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2011年6月

2011年6月27日 (月)

◆2011年前半の世界:中東民主化と原発事故 2011.6.26

 2011年もほぼ半年を経過した。今年前半の大ニュースは、中東民主化と日本の原発事故.。いずれも年初には予想もしていなかった出来事だ。いまだに収束の方向は見えないままである。

▼中東民主化:不透明な状況続く

 2010年の世界の主な流れは、(1)中国・インドなどの台頭による世界の重心の変化(2)ネット新時代の行方=PCの時代から携帯端末の時代への変化とその影響、ウィキリークス問題などで浮き彫りになった新時代のネットと規制のあり方(3)金融危機後もくすぶる世界経済・通貨危機の動向--などだった。2011年初めの関心も、こうした流れの延長線上にあった。

 しかし、1月にチュニジアでジャスミン革命が発生。民主化の波は瞬く間に周辺国に伝播した。

 2月にはエジプトで約30年続いたムバラク政権が崩壊した。ハーレーン、イエメンなど10余りの国で民主化の動きが表面化した。

 チュニジア、エジプト以外で特に重要なのがリビア。反カダフィ政権勢力が東域を中心に国は半分を支配。5月以降内戦状態に陥っている。

 イエメンでは31年独裁を続けてきたサレハ大統領への反対デモが拡大。6月には武力衝突で大統領が負傷し治療名目でサウジアラビアに出稿くした。このまま政権崩壊となる可能性も小さくない。

 シリアでは反アサド政権のデモが5月から活発化。これに対し政権は徹底的な弾圧を加え、隣国トルコに大量の難民が流れ込んでいる。Bloody regime(英Economist)の状況だ。

 バーレーンは政権が反政府デモを弾圧。この他、サウジアラビアやクウェート、イラン、ヨルダンなどでも反政府デモなどが起きたが、いまのところ政府が制圧と懐柔策で押さえ込んでいる。

 リビア、イエメン、シリア情勢は何があってもおかしくないし、バーレーンなど周辺国もいつ民主化の流れが再び表面化するか分からない。政権交代が実現したチュニジア、エジプトも、その後の体制作りは進んでいなく、混乱拡大の懸念が消えない。アラブ民主化は不透明な状況が続く。

▼ネットの影響力拡大・規制強化・サイバー攻撃

 中東民主化ではネットの影響力が指摘された。FacebookやTwitterなどのネットサービスが反体制派の運動の原動力になり、民衆の力を従来考えられなかった方法で結束させた。

 こうした動きの中で、ネット規制を強化する動きも目立つ。

 中国では中東革命に合わせてデモ呼びかけなどの動きが続き、政府は取り調べを強化した。ネット専門の規制機関も設立した。

 ネット関連でもう一つ注目すべきはサイバー攻撃。すでに2010年には中国からのサイバー攻撃(2009年末と言われる)などを理由の一つにグーグルが中国市場から撤退を発表するという事件があったが、2011年にも攻撃が何度も話題になった。ハッカー集団によるソニーへの攻撃では、千万人単位の個人情報が流出した。

 すでにNATO首脳会議などでは、サイバー攻撃を安全保障上の最大の脅威の一つと位置付けている。一部専門家の間では常識だった問題が、広く認識されるようになった。

▼原発事故の影響

 3月の日本の東日本大震災・津波をきっかけに起きた福島第1原発の事故は、世界の原発のあり方に大きな影響を与えている。

 福島原発からは、すでにチェルノブイリ事故に匹敵する放射能が放出され、収拾のメドはなおついていない。

 原発の安全に対する信頼性は揺らぎ、ドイツやスイスなどは脱原発政策に転換した。原発推進を維持する国でも、建設の遅れなどの影響は避けられない。

 この半年で世界的な名前になった「フクシマ」の事故の行方も、世界の原発の行方も先行きが見えないまま2011年前半を越す。そして方向性が見えてくるまでには時間がかかりそうだ。

▼ビンラディンの死

 年初に予想しなかったもう一つの大きなニュースは、米軍によるウサマ・ビンラディンの殺害(5月2日)。ビンラディンはテロ戦争の時代となった2000年代(2000-2010年)を象徴する人物だった。今のところ、殺害により殉教者になった感はない。しかし、今後どんな影響が出てくるかは予断を許さない。

▼経済のトレンド・リーダー

 経済はおおむね2010年からのトレンドが続いていると見ていいだろう。中国やインドなど新興国の成長、先進国における金融危機以来のカネ余りの継続、くすぶる欧州通貨危機、ネットや環境など新産業へのシフトなどだ。

