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2013年12月

2013年12月30日 (月)

◆2013年の10大ニュース 2013.12.29

 2013年が終了する。2011年のアラブの春や福島原発事故のように時代を画すニュースはなかったが、中東の混乱拡大、米オバマ政権の求心力低下、中国新体制など世界の構造変化を移す動きは相次いだ。10大ニュースの形で2013年をレビューする。

▼INCDの10大ニュース

 INCDが選ぶ10大ニュースは以下の通り。

(1) エジプトで混乱拡大、軍によるクーデター 
(2) シリア内戦、化学兵器使用で緊張
(3) スノーデン事件、米国などの情報収集体制を揺るがす
(4) 中国習近平政権正式始動、領土問題周辺国と緊張
(5) オバマ政権の求心力低下、オバマケアで躓き、シリア問題で影響力発揮できず
(6) ローマ法王に初の中南米出身者
(7) イランに改革派新大統領、米大統領と35年ぶり直接協議
(8) アルジェリアで人質テロ
(9) フィリピンで台風被害、6000人以上死亡
(10) バングラデシュの縫製工場崩壊事故で1000人以上が死亡

▼中東の混乱拡大

 中東で重要な出来事が相次いだ。エジプトでは2011年のムバラク政権崩壊→2012年の大統領選でムスリム同胞団系のモルシ大統領当選→経済・社会の混乱を経て、7月に軍が事実上のクーデターを遂行。暫定政権の下で、同胞団の弾圧を強めている。

 シリアではアサド政権と反アサド政権の内戦が泥沼化。こうした中でアサド政権によるとみられる化学兵器の使用が表面化し、米英仏はいったん軍事介入に傾いた。しかしロシアなどは反対。結局シリアが化学兵器放棄を受け入れる形でひとまず収まった。反アサド政権勢力は内部対立が激化し、国際的支援の広がりを受けにくい状況になっている。

 マリではイスラム過激派がキリスト教系の政府と対立。フランスが軍事介入に踏み切った。その玉突きの形で、過激派がアルジェリアに流れ込み、石油プラントで人質テロ事件を起こした。

 2011年のアラブの春は地域の民主化と国家再建の希望を抱かせた。2年を経過し、各国では混乱が広がり、失望が拡大した。リビア内戦で地域に拡散した武器は、新たなテロを生んでいる。アラブの春は冬に変わったと言わざるを得ない。

▼「世界の警察官」不在

 2013年初めにオバマ政権2期目がスタートしたが、求心力の低下が目立つ。ねじれ議会下で与野党の対立が目立ち、財政問題は最後まで決着がつかず政府機関が一部閉鎖。鳴物入りのオバマケアは、システムの不具合が見つかり躓いた。

 外交でも影響力低下が隠せない。シリア内戦では、いったんアサド政権に対する軍事介入を表明しながらその後、ロシア主導の調整で見送った。アジア重視外交の象徴にするはずだったインドネシアでのTPP首脳会議は、国内の財政問題調整のため欠席を余儀なくされた。

 シリア問題に絡み、オバマ大統領は「米国はもはや世界の警察官でない」と認める発言をした。世界は警察官不在の中にあり、G0の時代にあることを、改めて認識した。

▼スノーデン事件の衝撃

 スノーデン事件は米国情報機関などによる不正情報収集の実体を白日の下にさらした。さらには米情報機関が同盟国であるメルケル独首相の携帯電話情報を収集していた事も発覚。米独関係や米欧関係を揺るがした。ブラジルのルセフ大統領は訪米を中止するなど、事件の影響は大きい。

 国際政治の世界で盗聴が行われていることはプロの間では常識だが、証拠が示されないことを前提としている。2010年のWikileaks事件や今回のスノーデン事件は、はっきりした「証拠」を突きつけた。

 欧米民主主義は、表現の自由、国家による検閲や情報規制の原則禁止(例外はある)などを基本に成り立っている。非民主主義国家に対する優位性もそこにある。Wikileaks事件やスノーデン事件は、そうした正統性を揺るがしかねない。

▼中国新体制

 中国では習近平新体制が名実ともスタートした。経済では改革路線を継続し、格差の縮小、汚職撲滅、環境問題などに取り組む。こうした政策を実行する権力基盤がどこまで固まっているかについては、様々な見方がある。民族問題はくすぶる。10月には新疆ウイグル人の犯行とみられる天安門事件突入事件が発生、世界と共産党指導部にショックを与えた。

 こうした中で、勢力の膨張が目立つ。南シナ海では領土を巡りフィリピンやベトナムなどと対立、東シナ海では尖閣諸島を巡り日本と緊張が高まる。中国の拡張は、地域の安定ではなく不安定要因になっている。

▼温暖化、労働条件
 
 フィリピンの台風被害は、単なる1地域の自然災害としてではなく、地球温暖化問題などの視点からもとらえられるべきだ。バングラデシュで起きた縫製工場崩壊事故を見るときは、途上国における労働問題などの視点も欠かせない。バングラは中国に次ぐ世界第2位の法制製品輸出国だ。

