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2010年12月

2010年12月27日 (月)

◆2010年の10大ニュース 2010.12.27

 前週は英Economistのレビューなどを材料に2010年を振り返った。引き続き、2010年を定点観測する。

 「2010年の世界:世界の重心移動とネット新時代」(2010.12.19)
http://homepage2.nifty.com/INCDclub/clm2010/clm2010WorldReviwe20101219.htm

▼AP:トップはメキシコ湾石油流出

 APは米国などの編集者アンケートを基に10大ニュースを発表している。米国内と海外に分けていないのが特徴だ。ランキングは以下の通り。

1. メキシコ湾の石油流出事故
2. 医療保険制度改革法の成立
3. 米中間選挙:与党民主党敗北
4. 米経済:回復の兆しは見えたが雇用回復は遅れる
5. ハイチ地震被害
6. Tea Party運動の躍進
7. チリの鉱山事故救出
8. イラク駐在米戦闘部隊が撤退
9. ウィキリークスによる米外交文書などの流出
10. アフガニスタン情勢

▼ビジネスニュース

 APはまた、ビジネス(経済)ニュースのトップ10を発表している。ランキングは次の通りだ

1. 経済の低迷続く
2. メキシコ湾の石油流出事故
3. 中国の台頭
4. 不動産市場の危機
5. トヨタの大規模リコール
6. GMの再建(再上場)
7. 金融規制改革法
8. 欧州の経済危機(ギリシャ、アイルランドなど)
9. フェースブックのユーザーが5億人超
10. iPadの登場

▼中国、ネット、米政治、イラク・アフガン

 先週のEconomistに比べると米国のバイアスがかかっている。それでも、不安定続く世界経済と金融、中国の台頭(および新興国の発展)、ネットの急速な進化とそれに伴う問題(Wikileaksなど)、米政治、アフガン、イラクの安全保障などは共通している。

2010.12.27

2010年52号(12.20-27 通算548号)  国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2010年12月20-27日

◆米が新START条約批准へ(22日)☆
・米上院は米ロの新START(戦略兵器削減)条約批准を承認した。近く下院も続く。
・同条約は戦略核の弾頭数を7年内に最大各1550、輸送手段を800に減らす内容。
・現在より核弾頭で2-4割削減になり、核軍縮にとって重要な進展になる。
・米ロ間のSTART1は2009年末に失効。無条約の状況になっていた。
・オバマ政権の与党民主党は中間選挙で敗北。議会運営は不透明になっている。
・しかし政権側の歩み寄りなどで、減税延長法案に続き懸案が通過した。
・ロシア下院は24日、批准法案を真偽。年明けにも承認する見込み。
・条約は戦術核をカバーしていなく、米ロ間の次の焦点になる。

◆韓国が黄海で射撃訓練(20日)☆
・韓国軍は20日、南北境界線の近い延坪島で砲撃訓練を実施した。1時間35分。
・同島は11月に北朝鮮が砲撃した場所。
・訓練に先立ち国連安保理は19日緊急会合を開催。
・ロシアは南北双方に自重を求める声明案を準備した。安保理で調整はつかなかった。
・一方米国のリチャードソン・NM州知事が訪朝。
・北朝鮮とウラン濃縮施設へのIAEA検査官立ち入り等で合意したと発表した。
・朝鮮半島情勢は緊迫と外交駆け引きが続く。

◆ベラルーシ、ルカシェンコ大統領4選(19日選挙)
・大統領選が19日行われ、ルカシェンコ大統領が大差で当選した。
・1994年の就任以来4期連続。任期は5年。
・野党陣営は不正があったとして、抗議デモを展開した。
・同大統領は欧州最後の独裁者といわれる体制を敷いている。

◆コートジボアール、大統領選巡り情勢混乱
・11月28日の大統領選後の情勢混乱が拡大している。
・選管は野党ワタラ氏の当選を発表したが、評議会が現職バグボ氏の当選と覆した。
・これを受けて両派が衝突。近隣諸国に難民が流出する事態になっている。
・国連の潘基文事務総長はバグボ氏の退陣を要求。アフリカ連合も同じ姿勢。
・しかしバグボ氏は国連PKO部隊の国外追放を発表するなど、事態収拾のメドは立たない。
・同国は2002-03年に国を南北に2分する内戦にを経験。和平の後も政情は不安定が続く。
・6グループ60以上の民族、イスラム教徒とキリスト教徒が混在している。

