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2013年2月

2013年2月24日 (日)

◆中国人民解放軍のハッカー関与と世界サイバー戦争の実態 2013.2.24

 米メディアやIT企業へのサイバー攻撃が相次ぎ表面化。米調査会社は中国人民解放軍が関与しているとの報告を発表した。サイバー攻撃への国家関与は専門家の間では半ば常識だが、ここまで明確な形で指摘したのは異例。世界サイバー戦争の一端が浮かび上がってくる。

▼中国を名指し

 米情報セキュリティー会社マンディアント社(Mandiant社)は18日報告を発表。過去数年に起きた、米国を中心とするメディアや企業、組織などへのサイバー攻撃が、中国人民解放軍の関連部隊によって行われたと結論付けた。2006年以降、米国など140以上の企業・組織から情報が盗み出されたとしている。

 今回の報告は、調査が長期かつ専門的に行われたのが特徴。数年におよび追跡調査の結果、攻撃の発信源は上海の特定地域であったと絞り込んだ。そして人民解放軍の「61398部隊」が攻撃を仕掛けている可能性が大きいと名指しした。

 中国は当然ながら反論。中国も多数のサイバー攻撃を受け、米国からのものが多いなどと主張した。しかし中国人民解放軍の関与を公式に指摘したインパクトは大きい。

▼米メディア、IT企業へのサイバー攻撃

 報告書の発表と時期を合わせるかのように、米メディア、IT企業へのサイバー攻撃の発表が相次いだ。1月にはNYTとWSJ、ワシントンポストが、中国からサイバー攻撃を受けたと発表した。NYTへの攻撃は、同紙が温家宝首相一族の蓄財疑惑を報じた時期から始まったという。

 アップルやファイスブック、マイクロソフトもハッキング攻撃を受けたと発表した。ツイッターはサイバー攻撃を受け、個人情報25万人分が流出した。 

▼サイバー戦争の時代

 中国の関与は今回報告書が発表されたことで脚光を浴びたが、サイバー攻撃への国家関与は専門家の間ではずっと前から常識だ。これまでに起きたサイバー攻撃は、主なものだけでも以下のような事例がある。

・1999年:空軍基地の情報盗まれる。ロシアからのハッキングが疑われる。
・1999年:米国やNATOのウエブサイトに攻撃。米国によるベオグラード中国大使館「誤爆」事件の後。事件後米国やNATOのウエブサイトが攻撃の標的となる。
・2003年:イラク戦争で米国がイラクの軍事ネットワークに侵入。
・2007年:エストニアへのサイバー攻撃。主要サイトが使用不能になり銀行決済などが麻痺した。ロシアからのサイバー攻撃が疑われる。
・2007年:イスラエルがシリアの核施設を攻撃。攻撃前にシリアの防空システムにサイバー攻撃。防空システムを無力化する。
・2009年:グルジアに対しサイバー攻撃、グルジアからのネットアクセスが麻痺。グルジア紛争に際して。
・2009年:米国や韓国のコンピューターにサイバー攻撃。北朝鮮からの関与が疑われる。
・2009年:中国からグーグルなどにサイバー攻撃。これを機にグーグルは2010年中国市場からの撤退を発表。

▼サイバー軍

 こうした事態に、各国は対応を急いでいる。

 米国は2009年にサイバー軍を創設した。サイバー空間が陸海空に続く安全保障の第4の領域になったと認識。その上で軍事組織の面でも対応した。中国もサイバー軍を創設。各国も同様だ

 軍の創設に加え、民間の専門家との連携も強めている。元ハッカーの活用も常識。専門知識が何よりものをいう分野であるからだ。

▼インフラへの脅威

 オバマ大統領は2月12日の一般教書で、米国の配送電システムや金融システム、航空管制システムなどインフラがサイバー攻撃の脅威にさらされていると指摘。サイバーセキュリティ強化に関する大統領令を発表した。

 現代社会はネット依存の度合いを深めている。電力もネットで制御されるし、金融取引もネットなしでは機能しない。そうしたインフラがサイバー攻撃を受ければ麻痺する。オバマ大統領の演説も、危機感の強さを表わしている。

