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2013年6月

2013年6月30日 (日)

2013年26号(6.24-30 通算679号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2013年6月24- 30日(欧米30日午前まで)

◆中国の金融・経済に世界が注目、新興国リスク高まる ☆
・中国の経済・金融リスクに対する世界の注目が高まっている。
・25日には上海株が5%下落。世界的な株価の低下につながった。
・習近平政権は、過剰融資を押さえ込むため引締めも辞さない姿勢を示している。
・20日には人民銀が資金供給を絞り、翌日物金利が7%台→13%台に急騰した。
・ただ、急激な引締めは金融システム不安につながるため、舵取りに苦悩している。
・中国ではシャドーバンキングなどを通じ、資金が不動産投資などに流れ込んでいる。
・世界経済は過去数年、中国を始めとする新興国の発展で成長を維持してきた。
・ここに来て新興国変調のリスクが、急速に膨らんできている。

◆米最高裁が同性婚容認判断(26日)☆
・連邦最高裁は、結婚を男女間に限るとした連邦法を違憲とする判決を下した。
・異性婚夫婦より高額の相続税を求められたのは違憲とする原告の訴えを認めた。
・判決は5対4で決定した。
・米国では2004年以降12州で同性婚が認められ、カップルは80万と推定される。
・連邦法の規定では、税金や社会保証優遇などを異性婚に限っていた。
・オバマ大統領は歓迎の声明を発表した。
・一方保守派は反発。各州に同性婚を認めないように働きかける。
・判決は直接同性婚を認めるものではないが、容認を示す。

◆エジプト大統領就任1年、各地でデモ拡大し緊張(30日)☆
・モルシ大領就任から1年を迎えた。
・反大統領派は就任以降から最大規模のデモを全国で展開。退陣を求めた。
・大統領支持派もデモを展開。衝突が発生し、29日には3人が死亡した。
・大統領は、事実上初の民主選挙で2012年に選出された。
・しかし経済低迷が続き、大統領も強権的姿勢やイスラム色を強めている。
・軍は今のところ中立を保っている。
・エジプトの混乱は長引く可能性が強い。
・英Economistは、Crisis in Egypt,  More worrying than everと状況を伝える。

◆カタール首長、33歳皇太子に移譲(24日)☆
・カタールのハマド首長(61)は、4男のタミム皇太子(33)に権限を移譲した。
・同国は71年の独立以来、72年、95年に無血クーデターで首長が交代した。
・湾岸産油国で君主が存命中に権限を移譲するのは珍しい。
・同国は人口約100万人。イスラム教スンニ派ワッハーブ派が多数。
・豊富な天然ガスに恵まれ、1人当たり所得は10万ドルに達する。
・2020年のW杯開催が予定され、放送局アルジャジーラを所有する。
・ハマド首長は、イラク反体制派の支援などで存在感を示してきた。
・中東の中でもユニークな存在で、国の規模以上に影響力は大きい。

◆豪首相交代(27日)☆
・豪与党の労働党の党首選が26日行われ、ラッド元首相が返り咲いた。
・同氏は27日、ギラード首相に代わり新首相に就任した。
・同国では9月の総選挙が予定されているが、世論調査では野党優勢。
・労働党内では、不人気のギラード氏交代で党首交代論が浮上していた。
・豪州経済は中国経済減速や資源輸出減少などで減速している。

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◎寸評:of the Week
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 【2013年半年経過】 2013年も前半を終了した。世界経済の不安定な動き、中東情勢の混乱(地政学リスク)、中国新指導体制の始動などが目についた。年初時点では「想定外」の近い動きとしては、トルコの情勢などがある。

 【重要な動き相次ぐ】 今週はベスト5以外にも重要な動きが多い。アフガン情勢を巡る米国とタリバンの交渉は、調整が進まず進展はない。むしろタリバンによるアフガン内でのテロ攻撃が目立った。EU首脳会議では銀行同盟創設に向けた議論を重ねたが、今後の調整も残した。中韓首脳会議は経済関係強化や北朝鮮の核問題を協議。韓国大統領は就任後、米国、日本の順で訪問するのを慣例としたが、日本より中国訪問を優先。情勢の変化を映した。オバマ米大統領がアフリカ各国を訪問。訪問国の1つの南アでは、マンデラ元大統領が重篤状態に陥っている。トルコでは反対派の活動が継続。シリア情勢は引き続き深刻だ。米政府による個人情報収集をリークしたスノーデン氏はエクアドルに亡命を希望したが、扱いは決着していない。この問題では米政府がEUの情報を収集していた疑いなども浮上。広がる可能性もある。

