« 2010年1月 | トップページ | 2010年3月 »

2010年2月

2010年2月28日 (日)

2010年09号(2.21-27 通算505号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2010年2月21-27日

◆チリで巨大地震(27日)☆
・チリでM8.8の地震が発生。多大な被害が出た。
・震源地はサンティアゴ南西約300キロ。
・サンティアゴや近郊では建物や道路が崩壊。国際空港は封鎖された。
・詳細は不明だが今後被害が拡大しそう。国際社会も援助の態勢に入った。

◆ギリシャでゼネスト(24日)☆
・ギリシャ全土で主要労組によるゼネストが行われた。約300万人が参加した。
・学校や銀行が閉鎖。アテネでは航空や鉄道など交通網がマヒし、混乱が広がった。
・政府が表明している歳出削減や増税に反対する示威行為。
・同国は昨年10月の政権交代後、前政権の財政統計改ざんが発覚。財政危機に陥った。
・パパンドレウ政権は財政再建計画を作成。財政赤字のGDP比13%→2013年3%を目指す。
・しかし国民の抵抗は強く、行方は不透明だ。
・ギリシャの財政危機はユーロ不安を引き起こしている。

◆トヨタ安全問題で米下院公聴会(24日)☆
・米下院の監視・政府改革委員会はトヨタ自動車の安全問題で公聴会を開催した。
・豊田章男社長らを証人に招いた。
・豊田社長はリコールに至った問題を陳謝。再発防止への取り組みを約束した。
・電子制御に問題があったかは、現時点では否定している。
・公聴会で結論が出たとは言い難く、信頼回復には時間を要しそうだ。
・今後も上院委員会が公聴会を開催するなど、動きはなお続いている。
・トヨタの安全が再注目ビジネスニュースの1つである状況が続く。

◆オランダ連立政権崩壊、アフガン撤退巡り ☆
・オランダの連立政権がアフガニスタン派兵延長を巡り崩壊した。
・同国政府は23日、6月9日に総選挙を実施すると発表した。
・現政権は中道キ民勢力、左派労働党などの連立で2007年に発足した。
・同国は昨年、労働党など提案で今年8月にアフガンからの撤退を決定。
・しかしバルケネンデ首相はNATOの要請などを受け撤退から延長を模索していた。
・これに労働党が反発し、連立離脱を決定。撤退延期は困難になったとみられる。
・同国はアフガン南部に約2000人を派遣している。
・オバマ米大統領は昨年末3万人増派を決定。NATOも7000人増派を目指している。
・オランダの動向は、国際社会のアフガン戦略に影響する。

◆欧州委、グーグルを独禁法で予備調査(23日)
・EUの欧州委員会はグーグルを独禁法違反容疑で予備調査を始めた。
・グーグルが公式ブログで明らかにした。
・欧州のネット関連会社3社による苦情申し立てに基づく。
・グーグルが検索順位付けでライバル会社が不利になるようにしたなどの苦情。
・独禁法はEUが重視している政策の1つ。マイクロソフトとも長年係争を続けた。

 ─────────────────────────────
 INCDの採点
  ☆☆☆ 世紀の大ニュース                  
  ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース         
  ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース新大統領  
  無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ─────────────────────────────
 

◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 【チリ地震】 チリで27日M8.8の地震が発生。詳細情報はまだ入っていないが、映像で見る限り倒壊した建物や道路など、被害は深刻だ。先のハイチ地震の記憶も新しいところに再度の災害。国の統治の姿や国際支援のあり方を考えさせられる機会も多そうだ。

 【継続案件】 ここ数週間の関心事を挙げれば、アフガン情勢、経済の出口戦略を巡る動きは、ギリシャ問題、米オバマ政権(医療制度改革、中間選挙をにらんだ動き)、トヨタの安全問題など。比較的継続案件が多い。

◎今週の注目(2010.2.28-3.6)&当面の注目
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・アイスランド国民投票が3月6日に行われる予定。2008年の金融危機で同国の銀行が破綻した際、英蘭政府が自国からアイスランドの銀行に預金していた預金者を救済した。両国政府はその救済金の返済をアイスランドに求めている。アイスランド政府は返済の方針を決めたが、大統領が法案の署名を拒否。国民投票に委ねられる。小国アイスランドにとって返済負担は巨大。しかし、返済拒否となれば同国の国際金融市場での信用は地に落ち、将来のEU加盟も遠のく。意味の大きい国民投票になる。

