見通しだ。

 オバマ政権がアジア重視を表明した後も、米国は中東への対応に力を割かざるを得なかった。今年に入るとウクライナ問題が起こり、当面そちらへの対応で手一杯だ。アジアでの存在感拡大は、簡単ではない。

 中国とはけん制だけでなく、協力関係の構築も重要。いずれも、一筋縄で進む話ではない。

▼北朝鮮核問題
 米韓首脳会談では、北朝鮮の核保有を許さず、協力して核問題に対応していく事を強調した。

 会談ではまた、有事の作戦統制権に移管時期の見直しを検討することで合意した。統制権は現在、在韓米軍司令官が持っているが、2015年末に韓国軍に移管することで合意していた。この時期の延長を想定したもの。

 引き続き米軍のコミットメントを維持する動きと捉えられる。
 
▼日韓関係 
 オバマ大統領はぎくしゃくする日韓関係に懸念を示し、改善を促した。
 一方、韓国では第2次大戦中の従軍慰安婦問題について「重大な人権侵害」と指摘。日本側に対応を求めた。

▼TPP
 米国にとってTPPは、アジア・太平洋での新しい貿易のルールを作る手段。それは狭義の貿易にとどまらず、中期の枠組み作りにも広がりえる。交渉の行方は、なお不透明だ。

 課題は多く、先行きも不透明だ。米国が圧倒的な力で地域の秩序を仕切っていた時代は、日々過去のものになりつつある。

2014.4.27

2014年17号(4.21-27 通算720号) 国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2014年4月21-27日

◆オバマ米大統領がアジア歴訪(23日-)☆
・オバマ米大統領が日本、韓国、マレーシア、フィリピンを歴訪中。
・日本では尖閣諸島が日米安保の対象であると明言。中国をけん制した。
・TPP交渉は前進があったものの、大筋合意には至らなかった。
・韓国では北朝鮮の核問題に断固たる対応をすると強調した。
・訪問はアジア重視の姿勢を示すのが最大の目的とされる。
・大統領は昨年10月のAPEC首脳会議を欠席。地域の失望を招いていた。
・TPPなど地域の枠組み作り、中国との関係など課題も改めて浮かび上がった。

◆TPP合意は見えず ☆
・オバマ米大統領が日本などを訪問したが、TPPで合意に至ることはできなかった。
・マレーシアのナジブ首相との会談でも、交渉加速の確認にとどまった。
・TPPは日米など12カ国参加の貿易自由化交渉。当初2013年の大筋合意を目指した。
・オバマ大統領のアジア訪問は「次の節目」と見られたが、合意に至らなかった。
・交渉がかなり前進したという情報も流れているが、米中間選挙(秋)まで期待薄との観測もある。
・TPP交渉は情報の秘密が原則で、中身は見えにくい。

◆ウクライナ情勢緊迫継続、ロシアは国境で演習 ☆
・ウクライナ東部では親ロ派による公共施設占拠が続いている。
・新政権は一時凍結していた強制排除を再開。24日には死者が出た。
・ロシアは24日、国境付近で大規模な軍事演習を開始。圧力をかける。
・親ロ派勢力は25日、OSCE監視団を一時拘束した。
・G7は26日共同声明を発表し、ロシアに対し追加制裁を実施する。

◆韓国首相が辞任表明(27日)☆
・鄭(チョン)ホンウォン首相は辞任の意向を表明した。
・旅客船沈没事故の対応不手際などの責任を取る。
・政府は犠牲者や救済者数の発表を二転三転させるなど混乱。批判を浴びた。
・朴大統領は事故対応の終了後に辞任を認める。
・朴政権は発足から1年、高支持率を保ってきたが、事故で急落している。