◎今週の注目(2013.7.1-7)&当面の注目
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・クロアチアが7月日にEUに加盟する。EUは28カ国体制になる。
・英中銀の新総裁にカナダ中銀のカーニー氏が就任する。
・米政府の個人情報収集をリークしたスノーデン氏の落ち着き先は引き続き注目。
・オバマ米大統領がアフリカ訪問中。マンデラ元南ア大統領の容体とともに注目。

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2013年6月23日 (日)

◆オバマ大統領のベルリン演説にみる米国・世界の現実 2013.6.23

 オバマ倍大統領がドイツを訪問。ベルリンのブランデンブルク門で、戦略核の削減提案を行った。

▼軍縮の呼びかけ

 提案は、米ロそれぞれの戦略核の保有条件を、新START条約の1500発前後→1000発程度に削減しようというもの。米国が一方的に削減するのではなく、ロシアとの交渉で共同で減らそうという内容だ。

 ただ提案に対し、ロシアは冷淡だ。米国は欧州へのMD(ミサイル防衛)システム配備計画を進めており、ロシアはこれを強く批判する。MD問題で発展がない限り、核削減にも応じないスタンス。

 さらに米ロはシリアでも対立する。米国はアサド政権の退陣を求め、今月に入り反体制派への武器供与を解禁する方向を打ち出した。アサド政権支持のロシアは、強く反発する。

 9月には米ロ首脳会談が予定されているが、核軍縮での前進のメドは、今のところ経っていない。

▼核軍縮

 オバマ大統領の核に関する演説と言えば、2009年4月のプラハでの「核なき世界」演説が有名。核問題で目指すべき方向性・政治的な決意を示したもので、同年にはノーベル平和賞を受賞した。

 現実はもちろん厳しい。2011年発効の新START条約で米ロの核の数減ったものの、北朝鮮は核実験を重ね、イランでは核開発が進む。テロリストへの核流出などのリスクはむしろ高まっている。

 オバマ大統領自身も、核なき世界が自分の存命中に実現するのは難しいと認めている。厳しい現実を踏まえつつも、改めて核軍縮への意欲を示した背景には、大統領第2期の実績作り、求心力の回復などが指摘される。

▼ベルリン演説 

 ベルリン・ブランデンブルク門前の演説と言えば、1963年のケネディ大統領の「私はベルリン市民だ」演説が有名。レーガン大統領もソ連のゴルバチョフ書記長に「壁を壊せ」と訴えた。ベルリン・ブランデンブルク門は冷戦の象徴であり、その前での演説は歴史の曲がり角を演出した。

 そうした歴史的な演説に比べれば、オバマ演説は中身も迫力も不足感が否めない。

▼求心力の低下

 オバマ大統領を迎えるベルリン市民の反応は、厳しいものがあった。今月上旬には米政府による個人情報収集問題が表面化した。欧州では米国内以上に、米政府屁の批判が強い。ブッシュ政権時代に始まった問題とはいえ、それを引き継いだオバマ政権への失望や批判が高まった。

 大統領訪問に合わせ、市民は"Yes, we scan"と書いた垂れ幕で抗議活動を展開した。このキャッチフレーズの方が、ベルリン演説の中身より人々の記憶に残る。

 シリア問題でも、メルケル独首相は反体制派への武器供与を行わないと明言。供与方針を決めた米政府との立場の違いを隠さなかった。

 オバマ大統領のドイツ訪問とベルリン演説には、オバマ政権の直面する問題の重さ、米国の影響力低下などが透けて見える。

2013.6.23

2013年25号(6.17-23 通算678号) 国際ニュース・カウントダウン

 
◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2013年6月17- 23日
 

◆ブラジルで100万人デモ(20日)☆
・ブラジルで政府への抗議デモが拡大。20日には100万人規模に達した。
・過去20年で最大規模。
・今月6日、サンパウロで交通運賃値上げに対するデモが起きたのが発端。
・その後、物価上昇や格差拡大、政治の腐敗などへの抗議が拡大した。
・サッカーのコンフェデレーション・カップ開催中であり、世界の注目を浴びている。
・ルセフ大統領は21日テレビ演説し、鎮静化を呼び掛けた。行方は不透明だ。
・同国は過去10年経済成長が著しい。しかし、社会の歪も拡大している。

◆米が年内に金融緩和縮小へ(19日)☆
・バーナンキFRB議長は、年内に量的緩和を縮小するのが適切と表明した。
・経済改善の継続を条件にしている。公開市場委員会後の記者会見で述べた。
・議長が条件付きであっても、量的緩和縮小の日程に言及したのは初めて。
・発言を受けて市場では株安が進むなど大きく動いた。今後の方向性は不確か。
・FRBは景気などを配慮し、2012年9月からQE3(量的緩和第3段)を実施。
・月額850億ドルの証券購入などで、通貨の供給を増やしている。
・超緩和策からの出口作戦は、世界の経済・金融の行方を左右する注目点。