・中国の全人代が5日から。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 incd-club は国際問題に関係する内外のジャーナリストやビジネスマンらのグループです。「国際ニュース・カウントダウン」は、世界のニュースから週刊単位でベスト5を選び、解説したもの。日本のメディアの報道とは異なる視点から、面白くかつ分かりやすく地球を鳥瞰しています。
 ブログは毎週発行のメールマガジンを元に作成しています。

 ------------------------------------------------
 メールマガジンの登録変更・解除は次のアドレスから。(『まぐまぐ』を利用)。
 http://www.mag2.com/m/0000056121.htm
 ------------------------------------------------

 Copyright(c) 2010 INCD-club

2010年2月21日 (日)

2010年08号(2.14-21 通算504号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2010年2月14-21日

◆米、原発建設30年ぶり再開、政府が保証(16日)☆
・オバマ大統領は原発建設の資金に政府保証をすると発表した。
・対象はジョージア州に建設される2基。
・地球温暖化対策と雇用創出が狙い。
・米原発建設は1979年のスリーマイル島事故以降停止。30年ぶりの再開になる。
・大統領は近く他の案件にも政府保証をする見通しを示した。
・世界的な原発建設再開の動きが加速する可能性がある。

◆米、公定歩合上げ、出口戦略一歩(18日)☆
・FRBは公定歩合を0.5%→0.75%に引き上げると発表した。
・米公定歩合は銀行などに貸し出す金利。金融政策の方向感を示す。
・最重要政策金利のFF金利誘導目標は0-0.25%。それとの差が拡大する。
・金融危機後の非常時金融政策からの「出口戦略」の一歩になる。
・米企業の2009年10-12月の決算は、07年4-6月期以来2年半ぶりの増益になった。

◆トヨタ社長、公聴会に出席(19日)☆
・米下院の監視・政府改革委員会の公聴会に24日トヨタの豊田社長が出席する。
・議会が18日に要請。豊田社長が19日出席を表明した。
・米安全局は18日、カローラのパワステの安全性についても調査を開始した。
・トヨタはアクセル問題で米欧中で約700万台のリコールを実施。
・プリウスのブレーキについても日本でリコールを開始した。
・米国ではトヨタの安全性への信頼が低下。対応への批判も強まっている。

◆米大統領がダライ・ラマと会談(18日)
・オバマ大統領がダライ・ラマ14世と会談した。
・大統領はチベットの人権擁護を支持すると述べた。
・ただ、会談写真を配布しないなど中国への配慮も示した。
・米大統領との会談は2007年のブッシュ前大統領以来。
・中国は反発。軍事協力の停止などを表明している。

◆米、シリアに大使復帰(16日)
・オバマ大統領はシリア大使にイラク首席公使のフォード氏を指名した。
・米は2005年にシリア大使を召還しており、5年ぶりの復帰になる。
・ハリリ・レバノン首相の暗殺にシリアが関わっていたとした決定だった。
・中東和平の包括的な推進やイラン包囲網の強化などを狙った措置と見られる。

 ─────────────────────────────
 INCDの採点
  ☆☆☆ 世紀の大ニュース                  
  ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース         
  ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース新大統領  
  無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ─────────────────────────────
 

◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 【テロ掃討正念場】 前週(13日頃)から始まった米軍などによるアフガニスタン南部でのタリバン掃討作戦が続いている。過去数年で最大規模の国際治安支援部隊(ISAF)の司令官は18日、治安確保まで1カ月程度かかるとの見通しを発表した。一方、パキスタン陸軍は17日、タリバンのナンバー2のバラダル師を拘束したと発表した。今週は節目のニュースがあったわけではないのでトップ5には入れてないが、目下の世界の最大級関心事だ。

◎今週の注目(2010.2.21-27)&当面の注目
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・米議会の公聴会にトヨタ自動車の豊田章男社長が24日出席する。社長力が問われ、問題の今不後の行方にも影響する。
・ウクライナのヤヌコビッチ新大統領が25日就任。どんなメッセージを打ち出すか。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 incd-club は国際問題に関係する内外のジャーナリストやビジネスマンらのグループです。「国際ニュース・カウントダウン」は、世界のニュースから週刊単位でベスト5を選び、解説したもの。日本のメディアの報道とは異なる視点から、面白くかつ分かりやすく地球を鳥瞰しています。
 ブログは毎週発行のメールマガジンを元に作成しています。

 ------------------------------------------------
 メールマガジンの登録変更・解除は次のアドレスから。(『まぐまぐ』を利用)。
 http://www.mag2.com/m/0000056121.htm
 ------------------------------------------------