▼潮流~IT革命、新興国シフト、テロ

 10大ニュースには関連ニュースが挙がらなかったが、ネット・IT革命やグローバリゼーションの一層の進展、欧米から新興国への経済発展の中心の移動、テロと核拡散のリスクの拡大などの潮流は変わらない。2008年リーマンショックの後、資本主義がその形を問い直されていおり、世界の金融システムがなお不安定な点も変化していない。

 こうした潮流は、2014年も続くだろう。

▼▼世界のメディアの選ぶ10大ニュース

 世界のメディアは様々な視点から10大ニュースを選んでいる。参考のために示す。

◆米Time誌
1. Syria’s Civil War ? and the War That Didn’t Happen (シリア情勢)
2. Iran’s New Chapter (イランに穏健派新大統領、米大統領と電話会談)
3. The End of Egypt’s Revolution? (エジプト混乱、クーデター)
4. Snowden Shakes the World (スノーデン事件、米などによる機密情報収集問題明るみに)
5. Francis, the Progressive Pope (法王に初の南米出身フランシス)
6. Africa’s Ring of Terror (マリの内戦、アルジェリアのテロ事件、中央アフリカなど)
7. Bangladesh’s Factory Disaster (バングラデシュの縫製工場事故で1000人死亡)
8. China’s Naval Tensions (中国南シナ海、東シナ海で緊張。尖閣問題など)
9. India’s Rape Epidemic (インドのレイプ事件、抗議活動も拡大)
10. Supertyphoon Haiyan (フィリピンの台風被害)

◆AP通信=米国と世界を区分しないで選択している。
1.オバマケア
2.ボストンマラソンの爆弾テロ
3.新ローマ法王
4.米議会の与野党対立
5.スノーデン事件
6.同性婚
7.マンデラ死亡
8.フィリピンの台風被害
9.シリア情勢
10.10年以上拉致の女性3人発見

◆読売新聞=読者投票によるランキング
1位 猛烈な台風がフィリピン直撃、死者・行方不明者約8000人 5,127(96.10)
2位 英王子の妻キャサリン妃が男児出産 3,600(67.48)
3位 露に隕石落下、1200人以上負傷 3,555(66.64)
4位 中国共産党の習近平総書記を国家主席に選出 3,225(60.45)
5位 中国で大気汚染による濃霧が過去50年で最多と判明 2,591(48.57)
6位 ローマ法王に初の中南米出身枢機卿 2,300(43.11)
7位 サッチャー元英首相が死去 2,195(41.14)
8位 米英紙報道で米当局の通信監視が発覚 2,131(39.94)
9位 オバマ米大統領の2期目スタート 2,092(39.21)
10位 米ボストンマラソンのテロで3人死亡 2,021(37.88)

2013.12.29

2013年52号(12.23-29 通算703号) 国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2013年12月23-29日

◆安倍日本首相が靖国神社訪問、東アジアの緊張 ☆
・安倍首相が靖国神社を訪問した。現職首相の訪問派2006年の小泉氏以来7年ぶり。
・中国や韓国は強く反発した。同神社はA級戦犯を合祀している。
・日中、日韓関係は尖閣問題などで冷え込み、首脳会談も長期間開催されていない。
・訪問で関係がさらに悪化し、東アジアの緊張が高まるのは避けられない。
・米国は大使館や国務省が失望を表明。同盟国としては異例の警告をした。

◆エジプトがムスリム同胞団をテロ組織指定(25日) ☆
・エジプト暫定政権はイスラム原理主義組織のムスリム同胞団をテロ組織に指定した。
・24日に北部のマンスーラで起きたテロ事件を同胞団によるものと非難した。
・2012年の大統領では同胞団が支援するモルシ氏が当選。議会でも多数を占めた。
・しかし今年7月軍のクーデターでモルシ政権は崩壊。同胞団は非合法組織指定された。
・テロ組織指定で、同胞団への弾圧がさらに強まる可能性がある。
・暫定政権は来年1月に憲法改定の国民投票を実施する予定。

◆今年の世界経済減速、新興国の成長率が低下 ☆
・2013年の世界経済は、前年より減速。新興国の成長率が低下した。
・IMFの10月見通しによると、世界経済成長率は12年の3.2%→2.9%に低下した。
・新興国経済が減速。中国は7%台成長だったが、インドは3%台、ロシアは1%台に落ちた。
・米国の成長率は前年より下がった、失業率は約7%に低下。金融緩和縮小を決めた。
・2014年の成長率は前年より回復するとの見方が多い。
・ただ、先進国の財政悪化、マネーの流れの不安定性など、不確定要素は多い。

◆オバマ政権の支持率低下加速
・米オバマ政権の支持率が低下している。
・CNNの12月世論調査では、支持率が過去最低の41%、不支持率は最高の56%だった。
・オバマケアがシステムトラブルでうまく始動しなかったことなどが批判対象になっている。
・大統領は政権の人事などてこ入れを図っているが、求心力の回復は容易ではない。

