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2012年4月

2012年4月30日 (月)

2012年18号(4.23-30 通算618号) 国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2012年4月23-30日

◆仏大統領選1回投票、オランド氏が首位(22日投票)☆
・大統領選第1回投票が行われ、社会党オランド氏が首位だった。得票率は28.6%。
・現職のサルコジ大統領(27.1%)とともに決戦投票(5月6日)に進む。
・極右のルパン氏が17.9%を獲得。左派のメランション氏が11%と左右に票が割れた。
・決選投票ではオランド氏有利の見方が強い。当選すれば17年ぶりの社会党大統領になる。
・経済悪化や失業率上昇で、サルコジ氏批判票が高まっているのが理由。
・国際社会や経済界もオランド氏勝利を織り込み始めた。

◆中国の人権活動家が軟禁脱出、米中の新たな火種に(27日)☆
・人権活動家の陳光誠氏が山東省の自宅軟禁を脱出。米大使館の保護下に入った。
・同氏は27日温家宝首相あてビデオメッセージを発信。腐敗防止などを求めた。
・陳氏は盲目の弁護士で地元幹部の不正などを告発。2006年に実刑判決を受けた。
・07年にはマグサイサイ賞を受賞。国際的にも関心が集まる人物。
・自宅軟禁では当局に度々暴行などを受けてきた。
・今回の時間では家族や協力者が拘束された。中国の人権問題に改めて焦点が当たる。
・米中間の新たな火種になるのも必至だ。両国は5月3、4日に戦略・経済対話を予定する。

◆オランダ内閣が総辞職(23日)☆
・ルッテ首相はベアトリックス女王に辞意を伝え、内閣総辞職する。
・自由民主国民党(VVD)中心の中道右派少数連立内閣。2010年10月に成立した。
・財政再建を巡る協議が決裂し、行き詰まった。総選挙は9月に行われる。
・オランダはユーロ圏内では財政が比較的健全で、独などと共に格付けAAAを維持している。
・しかしEU政策やユーロ支援を巡り国内の意見が対立。反EU感情も高まっている。
・2010年の総選挙では移民排斥の極右政党が第3党に躍進。政治を揺さぶっている。

◆スペイン国債格下げ、失業率は最悪更新(26日) ☆
・米S&Pは26日、スペイン国債の格付けをAからBBB+に2段階引き下げた。
・財政再建の遅れ、経済回復の遅れなどを理由としている。
・1-3月の失業率(27日発表)は、24.4%と前四半期比1.5ポイント悪化した。
・16-24歳の若年失業率は52%と深刻。
・ユーロ危機はギリシャ支援決定で一服したが、当面スペインに関心が移っている。

◆パキスタン最高裁がギラニ首相に有罪(26日)
・パキスタン最高裁はギラニ首相に「法廷侮辱罪」で有罪判決を言い渡した。
・ザルダリ大統領の汚職追及を怠った罪状。同国首相が有罪判決を受けるの初めて。
・次の焦点は、首相が議員資格を失うかどうか。議席を失えば首相辞任になる。
・政府は直ちに閣議を開き、辞任の必要はないとの立場を確認した。
・昨年大統領が米軍にクーデター阻止を求めた文書が発覚。軍と政権の対立は決定的になった。
・今回の動きの背景にも軍の存在があるとの見方が強い。
・パキスタン情勢は一層混迷を深めている。