 世界のリーダーは、オバマ米大統領、胡錦涛中国首席などが中心である構図は(当然ながら)不変。この半年で新たに「世界の顔」になったリーダーは、政治・経済とも見当たらない。

2011.6.26

2011年26号(6.20-26 通算574号)  国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2011年6月20-26日

◆米、アフガン撤収計画発表(22日)☆
・オバマ米大統領は、アフガン駐留軍10万人中、3.3万人を来年夏までに撤収すると発表した。
・うち1万人は7月から年内に撤収する。
・14年までに完全撤収を目標としている。
・米軍は2001年からアフガンに駐留。09年12月には従来の7万人体制→10万人に増派した。
・オバマ大統領は2012年の大統領選もにらみ出口作戦を模索している。
・5月のビンラディン殺害後、米国内では大幅撤収論も浮上した。
・ただアフガン情勢は依然不安定で、結局段階撤収に落ち着いた。
・英国も2014年までの撤収を予定。アフガン情勢は節目の時期を迎える。

◆EU首脳会議、ギリシャ支援の大筋合意(23-24日)☆
・EU首脳会議が開催され、ギリシャ支援問題などを協議した。
・ギリシャ向けの第2次支援を7月上旬までに策定することで合意した。1100億ユーロ規模の見込み。
・ただし、ギリシャ国会が財政再建計画を承認することが前提となる。
・ギリシャ議会は22日、パパンドレウ政権の信任決議を可決した。
・財政再建計画の採決は6月中になる見通し。
・ギリシャ危機は依然綱渡りの状況が続く。

◆米FTCがグーグルを調査(24日)☆
・米FTCは反トラスト法に絡みグーグルの調査を始めた。
・ネット検索で独占的な地位を利用し、集客などをしていることなどを問題視している模様。
・グーグルは調査への協力を表明するとともに、法違反の見方は否定した。
・通信・IT分野ではかつてATTやIBM、マイクロソフトが独禁法違反容疑で調査を受けた。
・調査の結果企業分割や業務変更に迫られたこともあり、影響甚大となる可能性もある。

◆米、量的緩和を6月で終了(22日)
・米FRBは公開市場委員会を開き、量的緩和第2段(QE2)の6月末終了を確認した。
・QE2は米国債の買い入れなどで市場に資金を供給する政策。昨年11月に導入した。
・政策金利を0-0・25%に抑えるゼロ金利政策は維持する。
・FRBは2011年10-12月の前年比成長率を2.7-2.9%とし、4月予測から下方修正した。

◆IAEA閣僚会議、原発の安全強化策を提案(20-24日)☆
・IAEAの閣僚会議がウィーンで開催。最終日に議長総括を発表した。
・全加盟国が安全調査を実施するよう勧告した。
・ただし、具体策までは詰めを残し、9月の理事会・総会に先送りした。

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◎寸評:of the Week
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 【2011年前半】 2011年も間もなく半年を経過する。今年前半は中東民主化、日本の原発事故が大ニュースだった。

 【重要人事】 国連は21日、潘基文氏事務総長の再任を決定。米上院は21日、パネッタCIA長官の次期国防長官を承認した。7月1日に就任する。EU首脳会議は11月からの次期欧州中銀総裁にドラギ伊中銀総裁の就任を決定した。

 【EU首脳会議】 EU首脳会議が開かれ、ギリシャ支援、欧州中銀次期総裁人事のほかに、EU内の人の自由移動を決めたシェンゲン協定見直しも決めた。難民の大量流入などに対応した緊急措置導入を可能にする。通貨統合から10年、世界金融危機から3年を経て、EUも重大な曲がり角に来ている。

◎今週の注目(2011.6.27-7.2)&当面の注目
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・ギリシャの金融支援に向けた調整が続く。EUが23日の首脳会議で10億ユーロ規模の支援策を決めたが、ギリシャ議会が政府のまとめた中期財政計画を承認することが前提。承認に向けたギリシャ国内の調整が続く。承認されれば、7月3日のユーロ圏財務相会議で金融支援策枠組みを決める。
・タイの総選挙が7月3日投票で行われる。世論調査では最大野党のタイ貢献党がリード。アピシット首相の民主党は劣勢。タイ貢献党はタクシン元首相の妹インラック氏を次期首相候補に掲げている。
 タイの政治は2006年に事実上のクーデターでタクシン首相が首相辞任・国外亡命に追い込まれて以来、タクシン派と反タクシン派の抗争が続いている。この間、両派の繰り広げた大規模デモで国の機能がたびたびマヒし、タイの国際的な信用度は低下した。
 両派の対立の背景には、都市を中心とした既存支配層と農村の貧民支持をバックにした新興勢力の利害対立がある(政治手法、民族を巡る争いなどもある)。選挙結果で数年のタイ政治の混乱がスッキリするという可能性は低く、むしろ混乱が新しい段階になる公算が大きいように見える。