 Copyright(c) 2010 INCD-club

2010年2月14日 (日)

◆ギリシャ財政問題とEU統合の行方 2010.2.13

 EUの臨時首脳会議が11日開かれ、ギリシャ財政問題を討議した。財政悪化は直接的にはギリシャの問題だが、ユーロ圏の経済を揺るがしかねない。さらには「金融政策は統合しても経済・財政政策はバラバラ」というEU通貨統合の持つ抜本問題を改めて突き付ける。事態の推移いかんでは、EU統合の将来にも影響しかねない。

▼粉飾財政

 ギリシャの財政問題が表面化したのは昨年末。10月の総選挙で政権の座に就いた中道左派PASOKのパパンドレウ首相が、前政権の統計に粉飾があったと発表。2009年の財政赤字はGDP比で12%以上に上ることを明らかにした。

 同首相は12月14日に財政再建案を発表。社会福祉の切り下げなど支出削減で2013年までに赤字を3%に減らす意向を示した。しかしこの計画に既得権を削られる国民は反発。2月には数十万人が参加するデモを展開した。財政再建の行方は不透明だ。

▼ユーロ圏に波及

 こうした状況に市場は敏感に反応。ギリシャ国債の利回りは大幅に上昇した。

 だが問題はギリシャにとどまらない。これを契機にスペインやポルトガル、イタリアなどの財政悪化への懸念も表面化。ユーロ圏全体の信用力が悪化した。ユーロの相場はドルなどに対し今年に入り10%近く下落した。1月下旬からの国際的な株安の引き金にもなった。

 今月上旬のカナダでのG8財務相・中銀総裁会議でもギリシャ問題が議論されたが、まずEU(ユーロ圏)が責任を対応することになった。それだけに今回の首脳会議は注目された。

▼支援に政治的メッセージ・具体策はなし

 首脳会議の声明は、ユーロ圏導入国がユーロの安定のために「必要なら断固とした協調行動をとる」とし、ギリシャ支援の政治的メッセージを打ち出した。しかし具体的な支援策などについては触れていない。

 ユーロ圏全体の安定は守らなければならない。しかし、ギリシャに安易な支援を期待されてモラルハザードを引き起こしては困る。歯切が悪い理由もここにある。

 サルコジ仏大統領は今後、ギリシャの計画遂行を毎月監視すると強調。着実な改革実行を求めたが、行方は読めない。

▼通貨統合発足以来の問題

 今回のギリシャ問題は当面の課題とは別に、通貨統合発足以来の構造的問題をも再び表面化させた。

 通貨統合でユーロ圏の金融政策は統合されたが、各国の財政政策や税制、経済政策などはバラバラ。同一国内なら発展の遅れた地域を公共事業で支援するなどの対策が可能だが、別々の国ではそれにも限界がある(EUとしての構造基金などはあるが規模は限られている)。域内の特定国の経済が悪化した場合にどう対応するかは、通貨統合前から指摘された根本問題なのだ。

 通貨統合実現後の10年間、幸運にもこの構造的矛盾がユーロ圏の存亡を揺るがすような問題として表面化することはなかった。それがギリシャ問題で浮上した格好だ。

▼ルール不在

 もう一つ深刻なのは、金融危機後の財政出動でユーロ圏の財政規律ルールが破られ、有効に機能しない状況になっていることだ。

 ユーロ圏ではユーロ参加の条件として財政赤字をGDPの3%以内に収めることを求め、違反した場合にはその国からEUに課徴金を課すなど強い縛りを定めてきた。しかし2009年は金融危機脱出のため各国とも多額の財政出動を実施。違反した場合の「罰金」も意味を成しにくくなっている。

 そもそもギリシャの財政状態では、今後「罰金」を求めようにも支払い能力はない。かといって罰則不在では財政再建計画実施に圧力をかける策も見えない。実に悩ましい状況だ。

▼シナリオ

 ギリシャが「EUの支援」を背景に財政再建計画を実現できればいい。しかし、事態が期待通りに進むと見るのは、いかにも楽観的すぎる。市場ではすでに様々なシナリオを描き、色々なポイントを注目する。

 まず注目されるのは、ギリシャの国債償還期限。返済できずにデフォルトになれば、経済は混乱し、ユーロ圏経済の信用は大きく損なわれる。デフォルト回避の融資が必要になった場合、EUが支援するかIMFが支援するのかも注目の的だ。