◆米大統領が核削減提案(19日)☆
・オバマ米大統領は、戦略核を米ロ各1500前後→1000発に削減するよう呼びかけた。
・訪問先のドイツ・ベルリンのブランデンブルク門で演説した。
・同時に北朝鮮、イランの核保有阻止なども訴えた。
・ただロシアは欧州へのMD(ミサイル防衛)配備中止を交渉の条件とし、難航しそうだ。
・米ロは2011年に発効した新START条約で、戦略核の上限を各1500に定めている。
・オバマ氏は2009年4月のプラハで「核なき世界」を目指すと演説している。

◆米政府がCIA元職員訴追、同氏は香港出発(21日)☆
・米司法当局は、元CIA職員のスノーデン氏をスパイなどの罪で地裁に訴追した。
・同氏は米国家安保局による個人情報収集を暴露した。
・スノーデン氏は23日滞在先の香港からロシアに向かった。最終地は未確認。
・米国家安保局幹部は18日議会証言で、収集はテロ防止に役立ったと強調した。
・スノーデン氏の動向は、世界的にも大きな注目を集めている。

◆トルコ事態収拾せず、5労組がスト(17日)
・トルコ情勢は前週の首相と反対派の対話後も混乱が収拾しない。
・17日には公務員や民間加盟する5労組がストを実施。参加者は100万人近く。
・23日にもイスタンブールで治安当局と反政府デモ隊が衝突した。

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◎寸評:of the Week
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 【重要な動き】 重要な動きが多かった。G8首脳会議(17-18日、北アイルランド)ではシリア問題で米ロなどの対立が続いた。シリアではレバノンのヒズボラがアサド政権支援を強め、米国はヨルダンのシリア国境に海兵隊を配備する動きを見せるなど緊迫が増している。シンガポールやマレーシアではインドネシアなどから到来する煙害が深刻化し、マレーシアでは非常事態宣言が出された。中国では20日、翌日物のの金利が7%台かjから13%台に急上昇した。人民銀行が資金供給を絞り、シャドーバンキングと呼ばれる組織を通じた過剰融資を押さえ込む姿勢と見られる。ギリシャでは連立政権から小政党が離脱、政権の行方と財政再建の展望が不透明になった。スイス議会は、米国で脱税ほう助の捜査を受けた銀行が米当局に個人情報を提供できるようにした政府提出法案を廃案にした。

 【ブラジルのデモ】 サッカーのコンフェデレーション・カップで世界の注目が集まっているさ中、ブラジルでデモが拡大している。20日には全国で100万人のデモが繰り広げられた。
 同国は2000年代に入ってから、BRICsの一員として経済成長が注目された。しかし一方で物価の上昇、格差拡大、政治の腐敗などに対する不満も高まっている。中間層の拡大による政治意識の向上や、FacebokをはじめとするSNS普及で人々の不満がすぐに拡散するようになった変化も大きい。
 構図は他の新興国にも共通する。トルコの混乱も、国特有の問題(イスラム教やエルドアン首相の権威主義的なスタンスなど)はあるものの、基本図としては共通するところも多い。
 世界を覆うトレンドとして理解すべきだ。

◎今週の注目(2013.6.24-30)&当面の注目
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・米国とアフガニスタンのタリバンの協議が始まる可能性がある。米代表が23日、タリバンの海外事務所があるカタールのドーハに到着した。当初、協議は20日にも始まる可能性があったが、調整が遅れた。アフガンのカルザイ大統領は対話に反対、参加しない。情勢は複雑だが、アフガン情勢の行方に関わる重要な動きだ。
・米政府による個人情報収集をリークしたスノーデン氏が滞在先の香港を出発。23日モスクワに就いた。その先の行方は不明。世界の注目が集まる。

・オバマ米大統領が6月26日から7月3日までアフリカを訪問する。セネガル、南ア、タンザニア。経済関係の拡大や民主主義の定着支援などがテーマ。
・韓国の朴大統領が6月27-30日に訪中。
・クロアチアが7月1日にEUに加盟する。28番目の加盟国になる。

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2013年6月16日 (日)

◆イラン大統領選と同国情勢を見る視点 2013.6.16

 イラン大統領選(6月1日)は保守穏健派のロウハニ氏が1回目の投票で過半数を獲得し、当選を決めた。事前は保守強硬派候補の優位も予想されたので、サプライズの結果だ。

▼予想外の圧勝

 ロウハニ師は有効投票の52%強を獲得。決選投票を行うことなく当選を決めた。2位の保守強硬派のガリバフ・テヘラン市長の17%、同じく強硬派のジャリリ安保事務局長の11%を押さえての圧勝だった。