◆製薬会社の再編、再び加速
・ノバルティスとグラクソ・スミスクライン(GSK)は22日、事業移転を発表した。
・ノバルティスがGSKから抗ガン剤事業を買収、逆にワクチン事業を売却する。
・カナダのバリアトンは同日、米アラガン(ボトックス事業)にTOB提案をした。
・製薬会社は1990年代以来、何度かの再編を経てきた。
・しかし開発費の負担は大きく、再び再編が加速している。

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◎寸評:of the Week
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 【ボストン・マラソン】 昨年のテロから1年を経て、ボストン・マラソンが21日開催。3万6000人のランナーが参加し、無事終了した。現代社会が抱える脅威、社会の安全保障維持のあり方、スポーツの役割など、テロの投げかけた問題は多い。そんな点も含め、1年前を思い出させる。
 
 【アフガン大統領選】 今月5日投票のアフガニスタン大統領選の暫定結果が26日選管から発表された。アブドラ・アブドラ元外相が44%を獲得し首位、アシュラフ・ガニ元財務相が31%で2位だった。どの候補も過半数に達せず、上位2名で決選投票が6月7日に行われる予定。アブドラ元外相は多数民族のパシュトン人ではなく、2番目に多いタジク人系。重要だ。

◎今週の注目(2014.4.28-5.4)&当面の注目
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・オバマ米大統領のアジア訪問は、最終国のフィリピンを訪れて終了する。
・ウクライナ情勢は引き続き緊張が続く。

・ウクライナ東部で独立宣言した親ロシア系勢力が、連邦制の導入を目指す独自の住民投票を5月11日に開催しようとしている。
・ウクライナの大統領選は5月25日に行われる予定。
・インド総選挙は5月12日に投票(地域に分けて9回)が終了。5月16日に一斉開票する。
・南アの総選挙が5月7日に行われる。下院400議席を選び、下院が大統領を選出する。
 

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2014年4月20日 (日)

2014年16号(4.14-10 通算719号)  国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2014年4月14-20日

◆ウクライナ東部の緊張続く、4者合意実行不明 ☆
・新政権は15日、東部で公共施設を占拠する親ロ派の強制排除に踏み切った。
・一部空港などを奪回したが、ドネツクなどで親ロ派による占拠は続いている。
・米ロEUウクライナは17日ジュネーブで外相会議を開催。共同声明を採択した。
・武装解除や建物の合法的所有者への返還、OSCEの監視団派遣のなどで一致した。
・ただし合意が実施されるかは不透明。その後も各地で衝突が続く。
・プーチン・ロシア大統領はウクライナが内戦の瀬戸際にあると警告した。
・同国情勢は緊迫が続き、先行きは不透明だ。

◆韓国船舶沈没、死者・不明者300人以上(16日)☆
・韓国南西部で修学旅行の高校生らを乗せた旅客船が沈没。多数が船内に取り残された。
・20日現在、死者・不明者合計300人以上が確認されている。
・事故および救済の状況はテレビなどを通じ世界に放映。世界の注目を集めた。
・世界が見守る中で作業が進んでいる。

◆中国1-3月成長7.4%に減速(16日)☆
・中国の1-3月GDP成長は、前年比実質7.4%に低下した。
・全人代で掲げた成長目標の7.5%を下回った。
・輸出や投資の伸びが鈍化。個人消費の伸びもスローダウンしている。
・李首相はシャドーバンキングなど歪み是正を重視。景気対策のみを優先させない姿勢。
・世界経済は中国経済の動きに大きく影響される時代になっている。

◆IPCC報告書、2050年にガス40-70%削減必要(13日)☆
・IPCC(国連政府間パネル)は地球温暖化ガス削減に関する報告書を発表した。
・国際合意達成には、ガス排出を2050年までに10年比で40-70%削減する必要があると指摘。
・関係国は、地球の気温上昇を産業革命時から2度以内に収めると合意している。
・温暖化防止の協議は、COP(枠組み条約締結国会議)で進んでいる。
・2012年に期限終了した京都議定書に代わる新枠組作りを目指している。
・昨年末のCOP19では全ての国が自主的な削減目標を提出することで合意した。
・2015年のCOP21で合意を目指しているが、調整の行方は予断を許さない。

