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2011年9月

2011年9月25日 (日)

◆米欧財政危機としっくりこない議論 2011.9.24

 ユーロ危機や米国の財政危機を背景に、世界経済の行方に暗雲が漂う。米欧は過去3年、金融・財政問題を年最重点の課題として取り組んできた。しかし問題解決は進まず、むしろ議論の不協和音が目立つ感じだ。

▼IMFの警鐘

 IMFは世界経済予測で、米国とユーロ圏の成長率が2011年と12年にいずれも1%台に低下すると下方修正した。しかも、ユーロ圏の財政機や米国の財政問題を適切に処理出来たらという条件付きだ。もし処理を誤れば、世界経済は深刻な影響を被ると警鐘を鳴らしている。世界経済は従来にも増して視界不明になってきた。

▼実行力の欠如
 ユーロ圏の経済危機、米国の経済・財政問題を巡る動きは、足元1つ1つが注目される。ギリシャ政府は追加財政削減策を発表(21日)。これに対し労組はゼネスト宣言した。
 S&Pは19日イタリア国債の格付けをシングルAに引き下げた。イタリア政府は8月に財政赤字削減策を決めた後、調整が難航。ベルルスコーニ首相はいったん約束した策をいったん引込めたり、再び提出したりというバタバタを繰り返した。格付け引き下げの原因には、政治指導力の欠如が上げられた。
 米FRBは21日の公開市場委員会で金融緩和策の強化を決めた。ツイスト・オペという操作で短期国債を減らし長期国債の保有比率を高め、長期金利の低下を促す。それでも経済先行き不安は晴れない。
 G20は22日、財務相・中銀総裁会議を開き、金融システム安定に必要な措置を取ると強調した。しかし、具体的内容には乏しかった。
 財政再建や景気刺激の対応策がはっきりしなかったり、言ったことが実行できなかったり、漂流が目立つ。

▼しっくりこない米赤字削減議論
 オバマ米大統領が財政赤字削減策を発表した。無効10年間で3兆ドルの赤字削減を目標とし、その半分を富裕層への増税でまかなうという内容。野党共和党は反発、階級戦争をけしかけたと批判した。
 富裕層への増税(減税措置の停止も含む)は、有名投資家ウォーレン・バフェット氏も強調するもの。バフェット氏によれば、同氏にかかる税率は同氏の秘書よりも低い。富裕層は様々な免税措置などを利用できるため。この主張は倫理的にも理解を得やすい。
 これに対して共和党は、富裕層増税だけでは財政再建はできないと主張。むしろ社会福祉など歳出削減を求める。経済の専門家にも、富裕層層税だけでは不十分との指摘は多い。
 オバマ大統領が問題含みであることを承知の上で発表に踏み切ったのは、政治状況を睨んでの判断との見方が多い。昨年の中間選挙で勢いを得た共和党強硬派・茶会党系の議員は、原理主義的ともいえる強行姿勢で小さい政府を求める。このため大統領が多少の妥協をしても、財政赤字削減法案成立のメドは立たない。それならばむしろ下手な妥協はせず、財政赤字削減案が通らないのは共和党のせいと前面対決姿勢を打ち出す方が得、と判断したという分析だ。
 いずれにしろこのままでは、与野党とも原理原則を貫く言い合いが続く可能性が大きい。経済政策的にはこうすべきだ、モラル的にはこうだ、などという理性的な議論は行われにくい。
 来年11月の大統領選まで、こんな状況が続く可能性がある。

▼ギリシャの議論も迷走
 ギリシャ政府が追加の財政赤字削減策を打ち出し、労組は反発しゼネストの構えだ。BBCが労組代表にインタビューしている話を聞くと、建設的な議論など夢の夢、という感じがしてきた。
 労組の主張を要約すれば、(1)ユーロへの残留を希望している(2)これ以上の賃金カットや人員削減には耐えられない(3)問題解決は政治家の責任--など。政治家批判や課税は金持ちへ、という主張も、具体的な内容は乏しい。
 既得権者が金持ちや特権階級だけなら、話はむしろ簡単だ。ギリシャの場合、上から下までがコネ、利権でつながった社会構造になっているところに、問題の根深さがある。

▼根は深い
 米欧の財政・金融問題の根は深い。1990年代の日本(失われた10年→20年)の轍を踏むという指摘もある。
 ただし、グーグルやアップルなどのIT企業の発展(主に米国)、アフリカや中近東でのプロジェクト(米欧)など新たな成長の芽が見えるところは、日本と違う。

2011.9.24

2011年39号(9.20-24 通算587号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2011年9月20-24日
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◆パレスチナが国連加盟申請、和平一段と困難に(23日)☆
・パレスチナのアッバス議長は国連に加盟を申請した。
・従来のオブザーバーの立場から国家としての立場を求める。
・申請は安保理に送られ、勧告が得られれば総会で投票となる。
・従来イスラエルとの交渉を優先させたが、行き詰まりを背景に申請に踏み切った。
・米国は申請回避の説得を重ねたが失敗。安保理では必要なら拒否権を行使する。
・イスラエルは申請に反発。和平は遠のく可能性が大きい。
・パレスチナ和平は93年のオスロ合意が2006年までに事実上崩壊。
・昨年9月に1年8カ月ぶりに直接交渉を再開したが、イスラエルの入植を巡り決裂した。
・パレスチナ問題にとって新たな節目になる。問題の行方は不透明感が一層拡大する。