◆トルコ政権が汚職で動揺、首相が大幅内閣改造(25日)
・エルドアン政権が都市開発などに絡む大規模汚職事件で揺れている。
・身内から逮捕者が出た経済相などが辞任。首相は10閣僚を交代する改造を発表した。
・かつて政権を支持してきたイスラム教組織「ギュレン運動」も政権批判を強めている。
・今夏にはイスタンブール中心部再開発に端を発し反政府デモが全国で展開された。
・同国は2014年に統一地方選や大統領選を控える。
・2003年就任後強い指導力を発揮してきたエルドアン首相は、曲がり角に直面する。

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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │ (日)騒いでいるのは日本だけ           
 │ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない     
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◎寸評:of the Week
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 【2013年】 2013年が間もなく終了する。年末の常で、1年をじっくりレビューしてみたい。「国際ニュースを切る」コラム参照。

 【安倍首相の靖国訪問】 日本の安倍首相の靖国神社訪問というサプライズがあった。中国、韓国の批判に加え、米国も明確に失望を表明した。メディアの論調も批判的なものが多い。
 中国の習近平政権は国内保守派への配慮などから、対外弱腰と受け取られる対応はしにくいとの見方が多い。尖閣諸島を巡り、偶発的な事件が起きる確率は、確実に高まったとみるべきだろう。
 日本のメディアの報道では、安倍首相が米国の出方を読み切っていたか疑わしいとの指摘もある。政治家の重要な資質の1つである情報収集力・分析力が問われる。
 日本国内のネットなどでは、首相を支持するナショナリズムの色彩が強い意見も流れている。中国でも日本でもナショナリズムが暴走するリスクがある。そのリスクを食い止めるのが政治家の役割だが、今回の訪問は反対に煽ったとみられても仕方がない。首相の責任として、極めて重い。

◎今週の注目(2013.9.12.30-2014.1.5)&当面の注目
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・安倍首相の靖国訪問を受けた中国、韓国などの反応に注視。
・米国のケリー国務長官が1日にイスラエルとパレスチナ自治区を訪問する。和平交渉推進を目指す。
・バングラデシュで1月5日に総選挙が予定されている。与党・アワミ連盟のハシナ首相が決定した。野党バングラデシュ民族主義党はボイコットの姿勢。選挙が実施されるかも含め、情勢は流動的だ。

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2013年12月22日 (日)

◆年末に世界の潮流を考える 2013.12.22

 2013年も残すところわずか。「2013年の10大ニュース」は最終週にレビューしたいが、今年の動きの前提になる「世界の潮流」をレビューしてみたい。

▼第2次大戦後の節目

 2013年はリーマン・ショックの5周年だった。「xx周年」といわれるような節目の出来事を振り返ると、世界の潮流を掴みやすい。冷戦終結後の節目の年と言えば、以下が上げられるだろう。

・1989年 ベルリンの壁崩壊。冷戦終結。
・1995年 インターネット時代。
・2001年 同時多発テロ。テロとの戦いの時代。
・2008年 リーマンショック。
・2010年 中国GDP世界2位。
・2011年 アラブの春

▼経済、世界の枠組み、安全保障

 現在の世界を見るうえで、押さえておくべき「潮流」を経済、世界の枠組み、安全保障の3点から整理してみたい。

●経済

1)グローバリゼーション
 毎年単独のニュースとしては出現することは少ないが、世界を見るキーワードとして欠かせない。

2)技術革新(新産業革命)
 95年ごろからインターネットの時代に入り、携帯やスマホが世界に普及。経済はもとより、政治や社会を動かすようになった(アラブの春)。ネットだけでなく、バイオやロボットなどの発展も世界を変えている。

3)新自由主義時代の終焉
 1980年代からの新自由主義が隆盛を誇った世界経済は、2008年のリーマンショックで枠組みの見直しを迫られている。その答えはまだ見えていない。
 リーマンショック後の不況に、先進国は超金融緩和と財政出動で対応。そのツケの処理に悩んでいる。

●世界の枠組み

1)Gゼロの時代、米国の威信低下
 冷戦時は米ソが世界を仕切っていた。冷戦後終了、米国は唯一の超大国となったが、イラク戦争の躓きなどから影響力は低下。世界は警察官のいないGゼロの時代に入ったと指摘される。

2)新興国へのパワーシフト
 世界は米ソ(冷戦時代)や米欧が仕切る時代出なくなった。経済発展の中心は中国、インドなど新興国に移り、それとともに政治的な影響力も増加している。

●安全保障

1)民族・宗教対立
 世界は冷戦時代の多雨材対立(イデオロギー対立)→民族紛争や宗教対立の時代に入った。各地で紛争が続出する状況が続く。
 中東の混乱は、政治体制の問題であると同時に、宗教、民族問題が絡む。