◆ローマ法王が聖職者の性的虐待で謝罪(11日)
・法王フランシスコは、カトリック教会聖職者による児童への性的虐待問題について謝罪した。
・「個人として責任を持ち、許しを請いたい」と述べた。
・法王が公の場で謝罪したのは初めて。
・虐待問題は2009年に相次いで表面化した。
・国連の子供の権利委員会は今年2月、法王庁に詳しい調査を求める勧告を出した。

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◎寸評:of the Week
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 【緊迫続くウクライナ情勢】 ウクライナ情勢は17日の関係国(ウクライナ、ロシア、米国、EU)会議で武装勢力の武装解除、不法占拠の解除などで合意した。しかし、それが順守され事態収拾に進むかと言えば、楽観は全く許さない。
 ウクライナ新政権は17日の4者協議に先立つ15日から強制排除に乗り出したが、親ロシア派は抵抗。多くの場所で公共施設占拠が続いている。一部の地域では衝突も発生している。
 ウクライナ新政権は一方で、ロシア語の第2公用語としての確保、自治の拡大などの妥協策を示している。しかし、「まず武装解除を」という主張は変わらないし、ロシア系住民やロシアが求める連邦制には否定的だ。対立構図は解けない。
 17日の4者会談では、ロシアによるクリミア編入は中心議題にならなかった。クリミアに関しては、欧米は当面これ以上蒸し返さない姿勢にも見える。それよりウクライナ東部の事態収拾が重要という認識だ。欧米もロシアも対話の継続を強調。できることならば事態の悪化や武力衝突回避を望んでいる事では一致するとみていい。
 ロシアのプーチン大統領は、ウクライナが内戦の目前にあると警告する。偶発的な衝突や問題のエスカレーションのリスクは大きい。

 【ガルシア・マルケス死亡】 年米コロンビアの作家ガルシア・マルケスが死亡した。87歳。「百年の孤独」で知られ、ラテンアメリカ文学ブームの立役者となった。世界中の文学ファンが知る、最後の大物の一人。その死は、世界の文化、文学派もとより、現代世界の構造やあり方についても考えさせる。

 【韓国の旅客船事故】 韓国旅客船事故は、300人以上が死亡・不明の惨事となった。事故発生直後から全世界に実況中継され、さながら世界同時放映シアターの中での報道となった。

◎今週の注目(2014.4.21-26)&当面の注目
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・ウクライナ情勢は引き続き緊迫した情勢が続く。偶発の衝突→事態泥沼化などのリスクは消えない。目が離せない。

・オバマ大統領が4月下旬に日本、韓国、フィリピン、マレーシアを訪問する。大統領は昨年末のAPEC首脳会議を欠席。アジア重視外交にミソを付けた。アジア重視のメッセージを改めて示す狙いとされるが、個別の問題も多い。日本は23-25日に訪問。TPPが焦点の一つだが、大筋合意は難しいとの指摘が増えている。日韓関係は、日本、韓国でのテーマ。中国の膨張への対応、北朝鮮核問題などもテーマになる。

・ウクライナ大統領選は5月25日。
 

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2014年4月14日 (月)

2014年15号(4.8-13 通算718号)  国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2014年4月8-13日(日本時間、欧米13日昼まで)