◆IMFが成長見通し下方修正、景気失速懸念(20日)☆
・IMFは世界経済の見通しを改定。6月時点の予想から下方修正した。
・2011、12年の世界の成長率は各4.0%(0.3-0.5%下方修正)。
・米国とユーロ圏は、11、12年とも1%台の成長にとどまると予想している。
・予測は米欧財政危機の封じ込めが前提の数字。失敗すれば深刻な事態になるとする。
・世界経済は危険な新局面にあると指摘。警鐘を鳴らした。

◆ギリシャが追加赤字削減案、労組はゼネスト宣言(21日)☆
・ギリシャ政府は21日、追加財政赤字削減策を決定した。
・公務員の3万人削減、年金の支給額削減などを含む。課税最低限も引き上げる。
・これに対し労組は10月に大規模ストを実施すると発表した。
・公務員労組が10月5日、全労組が19日にストを実施する。
・ギリシャの財政・金融危機はデフォルトなどの懸念をはらみ、先行き不透明で推移する。

◆米大統領が赤字削減策、富裕層増税が柱(19日)☆
・オバマ大統領は、今後10年間で3兆ドルの財政赤字削減計画を発表した。
・半分の1.5兆ドルは富裕層増税などで賄う。年収100万ドル以上の層を対象とする。
・イラク・アフガン駐留費や一部医療保険なども削減するが、全般的に富裕層増税が目立つ。
・野党共和党は反発。議会での調整は難航必至だ。
・2012年の大統領選をにらみ、大統領が全面対決の姿勢を打ち出したとの見方が強い。
・共和党は大統領が階級戦争(class warfare)をしかけたと非難。対立構図を特徴づけている。

◆アフガン元大統領暗殺(20日)☆
・ラバニ元大統領がカブールの自宅で暗殺された。タリバン系組織の犯行とみられる。
・元大統領はカルザイ政権とタリバンの和平交渉窓口になっていた。
・和平交渉の先行きが一層困難になるのは必至。
・ラバニ氏はタリバンが同国を支配する前の93-94年に大統領だった。

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 │INCDの採点
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 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │ (日)騒いでいるのは日本だけ                
 │ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない     
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◎寸評:of the Week
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 【パレスチナ加盟申請の意味】 事前の宣言通り、パレスチナが国連に加盟を申請した。元々のオブザーバーから国家としての承認を求めるもの。イスラエルとの和平交渉行き詰まりを踏まえて、局面打開の策という色合いが強い。
 加盟の実現には安保理の勧告→総会で3分の2の賛成という手続きが必要。安保理では米国が拒否権を使う可能性も大きく、すんなり加盟が実現するというわけではない。しかし、米国が拒否権行使となればパレスチナ和平における影響力低下は免れず、パレスチナを巡る局面が変わる。
 米国はイスラエルとの交渉抜きで和平は推進しないという立場で、加盟申請を見送るよう必死に働きかけたが失敗。オバマ大統領は国連総会演説で時間の大半を中東問題に割き、イスラエルとの交渉を軸にした対応を呼びかけたが、自体を動かすには至らなかった(演説には国内政治的意味も大きい)。。
 93年のオスロ合意は、パレスチナ問題を敵対から対話に変えた。しかしその後、和平案の詰めで挫折。合意は2006年までに事実上崩壊した。パレスチナ加盟申請も、対話→敵対の流れを加速する可能性がある。

 【イエメン大統領帰国】 イエメンのサレハ大統領が23日、療養先のサウジアラビアから帰国した。イエメンでは大統領退陣を求める反体制派に、治安当局が弾圧を強化。ここ数日で多数の死者が出ている。米国などは大統領の退陣を求めている。帰国後の情勢がどう動くか、予断を許さない。

◎今週の注目(2011.9.25-10.1)&当面の注目
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・市場は引き続き不安定な動きを続けそう。

・ギリシャの財政危機問題がくすぶる中、パパンドレウ首相が27日ドイツを訪問し、メルケル首相と会談する。同国の財政赤字削減やEUによる支援などを協議する見込み。ギリシャでは当面、政府の提案した赤字削減策を巡る国会審議や労組のゼネストなどが焦点。1つ1つの動きから目が離せない。

・サレハ大統領帰国でイエメン情勢は緊迫度を高めそう。

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2011年9月19日 (月)

◆ギリシャ危機はどこまで波及する? 2011.9.19

 ギリシャ問題を巡り、緊迫度が高まっている。

 EUは7月の首脳会議で第2次支援のパッケージを決め、当面の問題を処理したはずだった。しかしその後、具体的な支援策作りを巡り混乱が露呈し、むしろ混乱が深まった格好だ。