2)テロ戦争
 2001年の同時多発テロは、世界がテロ戦争の時代に入った事を認識させた。テロは各地で続出する。

3)失敗国家
 ソマリア、イエメンなどの失敗国家が増加。戦後国際ルールに従わない国家も出現し、地域の安定を揺るがす。

▼世界の潮流と2013年の動き

 2013年の重要にニュースとしては、中東の混乱(シリア内戦、エジプトのクーデター、トルコの反政府運動)、中国習近平体制の本格始動、米オバマ政権第2期発足と求心力の低下、スノーデン事件などがある。

 こうしたニュースの位置づけや重要さを考える場合、「潮流」の理解は不可欠だ。潮流をしっかりとらえた上で、2013年の10大ニュースを次号(2013年最終週)で考えたい。

2013.12.22

2013年51号(12.16-22 通算704号)  国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2013年12月16-22日

◆米が量的金融緩和を縮小へ、出口戦略始動(18日)☆
・米FRBは、量的金融緩和の縮小を決めた。
・市場から購入する長期国債・住宅ローン担保証券を月850億ドル→750億ドルに縮小する。
・雇用情勢の改善を踏まえて判断した。
・ゼロ金利は継続する。
・2008年のリーマン・ショック後の金融緩和策の「出口戦略」が動き出す。
・決定を受けて市場ではドル高、先進国の株高が進んだ。

◆EU首脳会議、銀行同盟の道筋決定(19-20日)☆
・EU首脳会議は、ユーロ圏における銀行監督など金融行政統合の道筋を承認した。
・銀行監督の一元化を欧州中銀を中心に2014年秋に導入する。
・銀行破綻処理は破綻処理委員会と基金を2015年の導入する。
・預金保険機構の一本化は調整が進まなかった。適用範囲10万ユーロは既決。
・EUはユーロ危機後、金融行政の統合を進めている。

◆ロシア大統領がユーコス元社長を恩赦(20日)☆
・プーチン大統領は服役中の大手石油ユーコスのホドルコフスキー元社長を恩赦した。
・同氏は野党勢力に資金援助し、プーチン政権と対立。2003年に逮捕され、服役していた。
・恩赦の背景には、ソチ五輪をにらみ人権問題への配慮を示す狙いがあるとみられる。
・欧米首脳はロシアの人権問題を批判し、ソチ五輪への出席見送りを相次ぎ表明している。
・ロシア与党は18日、下院で2万5000人を対象とした恩赦法案を可決した。
・反政府演奏で実刑判決を受けた女性バンド、プッシー・ライオット2人も釈放される。
・ホドルコフスキー氏はシベリアの施設から釈放され、ドイツに到着した。
・恩赦の嘆願をしたが罪は認めていないとしており、経緯には不透明な面が残る。。

◆南スーダンで武力衝突、混乱拡大 ☆
・南スーダンの首都ジュバなどで15日以降、部隊同士の衝突が拡大した。
・キール大統領派とマシャル元副大統領派の衝突とみられる。背景に部族対立が指摘される。
・大統領はディンガ族、元副大統領はヌエル族。元副大統領は7月に解任された。
・19日には国連のPKO部隊の基地が武装勢力の襲撃を受け、インド兵士2人が死亡した。
・同国は1983年からのスーダン内戦を経て、住民投票の結果2011年7月に独立した。
・オバマ米大統領は19日懸念を表明。国連安保理が協議し、米国は特使を派遣した。
・スーダン内戦→和平・独立を損ないかねない情勢で、国際的な懸念が広がる。

◆ドイツ大連立政権が発足(17日)
・独キリスト教民主・社会同盟と社会民主党が大連立政権発足で合意した。
・第3次メルケル政権が発足した。
・メルケル政権は2005年に発足。総計10年以上の長期政権になる可能性が大きい。
・首相は所信表面演説で欧州統合推進を強調する一方、財政規律重視の姿勢を示した。

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 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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◎寸評:of the Week
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 【2013年】 2013年も残すところわずか。今年の10大ニュース関連も色々な報道があり、米Time誌恒例の"Person of the Yera"は法王フランシスコが選ばれた。

 【米量的緩和縮小】 米FRBが量的緩和の縮小を決めた。2008年9月のリーマンショックの後、米国が最初の量的緩和(いわゆるQE1)に踏み切ったのが同年11月。12月にはゼロ金利政策を決め、超緩和政策を鮮明にした。その後2010年11月にQE2、2012年9月にQE3を実施し、市場に大量の資金を提供してきた。
 超金融緩和は米経済の底支え役を果たした。10%超まで上がった失業率は、約7%に低下した。しかし一方で緩和政策は市場にカネ余り現象を生み、新興国への資金の流入や逆流など弊害も生んだ。財政は悪化し、「出口戦略」が課題になっている。
 バーナンキ議長は2013年5月に緩和縮小に言及したが、発言をきっかけに市場が動揺。米国の金融政策は世界の注目を浴びていた。議長の期限は2014年1月まで。イエレン次期議長の手腕が早くも注目される。

◎今週の注目(2013.9.12.22-29)&当面の注目
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・2013年もいよいよ大詰め。本年の出来事、来年に持ち越す課題などをレビューしたい。