 同国の大統領選は、護憲評議会が事前審査で候補者の適否を決める仕組み(要するに自由選挙ではない)。保守穏健派のラフサンジャニ元大統領は出馬を却下された。このため、選挙戦では保守強硬派が有利に進むと見られていた。

 しかし、10日になって改革派のアレフ元第1副大統領が出馬を辞退。改革派の票がロウハニ師に流れた。これに対し保守強硬派は候補者乱立のまま終わった。

▼国民の不満を吸収

 強硬派乱立という事情はあったにせよ、ロウハニ師の予想外の圧勝は、国民の現状に対する不満の反映と言えそうだ。イランは核開発疑惑で欧米との関係が悪化。欧米諸国の経済制裁の結果、イランの経済は悪化した。

 昨年後半には通貨リアルが急落。多くの商店が閉店に追い込まれるなど、国民生活を直撃した。失業率は10%強との公式発表だが、実態ははるかに深刻とみられている。

 こうした経済悪化をアハマディネジャド政権への不満も急速に拡大した。
 
▼対話への期待と限界

 ロウハニ師はラフサンジャニ元大統領の側近。改革派ハタミ政権で核問題の交渉責任者を務めた事もある。こうした経緯もあり、欧米との対話や関係改善に前向きだ。

 当選を決めた同師は、「英知と穏健主義、成熟の過激主義に対する勝利」と述べ、「民主主義や自由な討議を尊重する日と意図に新たな機会が訪れた」と述べた。

 ただし、イランでは最高指導者のハメネイ師が権力を握り、大統領は行政のトップに過ぎない。そのハメネイ師は核開発や対米強硬姿勢を変えない。ロウハニ新大統領の裁量余地はそれほど大きくない。こうした制約の中で、新大統領がどこまで独自色を出せるか、不透明だ。

▼革命30年余のイラン

 イランが1979年の革命から30年以上たつ。大統領選は1980年から11回目。任期は4年で連続3選は禁止だ。

 これまでの大統領と政策スタンスは以下の通りだ。政治的には最高指導者をはじめとした聖職者が権力を握る構図に変わりはないが、政権・政策は、保守派と改革派(強硬派と穏健派)の間で揺れ動いてきた。

・1979   イラン革命。最高指導者ホメイニ師
・1980-81 バニサドル大統領(経済学者。ホメイニ師の側近)
       議会保守派による弾劾で辞任。その後フランスに亡命。
       イラン・イラク戦争。
・1981-  ラジャイ大統領。保守派。16日で反体制派に暗殺される。 
・1981-89 ハメネイ大統領
       イラン・イラク戦争終了(88年)。 
・1989-  ホメイニ師が死去。ハメネイ師が最高指導者に。
       大統領選で保守穏健派のラフサンジャニ国会議長が当選。
       議会選で保守派が勢力伸ばす。
       この間湾岸戦争。冷戦の終結。
・1997-  改革派のハタミ師が当選。
       議会も当初改革派が勝利。経済改革に期待が高まったが成果は十分に上がらなかった。
       9.11、アフガン戦争、イラク戦争。
       その後議会選で保守派が台頭。
       2002年にイランの核開発疑惑が表面化。
・2005-  保守強硬派のアフマディネジャド・テヘラン市長が当選。
       欧米と対決の強硬姿勢。
       国際的な制裁などで経済悪化。国民の不満高まる。
       ハメネイ師と大統領の関係悪化。
・2013-  保守穏健派のロウハニ師が当選。

▼情報のベール

 イランの真相は分かりにくい。ハメネイ師を中心として権力の中枢の動きは、ほとんど伝わってこない。国民の本当の気持ちや政権に対する姿勢も、表面的な情報が多い。宗教に対する国民の姿勢なども、本当のところはよくわからない。欧米のメディアの報道は欧米の視点の倍あるが入るし、分かるようで分からない点が多い。要は、情報に限りがあるということだ。

 イラク戦争、アラブの春など中東情勢は大きく変わっている。革命から30年以上を経て、イランが変化に直面していることも間違いない。しかし、制約された情報の中で同国を見ていることは、常に意識する必要がある。

(参考)
◆イランの英兵拘束問題と世界 (2007.3.31)
http://homepage2.nifty.com/INCDclub/clm2007/clmBritishHostagesInIran20070331.htm
◆イラン核開発問題の読み方(2006.1.14)
http://homepage2.nifty.com/INCDclub/clm2006/clmIranNuclear20061014.htm
◆イラン大統領選のインパクト(2005.6.25)
http://homepage2.nifty.com/INCDclub/clm2005/clmIranElection20050625.htm

2013.6.15

2013年24号(6.10-16 通算677号)  国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2013年6月10- 16日