 ギリシャの財政赤字削減策はなかなか進まず、実現性が危ぶまれている。ユーロ加盟国内では、支援策を巡ってはドイツやオランダ、北欧などが慎重姿勢を崩さない。こうした中でギリシャの債務不履行(デフォルト)やユーロ圏離脱のリスクが高まり、憶測が憶測を生む展開になっている。市場ではギリシャ国債の価格が急落(利回りは上昇)中だ。

▼見方は分かれる

 仮にギリシャがデフォルトに陥った場合どうなるか?インパクトが深刻ということは間違いないが、どの程度になるかというと見解が分かれる。

 ポルトガルやスペイン、イタリアなどへの飛び火は必至だろうし、欧州機関の経営悪化も避けられない。ユーロ圏の危機深刻化は必然。しかし、そこから先の展開は読みにくい。

 リーマン・ショック並みの事態となってグローバルな金融危機を引き起こすとの懸念も出ている。しかし、どこまでリスクが大きいかとの議論はもちおrんない。同様に、ユーロ崩壊の懸念も、深く分析しようがない。いかなる場合でも間違いないのは、今後の対応1つ1つが極めて重要であること。

▼矢継ぎ早の綱渡り策

 ユーロ圏ではこの週、欧州中銀総裁が金融機関に無制限で資金供給する方針を表明(12日)。サルコジ仏大統領とメルケル独首相、ギリシャのパパンドレウ首相は電話会談し、ギリシャの財政改革推進とユーロ圏からの離脱否定を確認した。

 ポーランドで開いたユーロ圏の財務相会議は、ギリシャ支援を確認するとともに、EUの財政協定厳格化で合意した。しかし、すべての支援策の大前提になるのが、「ギリシャが財政改革を計画通り実施する」ということ。この部分が不透明なままだから、市場は綱渡りの策としか受け止めない。

 むしろユーロ圏のにガイトナー米財務長官が出席したことが、事態の深刻さを物語っている。

▼その先の懸念

 そして世界にとってさらに憂鬱なのは、ギリシャ、ユーロ圏のほかに米国の財政赤字や日本の財政問題など「いつ表面化しておかしくない問題」が目白押しであることだ。 

20110919

2011年38号(9.12-19 通算586号)  国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2011年9月12-19日
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

◆ギリシャ危機債務不履行リスク拡大、支援調整続く ☆
・ギリシャ危機は緊迫した状況が続いている。
・市場では同国の債務不履行やユーロ圏離脱リスクが拡大したとの見方が広がった。
・10年物国債利回りは一時25%を超過。2年物は70%、1年物は100%を超えている。
・欧州中銀は12日、銀行に無制限の資金提供をする方針を表明した。
・独仏とギリシャ首脳は14日電話会談し、ギリシャがユーロ圏にとどまると明言した。
・ユーロ圏財務相会議が16日開かれ、ギリシャの約束順守を条件に融資継続で合意した。
・会議にはガイトナー米財務長官も参加。問題が欧州にとどまらない状況を映した。
・ギリシャなど金融・財政危機は形を変えて表面化するが、目下の緊迫感は高い。

◆リビア反体制派主導権争い、国際社会は支援 ☆
・サルコジ仏大統領とキャメロン英首相は15日トリポリを電撃訪問した。
・国民評議会の全土掌握に向けた支援強化や財政支援を約束した。
・国連総会は16日、評議会をリビア代表として承認する決議案を採択した。
・ただ評議会内では主導権争いが激化。
・18日に予定されていた暫定政権の陣容発表は無期限に延長された。
・評議会の主導権を握る東部ベンガジ出身者に、他地域が反発する構図が指摘される。
・カダフィ政権後のリビアは、混乱の懸念も消えない。

◆パレスチナが国連加盟強行方針(16日)☆
・パレスチナのアッバス議長は国連に正式加盟を申請する方針を表明した。
・パレスチナは現在「機構」としてオブザーバー資格を持つが、「国家」として承認させる狙い。
・イスラエルとの和平交渉行き詰まりを背景に、国家承認で局面打開を目指す狙いとみられる。
・イスラエルは和平に逆行するとして反対。
・米国はイスラエルとの交渉抜きの和平は無理として加盟申請見送りを説得したが、失敗した。
・加盟には安保理の推薦が必要。米国が拒否権を発動すれば実現しない。

◆米が特許法改正、先願主義に(16日)☆
・オバマ大統領が改正特許法案に署名。同法が成立した。適用は2013年の見込み。
・米特許制度は先発明主義(first-to-invent)から先願主義(first-to-file)に変更される。
・先進国では米国のみが先発明主義を採用していた。これで主要国の特許制度がそろう。
・先発明主義は審査に膨大な時間がかかり、米主要企業も改正を求めていた。
・米議会では2005年から特許法改正の法案が提出され、今回4回目の改正で成立した。

