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2012年12月16日 (日)

◆北朝鮮ミサイル発射のとらえ方 2012.12.16

 北朝鮮が人工衛星の発射に成功、衛星軌道に乗せた。実態は長距離弾道ミサイルで、今回の実験で飛行距離1万キロの実験に成功、米本土を射程にとらえた。とはいえ日本ではニュースがセンセーショナルに伝えられがち。動きを冷静に整理する。

▼米国を射程

 北朝鮮は12日午前、北西部の東倉里からミサイル(衛星)を発射。その後米国などが衛星軌道に乗ったことを確認した。飛行距離1万キロ以上の長距離ミサイルで、米本土が射程内に入ったとの見方が強い。

 ただ、核弾頭の小型化はまだ十分に進んでいなく、核搭載ICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発には至っていない。

 北朝鮮は今月1日に、10-22日にミサイル(衛星)を打ち上げると発表した。その後、予告期間を延長。発射準備のトラブル情報も流れていた。そんな折に12日になって突如発射を実施。日韓や米国の意表を突いた格好だ。

▼核・ミサイル開発計画

 北朝鮮は1990年代以降、核開発を核に据えた外交戦略を展開してきた。1993年に中距離ミサイル「ノドン」を発射して以来、数回にわたりミサイル発射を実施。2006年には核実験に成功した。その間の動きをまとめれば以下の通りだ。今回のミサイル発射も、その戦略中の一環として位置付けられる。

・1993年5月: 中距離弾道ミサイル「ノドン」発射。射程1300キロ。
・1998年8月: 長距離ミサイル「テポドン1号」。1600キロ。
・2006年7月: 「テポドン2号」など7初のミサイル。
・2006年10月: 核実験成功
・2009年4月: 「テポドン2号」改良型。3000キロ。
・2009年5月: 核実験(2回目)
・2012年4月: 長距離ミサイル発射失敗
・2012年12月: 長距離ミサイル発射成功。1万キロ。

▼割れる国際社会の反応

 今回の発射に対し、国際社会は一様に北朝鮮を批判した。根拠にしたのは2006年7月の国連安保理決議1695号や同年10月の安保理決議1718号違反というもの。決議はミサイル計画の停止などを求めている。欧米や日本はもちろん、ロシアも今回の活動を安保理決議違反と批判した。中国も発射そのものは批判した。

 ただ、対応策となると立場は割れる。欧米日本などが新たな安保理決議を求めるのに対し、中国は冷静な対応を求め、意見は割れている。結局、決議ではなく議長声明当たりに落ち着くとの見方も強い。

▼ミサイル発射と外交対話

 北朝鮮問題はミサイルだけではない。核疑惑を巡る6カ国協議は止まったまま。金正恩体制の行方も不確かで、その行方はアジアや世界情勢に影響する。

 英Economistは"A provocative rocket launch should be criticised, but must not rule out engagement"(ロケット発射は非難されるべきだが、対話(関与)を排除すべきではない)と論じる。少なくとも、「異常な国家による異常な行動」というレベルのとらえ方は、真相を見誤らせる。

20121216

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