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2013年12月16日 (月)

2013年50号(12.9-15 通算703号) 国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2013年12月9-15日
 

◆北朝鮮No2の張氏を粛清、死刑執行(12日)☆☆
・北朝鮮労働党は8日、実質No2の張成沢氏を全ての職から解任した。
・4日後の12日には特別軍事裁判で死刑を判決。即日執行した。
・張氏は金正恩第1書記の叔父で国防副委員長を務めていた。
・張氏が国家転覆の陰謀を働いていたなどと批判した。
・路線対立や金氏の「1人独裁体制」確立の狙いなどが指摘されるが、真相は不明。
・北朝鮮が指導者の軍事裁判や刑の執行を公表するのは異例。
・同国内で権力闘争が起きている可能性が大きい。
・張氏は対中関係や経済政策のキーマンだった。粛清の影響は様々出そうだ。
・それにしても北朝鮮の異様さが改めて伝わってくる。

◆中国が探査機を月に着陸(14日)☆
・中国が打ち上げた月面探査機が軟着陸に成功した。
・月面への探査機着陸は米国、旧ソ連に次いで3カ国目。
・資源開発をにらみ、地質調査などを進める。
・中国は2003年に有人宇宙船打上げに成功。宇宙開発技術向上に努める。
・2020年には独自の宇宙ステーション開発を目指している。
・技術の軍事転用への懸念も指摘される。

◆米財政、与野党が合意(10日)☆
・民主、共和両党は中長期の財政運営に関する超党派協議で合意した。
・14-15会計年度の予算規模は1兆ドル強と、両党主張の中間で合意。
・国防費など連邦支出を強制的に一時カットする措置を緩和する。
・合意の結果、政府機関の閉鎖に再び追い込まれる可能性は小さくなった。

◆タイ首相が下院解散・総選挙を宣言(9日)
・最大野党・民主党の下院議員150人が8日議員を辞職した。
・インラック首相は9日、下院解散を表明した。2月に総選挙を行うとしている。
・同国では野党などが反政府デモを展開。政府機関を一部占領し続ける。
・首相の兄のタクシン元首相の影響力排除や選挙制度改革を求めている。
・反政府派はのステープ元副首相は選挙制度改革なしに選挙には応じないと表明。
・政権側は、野党不在でも総選挙実施に踏み切るとの姿勢だ。
・タイの政治混乱は依然先行きが見えない状況にある。

◆マンデラ氏葬儀(10-15日)☆
・5日に死亡したマンデラ元南ア大統領の国葬関連行事が行われた。
・公式追悼式は10日にヨハネスブルクのサッカー場で開催。
・オバマ米大統領など約100カ国・機関の首脳級が出席した。
・首都プレトリアでの遺体の一般公開には10万人が訪れた。
・葬儀は15日に出身地の東ケープ州クヌで行われ埋葬された。
・式典ではオバマ大統領とキューバのラウル・カストロ議長が握手するなど話題もあった。
・葬儀を経て、マンデラ氏は歴史上の偉人となった感がする。

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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │ (日)騒いでいるのは日本だけ           
 │ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない     
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◎寸評:of the Week
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 【北朝鮮の粛清】 北朝鮮ナンバー2だった張成沢氏の粛清という衝撃的なニュースが流れた。同氏は金正恩第1書記の叔父で、金書記の後見人とみられていた人物。8日に全ての職から解任され、連行される様子は映像で流された。それからわずか4日後には、死刑の判決が下され、直ちに執行された。異例ずくめだ。
 北朝鮮は1948年の建国以来何度も権力闘争を展開し、粛清劇も1度や2度ではない。しかしそんな場合は極秘裏に行われるのが普通だった。今回のように全て公開するのは異例だ。
 粛清の理由は分からない。表向きの理由は張氏がクーデターによる国家転覆を企てたとされるが、本当とは言い難い。金第1書記にとって張氏が煙たくなった、軍との権力闘争に敗れた、経済改革を進めようとした張氏と反対勢力の政策対立、など様々な推測が出ているが、詳しいところは不明だ。
 いずれにせよ、北朝鮮内部で権力構造が変わっていることは間違いない。それは、すぐに地域の不安定に転嫁しうる。

 【年末の重要な動き】 年末をにらんで重要な動きが重なっている。TPPは10日の閣僚会議で年内決着ができず、交渉の越年が決まった。日本とASEAN諸国は14日東京で特別首脳会議を開催。ロシアのプーチン大統領は12日年次教書演説を行い、投資環境の改善による経済成長を目指した。

◎今週の注目(2013.9.12.16-22)&当面の注目
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・12月15日にチリ大統領選の決選投票が行われた。野党・左派連合のバチュレ前大統領の優位が伝えられる。
・EU 首脳会議が19-20日に行われる。
・年末を迎え、2013年の10大ニュースが発表される。

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2013年12月 8日 (日)