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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース                  
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース         
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │ (日)騒いでいるのは日本だけ                
 │ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない     
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◎寸評:of the Week
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 【仏大統領選とユーロ危機】 仏大統領選の第1回投票は予想通り現職のサルコジ大統領と最大野党社会党のオランド氏が決選投票に進んだ。5月6日の選挙ではオランド氏有利の情勢が続いており、17年ぶりの政権交代が視野に入ってきた。
 「オランド大統領」を睨んだ動きは、すでに色々なところで出てきている。英Economist4月28日号表紙は、オランド氏がトリコロール(3色)の仏国旗のカーテンを開けて入ってくる写真を使用。経済界はオランド氏との関係構築に動き出した。目下の焦点は、サルコジ氏とともに独仏枢軸をリードしてきたメルケル独首相の動向だ。
 サルコジ大統領は5年前、市場重視の政策で仏経済を活性化する政策を掲げ当選した。しかし世界金融危機とユーロ危機で経済は悪化。失業率は上昇し、国民の批判が強まっている。選挙戦不利も、反サルコジ世論の強さを物語っている。
 国際的に大統領選は、ユーロ危機との関連で注目される。サルコジ氏は財政再建優先の緊縮財政策を打ち出してきた。これに対し、オランド氏は財政出動も辞さずとの立場を主張している。もし本格的な路線後退となれば、ユーロ危機の行方にも大きな影響を与える。
 ただし、オランド氏は現実主義的なエリート。大統領に当選した暁には、政策も現実路線に転換するとの見方も強い。いずれにしろ、5月6日の決選投票とその後の動きからは目が離せない。

 【欧州の経済危機と政治】 欧州の経済危機が政治を揺さぶっているのは、フランス大統領選だけではない。オランダでは財政再建を巡りルッテ政権が崩壊。総選挙に踏み切る。スペインでは財政再建と経済再建が上手く進まず、国債利回り上昇、失業率の上昇で国民の不満が高まっている。5月6日予定のギリシャ総選挙では、財政再建計画見直しに含みを持たせる野党が有利。チェコ下院は内閣不信任案を可決した。

 【ミャンマー情勢巡る重要な動き】 ミャンマー情勢で重要な動きが相次いでいる。
 EUは23日、ミャンマー制裁の一時停止を決定した。昨年からの{民主化」の動きに一定の理解を示す一方、民主化に水さす動きがあれば制裁復活を含んだ決定だ。
 米国は22年ぶりにミャンマーに対しを派遣する方針を決めた。アグレマンが認められ次第、正式発表する。
 一方、ミャンマー国内の動きは錯綜する。先の補選で大勝したアウン・サン・スー・チー氏率いる民主派NDLの議員41人は23日、登院を拒否した。宣誓の文言を巡る対立が原因で、軍事政権下で策定された憲法の「護持」は容認できないとの立場であるため。その後、調整で近く登院実現の可能性はある。
 同国のテイン・セイン大統領は、改革路線を進め民主化の進展をPRする。しかし、逆戻りしないかなどの疑念は依然残る。欧米は、注意深く、前向きにの姿勢で臨んでいる。

 【紛争】 中東やアフリカなど各地の紛争も重要な動きが続く。スーダンと南スーダンの石油資源を巡る衝突は継続。シリアには国連の監視団が入ったが、政権による反体制派弾圧は止まっていない。バーレーンではF1グランプリを機に、反政府デモが再び高まった。パキスタン情勢も流動性を増している。

◎今週の注目(2012.5.1‐5.6)&当面の注目
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・米中の戦略・経済対話が5月3-4日に北京で。陳光誠氏の軟禁脱出・米大使館による保護事件で、人権問題という両国が相いれない問題に焦点が当たるのは必至。中国国内でも、問題をどう処理するか読みにくい。
・5月6日にフランス大統領選決選投票
・ギリシャ総選挙も5月6日。

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2012年4月22日 (日)

2012年17号(2012.4.16-22 通算617号)  国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2012年4月16-22日

◆タリバンが欧米大使館など襲撃(15-16日)☆
・アフガンの首都カブールで、タリバンが欧米大使館などを襲撃した。7か所以上。
・米軍によるコーラン焼却事件や民間人への乱射事件への報復としている。
・米やアフガン治安当局は掃討作戦を展開。16日までに完了を発表した。
・アフガン当局はカブール郊外で爆発物10トンを押収した。テロ目的とみられる。
・掃討作戦に作戦に時間がかかるなど、対応能力上の問題も露呈された。
・米は2014年までにアフガン撤退を計画。
・当局へ治安権限委譲を進める一方、水面下でタリバンとの和平も模索する。
・しかしコーラン焼却事件や米兵による乱射事件で、反米感情は拡大している。
・襲撃は、計画実施の難しさやアフガン情勢の厳しさを改めて見せつけた。