◆英ロ首脳会談(11-12日)
・キャメロン英首相がロシアを訪問。メドベージェフ大統領やプーチン首相と会談した。
・英首相のロシア訪問は6年ぶり。
・両国関係は2006年のリトビネンコ事件などを契機に悪化していた。
・その後グルジア紛争を巡る対立や、シェル、BPの資源開発を巡る紛争などが続いていた。

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 │INCDの採点
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 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース         
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 │ (日)騒いでいるのは日本だけ                
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◎寸評:of the Week
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 【英国の金融規制見直し】 英国の独立委員会は12日、金融規制見直しの最終報告を発表した。投資銀行(証券)業務と商業銀行業務の分離を求める内容。政府も委員会の報告を尊重し、改革を実施する方向を表明した。
 銀証分離ともいえるルールは、米国でも金融危機後に打ち出しており、英国もそれに続いた形。1930年代-90年代まで銀行と証券の活動を厳しく分けていた米国のグラス・スティーガル法に比べれば分離のルールは桁違いに弱い。それでも金融機関の活動に影響を与えるのは間違いない。
 ドイツやフランスなど欧州大陸は、伝統的にユニバーサルバンクの仕組みを維持している。英と独仏の業態に違いがあれば、今後ロンドン・シティ地位など勢力図に影響が出る可能性もある。
 金融危機から3年。やっと出てきたルール改正を、じっくり策定というのか、遅いというのか。

 【仏原発事故と韓国停電】 フランス南部マルクールの核廃棄物処理工場で12日爆発事故が発生。仏政府によれば事故は数時間で収束。放射能漏れはなかったという。しかし欧州メディアは敏感に反応、仏政府の情報公開姿勢にも批判が出た。
 韓国では15日、広範囲で停電が発生した。需要が予想を超えて増えて供給能力を上回りそうになったため、韓国電力公社はシステムダウンを回避するため地域別に供給を遮断した。事前通告がなかったため大きな混乱が起きた。
 福島の原発事故以降、原子力、エネルギーに対する関心が高まっている。

 【重要な動き】 他にも大事な動きが多かった。アフガンの首都カブールでは、タリバンがビルを占拠し、米大使館などに対しロケット弾などで攻撃を加えた。国連ISAFの施設も並ぶ地域での出来事で、治安悪化の深刻さを物語る。スイスのUBSはトレーダーが不正取引を行い、20億ドルの損失を出したと発表した。世界経済フォーラム主催の夏季ダボス会議が中国の大連で開催。中国拡大に対する様々な意見がでた。デンマークの総選挙では中道左派の社民党が勝利。10年ぶりに政権を奪回する。トルコのエルドアン首相が15日エジプトのカイロを訪問。トルコ首相としては15年ぶりの公式訪問となる。ケニアのナイロビでは石油パイプラインの爆発で多数の死傷者が出た。

◎今週の注目(2011.9.19-24)&当面の注目
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・国連総会首脳演説が始まる。
・国連原子力に関する首脳会議が開催される。

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◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2011年9月12-19日
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◆ギリシャ危機債務不履行リスク拡大、支援調整続く ☆
・ギリシャ危機は緊迫した状況が続いている。
・市場では同国の債務不履行やユーロ圏離脱リスクが拡大したとの見方が広がった。
・10年物国債利回りは一時25%を超過。2年物は70%、1年物は100%を超えている。
・欧州中銀は12日、銀行に無制限の資金提供をする方針を表明した。
・独仏とギリシャ首脳は14日電話会談し、ギリシャがユーロ圏にとどまると明言した。
・ユーロ圏財務相会議が16日開かれ、ギリシャの約束順守を条件に融資継続で合意した。
・会議にはガイトナー米財務長官も参加。問題が欧州にとどまらない状況を映した。
・ギリシャなど金融・財政危機は形を変えて表面化するが、目下の緊迫感は高い。

◆リビア反体制派主導権争い、国際社会は支援 ☆
・サルコジ仏大統領とキャメロン英首相は15日トリポリを電撃訪問した。
・国民評議会の全土掌握に向けた支援強化や財政支援を約束した。
・国連総会は16日、評議会をリビア代表として承認する決議案を採択した。
・ただ評議会内では主導権争いが激化。
・18日に予定されていた暫定政権の陣容発表は無期限に延長された。
・評議会の主導権を握る東部ベンガジ出身者に、他地域が反発する構図が指摘される。
・カダフィ政権後のリビアは、混乱の懸念も消えない。

◆パレスチナが国連加盟強行方針(16日)☆
・パレスチナのアッバス議長は国連に正式加盟を申請する方針を表明した。
・パレスチナは現在「機構」としてオブザーバー資格を持つが、「国家」として承認させる狙い。
・イスラエルとの和平交渉行き詰まりを背景に、国家承認で局面打開を目指す狙いとみられる。
・イスラエルは和平に逆行するとして反対。
・米国はイスラエルとの交渉抜きの和平は無理として加盟申請見送りを説得したが、失敗した。
・加盟には安保理の推薦が必要。米国が拒否権を発動すれば実現しない。