◆中国、追加利上げ(25日)
・人民銀行は預金の基準金利を0.25%引き上げた。
・利上げは10月20日以来2ヶ月ぶり。引締め局面で2回目の利上げになる。
・インフレ懸念や不動産バブルに配慮した。
・党・政府は12月上旬、金融政策の基本方針を緩和から中立に変えている。
・11月の消費者物価は前年比5.1%上昇。不動産価格も上昇している。
・米国など先進国の金融緩和で国際的なカネ余りが発生。中国などに流れ込んでいる。

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 INCDの採点
  ☆☆☆ 世紀の大ニュース                  
  ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース         
  ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
  無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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◎寸評:of the Week
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 【2010年のニュース】 2010年が終わる。先週の「国際ニュースを切る」でも指摘したが、世界の重心は新興国に移動し、IT・ネットの発展が目だった。世界経済は年初目指していた金融危機後の非常体制からの「出口作戦」を実現できずに、不安定要因を抱えたまま越年する。
 今週は恒例のAPの10大ニュースなども発表された。
「2010年の世界:世界の重心移動とネット新時代」
http://homepage2.nifty.com/INCDclub/clm2010/clm2010WorldReviwe20101219.htm

 【欧州の寒波】 欧州が17日以降寒波に見舞われ、空の便がマヒした。夏は猛暑でロシアの山火事などが話題になった。気候が社会・生活に大きな影響を与えることが、改めて認識される。

◎今週の注目(2010.12.28-2011.1.2)&当面の注目
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・2010年が終わり、2011年が始まる。各国首脳の新年メッセージに注目。

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2010年12月19日 (日)

◆2010年の世界:世界の重心移動とネット新時代 2010.12.19

 2010年も残すところわずか。年初の注目点は、(1)経済の行方の安定(2)アフガンをはじめとする安全保障(3)IT・ネット革命の進展(4)中国やインドの台頭(5)環境問題--などだった。(「2010年の世界展望」参照:
http://homepage2.nifty.com/INCDclub/clm2010/clm2010WorldProspect20100103.htm

 1年を過ぎて、世界経済の非常時からの「出口戦略」は実現せず、なお「金融危機後の過渡期」にある。一方、中印の台頭で世界の重心の移動が進み、iPadやスマートフォンの急速な普及、そしてWikileaksの問題やグーグルvs中国などネット時代の「表現の自由vs政府規制」の問題が脚光を浴びた。

▼EconomistのThe world this year

 英Economistの16日号は、通常の「Politics this week」の代わりに「The world this year」を掲載している。恒例のAPなどのようにランキング付けしたものではなく、単に重要ニュースを選んだもの。そこに挙げられた主なニュースは以下の通りだった。

>>経済
・ユーロ圏の金融危機。ギリシャ、アイルランドの危機が表面化し、各国で財政再建計画への反発が表面化した。
・米国では金融規制改革法が成立。医療保険改革法も成立した。しかし、米中間選挙でオバマ大統領与党敗北した。
・中国では景気過熱への懸念が拡大。独を抜いて世界最大の輸出国になった(GDP世界2位は特記していない)。
・G20やIMFで、通貨政策を巡る対立が表面化した。

>>IT・ネット
・グーグルが検閲などを巡り中国と対立。中国本土から引き上げた。
・グーグルやFacebookの個人情報管理が社会的問題になった。
・アップルがiPad発売。
・(Wikileaksの問題は挙げていない)

>>自然災害
・ハイチで大地震が発生。
・アイスラドの火山噴火で欧州の空がマヒした。

>>テロ・安全保障
・米戦闘部隊がイラクから撤退(イラク戦争開戦から7年)。
・アフガン情勢は混迷が続く
・パキスタン、ウガンダ、ソマリア、ロシアなどでテロ。
・イスラエル・パレスチナの中東和平:直接対話再開したが前進はな。イスラエルのガザ支援船急襲が問題に。
・北朝鮮:韓国の島砲撃。金正恩の後継確定。

>>各国の政治情勢
・英選挙で13年ぶりに政権交代。保守・自民の連立政権。
・ブラジル大統領にルセフ氏当選。豪州、チリ、スリランカ、フィリピン、ウクライナでトップ交代。
・日本の首相に菅氏。タイの政治混迷継続。ミャンマーでスー・チー氏軟禁解除。

>>環境・社会
・メキシコ湾のBP油田で米史上最悪の石油流出事故。

>>スポーツ・イベント
・南アでのサッカーW

▽Timeの今年の人はネット創業者

 一方、Timeは恒例のPerson of the yearを発表した。該当者はFacebook創業者のマーク・ザッカーバーグ氏(26)だった。しかし、読者による投票ではWikileaks創業者のジュリアン・アサンジ氏がトップだった。いずれも、ネットにより世界を変えた(変えつつある)人物だ。