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2011年6月19日 (日)

◆ギリシャ危機第2波の意味と影響 2011.6.19

 ギリシャの債務危機が再び重大局面を迎えている。昨年4月のEU、IMFによる支援時に約束した財政再建が進まず、市場ではデフォルト(債務不履行)がささやかれる。S&Pはギリシャ国債の格付けを最低レベル(CCC)に引き下げた。

▽進まぬ財政再建

 ギリシャの債務危機が最初に表面化したのは2009年の末。同国の前政権が財政赤字の数字を粉飾(過小に発表)していたことが発覚。国債の借り換えができず国家財政破綻する危機に直面した。
 自力での解決を断念したギリシャは2010年4月、EUとIMFに支援を要請。EUなどは総額1100億ユーロの支援枠を定め、ひとまず危機を収めた。

 しかし、その後ギリシャは約束した財政再建の実施にもたついている。

 パパンドレウ政権の打ち出した財政再建案は、増税や福祉切り下げ、公務員の削減などで国民に負担を強いる内容。これに国民が抵抗し、何回かにわたり抗議デモを展開。野党も政府批判を繰り返した。

 こうした中でギリシャの経済・財政に対する懸念が拡大。国際の利回りは上昇している。

▽デフォルト懸念、政治混乱

 市場では、ギリシャが国債の償還資金を調達できずにデフォルトに陥るという観測が流れている。ギリシャのユーロ離脱という議論も、真面目に行われるようになった。
 
 13日にはS&Pがギリシャ国債の格付けを3段階引き下げ。国債としては最低レベル(CCC)に落とした。このレベルは、パキスタンなどを下回り世界最低。過去もデフォルトに至ったケースが多いレベルだ。 

 10年物国債の利回りは18%前後に上昇。3%前後のドイツ国債に比べ15%も高い状況だ。
 
 15日には公務員などが全国で24時間のゼネストを実施。アテネなどでデモを展開した。
 
 パパンドレウ首相は15日、自らの辞任を条件に大連立を提案した。しかし野党の反応は否定的で、結局内閣改造を実施した。政治的混乱は続き、財政再建の行方はおぼつかない。

▽支援論議も混迷

 EUの支援論議は混迷している。ギリシャのデフォルトやユーロ離脱を回避するために、EUやIMFの支援が必要という点では独仏など関係国は一致している。当面は120億ユーロ程度の支援が必要という計算も示されている。また、国債償還のリスケジュール(日程繰り延べ)が必要という見方も強い。

 しかし、具体的な方法では各国の思惑が異なる。ドイツはリスケジュースなどの場合、債権者である金融機関も一部の負担に応じるべきだと主張する。これに対して欧州中銀やフランスは市場の混乱を招くと慎重だ。

▽ユーロの矛盾

 EU、IMFはギリシャに始まったユーロ危機に対応するため、数々の支援策を打ち出してきた。金融危機後の2009年には2013年までの対応として7500億ユーロの融資枠を設定。第1次ギリシャ危機、アイルランド、ポルトガル危機の際には各1000億ユーロ前後の支援を決定した。

 同時に金融システムの金融機関の監督体制を整備。民間金融機関には資産査定(ストレステスト)を実施し、不良債権処理を進めようとしている。2013年以降はEU版IMFを設置しすることを決めた。

 しかし、ユーロは基本的な矛盾を抱えている。ユーロ圏は通貨面では統合を実現したものの、財政など他の経済政策は各国が主権を持っている。ギリシャのように財政再建が問題になっている場合、EUとしての強制力には限界がある。

 1990年のマーストリヒト条約合意以来、この問題はずっと指摘されてきたが、欧州統合の政治的意思が経済構造の矛盾を押さえ込んできた。今回の金融危機で、抜本問題が改めて問われている。
 
▽EUの南北問題

 ユーロ危機でもう一つ改めて浮かび上がったのが、EUの南北問題だ。通貨統合は巨大な市場の創設を通じ、域内の経済競争力を高める狙いがあった。今回の危機を通じ、しかしギリシャ、ポルトガル、スペインなど南欧諸国の経済力弱さが改めて露呈された。実体経済の改善は、狙い通り進んでいるわけではない。