 さらにギリシャの財政改善が思うように進まない場合はどうなるのか。ユーロに参加しているギリシャは、インフレを覚悟して自国通貨を勝手に発行することもできない(この点は自国でお金を刷れる日本などとは違う)。国債発行で資金調達できなけば、政府は財政破綻し、年金も公共事業のお金も払えない事態にもなりかねない。そうなれば失業率の大幅上昇→政治不安、というシナリオも現実味を帯びる。

▼EU統合への影響

 市場の一部からは、「ギリシャのユーロからの離脱」シナリオも出ている。そんな事態にはならないようにEUは色々知恵を絞っているのだろうが、先行きは極めて読みにくい。

 ギリシャ国民はまだ、「本当に困ったらEUが財政出動などで支援くれるだろう」と甘得ているようにも見える。だがそんな事をしたらEU経済の弱体化は必至で、ユーロの信用性は地に落ちる。EUとしても感受できるものではない。
 
 ギリシャ問題は、当面市場や欧州経済を揺るがす材料だ。しかしより本質的には、「歴史的実験」であるEU通貨統合やEU統合そのものの行方を問う試金石だ。この観点からの観察が欠かせない。

2010.2.13

2010年07号(2.7-13 通算503号) 国際ニュース・カウントダウン

国際ニュース・週間カウントダウン: 2010年2月7-13日
 

◆ウクライナ大統領にヤヌコビッチ氏(7日)☆
・大統領選決選投票が実施され、親ロ派のヤヌコビッチ前首相が当選した。
・親欧米派のティモシェンコ首相を僅差で破った。
・新大統領は悪化したロシアとの関係改善や経済再建に力を注ぐ方針。
・2004年のオレンジ革命以降の親欧米路線は転換点を迎える。
・ユーシェンコ現政権下では親欧米派と進路派の対立などで政治が混乱。
・ロシアとの関係悪化によるガス停止等もあり。09年経済はマイナス15%と悪化した。
・ただティモシェンコ氏は選挙後も敗北を認めず、政治対立の行方は不透明。
・対ロ関係改善の一方で、欧米や国際社会の経済協力も欠かせず、舵取りは簡単でない。
・同国の行方は欧ロ関係など欧州の枠組みにも影響を与える。

◆EU首脳会議、ギリシャ支援を表明(11日)☆
・EUは臨時首脳会議を開催。ギリシャの財政再建支援で合意した。
・声明は「必要なら断固とした協調行動とる」とのメッセージを発した。
・ただ、具体的な支援策にまでは言及しなかった。
・EUは今後毎月ギリシャの計画遂行を監視する方針。
・ギリシャでは昨年末、過去の財政赤字を粉飾していたことが発覚。
・その後財政改善計画を策定したが、国民がデモなどで抵抗。行方は不透明だ。
・問題はユーロ圏全体の信用にも及びかねず、国際市場の波乱要因になっている。
・当面は同国支援の政治メッセージを出したが、行方はなお波乱含みだ。

◆バンクーバー五輪開幕(12日)☆
・第21回冬季五輪がバンクーバーで開幕した。
・冬季五輪として最多の82カ国・地域が参加。7競技86種目で争われる。
・今後2週間、世界の注目が集まる。

◆NATOがアフガンで掃討作戦(13日)☆
・NATOとアフガン政府軍は南部ヘルマンド州でタリバン掃討作戦を開始した。
・米英など1万5000人が参加。アフガン紛争開始以来最大規模という。
・事態の推移如何では、今後のアフガン情勢に大きな影響を与える。
 
◆イランがウラン濃縮発表(11日)
・アハマディネジャド大統領は濃度20%のウラン製造に成功したと述べた。
・11日の革命記念日(31年目)の演説で、数十万人の政府支持者を前に語った。
・80%以上に高める能力を持つとも語った。核爆弾製造に必要な90%に近づく。
・イランは9日から中部ナタンツの施設で低濃縮ウラン(3.5%)からの濃縮に着手した。
・大統領は軍事利用を否定しているが、米欧の警戒が強まるのは確実。
・核問題を巡る駆け引きの一環だが、重要な節目に数えられる。

 ─────────────────────────────
 INCDの採点
  ☆☆☆ 世紀の大ニュース                  
  ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース         
  ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース新大統領  
  無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ─────────────────────────────
 

◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

◆冬季五輪の愉しみ方
 カルガリーの冬季五輪が始まった。五輪はもちろん競技を楽しみ、一時的に愛国的になって応援するもの。だがそれだけではない。五輪が垣間見させる国際情勢や政治学も面白い。
(1)国の形:カルガリー五輪の開会を宣言したのはカナダ総督。音楽はカナダ国歌の前に英国国歌が流れた。世界は単純な国民国家だけで成り立っているものではない。そんなことを改めて感じさせた(日本人だと感じない人も多いだろうが)。
(2)国を捨てて:五輪代表になるために他国の国籍を取得する選手は少なくない。ロシア国籍を取得した日本のフィギアスケーターもいる。グローバル化の時代、生まれた国に縛られない。
(3)国威発揚:北京五輪のように途上国の場合はどうしても国威発揚の色彩が前面に出る。2016年のリオ五輪は南米初が特徴。しかし、先進国の場合は、最近では環境配慮やコンパクト化が重視される。
(4)先住民への配慮:2000年のシドニー五輪もそうだったが、今回も前面に出した。世界的に1つの潮流になっている。
(5)選手1人:今回五輪参加国・地域は82で史上最高。しかし夏季の北京五輪(2008)に比べると半分以下。しかも参加者1人の国が結構多かった(エチオピアなど)のは印象的。そうした人は欧州や米国留学の人が多く、これもグローバル化の一面を映している。
 色々楽しまなければ、という精神で観戦したい(^^)

◆旧正月
 中国、韓国などアジア諸国は13日から旧正月に入った。19日ごろまで。この間帰省、観光など民族大移動がみられる。イスラム圏のラマダンもそうだが、世界は複数のカレンダーで動いている事を常に意識すべし。

◎今週の注目(2010.2.14-20)&当面の注目
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・ダライ・ラマ14世が米国を訪問。18日にホワイトハウスでオバマ大統領と会談する。中国は反発、取り消しを求めている。グーグル問題、台湾への武器売却で緊張が高まった米中関係が、一掃微妙になる可能性がある。ちなみに米中関係は現在4T(チベット、台湾、トレード、テクノロジー)が焦点。
・EUは15-16日に財務相会合を開催。EU首脳会議を受けてギリシャの財政問題を協議する。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 incd-club は国際問題に関係する内外のジャーナリストやビジネスマンらのグループです。「国際ニュース・カウントダウン」は、世界のニュースから週刊単位でベスト5を選び、解説したもの。日本のメディアの報道とは異なる視点から、面白くかつ分かりやすく地球を鳥瞰しています。
 ブログは毎週発行のメールマガジンを元に作成しています。

 ------------------------------------------------
 メールマガジンの登録変更・解除は次のアドレスから。(『まぐまぐ』を利用)。
 http://www.mag2.com/m/0000056121.htm
 ------------------------------------------------

 Copyright(c) 2010 INCD-club

2010年2月 7日 (日)

2010年06号(1.31-2.6 通算502号) 国際ニュース・カウントダウン

◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2010年1月31-2月6日

◆米国防計画、2正面戦略破棄(1日)☆
・米国防総省は4年ごとの国防計画見直しを発表した。
・従来戦略の基本だった2正面戦略を事実上破棄したのが最大の特徴。
・同戦略は世界の2か所で発生する紛争に同時に対応するもの。冷戦後の戦略の基本だった。
・代わってサイバー攻撃な中国の軍事力拡大など多様な脅威への対応を基本に据えた。
・アフガンやイラク戦争、紛争防止なども重要課題として打ち出した。

◆米予算教書(1日)☆
・オバマ大統領は議会に予算教書を提出した。
・2010年度(10年10月まで)の財政赤字は1.55兆ドルと史上最高。GDP比は10.6%。
・2011年度は1.27兆ドルに減るが3年連続で1兆ドルを突破。GDP比は8.3%の見込み。
・不況で歳入が減少。景気・雇用対策の歳出が膨らむため。
・2011年度の国防費は7082億ドルと史上最高。対テロ戦費は1593億ドルに膨らむ。
・再生再建に、2015年度に基礎収支均衡の目標を掲げたが、先行きは不透明だ。

◆トヨタの品質問題が拡大 ☆
・トヨタ自動車のリコール問題が深刻化している。
・豊田社長は5日会見し、プリウスのブレーキ不具合問題について陳謝した。
・同車についてリコールを発表するとの報道も流れている。
・昨年にはアクセルの不具合が発覚。欧米中国で計700万台のリコールを発表した。
・収益への影響はアクセルだけで1700-1800億円になる見通し。
・一連の対応を巡っては、欧米メディアや世論から厳しい批判が出ている。
・今後の対応いかんでは、世界No1自動車企業トヨタの信頼性を揺るがしうかねない。