◆北朝鮮、米朝合意を破棄(17日)☆
・国連安保理は先の北朝鮮のミサイル(人工衛星)発射を非難する議長声明を採択した。
・北朝鮮外務省は採択を批判する声明を発表。同時に2月の米朝合意破棄を表明した。
・合意では北朝鮮のウラン濃縮やミサイル発射停止、米の食糧支援などを決めていた。

◆世銀総裁にキム氏(16日)☆
・世銀は次期総裁に米ダートマス大学長で韓国系のキム氏を指名した。
・ゼーリック総裁後任で7月に就任する。任期は5年。アジア系の総裁は初。
・キム氏は医師で保険医療対策の専門家。しかし経済・財政の経験は少ない。
・世銀総裁は第2次大戦後の設立以来米国人の指定席だった。
・新興国はナイジェリアのオコンジョ・イウェアラ財務相を擁立。欧米一部メディアも支持した。
・しかし結局、米政権が推すキム氏に落ち着いた。

◆インドが利下げ、新興国の金融緩和鮮明に(17日) ☆
・インド準備銀は、政策金利を8.5→8%に引き下げた。利下げは3年ぶり。
・ブラジルも18日、政策金利を9.75→9%に下げた。昨年夏から6回目で合計3.5%。
・新興国は2009年以降、国際市場のマネー過剰→インフレ警戒を重視し金融を引き締めた。
・しかし昨年から景気下支えに重点を移す動きが出ている。
・緩和への軸足移動が一層鮮明になった。

◆アルゼンチン、スペイン系石油大手を再国有化(16日)
・フェルナンデス大統領は石油大手YPFを再国有化すると発表した。
・同社はスペインの石油大手レプソルの傘下。元々国有だったが、90年代に民年化した。
・決定の背景には、同国の外貨不足がある模様。燃料の自国調達拡大を求める見込み。
・決定にスペインは反発。欧州委員会も同国への投資環境が悪化するなどと警告した。
・アルゼンチンは2008年にも年金基金やアルゼンチン航空を再国有化した。
・保護主義的な手法は、国際経済にも波紋を投じている。

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◎寸評:of the Week
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 【欧州危機と国際金融市場の動向】 欧州通貨危機は2月末のギリシャへの第2次支援でひとまず小休止となったが、その後スペインの国債利回りが上昇。目下の懸案になりつつある。
 G20 は20日、財務相・中銀総裁会議を開き、IMFの資金増強で合意した。総額4300億ドルで、危機時のセーフティネットが多少強まったが、これだけで危機への備えが大丈夫かとなれば、もちろんそうではない。スペイン級の国が危機に陥れば、もちろん足りないし、そもそもEUの支援の枠組み整備が前提条件だ。
 一方、ギリシャ支援で民間金融機関が国債債権の大幅削減を迫られたため、欧州の銀行な軒並み収益悪化している。スペインの銀行の不良債権率は17年ぶりに8%を超え、ギリシャ4大銀行の赤字は280億ユーロを超えた。
 こうした金融情勢の中で新興国では資金の流入→インフレより景気減速の懸念の方が大きくなり、各国は金融緩和に動き出した。

 【北朝鮮続報】 北朝鮮は前週のイベント(金正恩氏の東第1書記など就任、ミサイル発射強行と失敗、故金日成主席100周年行事)を受けた出来事が続いた。国連安保理は決議ではなく議長声明で北朝鮮を非難。北朝鮮の反発、米朝合意破棄と続いた。とりあえず、想定内の動きと見るべきか。

◎今週の注目(2012.4.23‐29)&当面の注目
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・仏大統領選の第1回投票(22日)の結果が判明、5月6日の決選投票に向けて選挙戦が始まる。大統領選の結果は、ユーロ哉欧州統合の行方にも影響する。

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2012年4月15日 (日)