◆マンデラ氏の人生と世界 2013.12.8

 ネルソン・マンデア氏が5日死亡した。95歳。反アパルトヘイト運動の先頭に立ちその廃止に貢献し、南ア初の黒人大統領として新生国家の建設と人種の融和に努めた。同氏の歩みは「差別との戦い」や「融和」の象徴となり、世界の尊敬を集めた。訃報を聞き、世界やリーダーシップについて改めて考えさせられる。

▼偉大な指導者

 マンデラ氏の死後、世界各国の指導者が追悼の声明を発表した。ズマ南ア大統領は「偉大な人物を失った」と悲しみを表明。オバマ米大統領は「1人の人間に対するいかなる期待をも超える功績を遺した」、キャメロン英首相は「偉大な灯が消えた」と発表した。

 こうした「偉大な指導者」との賞賛が、違和感なく受け止められる人物は少ない。英Economistの記事は、マンデラ氏をガンジー、チャーチル、ルーズベルト、ドゴール、ケネディらと並んで20世紀の偉大な政治指導者として上げた。

▼平和裏の革命

 マンデラ氏の功績でまず上げられるのがアパルトヘイト廃止への貢献。しかし単に廃止しただけでなく、それを平和裏に実現したところに同氏の非凡な指導力がある。

 同時に、アパルトヘイト廃止後の南アで黒人と白人の融和をかなりの程度実現。社会の安定を維持し、後の発展に結び付けた。マンデラ氏の存在なしに、今日BRICSの一環として注目される経済の発展や、平和裏にサッカーW杯を開催した南アの姿は想像できない。

▼「人類に対する罪」との闘い

 人種隔離政策と訳されるアパルトヘイトは、少数の白人が多数の黒人を有利な場所・地位などから締め出し、差別する制度だった。1901年に導入され、第2次大戦後の1948年に法制化された。アパルトヘイト下で黒人は参政権がなく、居住区も指定。教育も白人と差別されていた。

 第2次大戦後、世界各地で人種差別や偏見は幅広く残ったが、これだけ露骨に法律で認めた制度は南アなど数カ国を除いてなかった。アパルトヘイトは、世界の人種差別の象徴となり、「人類に対する罪」と言われた。マンデラ氏が闘ったのは、こうした不条理なシステムだった。

▼27年の獄中生活で

 マンデラ氏は1918年に東ケープ州で誕生。大学中退後に黒人の政治組織ANC(アフリカ民族会議)に参加し、反アパルトヘイト運動を主導した。

 白人政権は1962年にマンデラ氏をとらえ、国家反逆罪で終身刑判決を決定。マンデラ氏をケープタウン沖のロベン島の刑務所などに収監した。獄中生活は合計27年に及ぶ。

 マンデラ氏は刑務所内でリーダーとして振る舞うのと同時に、獄中からから反黒人差別の運動を展開。ANCも同氏を抵抗運動のシンボルとして活用し、マンデラ氏は反アパルトヘイトの指導者としての存在感を高めていった。

 ANCは1960年代には武装闘争を展開し、マンデラ氏の初期の言動には過激な内容もあった。しかし次第に黒人に対する差別だけでなく、白人に対する差別を含むあらゆる差別に反対する色彩を強めた。敵対だけでなく、融和も重視したのだ。

▼無血のアパルトヘイト廃止・政権交代
 
 マンデラ氏らの闘争や国際的なアパルトヘイト批判を背景に、南ア白人政権の姿勢も変わっていった。1980年代末にデクラーク氏が大統領に就任し、黒人との共存路線に明確に舵を切った。

 デクラーク氏は1990年にマンデラ氏を釈放。マンデラ氏はANC議長に就任し、共に平和的にアパルトヘイト廃止や民主的政権への移行を目指した。

 1991年にデクラーク政権はアパルトヘイト関係の法律の廃止を宣言。ここに南アのアパルトヘイトは終焉を迎えた。1993年、マンデラ氏とデクラーク氏はノーベル平和賞を受賞した。

▼融和を訴え

 1994年4月に全人種参加の選挙が行われ、ANCが勝利。マンデラ氏は大統領に就任した。就任演説で同氏は「国民を分断してきた深い溝に橋を架ける時が来た」を表明。白人に報復するのではなく、全人種の融和を強調した。

 融和の例の一つが1995年に開催したラグビーワールドカップ。それまで南アでラグビーは白人のスポーツとみなされ、国民の分断の象徴だった。マンデラ大統領はこれを融和の象徴とすべく自ら動いた。代表チームによる黒人少年らへの指導などを通じ、黒人も含む国民が代表チームを応援する状況を作り上げた。その経緯は映画「インビクタス」に良く描かれ、印象深い。

▼社会安定と経済発展

 黒人中心の政権への移行で、白人は報復を懸念。国外への大量の脱出→経済の混乱などが懸念された。マンデラ氏の融和政策はこうした懸念を押さえた。

 また黒人と白人の対立から治安の悪化を懸念する声も強かったが、マンデラ氏の存在とメッセージが社会の安定を維持した。それが新生南アの建設にどれだけ役立ち、経済発展の土台になったか計り知れない。