◆ウクライナ東部で混乱拡大、独立宣言も ☆
・ウクライナ東部で親ロ派住民による行政庁舎などの占拠が相次ぎ、混乱が拡大している。
・ドネツク、ハリコフ両州は7日、独立を一方的に宣言した。
・ドネツクなどでは3月から施設占拠が続き、動きは他の都市にも広がっている。
・ウクライナ政府は話し合いを継続。今のところ全面衝突には至っていない。
・しかし警察署占拠には強制排除に出るなど、一触即発の状況が続く。
・ロシアは事態収拾の方法として、ウクライナの連邦制移行を求めた。
・同時にウクライナに対する圧力を強め、天然ガス供給停止を辞さない姿勢を示した。
・欧米に対しては協議継続の姿勢を維持しているが、事態収拾への歩み寄りはない。
・ロシア系住民の活動の背後にロシアの支援があるとの疑念も消えず、事態は不透明だ。
・ウクライナ情勢は東部で武力衝突→ロシア介入のリスクも残しながら、不安定に推移している。

◆ウクライナ危機で世界経済の懸念深まる、G20は支援を議論(11日) ☆
・ウクライナ経済が悪化。同国発世界経済混乱の懸念も深まっている。
・同国政府は2014年の経済がマイナス3%との予測を発表した。さらに深刻化するとの見方も強い。
・IMFと日米欧は3月、今後2年出270億ドルの支援方針を表明。当面の債務危機は回避した。
・しかしロシアからの天然ガス供給停止、ガス代金支払い問題などの懸案を抱える。
・G20は11日、財務相・中銀総裁会議をワシントンで開催。同国経済や世界への影響を議論した。
・ロシアもIMFやEUと共に同国を支援する姿勢を示し、当面経済混乱拡大を回避すべく協力を演出した。
・ウクライナ危機で地政学的リスクへの認識が高まり、経済のかく乱要因になっている。

◆ギリシャが4年ぶり国債発行再開(10日)☆
・ギリシャは5年物国債30億ユーロを発行した。利回りは4.95%。
・同国は2009年に債務隠しが発覚し、事実上財政破綻。ユーロ危機の発端となった。
・2010年にEUやIMFに支援を要請し、国債の発行ができない状況になっていた。
・国債の利回りは12年末から低下。10年物国債利回りは2010年2月以来6%を下回った。
・経済は6年連続でマイナス成長を続けているが、2014年はプラスに転じる可能性がある。
・経済はようやく正常化してきた感がある。
・ただし、失業率が26%に達するなど、ギリシャ経済の抱える課題は多い。

◆北朝鮮の最高人民会議(9日)☆
・最高人民会議(国会に相当)が開かれ、幹部人事が発表された。
・国防副委員長に崔竜海世事局員が就任するなど、金正恩第一書記の側近登用が目立った。
・一方、金永南最高人民会議常任委員長は高齢にも関わらず留任。継続性も重視した。
・今回の会議は、昨年12月の張成沢氏処刑と、3月の代議員選挙後で初。
・核開発を続けながら経済再建を重視する基本姿勢の表れと見る向きが多い。

◆インドネシア総選挙、野党勝利へ(9日)
・総選挙が実施。民間速報によれば、野党の闘争民衆党が10年ぶりに第1党になる見込み。
・ユドヨノ大統領率いる民主党は大幅に議席を減らし、大敗の見通しだ。
・闘争民主党は7月の大統領選で、有力候補のウィドド・ジャカルタ州知事を擁する。
・大統領選をにらみ、インドネシア政治は闘争民主党中心の政局に入る。

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◎寸評:of the Week
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 【ウクライナ・東部の緊迫】 ウクライナ情勢は、クリミアが一服。代わって同国東部が危うい状況になってきた。
 ロシア系住民の多いドネツク、ハリコフなどで親ロ派住民が行政庁舎などを占拠。7日前後には自治共和国の独立を宣言した。庁舎や警察署の占拠は、地域の他の都市にも広がっている。
 ウクライナ政府は当初、当局による排除も辞さない姿勢を見せた。しかし、武力衝突がロシアの介入を招く懸念なども配慮、当面は話し合いの姿勢を示している。新政権はヤヌコビッチ政権崩壊直後、公用語からのロシア語の排斥などを打ち出した。こうした決定を事実上引っ込めるなど、ロシア系住民の立場をある程度尊重する。ただし、警察署の選挙に対しては武力排除を行うなど断固たる姿勢を見せている。
 ロシア系住民の活動の背後には、ロシアの支援があるとの指摘があり、米国は批判する。
 ただ、そうした点を含め情報が限られており、かつ不正確な情報も混在している。政治的な情報線と、伝達の制限(英語による情報が限られている)という「2重のバイアス」がかかっていることを認識する必要がある。