◆北朝鮮の権力継承とミサイル発射 2012.4.15

 北朝鮮で故金日成主席の生誕100周年を機に、金正恩氏への権力移行を進める出来事が相次いだ。正恩氏は軍、党、国家の3権を掌握。しかし国際社会の批判をよそに強行したミサイル(北朝鮮は人工衛星と主張)発射は失敗に終わった。一連の動きを整理する。

▼1週間の出来事

 昨年末の金正日総書記の死亡の後の北朝鮮の動きをまとめてみると、以下の通りだ。

・12.17 金正日総書記死亡
・12.19 死亡を発表。金正恩氏後継を表明(卓越した指導者)
・12.28 金正日総書記の国葬
・12.30 金正恩氏が軍の最高司令官に。
・2.29 米朝合意発表。ウラン濃縮の停止、ミサイル発射見合わせ、食料支援など。
・3.16 北朝鮮が人工衛星打ち上げ予告(4.12-16日に)

・4.8  東倉里の発射場でミサイル(ロケット)を一部メディアに公開
・4.10 ミサイルの発射準備完了を公表
・4.11 朝鮮労働党が金正恩氏を第1書記に選任。
・4.12 正恩氏の党中央軍事委員会委員長就任発表。
・4.13 ミサイル(人工衛星)打ち上げ。直後に爆発し失敗。失敗を発表。
    平壌で故金日成国家主席、金正日総書記の銅像除幕式。
    最高人民会議、正恩氏を国防委員会第1委員長(統治機構トップ)に選任。 
    米、食料支援中止を確認。国連安保理は緊急会合。
・4.14 平壌の金日成広場で数万人集会。
・4.15 故金日成主席の生誕100周年。軍事パレード開催。
    正恩氏初の演説で先軍政治強調。

▼体制移行と生誕100周年

 北朝鮮の真意は、いつものことながら不透明だ。しかし、今回の一連の動きを読み解く上で忘れてはならないキーワードは「金正恩氏への権力の継承」と「体制の維持」だ。

 世界のメディアの多くは、故金日成主席御生誕100周年を正恩氏の権威付けに利用し、権力継承をスムーズに進めようとしたと解説する。北朝鮮自身が認めているわけではないが、この見方が最も素直だろう。

▼瀬戸際外交と先軍政治

 もう一つ押さえておくべきは、核の保有を武器に国際社会から譲歩を引き出そうとする「瀬戸際外交」が続くという見通しだ。ミサイル失敗を受けて、核実験再開に踏み切るという観測が消えないのもこのためだ。

 正恩氏は15日の初の公前での演説で、軍を優先する姿勢を表明した。一方、経済改善の必要性も指摘した。背後にはもちろん、地方の国民などが飢餓に直面する深刻な経済状況がある。この辺の事情は金正日氏の時代と変わらない。

▼変化の兆し?

 世界のメディアなどが変化の兆しとして注目したのは、ミサイル発射を海外メディアに公開し、発射失敗後もすぐに発表したこと。従来の同国では考えにくい対応だった。正恩氏の指示なしにはこうした変化は考えられない、との見方が強い。

 ただ、この変化が何を意味し今後どう影響するかは、まだ見えてこない。

▼世界の報道

 日本での一連の報道は物凄く、さしずめ北朝鮮のオンパレードだった。事実関係の報道や分析はもちろん、一般市民の反応や落下物回避の訓練模様、政府の責任などそれこそ「あれもこれも」取り上げ、長時間(広いスペース)を費やした。また、北朝鮮の特異性をことさら強調する報道も多かった。

 欧米のメディアはもう少し冷静。1面トップ(あるいはニュース番組のトップ番組)で取り上げるメディアは必ずしも多数は出なかったし、同時期に起きたシリア情勢、中国の薄熙来氏の政治局員解任、ミャンマー情勢(英首相の訪問と制裁緩和)なども大きく扱っていた。

 欧米メディアの関心は、集約すると「ミサイル発射失敗で金正恩の指導力が試される」というもの。NYタイムズは"Rocket Failure May Be Test of North Korean Leader’s Power"(電子版14日)、WAJは」"Failed Rocket Spurs Questions"(14日) と見出しを掲げている。