▼サイバー戦争の時代

 米政権でサイバー戦略に携わったリチャード・クラークろロバート・ネイクの「世界サーバー戦争」によれば、サイバー戦争はすでに現実のものになっている。ただし、これまでは局地戦しか起きていない。

 これが全面戦争になった場合どうなるか。大混乱に陥る可能性はもちろんだが、混乱にとどまる保証はない。SF小説よろしく、現代社会の枠組み自体が崩壊する懸念も否定できない。

 確実に言えることは、世界はすでにサイバー戦争の時代に入っていること。そしてその実態は、まだ一部垣間見えただけということだ。

2013.2.24

2013年08号(2.28-24 通算661号)  国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2013年2月18-24日
 

◆中国人民解放軍がサイバー攻撃。米調査会社が報告(19日)☆
・米Mandiant社は、最近相次ぐ米企業・組織へのサイバー攻撃に関する報告を発表した。
・攻撃に中国人民解放軍が関与しているとの内容。上海に拠点があるとする。
・犯行グループは2006年以降世界141の企業や組織から機密データを盗んでいた。
・そのうち115は米国の企業・組織としている。
・最近米メディアやIT企業へのハッカー攻撃が増加。その多くが中国からとされる。
・NYTとワシントンポスト、WSJは1月、中国からハッカー攻撃を受けたと発表した。
・2月にはツイッターに攻撃があり、個人情報25万人分が流出した。
・フェイスブック、アップル、マイクロソフトも個人用PCがハッカー攻撃を受けたと発表した。
・中国国防省は報告を事実無根と反論している。
・社会のIT化と共にサイバー攻撃の重要性は上昇。オバマ大統領は一般教書でも指摘した。
・国家を挙げた"サイバー戦争″が各方面で進んでいる。その一端が垣間見えた。

◆チュニジア首相辞任(19日)
・チュニジアのジェバリ首相はマルズーキ大統領に辞表を提出した。
・野党指導者暗殺を受けた実務型内閣の樹立に失敗したため。
・同国では6日、世俗派野党の党首が暗殺された。
・イスラム系政党への批判が高まり、首相は暫定内閣樹立でで危機乗り越えを目指した。
・しかし第1党アンナハダは自党主導の政権にこだわり、調整がつかなかった。
・チュニジア情勢の混乱拡大は避けられない情勢。
・同国は6月に総選挙を予定している。

◆イランが新型分離器導入(21日)
・イランが中部ナタンズのウラン濃縮施設で、新型遠心分離機を導入し始めた。
・IAEAが報告書をまとめた。イランは1月末にIAEAに導入計画を通知した。
・イランと米英ロなど6カ国は26日からカザフスタンで核協議を再開する予定。
・動きに米国などが反発するのは必至だ。
・イランは原子力の平和利用権を主張する。ただ核兵器への転用が可能なレベルに来ている。
・同国は核兵器保有国になっていない点で北朝鮮と異なる。
・一方、核開発をテコに、欧米などと対立する構図は類似している。

◆日米首脳会談、日本のTPP交渉参加前進、日米同盟強化(22日)
・オバマ大統領と安倍首相の首脳歓談がホワイトハウスで開かれた。
・共同声明で日本のTPP交渉参加について、全ての関税撤廃が前提でないと確認。
・これにより日本のTPP交渉参加が前進した。
・日米同盟の強化を強調した。
・尖閣問題も協議。安倍首相は冷静な対処を説明し、大統領は日米協力を強調した。

◆ベネズエラ大統領が帰国、健康不安は払しょくせず(18日)
.・チャベス大統領(58)が療養先のキューバから約2か月半ぶりに帰国した。
・病院に直行。本格的に職務復帰できるかなどは不明。
・大統領は昨年10月の選挙で4選。その後12月にキューバで3度目の腫瘍摘出手術を受けた。
・同大統領は反米で有名。健康問題はベネズエラだけでなく、中南米情勢を左右する。