◆イラン大統領選、穏健派のロウハニ師が当選(14日)☆
・大統領選が行われ、保守穏健派のロウハニ師が52%を獲得し当選した。
・2位の保守強硬派ガリバフ・テヘラン市長(17%)の3倍。予想外の圧勝だった。
・選挙は穏健派ラフサンジャニ元大統領らの出馬が認められず、強硬派優位と見られた。
・10日に改革派候補が選挙戦から撤退。穏健派のロウハニ師に票が流れた。
・経済制裁や欧米との関係悪化に対する国民の不満が表れたとみられる。
・最高指導者ハメネイ師は、ロウハニ師の当選を祝福した。
・ただ同国ではハメネイ師が実権を握り、大統領の権限は限定的。
・核開発の継続、対米強硬の基本姿勢は変わらないと見られる。
・こうした制約の中でロウハニ新大統領がどう動くか、世界の注目度も高い。

◆トルコ混乱2週間超、首相・反対派の対話でも収束せず ☆
・トルコの混乱が長期化。抗議活動は半月を超えた。
・エルドアン首相は強硬姿勢を維持する一方、反対派との対話など妥協も模索。
・12日にはデモ隊代表者11人と対談。12日には別の代表と会いデモ中止を求めた。
・発端になった再開発計画の一時凍結(裁判まで)や住民投票の可能性に触れた。
・しかし反対派は抗議活動の継続を決定。
・15日には警察当局がイスタンブールで反対派を強制排除。諸突した。
・事態長期化の可能性が強まり、収拾の見通しは立たない状況だ。

◆米個人情報取得事件、波紋が拡大 ☆
・米国家安保局(NSA)による個人情報取得事件の余波が広がっている。
・元CIAの技術助手スノーデン氏は9日、NSAの個人情報取得をリークしたと名乗り出た。
・NSAのを基本的人権の侵害と批判した。同氏は香港滞在中で、亡命を模索している模様。
・香港や欧州では同氏を支持する活動が広がった。
・米ネット企業は、政府に手を貸したとの批判を払しょくするため、様々な動きに出ている。
・政府からの要請内容の公開許可を求める一方、メディアにも積極的に説明している。
・米政府はスノーデン氏を刑事訴追する姿勢だが、政府への批判も強まっている。

◆米、シリア政権の化学兵器使用断定、反政府派に武器供与へ(13日) ☆
・米政権は、アサド政権による化学兵器使用を確認したとの報告を議会に提出した。
・報道官は反体制派への武器供与を含む支援を拡大すると述べた。
・オバマ政権はかねて、化学兵器使用をレッドゾーンと位置付けていた。
・ロシアは報告の内容に反論。シリア政権は批判した。
・武器供与を含むシリア問題は、17-18日のG8首脳会議でも議論される見込み。
・シリアではレバノンのイスラム民兵組織ヒズボラの支援を受けた政府軍が反攻している。

◆南北朝鮮対話が見送り(11日)
・ソウルで12-13日に予定された南北朝鮮の当局者会談が見送りになった。
・参加者のレベル、テーマなどを巡り意見が対立。北朝鮮が代表団を派遣を拒否した。
・韓国は開城工業団地再開などの問題を優先課題にするよう主張。
・北朝鮮側は記念行事は民間往来などにこだわった。
・北朝鮮は年初来の強硬姿勢→突然の対話呼びかけに動いていた。

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◎寸評:of the Week
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 【中東で重要な動き】 中東で重要な動きが相次いだ。イラン大統領選は、保守穏健派のロウハニ師が事前予想を覆す圧勝だった。トルコでは混乱が長引き、内戦の続くシリアを巡っては米国が反体制派への武器供与の方針を打ち出した。いずれも地域情勢や国際情勢に大きな影響を与える動き。動向の背景にある真相が必ずしも明らかになっていない点も共通する。

 【トルコの混乱】 トルコの混乱が半月を超えた。エルドアン首相は強硬な姿勢を崩さない一方、反対派との会談など妥協を模索する動きも見せた。しかし折り合いはつかず、当局はイスタンブールで反対派を強制排除お。これに対し反対派は抗議継続を決め、先行きは全く見えない。
 トルコの混乱が一国の問題にとどまらないのは、同国が中東イスラム圏大国では唯一ともいえるで民主国家で、イスラムと民主主義世界の架け橋を期待されてきたため。今回の混乱で、トルコのソフトパワーは相当なダメージを被った。これ以上悪化すれば深刻だ。
 首相や反対派の動きは、連日海外でも主要ニュースとして取り上げられる。報道の関心も、戦争や革命並みとも言える。