◆米が特許法改正、先願主義に(16日)☆
・オバマ大統領が改正特許法案に署名。同法が成立した。適用は2013年の見込み。
・米特許制度は先発明主義(first-to-invent)から先願主義(first-to-file)に変更される。
・先進国では米国のみが先発明主義を採用していた。これで主要国の特許制度がそろう。
・先発明主義は審査に膨大な時間がかかり、米主要企業も改正を求めていた。
・米議会では2005年から特許法改正の法案が提出され、今回4回目の改正で成立した。

◆英ロ首脳会談(11-12日)
・キャメロン英首相がロシアを訪問。メドベージェフ大統領やプーチン首相と会談した。
・英首相のロシア訪問は6年ぶり。
・両国関係は2006年のリトビネンコ事件などを契機に悪化していた。
・その後グルジア紛争を巡る対立や、シェル、BPの資源開発を巡る紛争などが続いていた。

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 【英国の金融規制見直し】 英国の独立委員会は12日、金融規制見直しの最終報告を発表した。投資銀行(証券)業務と商業銀行業務の分離を求める内容。政府も委員会の報告を尊重し、改革を実施する方向を表明した。
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 ドイツやフランスなど欧州大陸は、伝統的にユニバーサルバンクの仕組みを維持している。英と独仏の業態に違いがあれば、今後ロンドン・シティ地位など勢力図に影響が出る可能性もある。
 金融危機から3年。やっと出てきたルール改正を、じっくり策定というのか、遅いというのか。

 【仏原発事故と韓国停電】 フランス南部マルクールの核廃棄物処理工場で12日爆発事故が発生。仏政府によれば事故は数時間で収束。放射能漏れはなかったという。しかし欧州メディアは敏感に反応、仏政府の情報公開姿勢にも批判が出た。
 韓国では15日、広範囲で停電が発生した。需要が予想を超えて増えて供給能力を上回りそうになったため、韓国電力公社はシステムダウンを回避するため地域別に供給を遮断した。事前通告がなかったため大きな混乱が起きた。
 福島の原発事故以降、原子力、エネルギーに対する関心が高まっている。

 【重要な動き】 他にも大事な動きが多かった。アフガンの首都カブールでは、タリバンがビルを占拠し、米大使館などに対しロケット弾などで攻撃を加えた。国連ISAFの施設も並ぶ地域での出来事で、治安悪化の深刻さを物語る。スイスのUBSはトレーダーが不正取引を行い、20億ドルの損失を出したと発表した。世界経済フォーラム主催の夏季ダボス会議が中国の大連で開催。中国拡大に対する様々な意見がでた。デンマークの総選挙では中道左派の社民党が勝利。10年ぶりに政権を奪回する。トルコのエルドアン首相が15日エジプトのカイロを訪問。トルコ首相としては15年ぶりの公式訪問となる。ケニアのナイロビでは石油パイプラインの爆発で多数の死傷者が出た。

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・国連総会首脳演説が始まる。
・国連原子力に関する首脳会議が開催される。

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2011年9月11日 (日)

◆9.11から10年の世界 2011.9.11

 2011年の同時多発テロから10年が経過した。事件は世界がテロと直面する時代に入ったことを印象付け、米国1極構造や貧富の格差拡大などの議論を突きつけた。その後、世界はアフガンやイラク戦争を経験、金融危機や中国など新興国の台頭という大きな変化を経験した。この10年をレビューする。

▼10年間の重要な動き

 2001-2011年の世界の構造変化やテロ、安全保障にかかわる主な動きを挙げれば、以下が考えられる。

・アフガニスタン侵攻(2001)
・米ネオコンの時代(2002年に一般教書「悪の枢軸」、先制攻撃理論)
・イラク戦争(2003)
・金融危機(2008)
・オバマ米大統領就任(初の黒人大統領)(2009)
・中東革命(チュニジア、エジプト、リビア)(2011)
・ビンラディン殺害(2011)
・中国を始めとする新興国の台頭、世界の重心変化
・IT・ネット革命の進展(グーグル、SNS、スマートフォン)

▼アフガンとイラク

 9.11後の米国の「対テロ戦争」の現場になったのが、アフガニスタンとイラクだ。いずれも米国などが軍事介入し旧体制を倒した。しかしどの後も混乱が続いている。

 米国は9.11直後、アフガンのタリバン政権がアルカイダをかくまったとして同盟国とともに同国に侵攻。タリバン政権を倒して"民主種的な選挙"の下にカルザイ政権を樹立した。しかし、その後の国づくりはうまく進まず、2006年ごろからタリバンが勢力を回復。現在も事実上の内戦状態にある。アフガン侵攻から10年を経て、米国などはなお引くに引けない状況に陥っている。

 米ブッシュ政権は、独仏などの反対を押し切って2003年イラク戦争を開始。サダム・フセイン政権を打倒した。しかし、その後イラクでは期待した「民主化」は実現せず、血で血を洗う内戦状態に陥った。数年の混乱を経て米国は治安維持権限をイラクに移管、2010年8月までに戦闘部隊を撤退させたが、イラク情勢はなお混沌としている。
 