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 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │ (日)騒いでいるのは日本だけ                
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◎寸評:of the Week
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 【比較的静か】 前週に比べると静か。米へのサイバー攻撃はもちろん重要だが、欧米大衆メディアでは南アの義足ランナー、ピストリウス容疑者による射殺事件の行方が国際ニュースで最も話題になった。

◎今週の注目(2013.2.25-3.3)&当面の注目
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・イタリアの総選挙が24-25日に行われる。中道・左派連合が有利だが、ベルルスコーニ前首相率いる中道右派も追い上げている。イタリアでは2011年秋の財政危機後に発足したモンティ政権(非政治家政権が、財政権計画を打ち出している。中道右派はその見直しもちらつかせている。選挙結果次第では、ユーロ危機再燃などの事態もあり得る。

・中国の全人代が3月5日に開幕。習近平共産党小書記が新国家主席に選出される。
・習氏が3月下旬にロシア、南アフリカを訪問する。国家主席就任後、初の外遊になる見通し。

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2013年2月17日 (日)

2013年07号(2.11-17 通算660号)  国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2013年2月11-17日
 

◆ローマ法王が退位、存命中は約600年ぶり(11日)☆☆
・ローマ法王ベネディクト16世(85)は28日をもって辞任すると表明した。
・85歳の高齢で職務を果たせなくなったとしている。
・法王が存命中に辞任するのは、1415年のグレゴリオ12世以来約600年ぶり。
・バチカンは後任選定のコンクラーベ(法王選挙)の開催を要請した。
・中南米やアフリカなど、欧州以外出身者が選ばれるかが一つの焦点になる。
・現法王は265代の法王で2005年に就任した。独出身法王は950年ぶりだった。
・中絶や同性愛には保守的な姿勢。
・イスラムなど他宗教との関係改善を目指したが、逆に反発を買った面もある。
・欧米などのメディアは破格の扱いで報道。日本の報道との温度差は大きい。

◆ロシアに隕石落下(15日)☆
・ロシア・ウラル地方のチェリャビンスク州付近で隕石が落下。被害が出た。
・隕石は上空で爆発し、閃光が走り轟音が響いた。破片は地上に落下した。
・衝撃派で建物のガラスが割れるなど被害が広がり、1000人以上が負傷した。
・NASAは大気圏突入前のおこさ7000トン、直径15メートルと推定した。
・1908年にシベリアに落下した隕石以来の大きさになる。
・隕石の落下は年間数百あると推定されるが、被害が及ぶ例は珍しい。

◆米とEUがFTA交渉(13日)☆
・米国とEUは、FTAを含めた貿易・投資協定交渉を開始すると発表した。
・実現すれば世界の貿易量の3割を占める自由貿易地域が誕生する。
・EUは6月までに具体的交渉入りし、2年以内の合意を目指している。
・ただ、農業など調整の難しい分野があり、行方は予断を許さない。
・世界1、2位の経済圏の交渉は、世界各地の貿易自由化交渉にも影響する。

◆北朝鮮が核実験(12日)☆
・北朝鮮は北東部の咸鏡北道吉州郡豊渓里(ブンゲリ)で地下核実験を実施した。
・2006、09年に続いて3回目。軽量化、小型化が進んだ。
・前2回はプルトニウム型だったが、今回はウランを使った「ブースト型」の可能性がある。
・北朝鮮は談話を発表し、米国が敵対的姿勢をとれば追加的な核実験も示唆した。
・北朝鮮はミサイル実験も重ねており、米国を射程に入れた核戦略を誇示した形。
・国際社会は北朝鮮を批判。日米韓などは制裁強化を検討。中国も抗議した。
・国連安保理でも協議を始めたが、制裁強化の行方などは流動的だ。
・北朝鮮は核の危機をあおり、存在感の拡大や米国との交渉を狙っている模様だ。

◆米大統領一般教書(12日)☆
・オバマ大統領は米議会で一般教書演説を行った。
・経済では中間層の再生、最低賃金の引き上げ、欧州との貿易協定推進などを強調。
・外交ではアフガン撤退の実行、核問題への断固たる措置(北朝鮮、イラン)など。
・サーバー防衛の強化、ロシアとの核削減も強調した。
・全体的に格差是正などprogressiveな(公正を目指す)色彩が強い。
・議会ではねじれ状態が続き、実現には課題も多い。