▽2000年代の世界の潮流

 2000年代に入ってからの毎年の重要ニュースを振り返ると、重要な出来事として挙げられるのははテロ戦争(9.11、イラク、アフガニスタン)、超大国米国の行方(単独主義→オバマ大統領の誕生)、核拡散を中心とした安全保障問題、金融危機と世界経済(新自由主義の終焉?も含め)などだろう。

 また底流を流れる重要なトレンドとして、BRICsを中心とする新興国の経済発展、ネット革命などがある。地球温暖化を中心とする環境問題が大きな課題として意識されるようになり、鳥インフルエンザや新型インフルエンザ、地震などの自然災害も世界を動かした。

▽世界の重心の変化とネット新時代

 こうした流れの中で2010年の世界を改めて考えると、ポイントは以下のような動きだろう。

(1)先進国から新興国への世界の重心の変化(世界の構造の変化)が顕著に。

 中国のGDP世界2位がそれを象徴するニュースだ。

 先進国は金融不安、経済低迷が続き、金融危機後の世界経済回復は新興国がリードする姿が鮮明になった。世界経済の主要な調整の場はG7からG20に代わり、そのG20の場で2010年は通貨政策を巡り金融緩和を続ける米国などを新興国が衝突した。政策面でも、新興国への重心の推移が徐々に進んでいる。

 冷戦後の世界を支配した「民主主義+市場経済」の思想(イデオロギー)も挑戦を受けている。共産党独裁国家である中国の(市場経済をベースにした)急激な経済発展が、権威主義型経済成長モデルの魅力を増している(北京コンセンサスという言葉も話題になった)。

(2)ネット新時代

 グーグルが中国と検閲を巡り対立し、中国大陸市場から“撤退”した(実際は大幅な事業縮小)。

 一方、Wikileaksは米外交文書などを流出。11月には米政府との深刻な対立を招き、創業者アサンジ氏の逮捕に至った。

 1990年代半ばのインターネットの急速な普及から、携帯電話の普及、スマートフォンの普及と、ネットは世界を変えてきた。そうした中でネット時代の表現・報道の自由と政府による規制も、従来の枠組では対処できなくなった。2010年はそのひとつの節目を迎えたといっていいだろう。

 この問題の行方は見えない。確実にいえることは、ネット規制にとどまらず、社会のあり方を変える問題になることだ。

(3)安保・経済・米国・環境・技術革新

 テロ戦争を中心とした安全保障は、基本構図に大きな変化がないまま年を越す。イラクは米戦闘部隊が撤退したが、混乱はなお続く。アフガニスタンは治安安定の先行きが見えない状況のままだ。イラン、北朝鮮の核問題は、懸案を抱えたまま年を越す。

 世界経済は金融危機後の混乱がなお続く。ギリシャ、アイルランドの危機が表面化。米国は非常時からの出口作戦を棚上げして金融緩和を進め、あふれかえった資金が世界の市場を揺るがしている。高成長に戻った中国は、インフレ懸念など新たな問題を抱える。世界経済は危うい均衡の上を走り、金融危機後の調整・構造変化が進む。

 超大国米国は2008年のオバマ大統領選出で政治的にも社会・文化的にも新時代を迎えた。2010年には懸案の医療制度改革に一区切りを付けた。しかし、中間選挙の敗北で、オバマ効果も薄れてきた。

 地球温暖化などの議論は金融危機後、失速気味だ。それでも電気自動車の急速な普及など、いったん始まった変化は加速している。IT・ネットと環境、バイオのイノベーションは、確実に世界を変えている。

2010.12.19

2010年51号(12.13-19 通算547号)  国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2010年12月13-19 日

◆米減税延長法成立(17日)☆
・オバマ大統領は大型所得減税を延長する法案に署名。成立した。
・ブッシュ政権が導入した減税を、富裕層も含め2年延長する。
・同時に失業保険給付の延長(13カ月)なども定めた。
・財政規模は10年間で8580億ドル。大型の景気対策の意味合いが強い。
・大統領は当初富裕層の減税延長に反対したが、中間選挙敗北で共和党に妥協した。
・与党民主党内には富裕層含みに反対もあったが、16日までに上下院を通過した。
・景気刺激効果はあるものの、将来の財政は悪化。市場では長期金利が上昇している。