 【めまぐるしい動き】 ウクライナ情勢の動きは目まぐるしく、しかも上記のように情報が混乱しているため、誤報やタイミングを外した報道も多い。IT革命で、我々は世界の動きを瞬時に掴める時代に生きていると錯覚しがちだ。しかし必ずしもそうでないことを、改めて認識する必要がある。

 【国際的な影響】 ウクライナ情勢の国際的な影響は広範かつ大きい。すでに欧米とロシアの対立が深刻化し、冷戦後の世界秩序をになってきたG8体制が事実上崩壊。「新冷戦」との指摘も真実を含む。ウクライナ情勢がさらに混乱し、ロシアによる軍事介入に進めば、その衝撃は格段に高まる。
 経済的にも影響は大きい。ウクライナ経済の悪化はすでに顕著だが、金融危機の震源地になる懸念がある。エネルギー情勢への影響は大きく、対ロシア制裁は欧米・ロシア両サイドに経済的な打撃を与える。地政学リスクのインパクトが改めて認識された。

 【G20会議】 ワシントンで開催したG20財務相・中銀総裁会議は、ウクライナ情勢と世界経済への影響にもっぱら関心が集まった。しかし元々は、世界経済全体の成長論議がテーマだった。G20は2月に豪州で開いた財務相会合で、今後5年間にG20全体で2%成長を引き上げる数値目標で合意した。しかし、具体策の議論はなかなか進んでいない。

◎今週の注目(2014.4.14-19)&当面の注目
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・ウクライナ情勢を巡る米・ロ・ウクライナ・EUの会談が17日ジュネーブで開かれる。ケリー米国務長官などが参加。

・オバマ大統領が4月下旬に日本、韓国、フィリピン、マレーシアを訪問する。大統領は昨年末のAPEC首脳会議を欠席。アジア重視外交にミソを付けた。アジア重視のメッセージを改めて示す狙い。日本ではTPPの大筋合意を目指し、日韓では関係修復を求める可能性が大きい。

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2014年4月 7日 (月)

2014年14号(4.1-7 通算717号)  国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2014年4月1-7日

◆マレーシア航空、消息不明1カ月 ☆
・マレーシア航空機370便(B777-200) が消息を絶って8日で1カ月を迎える。
・同機はインド洋に墜落したとされるが、墜落場所や残骸などはなお不明だ。
・ここに来て、豪艦船や中国船がブラックボックスの可能性がある信号を探知した。
・ただし、情報はなお交錯しており、捜索が進むかは不明。
・北京に向かった同機がなぜインド洋に飛んだかなどもナゾだ。
・1カ月の間、世界中の関心を集めている。

◆アフガンで大統領選実施(5日)☆
・アフガニスタンで大統領選が行われた。
・タリバンが選挙の妨害を予告したが、ほぼ予定通り終了した。
・ただし一部投票所で爆発があり、テロや報復を恐れ棄権する人も多かった。
・立候補は8人。特定候補が過半数を得る可能性は少なく、5月28日に決選投票の見込み。
・同国ではタリバン政権崩壊後、2004年と09年大統領選でカルザイ氏が当選した。3選は禁止。
・カルザイ氏は安保協定を巡り米国と対立。治安維持の懸念材料になっている。
・新大統領は治安、対米関係などが課題になる。