 南ア経済は問題を抱えながらも成長。2000年代にはBRICS(BRICs4カ国に南アが加わった)として世界の成長センターとして認められる。2010年のサッカーワールドカップの成功も、マンデラ氏の築いた新生南アの土台の上に成り立っている。

▼Legend

 マンデラ氏は経済発展による貧困の撲滅、エイズの撲滅などにも取り組み1999年まで大統領を務め、政界を引退した。引退後は世界を回り、アフリカの発展や地位向上のために尽力した。

 NYやロンドンなど訪問地では万人単位の人々を集め、その存在感と影響力を見せつけた。若いころの闘士のイメージとは違い、公の場では絶えず笑顔。全世界の尊敬を集めた。

 伝記は多数発行され、映画やテレビでも様々な角度から取り上げられた。ロンドンの国会議事堂前広場にはマンデラ氏の像が立ち、世界遺産になったロベン島の刑務所を訪れる観光客はマンデラ氏の部屋の前で偉人に思いを馳せる。マンデラ氏の評価は、生前すでにlegend(伝説)の域に達していたと言ってもいいかもしれない。

 10日から開かれる告別の式典には、世界各国の首脳が出席する。その規模は2005年のヨハネ・パウロ2世以来になる見通し。世界は「偉大な指導者」の足跡から何を受け取るのだろうか。

2013.12.8

2013年49号(12.1-8 通算702号) 国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2013年12月1-8日

◆マンデラ南ア元大統領が死亡(5日)☆
・ネルソン・マンデラ元南ア大統領が死亡した。95歳だった。
・反アパルトヘイト運動を指導し、27年の獄中生活を経験した。
・活動は1991年のアパルトヘイトの平和裏な廃止に結びついた。
・1994年に初の黒人大統領に就任。白人への報復でなく、人種融和を目指した。
・その存在は反差別運動の象徴、アフリカ発展の希望となり、世界中の尊敬を集めた。
・まさに「偉人」と言うにふさわしい指導者だった。

◆北朝鮮No2の張氏失脚の可能性、権力構造変化か(3日)☆
・北朝鮮の張成沢国防委副委員長が失脚した可能性が高まっている。
・韓国国家情報局が3日明らかにした。
・同氏は金正恩第1書記の叔父で、実質No2とみられてきた。
・北朝鮮内で権力構造の変化が起きている可能性がある。

◆米副大統領がアジア訪問、緊張緩和目指す ☆
・バイデン米副大統領が日中韓を訪問した。
・中国の防空識別圏設定による緊張緩和を目指す外交を展開した。
・習近平中国国家主席との会談(4日)では、防空圏設定に懸念を示し容認しないと伝達。
・その上で偶発事故回避など緊張緩和措置設定を要求した。
・韓国では日韓関係の緊張改善への要望などを伝えた。
・韓国は5日、自国の防空識別圏を拡大する方針を表明した。中国への対抗などの狙い。

◆仏が中央アフリカに軍事介入、情勢混迷に対応(5日) ☆
・オランド大統領は中央アフリカに軍事介入を表明した。
・同国はキリスト教、イスラム教両勢力の対立などで無政府状態にある。
・国連安保理は同日、治安安定のため仏とアフリカ諸国の武力行使容認を決議した。
・仏は1200人あまりの軍を派遣。アフリカ諸国が3600人程度が派遣する見込み。
・同国では少数派イスラム教徒主体の「セレカ」が3月首都バンギを制圧。その後抗争が続く。
・フランスは1月にマリに軍事介入しており、今年に入って2回目の介入となる。

◆WTO閣僚会議、部分合意(7日)
・インドネシアの開催のWTO閣僚会議は、ドーハ・ラウンドの部分合意に達した。
・合意は通関業務の簡素化による貿易円滑化、農業補助金菜、途上国向け関税。
・2001年に開始したドーハ・ラウンドで最も具体的な成果になる。
・ドーハ・ラウンドは元々8分野の同時決着を目指したが、調整容易な分野優先となった。
・ただ、残り5分野の進展のメドは立たない。
・WTOの交渉不調の間に、世界ではFTAやTPP交渉が前進。
・多数の国の交渉であるWTOの存在が問われる事態にある。

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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │ (日)騒いでいるのは日本だけ           
 │ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない     
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◎寸評:of the Week
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 【マンデラ死亡】 ネルソン・マンデラ元南ア大統領が死亡した。アパルトヘイト廃止に尽力した偉大な人物。歴史上に名を残したという意味では、今年は同氏とサッチャー英元首相か。

 【タイとウクライナ】 タイとウクライナの政局動揺が続く。タイでは政府運動が政府機関を占領。インラック首相はロシア、日本訪問日程をキャンセルするなど、外交にも影響し始めた。ウクライナでは連日、EUとの連合協定先送りなどに反対するデモが展開されている。