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◎寸評:of the Week
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 【重要ニュース】 重要な動きが多かった。ベスト5以外でも、G20財務相・中銀総裁会議(モスクワ・16日)=共同声明で通貨切り下げ競争の回避などを言明、IOCが2020年の五輪からの除外競技候補にレスリングなどと発表、アメリカン航空とUSエアが合併合意(14日)などがあった。

 【法王の辞任】 ローマ法王ベネディクト16世が辞任を表明した。存命中の法王の辞任は1415年のグレゴリウス12世以来約600年ぶり。しかもその時の辞任は教会大分裂に決着を付けるためのもので、今回のように自分の判断ではない。「第265代」「600年ぶり」という数字に表れるように、歴史的な出来事だ。
 日本にいると意識することが少ないが、法王の存在感と影響力は大きい。近年では現法王の前任のヨハネ・パウロ2世(在位1978-2005年)が有名。ポーランド出身の同法王は、東西冷戦の終結に一定の役割を果たし、イスラム教など他宗教との対話を推進するなど世界に影響を与えた。
 ベネディクト16世は保守的な色彩が強く、特に中絶・同性案などの面ではその傾向が顕著だった。他宗教との対話にも積極的に取り組んだが、発言がイスラム教徒から反発を招くケースがあるなど、必ずしも成果を上げたとは言い難い。保守的ヨハネ・パウロ2世に比べて目立たない印象だったが、最後の辞任で教会史に残るインパクトを与えた。
 欧米のメディアの扱いは破格で、特別番組・特集も多かった。欧米社会における教会の影響力を、改めて認識する出来事だった。

◎今週の注目(2013.2.18-24)&当面の注目
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・イタリアの総選挙が24-25日に行われる。中道・左派連合が有利だが、ベルルスコーニ前首相率いる中道右派も追い上げている。イタリアでは2011年秋の財政危機後に発足したモンティ政権(非政治家政権が、財政権計画を打ち出している。中道右派はその見直しもちらつかせている。選挙結果次第では、ユーロ危機再燃などの事態もあり得る。

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2013年2月10日 (日)

2013年06号(2.4-10 通算659号) 国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2013年2月4-10日
 

◆チュニジアの野党党首暗殺、混乱が拡大(6日)☆
・世俗派野党党首のベルイード氏がチュニスの自宅付近で暗殺された。
・同氏はイスラム系の与党を批判してきた人物。
・世俗派は抗議を強めデモを展開。8日の葬儀には参加者と治安当局が衝突した。
・ジェバリ首相は6日内閣改造を発表したが、与党は事前相談がないと改造に反発。
・首相は辞任をにおわすなど混乱が拡大した。
・同国では2011年1月のジャスミン革命→10月の制憲議会選でイスラム系政党が勝利。
・その後イスラム系のアンナハダと世俗政党の対立が続き、経済の再建も遅れている。
・当面の政治スケジュールとしては、6月には総選挙が行われる予定。
・暗殺を機に混乱が拡大する可能性がある。

◆中国海軍船が日本船に射撃用レーダー照射(5日) ☆
・中国海軍の艦船が日本の自衛隊護衛艦に火器管制レーダーを照射した。
・事件は1月30日に発生。調査の上で日本が5日発表し、抗議した。
・レーダー照射は一触即発につながりかねない危険な行為。
・米国も中国に自制を促すとともに説明を求めた。
・中国国防省は3日間の沈黙を保った後、8日事実関係を否定する談話を発表した。
・日中は尖閣を巡り昨年から対立。緊張→紛争の懸念がくすぶる。
・事件はそうした危険を浮き彫りにした。中国内部の軍独走の懸念も改めて浮かび上がった。

◆オバマ大統領がイスラエル訪問(5日)
・オバマ米大統領が今春イスラエルとパレスチナを訪問する。報道官が発表した。
・大統領のイスラエル訪問は2009年の就任以来初めて。
・パレスチナ問題やイラン核問題などを協議するとみられる。
・2009年からのネタニヤフ政権は対パレスチナやイランで強硬色が強い。
・オバマ氏は強硬姿勢をけん制。第1期中は両国関係に距離があった。
・イスラエルは1月の選挙で中道が伸長。ネタニヤフ政権の姿勢が変わる可能性もある。