 ギリシャンに関しては、ネポティズムの横行、政策の透明性の欠如などが今回の危機の根本にあるという見方も多い。

 一連のギリシャ危機、ユーロ危機は、ユーロと欧州の抱える問題を改めて問いかけている。

2011.6.19
 

2011年25号(6.12-19 通算573号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2011年6月12-19日

◆ギリシャ危機緊迫、デフォルトの懸念強まる ☆
・S&Pは13日、ギリシャ国債の格付けをB→CCCに3段階引き下げた。
・デフォルト(債務不履行)のリスクが高まったとの判断。
・同国では緊縮策に抵抗するデモが続き、財政再建の先行きが見えない状況。
・パパンドレウ首相は15日、辞任と連立政権の樹立を訴えた。
・しかし野党の賛同が得られず断念。18日に内閣改造を断行した。
・危機の深刻化に国債価格は下落。10年物国債の利回りは18%に上昇した。
・EUは23-24日の首脳会議に向け対応策を協議しているが、調整はなかなか進まない。

◆トルコ総選挙、AKPが勝利(12日) ☆
・総選挙が行われ、与党AKPが大勝した。エルドアン首相が続投する。
・経済成長を背景に国民の支持を確保した。
・同党がイスラム色が強い。2002年の選挙で初めて単独過半数を確保。3期目に入る。
・ただ、国民投票なしで憲法改正できる3分の2には届かなかった。
・同国はEU加盟希望などは欧州志向が強かったが、最近は中東重視を強めている。
・トルコの行方は欧米-中東関係にも大きな影響を及ぼす。

◆アルカイダ後継指導者にザワヒリ(16日)☆
・アルカイダは殺害されたウサマ・ビン・ラディンの後継指導者にアイマン・ザワヒリを指名した。
・ザワヒリはエジプト出身の医師でアルカイダ創設期からのメンバー。
・組織のNo2として、98年のケニア、タンザニアの米大使館爆破などテロなどにかかわってきた。

◆イタリア国民投票が原発再開否決(12-13日)☆
・原発再開を問う国民投票が行われ、95%が反対を投じ否決した。
・福島原発の事故以降、ドイツやスイスが脱原発の方向を打ち出したが、国民投票は初めて。
・世界の原発論議にも影響を与える可能性がある。

◆南シナ海領有権で中越対立激化
・南シナ海の領有権を巡り、中国とベトナムの対立が激化している。
・5月下旬以来、中国船がベトナム船の活動を妨害する事件が続発。
・ベトナムの抗議に対し、中国は自国の主権を主張。歩み寄りはない。
・ハノイとホーチミンでは19日、対中抗議デモが3週連続で発生した。政府が容認した格好。
・ベトナムは国際社会に働きかけて領土問題解決を目指す方針。
・中国の拡張は、周辺各地で軋轢を生んでいる。

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◎寸評:of the Week
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 【ギリシャ危機第2波】 ギリシャの債務危機が再び緊迫している。1年前のEUとIMFによる支援時に約束した財政再建策が予定通りに進まず、市場では再び懸念が増大。デフォルト(債務不履行)や同国のユーロ離脱もささやかれる。今後の欧州や国際通貨体制にも大きく影響する。

 【シリア、イエメン、リビアの危機続く】 シリアではアサド政権による反体制派の弾圧が続く。イエメンでは体制派と反体制派がにらみ合うまま。サウジアラビアに治療のため滞在するサレハ大統領の帰国(亡命)をめぐる情報が交錯する。リビアもカダフィ政権側と反体制側が内戦状態。

 【ハッカー逮捕】 トルコ当局は13日、国際的ハッカー集団アノニマス所属のハッカー32人が拘束された。10日にはスペインがハッカー3人をソニーのシステムへの不正侵入の疑いで逮捕したばかり。ハッカーの逮捕が国際ニュースの見出しになる時代になった。

◎今週の注目(2011.6.20-25)&当面の注目
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・EU首脳会議が23-24日開催される。ギリシャ危機の対応が最大の焦点。これに加え、EU域内の人の移動の自由を定めてシェンゲン協定の一部見直し(特定地域への難民急増などの場合の緊急措置)や、欧州中銀次期総裁人事(ドラギ・イタリア中銀総裁)などを決める予定。

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2011年6月11日 (土)

2011年24号(6.6-11 通算572号)  国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2011年6月6-11日