2012.4.15

2012年16号(4.9-16 通算616号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2012年4月9-15日

◆金正恩氏が3分野でトップ、ミサイル発射は失敗 ☆
・金正恩氏は11-13日に党、統治機構のトップに就任。軍と併せ全権を掌握した。
・朝鮮労働党が第1書記に選任。最高人民会議は国防委第1委員長に選んだ。
・同氏は昨年末軍最高司令官に就任ており、3分野でトップに就いた。
・同国は13日「人口衛星」と主張するミサイルを発射したが、直後に爆発した。
・発射は海外メディアにも公開されていた。失敗は直ちに発表した。
・日米韓やロシアは国際社会は打上げを批判。米国は食糧支援の停止を決めた。
・15日には故金日成主席の生誕100周年を記念する軍事パレードを実施した。
・金正恩氏が公前で初めて演説し、先軍政治の継続などを表明した。
・一連の動きは、金正恩氏への権力継承と国威高揚を狙ったものとされる。
・ただ打上げ失敗で思惑が狂った格好。今後、正恩氏の指導力が問われる。

◆米共和党大統領候補にロムニー氏(10日)☆
・共和党大統領候補予備選は、サントラム元上院議員が撤退を表明した。
・ロムニー前マサチューセッツ州知事の候補指名が確実になった。
・11月の大統領選はオバマ大統領とロムニー氏の一騎打ちになる。
・予備選は中道のロムニー氏と保守派のサントラム氏らが対立。
・3月のスーパーチューズデーを経ても固まらず、混戦になっていた。
・共和党支持者は保守化が進み、中道ロムニー氏への批判も根強い。
・今後ロムニー氏がどんな政策を打ち出してくるかが焦点になる。
・オバマ大統領は19日の演説で富裕層への増税を改めて強調。共和党をけん制した。

◆英首相がミャンマー訪問(13日)☆
・キャメロン首相がミャンマーを訪問。テイン・セイン大統領やスー・チー氏と個別会談した。
・英首相の同国訪問は1948年の独立以来初めて。
・先進国首脳の同国訪問も、昨年3月の「民政移行」後で初。
・会談後、EUの同国制裁について、解除ではなく一時停止すべきだと述べた。
・G8外相は12日ワシントンで会合。ミャンマー制裁緩和の検討開始を表明した。

◆薄氏、政治局員の資格停止(10日)☆
・中国共産党は薄煕来氏の政治局員、中央委員の資格を停止した。事実上の解任。
・党規律検査委員会が同氏を調査する。
・また同昨年11月の英国人死亡を巡り、同氏妻を殺人容疑で捜査開始した。
・3月に重慶市トップの書記を解任され、様々な憶測が流れていた。
・党指導部は解任で問題拡大を避け、事態の早期収拾を狙うとの見方が強い。
・同氏は元副首相を父に持つ太子党の有力者。秋の党人事で指導層入りも観測された。
・経済発展や汚職撲滅に成果を残す一方、大衆迎合的な手腕が批判された面もある。

◆韓国総選挙、与党が過半数維持(11日)☆
・韓国総選挙が行われ、保守の与党セヌリ党(旧ハンナラ党)が第1党を維持した。
・事前予想では大敗も予想されたが善戦した。
・野党民主統合党は議席を伸ばしたが及ばなかった。首都圏などでは勝利した。
・同国では李明博政権下で格差拡大が進み、与党批判が高まっていた。
・与党選挙を主導した朴槿恵氏は、大統領と距離を置き、権批判を押さえた。
・選挙は12月の大統領選の前哨戦。与党候補は朴氏の可能性が高まった。
・一方野党候補者は混迷を深めそうだ。

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◎寸評:of the Week
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 【重要ニュース連続の1週間】 重要ニュースが相次いだ。ベスト5ははいずれもインパクトの大きいニュース。それ以外に、インドネシアのスマトラ沖では11日、M8.6の地震が発生。シリアは12日、アナン調停案の「都市からの撤退期限」を迎えたが、実現していない。中国人民銀行は人民元の変動幅を拡大(14日)。中国の1-3月成長率は8.1%に減速した。トルコのエルドアン首相は同国首相としては27年ぶりに中国を訪問し、原子力協定に調印。新疆ウイグル地区も訪れた。スーダンと南スーダンで資源を巡る国境紛争が激化した。