◆中国主席、欧米民主主義的な政治改革を否定(1日)☆
・習近平国家主席はベルギーで講演し、欧米民主主義的な政治改革を否定した。
・1919年の辛亥革命後、いくつもの実験を経て社会主義を選んだと説明。
・中国の独自性を主張した。共産党1党独裁の正統性を強調した形だ。
・演説はブルージュで、一連の欧州訪問の締めくくりとして行った。

◆マイクロソフトがウィンドウズ一部無償提供(2日)☆
・MSはOCウィンドウズの一部を無償提供すると発表した。
・画面サイズが9インチ以下のスマホやタブレットなどモバイル機器が対象。
・同社は創設以来、OSのライセンス収入を収益の基本にしてきた。
・しかしモバイルでは無償OS提供のグーグル(アンドロイド)やアップルが優位にある。
・巻き返しのために戦略転換に踏み切った。
・ネットの業界地図変化やパラダイムシフトを象徴する動きだ。

◆オバマケア加入者、目標の700万人突破(1日)
・医療保険制度改革法(オバマケア)による加入者が710万人になった。
・米政府は加入の受け付けを昨年10月に開始。当初はウェブ障害で混乱が起きた。
・しかしその後システム改修などで巻き返し、当面の目標を超えた。
・オバマケアは米国内の無保険者をなくす狙いで、政権は最大の国内政策に位置づける。
・大統領は成果を強調するが、今回の達成で支持率が空かるかどうかは不明だ。
・共和党はオバマケアに反対し、中間選挙でも廃止を訴える。

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 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
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 │ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない     
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◎寸評:of the Week
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 【比較的静か】 過去数週間の緊迫に比べれば比較的静かな週。ウクライナ・クリミア情勢はやや膠着化。欧州中心に行われた首脳外交も一服だ。

 【トルコ地方選と政治情勢】 トルコの地方選が30日行われ、エルドアン首相率いるAKP(公正発展党)が勝利した。首相は勝利宣言を行った。
 今回の選挙はエルドアン政権への信任投票的な意味があり、8月の大統領選(初の直接選挙)の前哨戦とも位置付けられる。エルドアン首相に対しては、強権主義的な政治手法や周囲の汚職に批判が高まり、国内最大のイスラム団体を始動するギュレン師も反エルドアンに回った。地方選前には、政権によるツイッター遮断が表面化し、批判が高まった。
 しかし地方選の結果はAKP勝利。エルドアン首相の大統領選出馬の可能性も高まった。

 【ルワンダ虐殺20年】 1994年のルワンダ虐殺から20年になる。7日には同国首都のキガリで式典が行われた。事件では80万人とも100万人とも言われる人々が虐殺され、フツ族とツチ族のわだかまり、周辺に散った難民など、なお地域に傷跡を残す。事件当時のへの対応を批判されたフランスは、式典出席を見送った。歴史のキズとして、なお人々に様々な問いかけを発する。

 【ハンガリー総選挙】 6日実施の総選挙(一院制、199議席)はオルバン首相率いる中道右派のフィデスが圧勝した。経済改革の実績などで国民の支持が大きかった。

◎今週の注目(2014.4.8-13)&当面の注目
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・インドの総選挙が7日から始まった。5月12日まで地域ごとに投票が行われる。開票は5月16日。有権者は8億人に達し、世界最大の選挙だ。野党人民党が勝利し、10年ぶりに政権を奪還しそうな勢い。同党のモディ氏の首相就任が濃厚だ。
・IPCC(国連気候変動政府間パネル)の総会が7日からドイツで開催。新たな報告書がまとめられる予定だ。原案では、京都議定書の効果について、これまで以上に厳しい評価になりそう。
・ウクライナ・グルジア情勢は引き続き注目。
・マレーシア航空機不明事件は8日で発生から1カ月となる。
 

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2014年4月 1日 (火)

2014年13号(3.24-31 通算716号) 国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2014年3月24-31日