 【シリアの混乱】 シリア情勢は混乱が続く。米国などが目指した和平のための国際会議は、当初目指した6月開催が不可能になり、7月以降もメドがたたない状況。内戦は今年に入り、レバノンのイスラム武装組織ヒズボラがアサド政権支持の動きを拡大。政府軍が反攻にでている。
 そんな中で米オバマ政権はアサド政権による化学兵器使用を確認する報告を発表、反体制派への武器支援を決めた。EUもすでに反体制派への武器禁輸解除を決めている。ただ、いずれも具体的な支援内容まで踏み込んでいない。
 話は単純でない。反体制派といっても寄り合い所帯で、アルカイダとつながりのある組織も含まれている。ロシアは反体制派への武器供与に強く反発する。
 イラク内戦の死者は約10万人に達した模様。対応を間違えば、さらに深い泥沼に沈み恐れがある。

◎今週の注目(2013.6.17-22)&当面の注目
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・G8首脳会議が6月17-18日に北アイルランドで開催される。シリア情勢が大きなテーマ。
・G8に際して重要な2国間会談も行われる。米ロ首脳会談は17日。

・オバマ米大統領が6月26日から7月3日までアフリカを訪問する。セネガル、南ア、タンザニア。経済関係の拡大や民主主義の定着支援などがテーマ。
・韓国の朴大統領が6月27-30日に訪中。
・クロアチアが7月1日にEUに加盟する。28番目の加盟国になる。

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2013年6月 9日 (日)

◆トルコ情勢混乱のインパクト 2013.6.9

 トルコでエルドアン政権への抗議デモが続き、混乱が拡大している。同国は中東における民主主義国家の代表で、イスラム圏と欧米民主主義国家の「架け橋」的役割を期待されてきた。その混乱は、地域のみならず世界情勢にも影響する。

▼連日のデモ

 今回の抗議活動は、思わぬきっかけから始まった。5月末、イスタンブール中心部の開発計画に環境団体が抗議の座り込みを実施。これを警察が催涙ガスで強制排除した。

 この画像がネットを通じて広がると、水面下にくすぶっていた政権の強硬姿勢などへの不満が噴出。抗議活動が広がった。4日には24万人の公務員労働組合がストを実施。各地のデモなどは1週間以上に及んでいる。若者などは公然と「エルドアン首相退陣」を要求し始めた。

▼アラブの春との類似性?

 水面下の動きは必ずしも明確ではない。しかし、当局の市民弾圧(強硬姿勢)がネットを通じて広がり、封印されていた不満が表面化したことは間違いない。この構図は、2011年のアラブの春(チュニジアなど)で起きた動きと似ている。

▼初のイスラム系政権
 
 エルドアン首相率いるAKP(公正発展党)の政権は、トルコ初のイスラム系政権だ。トルコは1923年の共和国建国以来、「世俗主義」を国是とし、イスラム今日の政治への関わりを排除してきた。

 AKPは2002年の総選挙で勝利。イスラム系政党として初の政権を握った。背景には軍の政治介入や政権の汚職体質への人々の不満や、中東全域にわたるイスラム回帰の流れがあった。加えて、イスタンブール市長などで手腕を発揮したエルドアン氏の政治力によるところも大きい。

 首相はイスラムを背景にしながら穏健な立場を維持し、民衆主義も重視した。経済改革を進め、過去10年間で経済規模を3倍に成長させた。この間、2007年と2011年の総選挙で勝利。支持率は農村などを中心になお50%を維持していると伝えられる。

▼イスラムと民主主義

 トルコは中東のイスラム圏で、民主主義が機能している代表的な国。首相は「中東イスラム圏で唯一の民主主義国家」とまで強調する。その立場を利用して、外交的な影響力も拡大してきた。

 EUとは経済で関係を深める一方、イラク戦争やシリア紛争では米国などと協力。パレスチナ問題にも積極的に関与し、存在感を拡大してきた。

 2001年の9.11以来、世界の安全保障にとってイスラムとの関係は避けて通ることのできない問題だ。イラク戦争やアラブの春の対応を巡っては、イスラム圏で反米や反欧州の感情が広がった。欧米と中東のイスラム諸国の格差拡大の問題もある。こうした問題を放置したままでは、イスラム過激派の台頭も防げず、安全保障の改良も望めない。

 そうした中で、穏健イスラムでかつ民主主義国家のトルコは、民主主義国家とイスラムの「架け橋」としての期待も高まっていた。 

▼政権批判

 エルドアン政権はすでに10年を超える。政権長期化に伴い、国内では強硬的姿勢の強まりへの批判も出ていた。また、従来禁止されていた大学内でのスカーフ使用が解禁されるなど、イスラム色強化を危ぶむ声もあった。。

 2007年に、エルドアン首相の朋友であるギュル氏がイスラム系政党初の大統領就任する際には、大規模な抗議運動が展開された。トルコ国内には、AKPの勢力拡大に反発する勢力がなお多いのも現実だ。