◆フランスがマリの主要都市制圧、来月撤退表明
・フランス軍はマリ北部の主要都市をほぼ制圧した。
・イスラム過激派は戦闘前に撤退。アルジェリア国境の山岳地帯に隠れた模様。
・西アフリカ経済共同体(15カ国)の軍がマリ入りをし、作戦に加わり始めた。
・ファビウス仏外相は3月から仏軍の撤退開計画を表明した。後方支援に移る意向。
・マリのトラオレ暫定大統領は北部住民との対話を進めると表明した。
・ただ、こうした作戦が順当に進むかどうかは不透明な情勢だ。

◆EU予算が初の減少(8日)
・EUは7-8日首脳会議を開き、2014-20年の中期予算を決めた。
・総額約9600億ユーロで、前期比約3%の減少。初の減額予算になる。
・予算を巡っては仏や南欧が農業補助や開発基金の維持・拡大を主張。
・これに対し英国やドイツ、北欧諸国が削減を求め、対立が続いていた。
・英国のキャメロン首相は1月、EU離脱を問う国民投票の17年実施を表明。
・こうした英国の強硬姿勢も、予算減少につながったとの見方がある。

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◎寸評:of the Week
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 【中東・北アフリカの不安定】 中東・北アフリカの不安定にまた新しい材料が加わった。チュニジアで世俗派の野党党首が暗殺され、イスラム系の政権に対し批判デモが発生。内閣改造や総選挙の実施で乗り切ろうとする首相に対し、与党が事前調整不在を理由に反発するなど混乱は拡大している。
 エジプトの大統領派と反大統領派の対立は続き、リビアの治安の不安、シリアの内戦は収拾のメドがたたない。マリ、アルジェリア、パレスチナ、イランなど各国・地域は不安定要因を抱える。

 【危険な行為】 中国海軍の艦船が日本の海上自衛隊の護衛艦に火器管制レーダーを照射したことが表面化。東アジア安保に不安を投げかけている。
 レーダー照射は攻撃の準備作業で、国際法上では反撃してもいい行為。ボタンをかけ違えれば、軍事衝突を誘発しかねない危険な行為だ。緊張が走った。
 事件は1月30日に起きたが、日本は証拠固めなどを十分に行った後、2月5日に小野寺防衛相が発表し、中国に強く抗議した。
 米国も地域安保の観点から事態を重視している考えを示したうえで、中国に説明と求めた。米国は尖閣を巡る緊張が高まって以来、中国に自制を求めているが、中国からは無視された形だ。
 中国はすぐに反論することなく、3日間沈黙を維持。8日になって国防省が、日本の発表は事実無根(火器制御用ではないなど)とする声明を発表した。
 1月19日にも日本のヘリコプターに同様の照射をした可能性がある。また、民主党政権時代にも同様のレーダー照射があったが、表立たせることはなかった。
 事件の背景には昨秋からの尖閣諸島を巡る日中の緊張がある。加えて、中国内の権力構造の問題もある。中国の人民解放軍は共産党の軍で、政府(国務院)の統制は及ばない。今回の事件も、政府の意向で決まったとは考えにくいし、共産党指導層の指令がどこまであったのか(なかったのか)も不明だ。
 歴史上、偶発的な衝突から戦争が始まった事例は多い。日中の緊張は、ボタンの掛け違いのリスクも含め危うい状況にある。 

 【自然災害】 南太平洋のソロモン諸島で6日M8の地震が発生。多数の村が津波にのまれ、6000人以上が被災した。死者も10人以上に上った。
 米北東部は猛吹雪となり、65万戸が停電。NYなどの主要空港や高速が閉鎖された。マサチューセッツ州などは非常事態宣言を出した。世界1の先進米国がマヒした。
 米国では昨年10月には大型ハリケーンサンディで多大な被害が生じたばかり。自然災害は先進国、途上国問わず突然襲ってくる。