◆中印首脳会談(16日)
・中国の温家宝首相がインドを訪問。シン首相と会談した。
・経済関係の強化を協議。2015年に貿易を1.7倍にする目標で合意した。
・領土問題など懸案は事実上棚上げした。
・温首相には多数のビジネスマンが同行。200億ドルの商談をまとめた。
・中印は62年に武力衝突。政治問題を抱えながら経済関係が拡大している状態。

◆EU首脳会議、通貨基金設置正式決定(16-17日)
・EU首脳会議が開かれ、欧州版IMF(通貨基金)の設置で正式合意した。
・ユーロ参加国が資金調達困難になった場合支援する。
・名称は欧州安定メカニズム(ESM)。リスボン条約を改定し、13年6月設立の予定。

◆米大統領がアフガン・パキスタン報告(16日)
・オバマ大統領はアフガン・パキスタン新戦略の効果検証報告を公表した。
・昨年12月の3万人増派は、タリバン弱体化に効果があったとしている。
・一方で治安情勢が脆弱なことも認めた。
・来年7月の撤収開始方針は不変としている。
・これに先立つ13日、アフガン・パキスタン特別代表のホルブルック氏が急死した。

◆スウェーデンでテロ(11日)
・ストックホルム中心部で自爆テロと見られる爆発があった。
・直前にイスラム過激派とみられる人物から警察に連絡があった。
・北欧での自爆テロは始めて。 

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 INCDの採点
  ☆☆☆ 世紀の大ニュース                  
  ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース         
  ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
  無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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◎寸評:of the Week
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 【2010年】 2010年ももあとわずか。今年はどんなニューがあり、世界波どう動いたか。定点観測の時期だ(⇒2010年の世界:世界の重心移動とネット新時代)

 【オバマ大統領の軌道修正】 中間選挙で与党敗北したオバマ米大統領が軌道修正を図っている。下院で過半数を握る野党共和党と政策面での協力を模索。大型減税の延長では富裕層も含むよう妥協した。
 15日には米国を代表する企業20社のトップと会い、経済政策などについて4時間話し合った。ビジネス界トップとの会合は初めて。大統領は反ビジネス色が強いとしてきされていたが、これも修正に動いている。
 中間選挙の結果、法案を通すには共和党との協力が欠かせなくなった。2年後の大統領選での再選を目指すためにも、支持拡大や経済活性化の政策実施は欠かせない。
 ただ、ビジネス界や保守派への接近は、従来の支持層である民主党リベラル派の批判を招きかねない。英Financial Timesは14日、オバマ政権の失速を映すと厳しく指摘した。

◎今週の注目(2010.12.20-26)&当面の注目
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・各メディアが2010年の解雇、2011年の展望などを発表する。

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2010年12月12日 (日)

◆ウィキリークスとノーベル賞~言論の自由と国家規制を巡る問題 2010.12.12

 Wikileaks問題の波紋が広がっている。

▼アサンジ氏逮捕→問題拡大

 ロンドン警察庁は7日、ウィキリークス創業者のアサンジ氏逮捕した(性的暴行といういかにも”別件”というの容疑)。しかし逮捕はもちろん問題の一区切りではない。むしろ混乱は拡大している。

 逮捕の後も、ウィキリークスは情報の公開を継続。また、世界で1000を超えるミラーサーとが立ちあがった。一部の過激な支援者らはスウェーデン政府や、米政府に協力的と見られる企業などにサイバー攻撃を実施した。

 これに対し米政府は安全保障を脅かすとの従来主張を繰り返している。これに加えて、ウィキリークスの活動に打撃を与えるような決定をする企業も増えてきた。ウィキリークスへのサーバー使用停止したアマゾン、寄付金の送金停止に踏み切ったペイパル、マスターカードなどだ。

 さらにFacebookとTwitterが、一部過激支援者のアカウントを停止した。両者はこれまでネット社会の「情報の自由な流通」を先導してきたが、今回は米政府に協力的にも見える対応を示している。

 既存メディアの論調も歯切れが悪い。ネットの時代、情報を押さえ込めないという事実や、新メディアも責任を果たすべきだという当たり前の事は指摘している。だが、そこまでだ。

 言論・報道の自由と安全保障・個人のプライバシーの関係、ネット時代の政府規制の関係、新時代メディアの定義と責任などという難問に直面し、対応を見いだせないでいる姿が浮かぶ。