▼世界の懸念

 情勢の行方は予断を許さない。世界は懸念を強目ている。トルコの株価は過去1週間あまりで約10%下落した。欧米のメディアは連日トップ級の報道を繰り返す。英Economistは、"The new young Turks″という記事で、怒れる若者に焦点を当てた。

 エルドアン首相は、強硬姿勢を変えていない。7日に訪問先の北アフリカから帰国後には、抗議デモを「不法な破壊行為」と批判し、即時中止を求めた。9日になっても妥協の姿勢はない。

 すでに首相支持派と反首相派の亀裂は広がりを見せている。今後情勢がどう転ぶかは分からないが、トルコのみならず世界にとって、重要なリスクを見せつけていることは間違いない。

(参考)
2007.7.29 トルコの行方http://homepage2.nifty.com/INCDclub/clm2007/clmTurkeyAfterElection20070729.htm

2013.6.9

2013年23号(6.3-9 通算676号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2013年6月3- 9日
 

◆トルコで反政府デモ、混乱拡大 ☆
・トルコでエルドアン政権への抗議デモが拡大。混迷が続いている。
・きっかけは5月末、イスタンブールの中心部再開発に対し環境団体が始めた座り込み。
・当局が強硬対応を取り市民と衝突。矛先は政権の強権的姿勢に向かた。
・抗議活動は1週間以上連続し、収拾のメドは経っていない。
・情勢混乱を受けトルコへの将来への懸念が増加。株価は10%下落した。
・エルドアン氏は03年の選挙で首相就任。高度成長を実現し、GDPは10年で3倍増した。
・支持率は高いが、強権的姿勢やイスラム色強化への懸念もあった。
・同国は中東イスラム圏の数少ない民主国。イスラム・民主主義の「架け橋」の期待も大きい。
・情勢は地域情勢は無論、イスラムと世界の関係にも影響する。

◆米中首脳会談、9時間の協議(7-8日)☆
・習近平中国国家主席が訪米。カリフォルニア州でオバマ大統領と首脳会談を行った。
・習主席就任から3カ月で初の会談。2日間で合計9時間近く協議した。
・サイバー攻撃、経済問題、北朝鮮、東アジア安保など幅広い問題を協議した。
・両者は「新たな関係」構築で一致した。
・米報道官は会談後、"unique, positive and constructive"と語った。
・G2時代の米中首脳会談は、世界の行方を大きく左右する。
・今回の会談でも、首脳間の信頼関係の構築が最大の関心となった。

◆北朝鮮が南北対話打診(6日)☆
・北朝鮮は韓国に対し、南北当局間の対話を提案した。
・韓国も受け入れを表明。具体的な調整に入った。
・実現すれば2011年9月以来、1年9カ月ぶりの対話となる。
・北朝鮮は今年に入り、核実験や休戦協定破棄など強硬策を打ち出していた。
・これに対し米韓日はもちろん、中国も批判し、国際社会の圧力が強まっていた。
・突然とも言える方向転換で、事態打開を狙ったと見られる。
・ただ、北朝鮮は核保有など従来方針を変えていない。今後の推移も予断を許さない。

◆米政府がIT企業から個人情報収集(6日)☆
・米国家安保局がベライゾンやグーグルなどIT企業を通じ、個人情報を入手していた。
・通話やメール、画像情報などの通信記録が、本人の知らないところで把握された。
・米欧のメディアが報道。国家情報長官は6日、内容を大筋認めた。
・オバマ大統領はテロなど防止のための合法的措置と主張した。
・収集は2007年のブッシュ時代から始まり、オバマ政権でも継続された。
・グーグルなどの企業は政府への協力など関与を否定した。
・リベラル派などから政府への批判が強まる可能性がある。

◆中欧で洪水
・中欧で豪雨が続き、各国で洪水が発生している。
・チェコ、オーストリア、スイスなどで町村が水没。死者も出ている。
・プラハでは大規模停電が発生。非常事態宣言や地下鉄の運行停止につながった。
・過去数十年で最悪の被害との指摘がある。

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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース         
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ├─────────────────────────────
 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │ (日)騒いでいるのは日本だけ           
 │ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない     
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◎寸評:of the Week
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 【重要ニュース】 比較的平穏だった過去2週間とは打って変わり、重要ニュースが相次いだ。トルコ情勢は中東や世界情勢にも影響しかねない。米中首脳会談には世界の関心が集まった。トップ5以外にも、シリア情勢(国際会議は6月に実現せず先送り、レバノン・ヒズボラの協力などでアサド政権側が盛り返し)、パキスタン・シャリフ首相就任、欧州中銀が金利据え置き、プーチン大統領離婚などが注目された。