◆シリアで連日大規模デモ、政府は弾圧☆
・アサド大統領の退任を求める大規模デモが連日続いている。
・政権はデモ隊を徹底弾圧。多数の死傷者が出ている。
・北部ではトルコ国境を越えて数千ー数万人単位の難民が流出している。
・国際社会はシリアへの非難を強めている。トルコは国境の開放を保っている。
・シリア情勢は重要局面を迎えている。

◆ポルトガル総選挙、政権交代(5日)☆
・総選挙が行われ、野党の中道右派社会民主党が第1党になった。
・中道左派の社会党政権から6年ぶりの政権交代になる。首相はコエリョ党首が就任の予定。
・社民党は財政再建推進を前面に打ち出している。
・同国は4月EUとIMFに支援を要請した。
・その後社会党政権の打ち出した財政再建案を議会が否決。総選挙になった。
・選挙の後、市場は様子見だ。

◆ペルー大統領にウマラ氏(5日)☆
・大統領選の決選投票が行われ、民族主義を掲げる元軍人のウマラ氏が当選した。
・ケイコ・フジモリ候補を少差で破った。
・同候補は貧困対策を強調。左派色が強く、チャベス・ベネズエラ大統領との関係も強い。
・資源の国有化などを打ち出す可能性もあり、市場は経済政策を注視している。

◆ギリシャで緊縮財政抵抗デモ、8万人(5日)
・アテネで公務員や学生ら8万人が、緊縮財政に抵抗する大規模デモが展開した。
・同国は財政再建のために公務員削減、福祉削減などの緊縮計画を立てている。
・デモは連日続いているが、8日は最大規模になった。
・同国は昨年EUとIMFの支援が決まったものの、財政再建計画づくりが難航。
・市場ではデフォルトや返済繰り延べ観測が出ており、国債利回りは約16%に上昇している。

◆OPEC総会増産見送り、リビアの地位は維持(8日)
・OPECはウィーンで総会を開き、サウジの増産提案にイランなどが反対。決裂した。
・OPECは2009年に日量2485万バレルで合意。その後枠を上回る生産をしている。
・NY原油先物は1バレル100ドル前後で推移している。
・リビアのOPECメンバーの地位は変わらなかった。

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◎寸評:of the Week
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 【シリア・イエメン重大局面】 シリアとイエメン情勢が重大局面を迎えている。シリアでは連日反アサド政権デモが展開。これに対してアサド政権が激しい弾圧を加えている。報道管制で正確な情報は不明だが、連日数十人から百人単位の死者が出ている模様。北部のトルコ国境には連日難民が押し寄せている。何が起きてもおかしくない状況が続く。
 イエメンでは前週サレハ大統領がサウジアラビアに治療目的で脱出。その後手術に成功という情報が伝えられた。しかし、帰国できるかなどは不明。
 イエメンでは政権と反体制派の衝突が続く。大統領の帰国断念→政権交代も可能性もあるが、内戦→無政府状態になる可能性も指摘される。

◎今週の注目(2011.6.12-18)&当面の注目
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・IMFの専務理事人事は立候補を締め切った。欧州や米国フランスのラガルド財務相が有力だが、途上国の投票動向は今後のIMFの体制などにも影響する。
・ギリシャ支援の調整が続く。

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2011年6月 5日 (日)

2011年23号(5.29-6.5 通算571号)  国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2011年5月29日-6月5日

◆イエメン大統領が出国(5日)☆
・イエメンのサレハ大統領がサウジアラビアに出国した。
・怪我の治療を理由としているが真意は不明。事実上の亡命との見方もある。
・5月末以来大統領派と、有力部族ハシドを中心とする反大統領派の対立が激化。
・3日には反大統領派が大統領官邸に砲撃。大統領が軽傷を負ったとされる。
・大統領は南北イエメン時代から30年以上も独裁体制を敷いてきた。
・アラブ民主化を受け締め付けと懐柔策で体制維持を図ったが、反対派を抑えきれなくなった。
・GCC諸国による早期退陣の勧告も再三拒否した。
・大統領出国で同国情勢は重大局面を迎えた。

◆ドイツ、脱原発政策を決定(30日)☆
・独連立政府首脳は、2022年までに脱原発とする方針を決定した。
・メルケル首相らが会見して発表した。
・現在稼働している17基を3段階で2022年までに停止する。
・独政府は福島第1原発の事故後、脱原発への方向転換を検討。正式決定した。
・フランスや米国、ロシアなどは原発推進を維持している。
・独の政策転換は世界の原発動向にも影響を与える。