▼異例のノーベル平和賞

 その3日後の10日、ノルウェーのオスロでは2010年のノーベル平和賞の授賞式が行われた。

 受賞者の中国人権活動家、劉暁波氏は服役中。妻も北京で自宅軟禁中だ。本人も家族も欠席という異例の授賞式になった。本人が不在なのは1991年のアウン・サン・スー・チーさん以来。家族も不在なのは74年ぶりだ。

 ノーベル委員会のヤーグラン委員長は、中国の世界に対する責任を強調し、劉氏の釈放を訴えた。

 一方、中国政府は授賞に反発。授賞式への欠席を訴えた。これに応じて大使など代表が欠席した国は、ロシア、イラン、ベネズエラなど17カ国に及んだ。

 今回の平和賞は、国際社会における中国の存在と異質ぶりを浮き彫りにした。しかし、同時に中国に同調する形で欠席した国が17カ国に及んだ事実も大きい。そこには、国の発展段階においては人権尊重や政治的自由に一定の規制をかけることも認めるべきだという、非欧米諸国の主張がある。

▼両者を結び付ける問題意識

 報道の自由は長らく、欧米社会の基本的概念の1つだった(現在もそう)。欧米が中国をはじめとする共産主義国家や独裁国家を批判する根拠の1つが、言論・報道の自由だ。

 しかし、ネット時代になって報道の自由が意味する内容が変わりつつある。これまでやりくりできた報道の自由と国家安全保障やプライバシーとのバランスが、既存の枠組では維持できなくなった。ウィキリークスの事件は、それを物語っている。

 ウィキリークスに対し欧米社会が規制強化で臨むのなら、これまで中国などにしてきた批判が自分自身に跳ね返ってくる。ウィキリークス問題とノーベル平和賞を切り離して考えるとすれば、それは問題の矮小化でしかない。

2010.12.12

2010年50号(12.5-12 通算546号)  国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2010年12月5-12 日

◆ウィキリークス創業者逮捕、波紋拡大(7日)☆☆
・ウィキリークス創業者ジュリアン・アサンジ氏がロンドンの警察庁に出頭、逮捕された。
・性的暴行の容疑。スウェーデン警察が国際手配していた。
・ウィキリークスは先月末から米外交機密文書の公開を開始。米政府は激しく批判している。
・同組織は今後も公開を続けると表明。継続している。
・アマゾンがサーバーは使用を停止。マスターカードやペイパルはWikiへの送金停止した。
・一部支援者はペイパル、スウェーデン政府にサイバー攻撃を実施するなど波紋は広がっている。
・FacebbookやTwitterは一部Wiki支援者のアカウントを停止した。
・報道の自由と安全保障、ネットのあり方など根源的な問題を突き付けている。

◆ノーベル平和賞、本人・の族不在で授賞式(10日)☆
・劉暁波氏へのノーベル平和賞授賞式がオスロで開かれた。
・同氏は中国で自宅軟禁中で、授賞式には欠席。親族の代理出席もない。
・中国は各国に対し授賞式欠席を訴え。ロシアやイランなど17カ国が欠席した。
・ヤーグラン同賞委員長は、中国は人類の将来に責任を負っていると述べた。
・香港などでは劉氏支持のデモが行われた。
・異例の授賞式は中国異質論、人権を巡る意見対立など世界のあり方を巡る問題に焦点を当てた。

◆COP16、問題先送り(11日)☆
・メキシコ・カンクンで開催のCOP16は、ポスト京都議定書の協議を先送りして閉幕した。
・2012年の期限切れ後の対応は、11年に南ア・ダーバンで開くCOP17で協議する。
・会議では京都議定書延長を求める途上国と、反対する日本などが対立。歩み寄らなかった。
・現行議定書は一部先進国のにみ温暖化ガス削減義務を課している。排出量では世界の27%。
・しかし世界1、2位の流出国の米中は参加していない。
・温暖化対策は金融危機以降推進力が低下、先行きの定まらない状況が続いている。

◆米減税延長で合意(6日)☆
・オバマ米大統領は富裕層を含む減税の2年延長で野党共和党と暫定合意した。
・減税はブッシュ前政権が導入したもの。今年末で期限切れになる。
・オバマ政権は当初、年収25万ドルの中間層以下のみの減税延長を計画していた。
・しかし共和党は景気に悪影響を与えるなどの理由で反対。富裕層も含めた延長を求めた。
・中間選挙で共和党が勝利したことから、大統領が歩み寄った。
・しかし民主党の一部は妥協に反発。議会の協議は予断を許さない。
・合意を受けて財政赤字拡大の見方が広がり、長期金利は上昇した。