 【目が離せないドラマ:重慶問題第2幕】 中国共産党が薄煕来氏の政治局員・中央委員の資格を停止。同氏は完全に失脚した。党規律委は薄氏の調査を開始。当局は同氏妻を殺人事件関与で捜査し始めた。3月の重慶市トップ解任に続く第2幕だ。
 事件の背後には、中国共産党の権力闘争があるといわれる。ここまでなら1997年の北京市トップの陳希書記解任や2007年の上海市トップ陳良宇書記解任事件と同じ構図だ。共産党の奥の院の権力闘争の凄まじさや不透明な政策決定などが改めて浮かび上がる。
 しかし2012年は、ネットや携帯で事件に関する情報が飛び交う時代。処理を誤れば国民の共産党批判につながりかねない。次期指導者にほぼ決まっている習近平国家副主席も大衆迎合批判をしており、党指導者はポピュリズムの否定や問題の早期決着で一致したとの見方が強い。
 事件の真相はなお不明な点が多いし、ある程度の情報が出てくるまでには何年もかかるだろう。それにしても英FTが指摘するように、「目が離せない面白いドラマ」だ。

 【ギュンター・グラスvsイスラエル】 独ノーベル文学賞作家のギュンター・グラス氏がイスラエルの核がイランをせん滅しようとしているなどとして批判する詩を発表。これにイスラエルが反発し、同氏の入国を禁止するなど、波紋が広がっている。グラス氏は独を代表する文化人である一方、青年時代にナチスの親衛隊に所属していた経緯がある。独では第2次大戦後、イスラエル批判が一種のタブーになってきたが、それに対する見直しや批判も起き始めている。戦争責任やイスラエル・アラブ問題、表現の自由などとも絡む微妙な問題に火がついた格好だ。

◎今週の注目(2012.4.16‐22)&当面の注目
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・金正恩氏の最高ポスト就任やミサイル打上げ失敗を受けた北朝鮮の動きに注目。ミサイルの失敗挽回のために核実験を再実施するとの観測も流れている。
・イランの核問題を巡る同国とP5+ドイツの協議が14日からトルコのイスタンブールで再開した。

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2012年4月 8日 (日)

2012年15号(4.2-8 通算615号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2012年4月2-8日

◆ミャンマー補選、スー・チー派が圧勝(1日投票)☆
・上下院、地方議会の補選が行われ、アウン・サン・スー・チー氏派が圧勝した。
・改正45議席(順に6、37、2)のうちスー・チー氏のNLD(国民民主連盟)が43議席。
・NLDは下院民選枠の1割以上を確保。スー・チー氏は6月にも登院する。
・同国は昨年春に形の上では軍政から民政に移管。「民主化」に動き始めた。
・補選では国際選挙監視団や外国人報道陣の入国も認め、従来からの変化をPRした。
・ただ、体制側による不正行為も指摘される。国際社会の評価も流動的だ。

◆Qセルズ破綻(2日)☆
・独太陽電池メーカーのQセルズが法的整理の手続きを開始。破綻した。
・同社は独太陽電池のパイオニアの1社として成長。2008年には世界シェア首位に立った。
・しかしその後、中国メーカーの台頭で劣勢に陥り、経営悪化した。
・昨年末以来、独太陽電池メーカーの破綻は5社目。
・独政府は太陽光発電普及のため高価格での買い取り政策を実施てきたが、見直し中。
・太陽光発電の将来は、不確定要因も多いことを改めて示した。