◆G7蔵相・中銀総裁会議、非公式化(5-6日)☆
・G7の蔵相・中銀総裁会議がカナダ北部のイカルイトで開かれた。
・従来発表してきた共同声明はなし。議長国カナダ蔵相の総括会見で締めくくった。
・今後は対外メッセージ発信重視から緊密な意見調整の場としての性格を強める。
・世界の経済・金融政策調整の枠組みはG20創設などでの変化。G7の役割も変わっている。
・会議はオバマ米大統領の新提案などを受けた金融規制などを議論。
・景気刺激の継続と非常時財政からの出口戦略なども話し合った。

◆オバマ大統領が米EU首脳会議欠席(1日)
・オバマ米大統領は5月に計画されていた米EU首脳会議に出席しないと発表した。
・首脳会議は毎年恒例。今年はマドリッドで開催を予定していた。
・内政重視に加え、米外交政策における欧州の優先度低下を指摘する向きが多い。

 ─────────────────────────────
 INCDの採点
  ☆☆☆ 世紀の大ニュース                  
  ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース         
  ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース新大統領  
  無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ─────────────────────────────
 
◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

◆世界の軍事情勢
 世界の軍事戦略の方向を示す政策や分析の発表が相次いだ。
 米国防総省は4年ぶりの国防計画を発表。冷戦後の基本戦略だった2正面戦略を事実上廃し多様な脅威への対応を基本に据えたのが最大の特徴だ。
 その上で、アフガンやイラク、核拡散など当面の具体的課題を重視する姿勢を示した。一方、中国は最大の潜在的脅威として位置付けている。
 英国際戦略研究所(IISS)は3日、ミリタリーバランス2010を発表した。中国の軍の軍事拡大(軍の近代化、予算の拡大など)に焦点を当てた。
 ロシアのメドベージェフ大統領は5日、新軍事ドクトリンを発表した。2000年以来の見直し。この中で、紛争防止の手段の一つとして核兵器の重視を変えない姿勢を示した。NATOの東方拡大や米国のミサイル防衛計画への警戒も解かなかった。
 世界の軍事戦略、安全保障の枠組みの変化を映し出している。

◆トヨタの危機
 トヨタの品質問題が世界的な問題が深刻化している。昨年のアクセル関連のリコールに続いて看板車プリウスのブレーキ問題が表面化。しかも問題発生時の対応への批判が重なり、イマージは急速に悪化している。4日に10-12月決算発表とプリウス問題の会見が担当役員によって行われた時も、「なぜ社長が会見しないのか」という批判が噴出した(社長はよく5日に会見)。
 トヨタ=高品質もイメージも損なわれかねない。そうなれば危機は一過性でなくなる。
 海外メディアの報道も個別ケースとしてではなく、会社の問題としてとらえるようになっている。米WAJはA Crisisi Made in Japanと報道。英FTはトヨタの長期の上昇が突然ストップ(Toyota's king climb comes to an abrupt halt)と報じている。
 今後の展開から目を離せない。

◎今週の注目(2010.2.7-13)&当面の注目
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・ウクライナ大統領選の決選投票が7日。ヤヌコビッチ前首相とティモシェンコ首相の争い。開票を巡る混乱もあるかもしれない。
・EUが11日に臨時首脳会議を開催する。ファンロンパイ"EU大統領"(首脳会議常設議長)を迎えての初の首脳会議だが、注目はギリシャなどの財政問題。国際市場ではこのところ財政悪化懸念の拡大⇒ユーロ安が続いており、市場の不安定要因になっている。ギリシャは昨年福祉削減など財政健全化計画を打ち出したが、国民のデモなどで先行き不透明だ。
・コスタリカ大統領選が7日。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 incd-club は国際問題に関係する内外のジャーナリストやビジネスマンらのグループです。「国際ニュース・カウントダウン」は、世界のニュースから週刊単位でベスト5を選び、解説したもの。日本のメディアの報道とは異なる視点から、面白くかつ分かりやすく地球を鳥瞰しています。
 ブログは毎週発行のメールマガジンを元に作成しています。

 ------------------------------------------------
 メールマガジンの登録変更・解除は次のアドレスから。(『まぐまぐ』を利用)。
 http://www.mag2.com/m/0000056121.htm
 ------------------------------------------------

 Copyright(c) 2010 INCD-club

« 2010年1月 | トップページ | 2010年3月 »

2019年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
無料ブログはココログ

ウェブページ