▼テロは継続・予防も強化

 9.11後、アルカイダを中心とした過激派は、各地でテロを展開した。2002年のインドネシア・バリ島、2004年のマドリッド、2005年のロンドン、2008年のインド・ムンバイなどに代表される。アフガンやイラクはもちろん、カフカスやロシア南部などでもテロは続発した。

 ただ、情報機関がテロの予防機能を強化し、9.11に匹敵するような大規模テロを防いだのも事実。10年前に最も懸念された核テロなど、最悪の事態も防いでいる。

 2011年5月、米国はパキスタンに潜伏していたビンラディンを殺害した。ビンラディンはアルカイダの指導者であったと同時に、9.11以降のテロ時代の象徴だった。殺害の持つ意味は小さくない。

 とはいうものの、ビンラディン殺害がテロの温床の一掃に役立つかといえば、答えはノー。イスラム過激派によるテロは殺害後も続いている。「根絶はできないが、ある程度の防御もしている」というのが実情だ。

▼残るテロの温床--貧富の格差、失敗国家

 9.11後、テロの原因について様々な問題が指摘された。代表的なものは、貧富の格差拡大、文明の衝突(キリスト教とイスラム教など)、独裁国家の弾圧による民衆の不満の蓄積、失敗国家の存在など。中東においては、パレスチナ問題もイスラム教徒の対米憎悪(イスラエルはもちろん)を高める原因として指摘された。

 こうしたテロの温床をなくすために、先進国は様々な対応をとった。貧富の格差縮小のために、G8や国連の枠組みを活用した支援拡大を模索。イスラム諸国との対話や穏健派イスラム教徒との協調を強めた。民主化を促す圧力も強めたし、米国はパレスチナ和平推進に力を入れた。しかし、いずれの試みも大きな成果を生んだとは言いがたい。

 中東やアフリカでは依然として多くの人々が開発から取り残され、2011年の東アフリカの飢餓では数百万人単位の難民が発生し、数十万人単位の生命が危ぶまれている。ソマリアやイエメン、アフガンは依然として失敗国家のまま。パレスチナ問題ではイスラエルの強硬姿勢にトルコやエジプトが反発。関係はむしろ冷え込んだ。
 
▼先行き見えないアラブの春

 そうした中で明るい材料として数えられるのが、2011年のアラブの春だ。チュニジアから始まった革命はエジプト、リビアで独裁政権を打倒。「民主化」の波は中東全域に広がった。

 ただ、独裁政権を倒した国で民主化が定着するかとなると、楽観は許さない。チュニジアでは大統領選など民主化プロセスが計画通り進まんでいない。エジプトも同様で、民衆の不満があちらこちらで噴出している。

 民主化が失敗し混乱が拡大すれば、イスラム原理主義の台頭や失敗国家の創出に結びつく懸念も排除できない。そうなれば、新しいテロの温床にもなりかねない。

▼米1極主義・1国主義の破綻

 10年前、米国は世界唯一の超大国として君臨し、「米国基準のグローバル化」世界を覆うかのように見られていた。9.11後のブッシュ政権ではネオコンが主導権を獲得。圧倒的な軍事力を背景に「米国の正義」を世界に広め、「力による安全保障強化」を推し進める姿勢を見せた。「悪の枢軸」批判、先制攻撃理論などがその表れだ。そして「アラブの民主化」を標榜してイラク戦争に突き進んでいった。

 しかし独仏など「古いヨーロッパ」の反対を押し切って開戦したイラク戦争は全く目算が狂った。フセイン政権は簡単に打倒したものの、大量破壊兵器は見つからず開戦の正当性は揺らいだ。イラクは内戦状態に陥り、米軍にも多数の犠牲者が出た。アフガン情勢も2006年ごろからとみに悪化、米国に重い負担としてのしかかった。

▼多極化

 さらに2008年にはリーマン・ショックが発生。レーガン政権以来信条としてきた新自由主義は終焉を迎えた。

 一方で中国など新興国は急速に発展。世界の経済はG8の時代からG20の時代に移行した。世界の変化については様々な見方があるが、米1極主義から多極化という指摘は多い。

 2009年に成立したオバマ政権は、米国1国主義ではなく国際協調主義を鮮明にした。

▼米欧大手メディアの論調

 世界のメディアや研究所などは、10周年を機に様々な論調や解説を発表している。米ブラウン大学はアフガンイラク、パキスタンで14万人の市民が殺害され、780万人の難民が発生したとの分析をまとめた。兵士もあわせた死者が25万人という調査もある。

 英Eonomist誌は"Ten years on"という記事(9月3日)で、9.11後の米国の戦略の誤り(とりわけイラク戦争)を指摘した上で、次の10年に備え同盟国との連携強化、イスラムに対する理解、テロに対する細心の注意などを呼び掛ける。

 英Financial Times(9月9日社説"A decade on from September 11")も、米国の新たなリーダーシップを期待している。

 米NYタイムズ(9月10日社説"Loss and Hope")は世界というより米国中心の論調。将来について論点整理をしている。ワシントンポスト紙(9月10日社説"Don't underestimate what America has achieved since 9/11")も米江中止の視点から、過去10年の戦略を批判・評価を交えて整理している。

