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2010年12月 5日 (日)

◆Wikileaksの投げかけた問題 2010.12.4

 Wikileaksが米外交機密文書を公表。世界に衝撃を与えている。ネット時代の政府とメディアの関係、政府による情報規制の是非、安全保障など多くの問題を投げかけている。

▼今年3回目の公開

 今回のWikileaksが公開したのは、米国の外交機密文書25万点。11月29日から公開を始めた。それに先立ちNYタイムズや英ガーディアン、独シュピーゲル、仏ルモンド、スペイン・パイスなどに提供。これらの新聞が報道した。米WSJは提供を断った。

 Wikileakは7月にアフガン機密文書を大量に公開。10月にも情報公開をしている。今回の公開は今年3回目。

 Wikileakは2006年に、豪州の元ハッカーであるジュリアン・アサンジ氏が設立。世界の人権活動家などが協力している。独裁国家や企業犯罪などの情報公開も目指しているが、結果的に今年に入り米国の機密文書公開が目立っている。

▼米国の反応と国際世論

 米国はすでにFBIがアサンジ氏の捜査を進めている。クリントン米国務長官は29日、リークが国際的な安全保障を損なうと批判した。

 国際的な反応は様々だ。本来国家が公開すべきなのに隠していた情報を公開した点から、Wikileaksを評価する声は少なくない。

 一方、機密情報の中には国家の安全保障や人々の個人情報に関するものも含まれる。Wikileaksの情報リークの基準は明確でなく(あるいは全くないかもしれない)、説明責任を果たしていないとの批判は多い。また、通常のメディアなら所属国の法律の規制を受けるが、Wikileaksが従うべき法も明確でない。

 米NYタイムズは、提供された情報を内容検証した上で報道したと強調する。その上で、クリントン国務長官の批判については「誇張されているようにみえる」と評している。そして、文書は「公開するに値する」と判断。全体的には公開支持の立場だ

 英Financial Timesは国家がメンツを失うことは情報の自由に比べれば意味が無いと公開の価値を認める。また、国家がWikileaksのような活動を防ぐことはできないと断じる。一方で、Wikileaksに対して法の支配の及ばない恐れがあることや、説明責任の不十分なことを問題視。バランスを取った見方だ

▼水面下の戦い--サイバー攻撃

 こうした、ネット時代の国家とメディアの関係(あるいはメディア規制)のような表の議論とは別に、国家対Wikileaksの戦いも始まっている。米国や豪州はアサンジ氏の捜査を続けており、逮捕を目指している。同時に暗殺の動きがあるという情報も流れており、アサンジ氏自身も身の危険を感じていると語っている。

 さらに、Wikileaksのサーバーに大規模なサイバー攻撃がかけられた。攻撃者は不明だが、国の諜報機関であってもおかしくない。また、Wikileaksが一時使用していたアマゾンのサーバーは、アマゾン側が使用を停止した。理由は説明されていない。

 表に出る合法的な論争とは別に、水面下の戦いも行われている。これもネット時代の重要な現実だ。

2010.12.4

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