« 2011年26号(6.20-26 通算574号)  国際ニュース・カウントダウン | トップページ | 2011年27号(6.27-7.3 通算575号)  国際ニュース・カウントダウン »

2011年6月27日 (月)

◆2011年前半の世界:中東民主化と原発事故 2011.6.26

 2011年もほぼ半年を経過した。今年前半の大ニュースは、中東民主化と日本の原発事故.。いずれも年初には予想もしていなかった出来事だ。いまだに収束の方向は見えないままである。

▼中東民主化:不透明な状況続く

 2010年の世界の主な流れは、(1)中国・インドなどの台頭による世界の重心の変化(2)ネット新時代の行方=PCの時代から携帯端末の時代への変化とその影響、ウィキリークス問題などで浮き彫りになった新時代のネットと規制のあり方(3)金融危機後もくすぶる世界経済・通貨危機の動向--などだった。2011年初めの関心も、こうした流れの延長線上にあった。

 しかし、1月にチュニジアでジャスミン革命が発生。民主化の波は瞬く間に周辺国に伝播した。

 2月にはエジプトで約30年続いたムバラク政権が崩壊した。ハーレーン、イエメンなど10余りの国で民主化の動きが表面化した。

 チュニジア、エジプト以外で特に重要なのがリビア。反カダフィ政権勢力が東域を中心に国は半分を支配。5月以降内戦状態に陥っている。

 イエメンでは31年独裁を続けてきたサレハ大統領への反対デモが拡大。6月には武力衝突で大統領が負傷し治療名目でサウジアラビアに出稿くした。このまま政権崩壊となる可能性も小さくない。

 シリアでは反アサド政権のデモが5月から活発化。これに対し政権は徹底的な弾圧を加え、隣国トルコに大量の難民が流れ込んでいる。Bloody regime(英Economist)の状況だ。

 バーレーンは政権が反政府デモを弾圧。この他、サウジアラビアやクウェート、イラン、ヨルダンなどでも反政府デモなどが起きたが、いまのところ政府が制圧と懐柔策で押さえ込んでいる。

 リビア、イエメン、シリア情勢は何があってもおかしくないし、バーレーンなど周辺国もいつ民主化の流れが再び表面化するか分からない。政権交代が実現したチュニジア、エジプトも、その後の体制作りは進んでいなく、混乱拡大の懸念が消えない。アラブ民主化は不透明な状況が続く。

▼ネットの影響力拡大・規制強化・サイバー攻撃

 中東民主化ではネットの影響力が指摘された。FacebookやTwitterなどのネットサービスが反体制派の運動の原動力になり、民衆の力を従来考えられなかった方法で結束させた。

 こうした動きの中で、ネット規制を強化する動きも目立つ。

 中国では中東革命に合わせてデモ呼びかけなどの動きが続き、政府は取り調べを強化した。ネット専門の規制機関も設立した。

 ネット関連でもう一つ注目すべきはサイバー攻撃。すでに2010年には中国からのサイバー攻撃(2009年末と言われる)などを理由の一つにグーグルが中国市場から撤退を発表するという事件があったが、2011年にも攻撃が何度も話題になった。ハッカー集団によるソニーへの攻撃では、千万人単位の個人情報が流出した。

 すでにNATO首脳会議などでは、サイバー攻撃を安全保障上の最大の脅威の一つと位置付けている。一部専門家の間では常識だった問題が、広く認識されるようになった。

▼原発事故の影響

 3月の日本の東日本大震災・津波をきっかけに起きた福島第1原発の事故は、世界の原発のあり方に大きな影響を与えている。

 福島原発からは、すでにチェルノブイリ事故に匹敵する放射能が放出され、収拾のメドはなおついていない。

 原発の安全に対する信頼性は揺らぎ、ドイツやスイスなどは脱原発政策に転換した。原発推進を維持する国でも、建設の遅れなどの影響は避けられない。

 この半年で世界的な名前になった「フクシマ」の事故の行方も、世界の原発の行方も先行きが見えないまま2011年前半を越す。そして方向性が見えてくるまでには時間がかかりそうだ。

▼ビンラディンの死

 年初に予想しなかったもう一つの大きなニュースは、米軍によるウサマ・ビンラディンの殺害(5月2日)。ビンラディンはテロ戦争の時代となった2000年代(2000-2010年)を象徴する人物だった。今のところ、殺害により殉教者になった感はない。しかし、今後どんな影響が出てくるかは予断を許さない。

▼経済のトレンド・リーダー

 経済はおおむね2010年からのトレンドが続いていると見ていいだろう。中国やインドなど新興国の成長、先進国における金融危機以来のカネ余りの継続、くすぶる欧州通貨危機、ネットや環境など新産業へのシフトなどだ。

 世界のリーダーは、オバマ米大統領、胡錦涛中国首席などが中心である構図は(当然ながら)不変。この半年で新たに「世界の顔」になったリーダーは、政治・経済とも見当たらない。

2011.6.26

« 2011年26号(6.20-26 通算574号)  国際ニュース・カウントダウン | トップページ | 2011年27号(6.27-7.3 通算575号)  国際ニュース・カウントダウン »

世界の潮流」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ◆2011年前半の世界:中東民主化と原発事故 2011.6.26:

« 2011年26号(6.20-26 通算574号)  国際ニュース・カウントダウン | トップページ | 2011年27号(6.27-7.3 通算575号)  国際ニュース・カウントダウン »

2019年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

ウェブページ