◆Gメールにサイバー攻撃(1日)☆
・グーグルのGメールがサイバー攻撃を受け、利用者の個人情報が流出した。1日発表した。
・米高官やアジア各国高官、軍事関係者など数百人のメールが盗み見られた模様。
・サイバー攻撃は中国から。FBIは捜査に乗り出した。
・ネット分野ではサイバー攻撃による個人情報流出などの被害が目立つ。
・ソニーは4月ハッカーの攻撃により1億人以上の個人情報が流出した。
・先月のG8首脳会議でも、サイバー攻撃対策が初めて首脳宣言に盛り込まれた。

◆ギリシア支援策混乱。政治は混乱 ☆
・ギリシャの財政再建・支援の調整が難航している。
・財政再建を巡る与野党協議は不調に終了。公務員は大規模デモで改革に反対した。
・早晩の総選挙が避けられないとの見方が広がっている。
・同国支援を巡るEUやIMFとの交渉も難航し、市場では不安が拡大している。
・10年物国債の利回りは16%前後に上がった。
・ポルトガルやスペインと合わせ、南欧の財政不安がくすぶっている。

◆南アのズマ大統領がリビア訪問(30日)☆
・南アのズマ大統領がリビアを訪問。カダフィ大佐と会談した。
・調停を協議したが、合意はなかった。
・欧米諸国はカダフィ政権の退陣を要求。NATOは空爆を実施している。
・これに対しアフリカ連合諸国はカダフィ政権と関係が深く、対話のチャネルがある。
・リビアはカダフィ政権と反対派の内戦が続き、2分割された形になっている。

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 【イエメン情勢重大局面】 イエメンのサレハ大統領がサウジに出国した。大統領は前日、反体制派からの攻撃で負傷。その治療という名目だが、亡命という見方も流れている。同国内では反体制派が勢いづいた。情勢はなお流動的だが、重大に節目を迎えたことは間違いない。
 チュニジア、エジプトと続いたアラブ民主化で目下焦点になっているのがイエメン、リビア。そしてシリアとバーレーンだ。リビアではカダフィ政権と反体制派が国を2分する内戦を繰り広げ、シリアでは反政府運動が続く。バーレーンは非常事態宣言で反対派を押さえ込んだ状況だ。
 ジャスミン革命から間もなく半年。中東の地殻変動は、まだまだ序盤だ。
 
 【サイバー攻撃】 グーグルのGメールにサイバー攻撃が加えられ、個人情報が流出した。今回は中国からの攻撃という見方が強く、FBIが操作を開始。クリントン国務長官も会見で警告した。
 ここにきてサイバー攻撃のニュースが目立つ・被害が目立つ。ソニーの個人情報流出事件、ボーイングへのサイバー攻撃など大規模なニュースが相次ぐ。メディアの関心が高まっていることもあるが、攻撃そのものが増えていることも歴然たる事実だ。 
 G8サミットは、首脳レベルで初めてサイバー攻撃について言及した。もはや、世界を動かすもっとも重要な要因の一つにな理つつある。

 【政治情勢】 原発事故処理や震災対策に追われる日本では、菅内閣に対する不信任案が否決されたが、退陣要求は止まらず、政局はむしろ不安定化している。イタリアではベルルスコーニ首相の与党が地方選で大敗。政権は一段と不安定になった。スペイン、ギリシャでも政権党への求心力が低下している。

 【欧州で大腸菌感染】 欧州で大腸菌被害が拡大。1000人単位の感染者が報告され、死者も数十人単位になった。感染ルートなどは捜索中だが、独保険当局はスペイン産のキュウリから菌が検出されたと発表。地域により生鮮野菜が売れなくなるという現象も起きている。食の安全も今日的な重要テーマだ。

◎今週の注目(2011.6.6-11)&当面の注目
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・ポルトガルの総選挙が5日実施される。与党の中道左派社会党と野党の中道右派社会民主党が競り合っている。与党提出の財政再建案が否決され、総選挙になった経緯がある。選挙の行方は、財政問題に大きく影響する。
・IMFの専務理事人事の調整が進む。欧州や米国フランスのラガルド財務相後任で調整を進めており、同氏就任が有力。
・ペルーの大統領選決選投票が5日に実施される。民族主義を掲げる元軍人のウマラ候補とフジモリ元大統領の長女のケイコ・フジモリ候補野一騎打ち。
・ギリシャ支援の調整が続く。

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