◆ジョン・レノン射殺30年(8日)
・元ビートルズのジョン・レノンが射殺されて30年を経過した。
・NYのセントラルパークで例年のように追悼行事が開催。世界のメディアが特集を流した。
・音楽のみならず、平和思想などに与えるレノンの影響はなお大きい。

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◎寸評:of the Week
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 【ウィキリークスとノーベル平和賞】 ウィキリークス創業者のアサンジ氏逮捕と受賞者欠席のノーベル平和賞授賞式という2つの重症な出来事があった。両者は一見別の動きだが、報道・言論の自由と政府規制という問題では根はつながっている。

 【ノーベル平和賞の政治性】 そのノーベル平和賞が政治的であることは、常に指摘される。過去にも授賞には国際的な和平推進や、人権活動擁護のメッセージが込められた。しかし、今年の中国・劉暁波氏への授賞は、世界最大の人口と第2の経済力を抱える大国・中国との全面対決というこれまでにない性格を持つ。
 民主主義・人権の尊重という欧米中心に育ってきた価値観は、台頭する中国の国家主導・成長重視の価値観の挑戦を受けているとも指摘される。そして今回の授賞式には、中国の呼びかけに応じて17カ国が欠席した。
 ノーベル平和賞は冷戦時代、共産主義陣営に対する西欧の価値観を代弁する要素があった。冷戦終了後、そうした傾向は弱まった。しかし、ここにきてまた「欧米の価値観」の主張する政治性が強まる感じもする。

 【経済動向】 経済・市場の動きは相変わらず急速に変わっている。 
 米国では長期金利が上昇。それに合わせて住宅ローンなどの金利も上昇している。オバマ大統領が野党共和党と減税の延長で妥協。財政赤字拡大の読みからだ。
 中国ではインフレ懸念が強まっている。11月の物価は5.1%上昇(9日)。主要70都市の不動産価格は、前月比0.3%、前年同月比7.7%上昇した。人民銀行は10日、預金準備率を0.5%引き上げた。今年7回目。3日の政治局会議では緩和から引き締めに2年ぶりに転換。インフレ警戒が強まっている。

 【経済統合】 EU・インドの首脳会議が10日行われ、FTAの2011年春妥結で合意した。一方、ロシア、ベラルーシ、カザフスタンは統一経済圏を2012年に創設することで合意した。資金や労働力の移動を自由にする。金融危機後、各国は内向きになっているが、個々の国・地域レベルでは経済統合に向けた動きが幅広い。

 【スー・チーさんの軟禁解除後】 自宅軟禁から解放されたミャンマーの反体制活動家、アウン・サン・スー・チーさんがBBCなどのインタビューに出演。ヤンゴン市内で市民との交流も実現した。ミャンマー軍事政権の思惑、今後の反応など未知数の要素を多く抱え、今後の動きが注目される。

◎今週の注目(2010.12.12-18)&当面の注目
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・ウィキリークス問題。サイバー攻撃など制御不能な部分も含め、引き続き激しい動きがありそうだ。
・米減税延長を巡る議会の調整が進む。オバマ政権の求心力にも影響する。
・タイがバンコクとその周辺の非常事態宣言を解除する。14日の閣議で決定する。同国政府は4月、反政府運動の高まりの中で非常事態を宣言していた。しかし、宣言解除で政局が安定するかどうかは不透明だ。

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2010年12月 5日 (日)

◆Wikileaks(2)暴露情報が示す世界情勢 2010.12.4

 今回暴露された情報には驚くようなものは少なかった。それでも、噂話を裏付けるものは多いし、「そうだったのか」とひざを打つ情報も少なくない。世界を見る上での「補助線」として、貴重な材料だ。
 目に留まったものを羅列する。

▼世界の動き

・サウジ国王が米国に対し、イランの核開発阻止のため各施設を攻撃するように依頼していた。
・イスラエルも同様にイラン核施設攻撃を働きかけた。
・イランが北朝鮮から中距離ミサイル19基購入。
・ロシアはマフィア国家。
・パキスタンの核施設から核流出の懸念。テロより内部犯行の恐れ。
・北朝鮮は金正日の死後2‐3年で崩壊するとの見方。米韓協議で示され、対応を協議。
・中国は6カ国協議に真剣に取り組んでいないとの認識が示された。
・中国政府がグーグルへのサイバー攻撃を指示。
・米がスロベニアにグアンタナモ収容者の受け入れを要請。見返りはオバマ大統領との首脳会談。
・キリバスにも同様の要請。見返りは数百万ドルの援助。
・米国外交官が国連職員のカード番号取得などスパイ活動をしている。