 英BBCはCrowley前米国務次官補のコメントとして、今後10年にサイバー攻撃のような新手のテロの危険性が高まることを指摘。9.11から学ぶ重要性を指摘している。

2011.9.11

2011年37号(9.5-11 通算585号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2011年9月5-11日

◆同時テロ10年(11日)☆☆
・2011年の同時多発テロから10年が経過した。
・NYなどでは祈念式典が行われた
・世界はテロと対峙する時代に入り、イスラム過激派を中心としたテロが各地で続く。
・米国は当初、力による押さえ込みを狙いアフガン、イラク戦争を起こしたが、混乱は拡大した。
・テロの背景だった貧富の格差拡大などは解消していない。
・10年で米国の力は低下。世界は米1極主義→多極化に向かったとの指摘が多い。
・中国などの台頭、IT・ネット革命進展も世界の構造変化をもたらしている。

◆ギリシャ支援で対応乱れ ☆
・7月に大枠合意したギリシャ支援で、ユーロ圏各国の足並みの乱れが表面化した。
・ギリシャは2011年度の財政赤字削減が目標より悪化する見通しを表明。
・これを受け同国とEUなどは協議を中断。9月中旬までの具体策策定に黄信号が灯った。
・ドイツや北欧諸国などはギリシャの赤字削減不調に反発を強めている。
・オランダのルッテ首相はギリシャを念頭にユーロ圏からの離脱規定策定を提案した。
・独憲法裁は7日、他国への金融支援について毎年議会承認が必要との見解を示した。
・一方仏国会は8日ギリシャ支援法を可決。伊は富裕層増税も含む財政再建案を決定した。
・南欧諸国からはユーロ安定にユーロ共同債発行の案が出ている。独などは反対姿勢。
・ユーロ相場は対円、スイスフランなどで下落が続いている。
・欧州中銀は8日の理事会で金利を据え置き。域内の経済見通しを下方修正した。
・マルセイユでのG8財務相・中銀総裁会議は国際協調を強調したが、中身は乏しい.
・ギリシャの国債利回りは7日、一時20%を超えた。

◆スイス、通貨をユーロに連動、無制限介入で(6日)☆
・スイスは自国通貨のフランをユーロに連動させる通貨政策を導入した。
・1ユーロ=1.2フランを上限として、無制限の介入で範囲内に押さえる。
・市場ではユーロ安・フラン高が進み、同国経済にも悪影響が出ている。
・ただ、介入で為替相場を押さえ込むのは異例の措置。
・投機筋との攻防次第では、多額の損失を被る懸念もある。

◆イスラエルとトルコ、エジプトの関係悪化 ☆
・イスラエルとトルコ、エジプトとの関係が悪化している。
・カイロではデモ隊が9日イスラエル大使館に押しかけ、周囲壁などを破壊した。
・両国関係は8月、イスラエル軍によるエジプト人警察官殺害を契機に悪化した。
・トルコは駐トルコのイスラエル大使の国外退去を要求した。
・イスラエルは昨年、パレスチナ支援船搭乗のトルコ人活動家を殺害。両国関係は悪化した。
・エジプト、トルコは中東で新イスラエル国家だった国。
・両国との関係悪化は、イスラエルの地域での孤立を際立たせる。

◆米国が景気・雇用対策(8日)
・オバマ大統領は契機・雇用対策を発表した。
・勤労者向け社会保障減税の延長、公共事業積み増しを中心に総額4470億ドル。
・財源確保に赤字削減策を今月中旬に発表する。富裕層増税や社会保障見直しなどの見込み。
・野党共和党は目新しいものはないと反発。議会調整は難航しそうだ。
・米景気は回復が遅れ、失業率は9%台に高止まりしている。
・経済政策には12年の大統領選をにらむ政治的な意味合いが強い。

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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース                  
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース         
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │ (日)騒いでいるのは日本だけ                
 │ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない     
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◎寸評:of the Week
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 【同時テロ10年】 2001年の9.11から10年を経過した。貧富の格差、イスラム過激派との溝など変わらぬ問題も多いが、米1極主義の終焉、中国の台頭、IT・ネット革命など10年で変わったものも多い。(→国際ニュースを読む「9.11から10年の世界」)

 【欧州財政危機】 ギリシャ支援でユーロ各国の足並みの乱れが再度表面化し、市場が揺らいでいる。7月大枠合意ではユーロ圏の結束を演出したが、細かい点を先送りにしたツケが(予想通り?)出てきた形だ。
 ギリシャの危機と欧州の支援はすでに何度も繰り返しており、デジャブ感がしないわけでい。細かい点はその都度違うが、大きな図式は(1)ギリシャの財政再建が遅れ、約束を守れない、(2)ドイツやオランダ、北欧は負担を抵抗。財政規律を強調する、(3)南欧は独などの負担を期待し、統合の理念を盾に支援の重要性を説く、というものだ。
 もちろんギリシャなどの信用不安はユーロの信用に響き、仮にデフォルトなどがあれば欧州各国の金融機関は大きな痛手を被る。南欧では、スピード感に問題はあるものの財政改善が進む。問題は複雑に絡み合うが、「ずぼらな南、怒る北」というステレオタイプを払拭できるほどの情勢変化はない。
 今後も何年か、「危機の第xxラウンド」が繰り返される可能性が大きい。ただ、「ギリシャのユーロ離脱」のような事態も「想定外」のひとことでは片付けられない。