◆欧米がG8をボイコット(24日)☆
・G7はハーグで緊急首脳会議を開き、6月にロシアで開くG8に参加しないと宣言した。
・同じ時期にロシアを除外したG7を開催する。
・ロシアのクリミア編入を違法と批判。ロシアが態度を変えるまでG8に参加を停止する。
・ただ、G8の枠組みそのものの見直しは結論を先送りした。
・G8体制は、冷戦終了後の国際秩序を形作ってきた。
・今回のウクライナ・クリミア危機で、秩序が変わろうとしている。

◆核安保サミット、(24-25日)☆
・約50カ国や国際機関が参加する核安保サミットがハーグで開催された。
・高濃縮ウランやプルトニウムの保有量を最小限に抑えるハーグ宣言を採択した。
・核管理でIAEAの役割を重視。30カ国以上がIAEA指針を自国法に取り入れると約束。
・ウクライナ・クリミア情勢を巡る首脳外交に注目が集まったが、サミットも重要だ。

◆エジプト、シシ国防相が大統領選出馬(26日)☆
・シシ国防相は次期大統領選への出馬を表明した。
・当選は確実とみられる。選挙は5月26-27日に決まった。
・同氏は2013年7月のクーデターを主導し、暫定政権で中心的役割を占める。
・国民の支持も高く、イスラエルなど周辺諸国も期待する。
・ただし、シシ体制になれば強権的色彩が強まるとの懸念も指摘される。
・同国は2012年のムバラク政権崩壊後、ムスリム同胞団系のモルシ大統領が誕生。
・しかし経済混乱が続き、軍のクーデターでモルシ氏は解任された。
・軍中心の暫定政権は、その後同胞団を非合法化、弾圧を強めている。

◆米サウジ首脳会談、関係修復は不調(28日)☆
・オバマ米大統領がサウジアラビアを訪問。アブドラ国王と会談した。
・大統領はイラン核問題の対話促進に理解を求めたが、国王は賛同しなかった。
・直後に予定していた夕食会は、国王側の都合で急きょキャンセルされた。
・関係修復は不調に終わり、ぎくしゃくした関係ばかりが目立った。
・米・サウジ関係はオバマ大統領がシリア介入を見送ったことなどから悪化。
・イラン核問題でも、対話を目指す欧米に対し、サウジは対決姿勢を示す。

◆日米韓首脳会談が実現(25日)☆
・安倍日本首相、朴槿恵韓国大統領、オバマ米大統領はハーグで会談した。
・安倍氏と朴氏の会談は、両政権の発足から1年以上経って初めて。
・日韓関係悪化を懸念するオバマ大統領の仲介で実現した。
・協議では北朝鮮の核問題への対応を協議。歴史問題は離さなかったとされる。
・会談の直後に26日、北朝鮮は弾道ミサイル2発を発射した。けん制を見られる。

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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │ (日)騒いでいるのは日本だけ
 │ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない     
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◎寸評:of the Week
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 【ウクライナ・クリミア情勢】 ウクライナ・クリミア情勢を巡り、G7 は6月にロシアのソチで開催予定のG8首脳会議のボイコットを決定。冷戦後の世界秩序を形成してきたG8は崩壊に直面した。一方でロシアはクリミア支配の既成事実化が着々と進展。事態は当初に比べ動きが少なくなった。とはいえ、今後偶発事態の発生もぐ組め何が起きても不思議でない。

 【台湾の混乱】 台湾で馬英九政権が締結した中台サービス貿易協定を巡り、混乱が拡大している。中国との性急な接近を懸念する学生らが、協定締結の手続きや説明を巡り政権を批判。立法院を占拠するなど抗議活動を広げた。馬政権も一部譲歩に追い込まれた。馬総統が進めようとする中台の一層の接近は、そう簡単には進まない。

◎今週の注目(2014.3.31-4.6)&当面の注目
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・アフガニスタンの大統領選が4日に行われる。

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