◆マリ情勢混乱拡大、北部が独利率宣言(6日) ☆
・3月にクーデターがあったマリで混乱が拡大している。
・3月21日に首都バマコで軍が反乱をおこし、トゥーレ大統領から実権を奪った。
・こうした中で反政府勢力が北部を制圧。6日独立を宣言した。
・反政府勢力は遊牧民トゥアレグ人中心。イスラム過激派集団も合流している。
・昨年のリビア内戦でカダフィ政権に雇われ、武器を持ち帰った勢力も含まれる模様。
・西アフリカ経済共同体と軍は6日、民政復帰などで合意したが、行方は不透明だ。
・西アフリカでは冷戦終了後、民族、宗教を軸にした政情不安や内戦が多発している。
・ここにイスラム過激派という要素も加わり、情勢を一層複雑にしている。

◆北朝鮮ミサイル発射台に(6日)
・北朝鮮は発射予定しているミサイル1段目を東倉里施設の発射台に据え付けた。
・同国は10-14日に「人工衛星の」の発射を国際社会に予告している。
・実際はミサイルとみられ、欧米韓日などは批判。中止を求めている。

◆ビンラディンの妻子に禁錮・国外退去判決(2日)
・パキスタン裁判所はオサマ・ビンラディンの妻3人と娘2人に禁錮45日の系を言い渡した。
・刑期満了後は国外追放処分とする。
・妻はサウジ人2人とイエメン人1人。サウジは受け入れに難色を示している模様。
・裁判から。国際政治の思惑が透けて見えてくる。

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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース                  
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース         
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │ (日)騒いでいるのは日本だけ                
 │ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない     
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◎寸評:of the Week
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 【ユーロ圏危機一服】 ユーロ圏危機が一服。小康状態に入った。欧州中銀のドラギ総裁は4日、当面は市場動向を注意深く見守ると発言。緊急モードからは多少緊迫感が薄れた感じだ。ただ、スペイン国債の利回りが上昇するなど、不安の種は次から次に頭を持ち上げる。近い相ら再燃は必至と見ておいた方がいい。

 【フォークランド30年】 フォークランド紛争から30周年を迎えた。アルゼンチンのフェルナンデス大統領は2日、改めて領有権を主張。領土を巡る感情対立は、当然ながら容易に消えることはない。

◎今週の注目(2012.4.9‐16)&当面の注目
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・北朝鮮がミサイル(人工衛星)を12-16日に発射する予定。15日は金日成元首席の生誕100周年で、その前に打ち上げとの観測が流れている。金正恩氏の総書記就任の見方もある。北朝鮮情勢に注目の1週間だ。

・シリア政府が国連が合意した軍部隊の撤退期限が10日。今のところ撤退は一部で、反政府軍に対する弾圧は続いている。

・エジプト大統領選の立候補受け付けが8日締め切られた。元アラブ連盟事務局長のムーサ氏やムスリム同胞団のシャーテル副団長などが立候補。第1回投票は5月23-24日。決選投票は6月16-17日の予定だ。

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2012年4月 1日 (日)

2012年14号(3.26-4.1 通算614号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2012年3月26日-4月1日
 

◆核安全保障サミット(26-27日)☆
・核安全サミット(Nuclear Security Summit)が53カ国首脳ら参加でソウルで開催。
・共同声明で核テロ防止への協力、高濃縮ウランの削減などを強調した。
・イラン、北朝鮮の核問題は個別会議などで協議したが、声明には盛り込んでいない。
・個別会議では米ロの核軍縮、核保有国の管理強化などもテーマになった。
・具体的決定より、首脳が核問題を定期的に協議する枠組みとして重要。

◆BRICS首脳会議(29日)☆
・ブラジル・ロ・印・中国・南アはニューデリーで首脳会議を開催。デリー宣言を採択した。
・途上国のインフラ整備を支援するBRICS銀行の設立で基本合意、詰めに入る。
・シリアやイランの核疑惑では対話による解決を強調。欧米と一線を画した。
・欧米中心の世界秩序に対抗して存在感を示す姿勢を改めて打ち出した。
・ただし、BRICS内部の利害対立も根深く、今後の展開は未知数の部分も多い。