 【米国攻撃】 北朝鮮当局のウェブが米国攻撃を連想支える動画を公開。話題を呼んでいる。祖国平和統一委員会のウェブ2日、ユーチューブにグラフィックスを投稿。大型ミサイルで打ち上げられた宇宙船から写真家が地球を観察。その中で、米国伸びるが炎上するシーンを映している。直接説明しているわけではないが、米国本土が炎上するイメージを伝えている。
 北朝鮮は3回目の核実験を予告し、米国を狙ったものと公言している。稚拙な動画ではあるが、情報線の一環として印象に残る。

◎今週の注目(2013.2.11-17)&当面の注目
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・オバマ大統領の一般教書演説が11日に行われる。世界に向けたメッセージとして意味合いは大きい。
・北朝鮮が核実験宣言をして3週間。以前予断を許さない。

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2013年2月 3日 (日)

2013年05号(1.28-2.3 通算658号) 国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2013年1月28-2.3日

◆米メディアに相次ぎハッカー攻撃 ☆
・NYタイムズは30日、昨年10月からハッカー攻撃を受けたと発表した。中国からの攻撃と主張。
・同紙が温家宝首相一族の蓄財疑惑を報道した後にハックングが始まった。
・WSJ発行のダウジョーンズも31日、中国のハッカー集団の攻撃を受けたと発表した。
・ブルームバーグも昨年、ハッカー攻撃を受けた。
・中国当局は否定している。
・ツイッターは1日、ハッカー攻撃を受け25万人分の個人情報が流出したと発表した。
・ハッキングやサイバー攻撃抜きに、メディア規制や国家の情報戦略は語れない。

◆株、金価格など上昇 ☆
・米国株の上昇が継続。1日のNYダウは5年4月ぶりに1万4000ドルを超えた。
・今年に入り5週間連続で上昇した。米景気回復への期待が高まった。
・中国や日本などの株も上昇した。
・原油や金の価格も上昇が続いている。
・2008年の金融危機後、投資資金は国債など安全資産に向かっていた。
・この資金が株、商品などに回り始めた。

◆イスラエルがシリアの施設空爆(30日) ☆
・イスラエル軍機がダマスカス郊外の科学研究施設を空爆した。
・シリアの科学兵器がイスラム原理組織ヒズボラに渡るのを防ぐ狙いとみられる。
・シリアにはサリン、マスタードガスなどの化学兵器が蓄積されていると指摘される。
・アサド政権が崩壊となれば、シリアの武器も安全保障上の不安定要因になる。

◆フランス軍、トンブクトゥなど奪回、大統領がマリ訪問 ☆
・フランス軍とマリ軍は26-27日、北部最大の都市ガオと世界遺産トンブクトゥを奪回した。
・両都市は昨年からイスラム過激派が支配していた。
・過激派は撤退の際、トンブクトゥの遺産を多数破壊した模様。
・オランド仏大統領は2日、マリを訪問した。今後の軍事作戦などを協議する。
・仏は軍事作戦のマリやアフリカ周辺国軍への移管を目指しているが、難航も予想される。
 
◆エジプトの混迷深まる
・各地で1日反政府デモが行われ、カイロでは参加者と治安部隊の衝突で死者が出た。
・1月末には反大統領派と治安部隊の衝突で、多数の死者が出ている。
・混迷は一層深刻化している。

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 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
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◎寸評:of the Week
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 【エジプト、マリ、シリア】 前週に比較すると比較的静かな週。エジプトの混迷は拡大。マリ情勢はフランスの軍事介入が一定の成果を示しているものの、先行きは見えない。シリア情勢も混迷が続く。

 【北朝鮮の核実験】 北朝鮮の核実験予告に国際社会が非難を強めている。米韓日はもちろん、中国も北朝鮮制裁の姿勢を示している。これに対し北朝鮮は強硬姿勢を変えていない。

◎今週の注目(2013.2.4-10)&当面の注目
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・北朝鮮が核実験を予告。国際社会の批判の中どう動くか。
・オバマ大統領の一般教書は2月11日。
・米国債発行の上限を拡大する協議の期限が2月末。

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