 【リビア情勢】 リビア国民評議会のアブドルジャリル議長は10日トリポリ入りした。新政権と旧カダフィ政権側の投降交渉はまとまらず、なお各地で戦闘が続く。一方、カダフィ派の国外脱出の情報も伝わる。カダフィ大佐の行方判明→情勢の一段落にはもう少し時間がかかりそうだ。
 こうした中、米英情報機関と旧カダフィ政権の関係に関する情報も漏れだした。イラクのフセイン政権と同じように、米英はカダフィ大佐とも数々の取引を行っていたはず。その内容は、世界の流れを理解するうえでも大事な材料になる。

 【重要ニュース】 その他にも重要なニュースが多い。イラン初の原発が4日、電力供給を開始。インドのニューデリーでは7日爆弾テロが発生した。ナイジェリアは7日、人民元を外貨準備通貨に加えると発表した。
 

◎今週の注目(2011.9.12-16)&当面の注目
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・国連総会がNYの国連本部で始まる。22日以降、原子力に関する首脳級会議や各国首脳演説が始まる。
・デンマーク総選挙が15日実施。
・EUの非公式財務省会議が16-17日。ギリシャ支援問題などを話し合う。

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2011年9月 4日 (日)

2011年36号(8.29-9.4 通算584号)  国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2011年8月29日-9月4日
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◆リビア復興へ国際会議(1日)☆
・カダフィ政権の崩壊を受けて、国家再建を支援する国際会議がパリで開催した。
・約60カ国が参加。凍結資産の国家評議会への引き渡しや経済支援を約束した。
・リビア国内では新政権が体制把握したが、カダフィ政権支援者の抵抗は続く。
・カダフィ大佐は4日現在なお抵抗を呼びかけ。妻らはアルジェリアに亡命した。
・焦点は内戦の決着、国家再建へと移りつつあるが、先行きは不確定要素が多い。

◆日本の首相に野田財務相(30日)
・日本の新首相に野田財務相が選出された。5年間で6人目の首相。
・菅前政権は求心力が低下。震災・原発事故への対応も混乱が目立った。
・新政権は震災・原発処理や財政再建などが課題になる。
・世界の関心は概して低い。

◆ブラジルが利下げ(31日)
・中銀は政策金利を12.5%⇒12%に引き下げを決めた。
・同国は物価上昇警戒から2010年から8回、11年1月から5回連続で利上げを実施した。
・しかし景気後退リスクを優先し、引締め⇒緩和に方向転換した。
・金融危機後の緩和後、利下げに踏み切ったのはG20ではトルコに次いで2番目。
・新興国は物価上昇と景気後退のリスクに直面。ジレンマ中での金融政策になる。

◆ポルトガル財政再建に富裕者課税強化(31日)
・コエリョ首相は、財政再建実現に富裕層課税の強化計画などを表明した。
・同国は4月EUに財政支援を要請した。11年度の財政赤字はGDP比5.9%を目指す。
・6月の総選挙で中道右派に政権交代。新首相は財政再建堅持を確認した格好。
・一方イタリアでは首相が8月上旬に示した財政再建策の具体策作りが揺らいでいる。
・計画は2013年に財政均衡を目指していた。
・欧州諸国の財政再建は様々な利害調整に揺れながら進んでいる。

◆ウィキリークスから未編集ファイル流出へ(1日)
・ウィキリークスは未編集の米外交公電が閲覧できるパスワードが流出したと発表した。
・約25万件。協力関係にあったガーディアンの記者が漏らしたと説明した。
・ガーディアンはこの主張を全面否定。ウィキ側の主張と真っ向から対立した。
・ウィキの影響力の背景にあった機密維持と世界有力メディアとの協力が揺らいでいる。

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 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース         
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
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◎寸評:of the Week
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 【一段落】 「予想外の出来事」は少なかった週。リビア情勢は混乱続くが、ひと山越えた感じ。日本の新首相は世界的には関心外という位置付けだ。

 【経済難しい状態】 世界経済は難しい状況が続く。先進国は財政危機と景気後退の2つのリスク、新興国はインフレは景気後退か、という難しいかじ取りの状況が続く。そんな不確実性の中で市場は乱高下。企業の興亡は速度を増している。
 

◎今週の注目(2011.9.4-10)&当面の注目
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・9月11日で同時テロから10年になる。事件は、テロ戦争の安全保障、文明の衝突、米国1極支配など様々な問題を投げかけた。10年経って世界の現状・認識・課題はどうなっているのか。様々な議論や報道がある。

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