◆シリアが和平案提受諾、行方は不透明(27日)☆
・シリアはアナン前国連事務総長が提示した6項目の和平案を受け入れた。
・国連監視下の停戦、シリア主導での民主化移行などが内容。
・同氏は国連とアラブ連盟の特使として3月中旬にシリアを訪問し、提案した。
・国連安保理やアラブ連盟も同案支持を表明した。
・ただし、シリアでは反体制派弾圧がなお続き、実行性は不透明。
・アラブ諸国でも支持の濃淡は分かれ、29日のアラブ連盟首脳会議は欠席も目立った。
・チュニジアは大統領退陣を求めるが、イラクやエジプトはそこまで望まない。
・シリア国内の反体制派も一枚岩ではなく、調整の行方も見えない。
・同国情勢は当面アナン和平案を軸に協議が続くが、先行きは依然ぐ透明だ。

◆香港行政長官選、親中派の梁氏当選(25日投票)
・香港行政長官選が行われ、梁振英(C.Y.リョン)前行政会議招集人が当選した。
・親中派。同じ親中派の唐英年前政務官を破った。民主派の獲得票はわずかだった。
・選挙は職能別団体代表など1200人による間接投票。事実上中国が決定権を握る。
・2017年の次回選挙では直接選挙が行われる可能性があり、民主化が問われる。
・梁氏は重点戦略として経済、住宅、貧困問題などを挙げた。
・民主化や次期選挙については明言を避けた。
・1997年の返還後、「1国2制度」の名の下に政治面では中国の支配が進む。

◆米医療保険制度改革で最高裁弁論、違憲の可能性も(26-28日)
・医療保険改革法の合憲性を巡る訴訟で、最高裁の口頭弁論が行われた。
・同法は無保険者の削減を狙い、2014年から国民に保険加盟を義務付ける内容。
・オバマ政権第1期の最重点政策の1つで、2010年3月に成立した。
・しかし加盟義務付けは個人の自由に反するなどと、違憲訴訟が相次いでいた。
・弁論では保守系の判事が合憲性に疑問を表明。判断は微妙な情勢だ。
・違憲となればオバマ政権は無保険制度改革の再調整を迫られる。
・大統領選にも影響する可能性がある。
・米国は先進国で唯一国民皆保険でない国。無保険者は約5000万人いる

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◎寸評:of the Week
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 【2つのサミット】 核安全保障サミットとBRICS首脳会議は、どちらも「これだ」という決定があったわけではない。しかし、世界の仕組みや構造変化を語る上では欠かせない。
 核安全保障サミットは50カ国以上の首脳が核問題を定期的に協議する会議。NPT体制が綻ぶ中で、世界の核管理の枠組みとして重要性は大きい。特にテロリストによる核ジャックの脅威は切実。また、福島原発事故を契機に原子力の安全管理の重要性も改めて確認された。普段はイランの核開発や北朝鮮の衛星打ち上げなど個別の問題に目が行きがちだが、核問題を基本に立ち戻って考える機会だ。
 BRICS首脳会議は世界の重要会議の1つとしてわずかの間に定着した。背景にあるのはもちろん、欧米先進国から新興国へのパワーシフトだ。指導者の顔ぶれも先進国に比べるとコロコロ変わることなく、印象が強い。今回の会議では、IMFの機能強化やシリア問題などで欧米と一線を画し、存在感を見せつけた。ただ、BRICS内の利害対立や意見相違も、実はかなり根深い。中国とロシアの前身のソ連は1960年代以降激しい対立を繰り返したし今も資源や貿易を巡り利害が反する。中印は紛争問題を抱える。何より、5カ国間に共通のルールはない。BRICSを見るには、両面を観察するクールな目が不可欠だ。

◎今週の注目(2012.4.2‐8)&当面の注目
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・ミャンマーの補選が1日行われ、結果が判明する。野党指導者のアウン・サン・スー・チー氏の当選は堅いと見られるが、全体の結果に注目。またスー・チー氏は選挙戦で妨害があったなどと指摘しており、どこまで公正な選挙が行われたかも関心事だ。選挙結果とその後の反応は、ミャンマー民主化の行方や今後の政治情勢に影響する。

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