 【米中サミット】 国際ニュースでサミットと言えば、かつては米ソ首脳会談だった。現在は米中首脳会談がそう位置付けられる。オバマ米大統領と習近平中国国家主席の初の首脳会談は、2日間で9時間近くに及び、多くのテーマが協議された模様。公式な発表もないままに、北朝鮮、サーバー攻撃、経済、尖閣など個々の問題が、様々な角度から報じられた。

 
◎今週の注目(2013.6.10-16)&当面の注目
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・イラン大統領選が6月14日に行われる。ラフサンジャニ元大統領が出馬を認められなかったことで、最高指導者ハネメイ師の息のかかった候補同士の争いという色彩が強い。選挙結果がどう出るかはもちろん、選挙後の動きも予断を許さない。
・南北朝鮮対話の日程が決まる可能性がある。
・日本政府は14日、成長戦略を閣議決定する予定。内容により、市場が動きそう。

・G8首脳会議が6月17-18日に北アイルランドで開催される。
・オバマ米大統領が6月26日から7月3日までアフリカを訪問する。セネガル、南ア、タンザニア。経済関係の拡大や民主主義の定着支援などがテーマ。
・韓国の朴大統領が6月27-30日に訪中。
・クロアチアが7月1日にEUに加盟する。28番目の加盟国になる。
・シリア国際会議は7月以降に先送り。EUは8月に反体制派への武器輸出禁止解除予定。

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2013年6月 2日 (日)

2013年22号(5.27-6.2 通算675号)  国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2013年5月27- 6月2日

◆欧州委が緊縮優先修正(29日)☆
・欧州委員会は財政緊縮優先の政策を修正した。加盟国への政策勧告で示した。
・仏やスペインなど対し、財政赤字3%達成や財政再建目標の1-2年先延ばしを認めた。
・イタリアは欧州委が財政政策を監視する要注意国から外した。
・この間に労働市場改革などを求めた。
・従来の財政規律重視を修正し、雇用改善や経済回復の重要度を高めた。
・ユーロ圏17国の4月の失業率は12.2%に上昇した。スペインやギリシャは25%を超える。
・欧州は経済停滞と高失業は、社会を揺るがしかねない問題になりつつある。

◆EU、シリア反体制派への武器禁輸解除を決定(27日)☆
・EU外相理事会は、シリア反体制派への武器禁輸措置を解除することで合意した。
・ただ、実施の武器供与は8月1日以降とする。
・6月開催のシリア内戦終結に向けた国際会議の結果を踏まえ、各国が判断する。
・実際の武器輸出の行方は不確定要素があるが、禁輸解除決定の意味は重い。
・アサド政権への圧力を一段と高めた格好だ。

◆イラクでテロ続発、5月死者1000人超 
・イラクでテロが続発。5月の死者は1000人を超え、過去5年で最悪になった。
・27日にはバクダッドのシーア派住民の多い地域で爆発、70人以上が死亡した。
・スンニ派によるテロの可能性が大きい。
・シーア派とスンニ派の宗派対立がテロに結びついている。

◆欧州で新型コロナウィルス
・新型のコロナウイルスMARSが中東や北アフリカ、欧州で人がっている。
・フランスは28日、感染した男性が死亡したと発表。イタリアでも死者が出た。
・昨年9月にサウジなど中東で感染が確認された。
・WHOの23日発表では感染者は44人、死者22人で、致死率が高い。

◆スイス、米国に銀行顧客情報提供へ(29日)
・スイスは銀行が脱税ほう助の捜査を受けた場合、米当局に顧客条件を提供する。
・政府が新方針を発表した。議会の承認を経て夏から新制度を適用する。
・同国は「銀行守秘義務」を重視してきたが、転換になる。
・同国に集まる資産は脱税や犯罪に使われるケースもあり、各国の批判も強い。
・従来は海外当局が脱税容疑の人物の口座情報を求めても、応じなかった。
・現在米当局の捜査を受けている金融機関は14社に上る模様。
・有名なスイス銀行の守秘義務も、経済グローバル化の中で変化を迫られている。

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◎寸評:of the Week
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 【動き少ない】 比較的静かな週。この他の動きは、シンガポールで開催のアジア太平洋安保会議、独筒首脳のユーロ圏に常設議長設置合意など。

◎今週の注目(2013.6.3-9)&当面の注目
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・中国の習近平主席が訪米し、7-8日にオバマ大統領と会談する。サイバー攻撃問題や北朝鮮情勢などがテーマになる見込み。

・イラン大統領選が6月14日に行われる。
・G8首脳会議が6月17-18日に北アイルランドで開催される。
・オバマ米大統領が6月26日から7月3日までアフリカを訪問する。セネガル、南ア、タンザニア。経済関係の拡大や民主主義の定着支援などがテーマ。
・クロアチアが7月1日にEUに加盟する。28番目の加盟国になる。

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