 【米失業率】 米労働省が発表した10月の雇用は、失業率7.0%と2008年11月以来の低水準。経済は上向き情報も伝えられる。ただし、足元が危うい状況であることに変わりはない。

 【金融機関への制裁】 欧州委員会は4日、LIBOR疑惑(ロンドン銀行間取引金利)を巡り、6行に17億ユーロの制裁金を科した。カルテル行為を働いたとの判断。ドイツ銀や英RBSなどを対象とした。情報提供した英バークレイズなどは除外された。
 金融機関への罰則では、先に米政府がJPモルガンチェースに多額の罰金を科したばかり。それに続く大型の制裁だ。
 2008年の金融危機から5年が経過したが、金融機関に対する世間の批判は依然強い。リーマンショックを引き起こした無責任な貸し出し拡大への批判や、危機時に国により救済されたのに経営責任が不十分という不満、金融機関経営者の高額報酬への批判などが重なる。米欧の制裁は、こうした世論の批判を考慮している、との指摘もある。

◎今週の注目(2013.9.12.9-14)&当面の注目
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・マンデラ氏の国葬・告別式点が10日から南アで行われる。オバマ米大統領をはじめ、世界各国から指導者が出席。弔問外交が行われる。
・米国で金融機関の活動を規制する「ボルカールール」の細則が10日発表される。
・北朝鮮の張成沢国防委副委員長失脚説が流れるなか、どのような動きがあるか。
・12月15日にチリ大統領選の決選投票が行われる。

・12月入り。2013年の10大ニュースやman of the personの時期。
・Time誌のPerson of the Year.

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2013年12月 1日 (日)

2013年48号(11.25-30 通算701号)  国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2013年11月25-30日
 

◆ウクライナがEUとの連合協定先送り、ロシアに配慮(26日)☆
・ウクライナはEUとの連合協定締結を見送った。21日作業を中断。26日発表した。
・協定はFTAを含む関係強化を目指すもの。ウクライナは12年に仮調印した。
・しかしロシアへの配慮等から本調印先送りを決めた。
・15年の大統領選をにらみ、自由化に伴う痛みの回避も考慮した模様。
・野党支持者は見送りに抗議のデモを展開。30日には治安当局と衝突した。
・同国では2004年のオレンジ革命以降、新欧米派と新ロシア派の対立が続く。
・協定調印を巡り、対立が再燃した格好だ。
・ロシアは旧ソ連圏へのEUの影響力拡大を警戒。圧力をかけている。
・旧ソ連のモルドバ、グルジアは29日同協定に仮調印したが、アルメニアは見送った。

◆タイ野党支持勢力が政府機関占拠 ☆
・バンコクなどで野党支持者による反政府抗議活動が拡大。
・反対派が中央官庁や国営通信社などを占拠。行政はマヒ状態に陥った。
・デモ隊は占拠拡大の方針を打ち出し、政権打倒を宣言した。
・一方政府支持派もデモを展開している。
・今回の抗議活動は政府が恩赦法成立を目指した事がきっかけで起きた。
・同国では2006年のクーデター以来、タクシン元首相と反タクシン派の対立が続く。
・混乱の再燃で、経済などへの影響も懸念される。

◆中国の防空識別圏設定巡り緊張 ☆ 
・中国が東シナ海に防空識別圏を設定したことを巡り、緊張が高まっている。
・中国空軍は28日、識別圏内の視界飛行を常態化すると発表。
・29日には戦闘機を緊急発信したと発表した。日米の軍用機が圏内に入ったためとする。
・米国政府は中国設定を批判。一方、自国民間航空機には事前通告をするよう助言した。
・助言は中国の主張の正当性を認めたわけでないと強調するが、不足の辞退回避を狙った。
・識別圏は、Air Defence Identification Zone(ADIZ)。

◆独、大連立合意(27日)☆
・ドイツの与党キリスト教民主・社会同盟と野党社会民主党が大連立で合意した。
・9月22日の選挙から2カ月の交渉を経て合意文書をまとめた。
・政策合意は健全財政を柱とし、与党の政策から大きなズレはない。

◆ベルルスコーニ元首相失職(27日)(^^)
・イタリア上院はベルルスコーニ元首相の上院議員の資格停止を決議した。
・元首相は今年8月、脱税で有罪が確定した。
・同氏は1994年から2011年まで3回にわたり合計9年首相を務めた。
・政治力を示す一方、スキャンダルも重ねた。
・良い意味でも悪い意味でもイタリアを代表する政治家で、国際的注目度も高かった。

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◎寸評:of the Week
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 【ウクライナとタイのデモ】 背景も構図も違うが、ウクライナとタイのデモが世界の関心となっている。ウクライナはヤヌコビッチ政権がEUとの連合協定締結先送りを決めた事から、野党支持勢力が抗議のデモを展開。治安当局との衝突で死傷者も出た。タイではタクシン派と反タクシン派の対立が再燃、政府機能のマヒに追い込まれている。いずれも根の深い問題で、問題は長引く懸念がある。

◎今週の注目(2013.9.12.1‐7)&当面の注目
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