▼世界の指導者評(米大使館の評価)

・ロシア双頭はプーチン=バットマン、メドベージェフ=ロビン。
・サルコジは気難しい権威主義者。
・メルケルはリスクを避け創造性に欠ける。
・カルザイは事実を直視できない。きわめて弱い男。
・アフマディネジャドはヒトラー。

2010.12.4

◆Wikileaksの投げかけた問題 2010.12.4

 Wikileaksが米外交機密文書を公表。世界に衝撃を与えている。ネット時代の政府とメディアの関係、政府による情報規制の是非、安全保障など多くの問題を投げかけている。

▼今年3回目の公開

 今回のWikileaksが公開したのは、米国の外交機密文書25万点。11月29日から公開を始めた。それに先立ちNYタイムズや英ガーディアン、独シュピーゲル、仏ルモンド、スペイン・パイスなどに提供。これらの新聞が報道した。米WSJは提供を断った。

 Wikileakは7月にアフガン機密文書を大量に公開。10月にも情報公開をしている。今回の公開は今年3回目。

 Wikileakは2006年に、豪州の元ハッカーであるジュリアン・アサンジ氏が設立。世界の人権活動家などが協力している。独裁国家や企業犯罪などの情報公開も目指しているが、結果的に今年に入り米国の機密文書公開が目立っている。

▼米国の反応と国際世論

 米国はすでにFBIがアサンジ氏の捜査を進めている。クリントン米国務長官は29日、リークが国際的な安全保障を損なうと批判した。

 国際的な反応は様々だ。本来国家が公開すべきなのに隠していた情報を公開した点から、Wikileaksを評価する声は少なくない。

 一方、機密情報の中には国家の安全保障や人々の個人情報に関するものも含まれる。Wikileaksの情報リークの基準は明確でなく(あるいは全くないかもしれない)、説明責任を果たしていないとの批判は多い。また、通常のメディアなら所属国の法律の規制を受けるが、Wikileaksが従うべき法も明確でない。

 米NYタイムズは、提供された情報を内容検証した上で報道したと強調する。その上で、クリントン国務長官の批判については「誇張されているようにみえる」と評している。そして、文書は「公開するに値する」と判断。全体的には公開支持の立場だ

 英Financial Timesは国家がメンツを失うことは情報の自由に比べれば意味が無いと公開の価値を認める。また、国家がWikileaksのような活動を防ぐことはできないと断じる。一方で、Wikileaksに対して法の支配の及ばない恐れがあることや、説明責任の不十分なことを問題視。バランスを取った見方だ

▼水面下の戦い--サイバー攻撃

 こうした、ネット時代の国家とメディアの関係(あるいはメディア規制)のような表の議論とは別に、国家対Wikileaksの戦いも始まっている。米国や豪州はアサンジ氏の捜査を続けており、逮捕を目指している。同時に暗殺の動きがあるという情報も流れており、アサンジ氏自身も身の危険を感じていると語っている。

 さらに、Wikileaksのサーバーに大規模なサイバー攻撃がかけられた。攻撃者は不明だが、国の諜報機関であってもおかしくない。また、Wikileaksが一時使用していたアマゾンのサーバーは、アマゾン側が使用を停止した。理由は説明されていない。

 表に出る合法的な論争とは別に、水面下の戦いも行われている。これもネット時代の重要な現実だ。

2010.12.4

2010年49号(11.28-12.4 通算545号)  国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2010年11月28日-12月4日
 

◆ウィキリークスが米機密文書公開(29日)☆☆
・内部告発ウエブサイトのWikileaksは米機密外交文書25万点を公開した。
・北朝鮮崩壊を見越した米韓協議、周辺国からのイラン攻撃要請などの情報がある。
・米大使館が各国主脳を酷評した文書、米外交官のスパイ活動も暴露された
・予想外の情報は少ないが、実際の外交文書なので衝撃も大きい。
・公開に先立ちNYタイムズ、ガーディアンなどに情報提供。各紙は報道した。
・クリントン国務長官は国際社会へのテロと批判。捜査を開始した。
・流出には機密情報公開の利点と安全保障上の懸念の両面があり、評価は割れる。
・創設者のアサンジ氏は豪州人の元ハッカー。現在は居所を変えながら活動中。
・ウィキリークは今年7、10月にもイラク戦争関連文書などを暴露している。
・ネット時代のメディア規制、国家利益との衝突など、新問題を世界に突きつけている。

◆2018年W杯ロシア、2022年はカタール(2日)☆
・サッカーW杯の2018年開催がロシア、22年はカタールに決めた。
・FIFA理事会が決定した。いずれも初開催。
・いずれも国を挙げて、多額の財政を投じて大会を誘致した。
・下馬評では英国、米国が有利と見られていたが、予想を覆した。
・2010年の南アに続き、サッカー市場拡大への影響が決め手になった格好だ。

◆砒素で構成の新生命体発見(2日)☆
・NASAなどの研究グループは従来の生物観を変える新生命体の発見を発表した。
・カリフォルニア州の塩湖に生息する細菌。
・通常生物に不可欠なリンの代わりに猛毒の砒素を使ってDNAや細胞を構成できる。
・リンのない場所でも生物の存在を可能にし、地球外生命体議論に一石を投じる。
・生物はCHNOPS(炭素、水素、窒素、酸素、リン、硫黄)が必須元素と考えられた。
・NASAは事前に「宇宙生物学の発見」を発表と予告。地球外生物かと話題を呼んだ。

◆アイルランド支援正式決定(28日)☆
・EUとIMFはアイルランド向けに850億ユーロの金融支援を正式決定した。
・EUとユーロ圏の財務相会議を開催して決めた。
・しかし同国財政危機の行方はなお不透明が状況が続く。
・欧州各国の経済への懸念も消えず、イタリアやベルギー国債利回りも上昇した。

◆米韓演習で軍事力誇示(28-1日)☆
・朝鮮半島緊張が続く中、米韓は黄海上で共同軍事演習を実施した。
・米空母も参加し、米軍の存在感を誇示した。
・日米も3日から統合演習を開始した。10日までの予定。
・韓国も視察、一部参加の予定で、北朝鮮を牽制する。

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 INCDの採点
  ☆☆☆ 世紀の大ニュース                  
  ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース         
  ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
  無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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◎寸評:of the Week
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 【Wikileaksショック】 Wikileaksが米外交機密文書を公開。世界に波紋が広がっている。報道の自由と国家の安全保障の関係、ネット時代のメディア規制のあり方--問題の広がりは大きい。

 【世界の変化を映すW杯開催地決定】 サッカーW杯の2018年開催地がロシア、2022年がカタールに決まった。事前予測の18年英国、22年アメリカを覆す決定だ。
 今回の決定は事前に買収スキャンダルがあったり、ロシア、カタールの両国が国家ぐるみで膨大な資金を投じて開催を計画する(それぞれ数千億単位と見られる)など、批判もある。
 しかし、より重要なのは、いずれもが初開催の非先進国であること。2010年の南ア大会に続く流れだ。会場整備の問題、気候条件、治安など不安材料を抱えながらも、新市場開拓に賭けるFIFAの意思が伝わってくる。既存の常識に沿った安全運転ではなく、攻めの姿勢と見ることができる。
 日本からの視点では、カタールは本命からは程遠く見られていたのではないか。しかし同国は本気だ。中東で初はもちろん、イスラム国家で初の開催でもある。世界は動いている。
 

 【宇宙生物学上の発見】 NASAが従来の生物変える新発見の発表をした。事前に「宇宙生物学上の発見」(discuss on astrobiology finding)と予告したため、気の早いメディアは「諏訪地球外生物の発見化」と大騒ぎをした。結果は「宇宙人」とは程遠いが、生物学上の重要な発見であることは間違いない。
 生物の6つの必須元素はCHNOPS(carbon, hydrogen, nitrogen, oxygen, phosphonus, sulphur)と呼ばれるが、これも変わってくるのか?いずれにしろ、普段考えている固定観念を超える話で面白い。

 【欧州委員会がグーグル調査】 欧州委員会がグーグルに対し、競走法違反の可能性があるとして本調査に入った。この分野で欧州委員会の権限は絶大。調査の行方次第では、グーグルの世界戦略に影響する可能性もある。要注目。 

◎今週の注目(2010.12.5-11)&当面の注目
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・メキシコのカンクンで開催中のCOP16は閣僚会合に入る。2012年で期限切れの京都議定書に代わる枠組みを協議している。新枠組みは困難で、京都議定書枠組みの延長の是非が目下の焦点。延長反対の日本が孤立している状況だ。閣僚会合でどう議論が進むか。

・エジプト総選挙の決選投票が5日行われる。11月28日の第1回投票で与党圧勝の勢い。これに対し最大野党のムスリム同砲団は、不正があったとして決選投票をボイコットする。選挙後の動向を含め要注目だ。

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